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Azure Net AppFiles(ANF)とは?仕組みやメリット・価格を解説

Microsoft社が提供するAzureは、豊富なストレージサービスを展開していますが、その中のひとつにAzure Net AppFilesがあります。2019年5月から提供されたAzure Net AppFilesは、Net App社のONTAPが搭載されており、オンプレミスと同様の性能をAzure上で実現できます。

今回は、Azure Net AppFilesの概要やメリット・価格を解説します。Azureで認知度が高いAzure Filesとの比較も紹介していますので、自社の課題にはどちらが最適なのか、検討材料にしてください。

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1.Azure Net AppFiles(ANF)の特徴

Azureでは、用途や特徴が個々に異なるストレージサービスを提供しています。

この章では、Azure Net AppFilesの概要や誕生の背景・仕組みについて解説します。

1-1.Azure Net AppFiles(ANF)とは

Azure Net AppFilesは、Net App社のONTAPが搭載されたAzureのPaaS型のストレージサービスです。

Net App社とはアメリカにあるストレージベンダーで、オンプレミス用のストレージ製品を販売・提供している会社です。今ではAzureだけでなくAWSなどでも製品の共同開発などを行っています。

Net App社では、ONTAPというオリジナルのストレージOSを開発し販売製品で使用しています。LinuxやNetBSDを元にして開発されたONTAPは、多くの機能や拡張性が高い商品として人気があり、異機種混在環境であってもストレージ環境をまとめられるといった特徴があります。

実際にAzure Net AppFilesではNet App社のONTAPが搭載されているため、オンプレミスと変わらない性能をクラウドで使用できます。

1-2.ANF誕生の背景

Azure Net AppFilesは、2019年に誕生しました。

もともとNet App社とMicrosoft社は20年以上の長い付き合いがあり、さまざまな商品で強力提携しています。

Microsoft社では、オンプレミスのような高いパフォーマンスがあるサービスが欲しいと、お客さまより要望が以前からありました。そこで、Net App社のONTAPをAzure内で実装させる商品を共同開発したのがきっかけです。

プレビューモードでは100社以上に企業からフィードバックをもらい、開発をつみかさねてできたAzureの主力商品といえます。

1-3.ANFの仕組み

Azure Net AppFilesは、PaaSにあたります。

Azureのデータセンター内にNet Appのベアメタルストレージが実装されており、Azureポータルから設定・運用管理ができます。

利用方法として、Azure Net AppFiles内に専用のCapacity Poolを作り、そこからVolumeを切り出して使います。Capacity Poolとは、Azure Net AppFiles内で専用に保管するストレージのプールで最小単位が4TiBです。Volumeが実際に使用者へ提供されるストレージ量となります。Volumeの最小単位は100GiBで、必要な分のみ使って払う従量課金です。

2.Azure Net AppFilesとAzure Filesの違い

Azure Net AppFilesとAzure Filesは、どちらもフルマネージド型のサービスでよく似ています。違いのみをまとめた表を見てみましょう。

Azure Net AppFiles Azure Files
最小のボリュームサイズ 全て100GiB premiumのみ100GiB
ボリューム最大値 500TiB 100TiB
パフォーマンスアップやダウン
ストレージバックエンド Net Appメタルストレージ HDD
パブリックIPアドレスでアクセス可否

Azure Net AppFilesでは柔軟性が高くパフォーマンスアップ・ダウンが容易にできますが、Azure Fileではサービスがありません。次の章では各サービスが適しているケースを紹介しますので、参考にしてください。

2-1.Azure Net AppFilesが適しているケース

Azure Net AppFilesは以下のケースで適しています。

  • Net Appのオンプレミス環境を使用していて、移行を考えている
  • オンプレミス同様の、高パフォーマンスを求めている
  • 高度なONTAP機能を求めている
  • ユーザープロファイルの格納を検討している
  • 冗長性やセキュリティを強化したい

たとえば、花王ではSQL ServerからHANAデータベースへ移行した際、冗長性や信頼性を担保する仕組みをどう構築するか検討した結果、稼働率のService Level Agreementが99.99%だったためANFを採用しています。

結果、可用性を高めてコストを下げることに成功しました。

2-2.Azure Filesが適しているケース

Azure Filesは、以下のケースの場合に適しています。

  • Windowsサーバーを使用している
  • 各地域での可用性が必要
  • 柔軟なデータアクセスを必須としている

たとえば沖縄美ら島財団では、11拠点にオンプレミスのファイルサーバーがあり仮想マシンに統合しようと検討し、拡張性や災害対策の良いAzure Filesを採用しています。

