COLUMN

1. Web会議システムの主な機能と役立つシーン

Web会議システムは、パソコン・スマートフォン・タブレットでインターネットを経由して、自映像を表示しコミュニケーションできるツールです。コロナウイルス感染症対策や働き方改革によるテレワーク普及などに伴い、多くの企業が導入しています。

Web会議システムには、単にネットワーク越しにリアルタイムで話せるだけではなく、ビジネスや業務を円滑に進めるうえで役立つさまざまな機能が備わっています。主な機能は、以下のとおりです。

Web会議システムの主な便利機能
1. 会議を効果的に進めるための機能	資料共有、画面共有機能 チャット、ホワイトボード機能 アンケート機能　など
2. スムーズな情報共有に役立つ機能	録画、録音 自動翻訳、自動文字起こし　など
3. プライバシーの保護・セキュリティ対策に役立つ機能	背景のカスタマイズ機能 暗号化機能、入室管理機能　など

Web会議システムでどういうことができるのかを把握しておくことで、「この機能が充実しているツールが、業務環境に合っている」など、よりニーズに合ったシステムの目星を付けやすくなります。

「自社にとって最適なシステムがどういうものなのか」を正しく把握するためにも、機能の概要や役立つシーンについて再確認しておきましょう。

1-1. 会議を効果的に進めるための機能

Web会議システムには、会議の効果を高めたり、無駄な時間をかけずに効率的に進めたりするための機能が、搭載されています。

具体的にはどういうものがあるのか、主な機能の例と役立つシーンなどを、確認しておきましょう。

会議を効果的に進めるための機能例と役立つシーン
機能	概要・役立つシーン
資料共有、画面共有機能	【概要】 データ化した資料やデスクトップ画面を、会議参加者全員が画面上で共有できる機能
	【役立つシーン】 ペーパーレス化を進められる 会議と並行して資料を修正できて効率的 手順などを実際に操作しながら説明できるので、会議参加者の理解を得やすい
チャット、ホワイトボード機能	【概要】 テキストや図形・手書きのイメージ図などで、リアルタイムにやり取りできる機能
	【役立つシーン】 会議の進行を妨げることなく、質問や意見などを述べられる 議論内容を可視化することで、ポイントを理解しやすく議論が深まる
アンケート機能	【概要】 多数決を取ってリアルタイムで確認したり、感想を聞いたりすることができる機能
	【役立つシーン】 時間をかけずに意思決定ができる 改善すべき点などをスムーズに見つけられる

1-2. スムーズな情報共有に役立つ機能

Web会議システムには、スムーズな情報共有に役立つ機能も備わっており、さまざまなシーンで活用されています。

具体的な機能の例と役立つシーンなどは、以下のとおりです。

スムーズな情報共有に役立つ機能例と役立つシーン
機能	概要・役立つシーン
録画、録音機能	【概要】 文字通り、会議内容を録画・録音することができる
	【役立つシーン】 後から、会議中に把握しづらかった部分を再確認し、理解を深められる 欠席者や参加者以外の人に、会議内容を共有できる 議事録の代わりにすることで、議事録作成の手間を省ける
自動翻訳、自動文字起こし	【概要】 会議の音声をリアルタイムで翻訳したり、テキストベースに変換したりできる機能
	【役立つシーン】 海外との取引時に、スムーズにコミュニケーションが取れる 外国人従業員を雇用していても、会議で円滑にやり取りができる 議事録を作成する手間を省ける

1-3. プライバシーの保護・セキュリティ対策に役立つ機能

Web会議システムに搭載されているプライバシーの保護・情報セキュリティ対策に役立つ機能を利用することで、個人情報の漏えいを防止したり、重要な会議であっても安心して会議をしたりできるようになります。

具体的にはどのような機能があるのかを、チェックしてみましょう。

スムーズな情報共有に役立つ機能例と役立つシーン
機能	概要・役立つシーン
背景のカスタマイズ機能	【概要】 会議中の自分の背景をぼかしたり、あらかじめ準備した画像や動画を合成したりできる機能
	【役立つシーン】 テレワーク中でも、プライバシーを気にせず会議に参加できる 社外の人が会議に参加する際でも、背景から重要な情報が漏れる心配がなくなる
暗号化機能、入室管理機能	【概要】 会議の内容を暗号化したり、許可した人以外は会議に参加できないようにしたりする機能
	【役立つシーン】 社外秘の情報について会議する際、情報漏えいを心配しなくてよくなる 従業員の個人面談などの際も安心 サイバー攻撃などによって不正アクセスされるのを防ぐことができる