Azure Filesを導入したことで、拡張性はもちろん柔軟性もでて管理を楽にすることができました。

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3.Azure Net AppFilesのメリット

Azure Net AppFilesを使用するメリットは、以下の5つです。

1.高いパフォーマンスの実現

2.ストレージ管理の簡素化

3.99.99%の可用性

4.大規模なSAPシステムの高性能で構築できる

5.強固なセキュリティ

順番に解説します。

3-1.高いパフォーマンスの実現

業界トップともいえるNet App社の技術を使用している為、パフォーマンスの高さが魅力です。

NFS4.1のプロトコルがサポートされているため、要求が厳しいLinuxも移行できます。そのほか前章の活用例で紹介したHANAでも使用できるほか、AVSへの移行・VDI環境の構築など様々なシーンでもより高いパフォーマンスを実現できます。

パフォーマンスレベルは3つあり「Standard」「Premium」「Ultra」から選べます。

Standardはバックアップ用や静的コンテンツに使用され、Premiumは、データベースやエンタプライズアプリ分析などに使用可能です。

Ultraになると、遅延できないようなアプリでも使用できます。プランは適宜変更が可能なため、使用している用途に合わせたパフォーマンスレベルを設定しましょう。

3-2.ストレージ管理の簡素化

ストレージ管理の簡素化も、メリットとして挙げられます。Azureポータルから簡単に管理ができるため、数分で設定や変更が可能です。

また、複数のファイル共有プロトコルがサポートされているので、Azure Net AppFilesだけでまとめられるのも良い点です。そのほか移行の際に、コーディングも不要なのでより簡単にデータ移行が可能です。

3-3.99.99%の可用性

Azure Net AppFilesは99.99%の可用性をもっており、長期的に保管・運用が可能なのも魅力です。

HIPPAやGDPRなどの業界認定基準にもクリアしており、移行を安心・安全に行えます。長期的に運用できるため、検討しているなら早めに導入したほうがメリットとなるでしょう。

3-4.大規模なSAPシステムも高性能で構築できる

Azure Net AppFilesでは、NFSv4.1をサポートしているため大規模なSAPシステムも構築可能です。

SAP HANAをデータベースとして利用している企業は多く、また大規模なものも多数ありますが、全て構築できます。

SAP HANA SnapshotとAzure Net AppFilesのSnapshotは相性が良く、バックアップイメージなども瞬時に取得でき、より効率よくデータを活用できるようになります。

3-5.強固なセキュリティ

Azure Net AppFilesでは、セキュリティも万全です。

データの暗号化はもちろん、関係者が必要なものだけにアクセスできるロールベースアクセス制御も備わっています。データの暗号化は、通常単一暗号化で問題ありませんが、より強固なものにしたい場合は二重暗号化も可能です。

ただし二重暗号化は、東日本ではできますが西日本では使用出来ないため注意しましょう。

またAzure Active Directory認証も使用できるため、階層ごとにドメインを作り管理も可能です。

物理的なデータセンター自体もセキュリティが万全で、世界各地にいる3,500人のサイバーセキュリティ専門家が管理をしているため、より安心してデータ管理ができます。

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4.AzureNetAppFilesの価格

Azure Net AppFilesの価格は、プロビジョニングされた容量に応じて1時間あたりで課金される従量課金制です。

前章の「高いパフォーマンスの実現」で触れたパフォーマンスプランによって価格が変わります。

1ヶ月あたりの価格
<単一暗号化>
1ヶ月あたりの価格
<二重暗号化>東日本のみ
Standard Storage $0.17666/GiB/月 $0.25404/GiB/月
Premium  Storage $0.35259/GiB/月 $0.50808/GiB/月
Ultra Storage $0.47085/GiB/月 $0.6862/GiB/月

※全て2023年8月時点、東日本の価格です。

そのほかリージョン間レプリケーションをする場合や、バックアップ・復元をする場合追加で料金が発生します。詳しくは公式サイトの価格表をご確認ください。

5.Azureのストレージサービスを導入するならぜひNTT東日本にご相談ください

Azureのストレージサービス導入を検討している方は、ぜひNTT東日本のクラウド導入・運用サービスをご活用ください。Azureの有資格者であるプロが中立的な立場で、課題の解決策をご提案します。特にAzure Filesの導入を希望される場合は、設計はもちろん構築や運用・保守までワンストップで切れ間なくサポートしますので、安心してデータのクラウド化が可能です。

150社以上の実績を持つ、NTT東日本にぜひお問い合わせください。

NTT東日本・クラウド導入・運用サービス

6.まとめ

Azure Net AppFilesは、Net App社のONTAPが搭載されたAzureのストレージサービスです。

99.99%の可用性と高いパフォーマンスを持っており、ストレージの簡素化によりストレージ設定や変更は容易です。そのほか、移行時のコーディングも不要なためより簡単に移行ができます。

オンプレミスと同様のセキュリティや高いパフォーマンスを求めている方や、大規模なSAPシステムを構築したい方は、Azure Net AppFilesを検討しましょう。

検討するにあたり、導入方法や費用面など気になる点がある方は、NTT東日本のクラウド導入・運用サービスをご検討ください。

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Microsoft Azureは、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。

本記事に記載されている会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。

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