2. Web会議システム選びを成功させるための着目ポイント3つ

Web会議システム選びを成功させるためには、システムを比較するときに着目すべきポイントが、3つあります。

Web会議システム選びを成功させるための着目ポイント3つ
1. 導入目的に合った機能が充実しているシステム選ぶ 2. 音質や画質がよいシステムを選ぶ 3. 全員が操作しやすいシステムを選ぶ

以下では、それぞれどのようなことなのか、もう少し詳しく解説します。

2-1. 導入目的に合った機能が充実しているシステム選ぶ

Web会議システム選びを成功させるためには、導入目的に合った機能が充実しているシステムを選択するようにしましょう。何となく多機能なものを選んでしまうと、導入失敗のリスクが高くなってしまいます。

いくら多機能なシステムでも、導入目的に合った機能が充実していないと、使い勝手が悪くなってしまうからです。例えば、テレワークで利用する従業員が多いのに、背景のカスタマイズ機能がないシステムを選んでしまうと、会議がやりづらく感じてしまいます。

また、使わない機能がたくさんあると、かえって操作方法が複雑になったり、使いたい機能が探しにくくなったりする原因となるでしょう。

「1. Web会議システムの主な機能と役立つシーン」でご紹介した機能を参考に、自分たちの使い方で重視すべき機能は何かを、検討してみることをおすすめします。また、次章で目的別おすすめツールも紹介しているので参考にしてみてください。

2-2. 音質や画質がよいシステムを選ぶ

音声と画像の両方で双方向的にやり取りをするWeb会議システムでは、できるだけ音質や画質がよいシステムを選ぶことで、スムーズに会議を進めやすくなります。

仮に、音質が悪くてたびたび発言者が何を言っているのかわからなくなったり、画面共有中に画質が乱れたりすると、情報共有がうまくできなくなるでしょう。そうなると、会議は実りの少ないものになり、時間が無駄になってしまいます。このような非効率な事態を避けるために、音質や画質は重要なのです。

音質や画質は、無料トライアルなどで実際にチェックするのが確実です。導入を決める前に、必ず、実際の環境で確認しておきましょう。

2-3. 全員が操作しやすいシステムを選ぶ

Web会議システムの導入効果を高めるには、システムを利用する従業員全員にとって、操作しやすいツールを選ぶ必要があります。

操作性が悪いシステムや、よく使う機能が使いづらいシステムを導入してしまうと、利用が定着しなくなる原因となるからです。

例えばデジタルツールが苦手な従業員が多いのに、どこを操作すれば何ができるのかがわかりづらかったり、よく使う機能を使うまでの手順が面倒だったりすると、使いづらくなってしまいます。

無料トライアルなどを利用して実際の使用感などを確かめてから、システムを選ぶようにするとよいでしょう。

3. 【よくあるニーズ別】おすすめのWeb会議システム

導入効果の高いWeb会議システムの選び方のポイントが把握できたところで、実際にどのようなWeb会議システムがあるのか、チェックしてみましょう。ここでは、よくある目的別に、代表的な5つのWeb会議システムをご紹介します。

【よくあるニーズ別】おすすめのWeb会議システム
1. テレワーク中でもプライバシーに配慮して利用したい	Zoom
2. 画質や音質などの安定性の高さを重視したい	V-CUBEミーティング
3. 気軽に商談で使いたい	meet in
4. セミナー・イベントで使いたい	LiveOn
5. さまざまなツールと連携させたい	Microsoft Teams

それでは、上記の各Web会議システムの特徴や費用について、もう少し詳しく見てみましょう。

3-1. テレワーク中でもプライバシーに配慮して利用したいなら｜Zoom

Zoomは、テレワーク中などでも、プライバシーに配慮して利用するのに役立つバーチャル背景機能が大きな特徴の、Web会議システムです。利用時間などに制約はありますが、無料プランも設定されています。

自宅などから会議に出席するときに部屋を見られたくない場合や、無料で高機能なWeb会議システムを使いたい場合に、特に向いているシステムです。

Zoomの特徴や、料金を見てみましょう。

Zoomの概要
特徴	バーチャル背景で、プライバシーに配慮しながら利用できる ＵＲＬを共有するだけで会議に招待できるので、簡単 ホワイトボードやチャット・録画機能など、さまざまな機能が使える
料金	1ユーザー月額2,000円から、複数の料金プランがある 無料プランの設定もあるが、参加者最大100名までで利用時間は最大40分まで 料金プランについて、詳しくはこちらをご確認ください

公式ホームページ：Zoom

3-2. 画質や音質などの安定性の高さを重視したいなら｜V-CUBEミーティング

V-CUBEミーティングは、HDに対応した画質や高音質など、安定性の高さが魅力のWeb会議システムです。ASP/SaaS情報開示制度に認定されているなど、セキュリティの高さにも定評があります。

鮮明な画質とクリアな音声が途切れにくいので、重要な会議で使いたい場合や経営陣などが利用する場合に、特に向いているシステムです。セキュリティが高いので、個人情報や社外秘の情報を含む会議にも向いています。

V-CUBEミーティングの特徴や、料金は以下のとおりです。

V-CUBEミーティングの概要
特徴	HD対応の高画質・高音質が途切れにくいので、快適に会議ができる IPアドレス制限など、セキュリティ対策が充実している Microsoft365と連携できるので、業務効率化につながる
料金	複数の料金プランがある 料金プランについて、公式ホームページから要お問い合わせ

公式ホームページ：V-CUBE ミーティング | オンラインイベント・ウェビナー・Web会議ブイキューブ

3-3. 気軽に商談で使いたいなら｜meet in

meet inは、パソコン・スマートフォンどちらからでも使え、最短1秒でミーティングを始められる、気軽に商談で使いやすいWeb会議・商談システムです。資料・画面共有や契約書捺印といった、商談で役立つ機能も充実しており、5,700社以上の企業が利用しています。

テレワーク中にオンライン商談を行いたい場合などに、特に向いているシステムです。会議開始までに手間がかからないので、頻繁にミーティングを行う場合にも向いています。

meet inの特徴や、料金は以下のとおりです。

meet inの概要
特徴	パソコン・スマートフォンどちらからでも使える ログインやアプリのダウンロードの必要がなく、最短1秒でミーティングを始められる サポートが充実しているので、初めて使うときも安心
料金	複数の料金プランがある 料金プランについて、公式ホームページから要お問い合わせ

公式ホームページ：Meet in

3-4. セミナー・イベントで使いたいなら｜LiveOn

LiveOnは、オンラインイベントに特化した機能やプランが充実していることが特徴の、Web会議システムです。海外拠点との通信実績も豊富にあります。

セミナーやオンラインイベントをスムーズに行いたい場合や、海外や複数の拠点間で安定して会議を行いたい場合に、特に向いているシステムです。

LiveOnの特徴や、料金を見てみましょう。

LiveOnの概要
特徴	オンラインイベントのノウハウやサポートが豊富で、初めてでも安心 資料共有や動画配信機能・録音録画機能・グルーピング機能など、オンライン会議を快適にする機能が揃っている システムのすべてを日本国内で開発し、セキュリティも高い
料金	1ライセンス月額3,300円、初期費用85,800円 14日間の無料トライアル期間があるので、実際に使ってみてから検討できる 料金プランについて、詳しくはこちらをご確認ください

公式ホームページ：LiveOn

3-5. さまざまなツールと連携させたいなら｜Microsoft Teams

Microsoft Teamsは、Microsoft 365などのツールとシームレスに連携できることが特徴の、Web会議システムです。スケジュール機能やリアルタイムノイズ抑制など、オンライン会議を快適にする機能も充実しています。

現在、Microsoft 365などのMicrosoft社のツールを使っている場合に、特に向いているシステムです。できるだけツールを連携させて業務効率化を進めたい場合にも、向いています。

Microsoft Teamsの特徴や、料金を見てみましょう。

Microsoft Teamsの概要
特徴	Microsoft 365などのツールとシームレスに連携できる 会議・チャット・通話など、さまざまなコミュニケーションが可能 データの保護機能やアイテム保持ポリシーなど、セキュリティ対策にも力を入れている
料金	有料プランは、1ユーザーあたり月額430円から、複数のプランがある 有料プランは、30日間の無料トライアル期間があるので、実際に使って検討できる 無料プランの設定もあるが、参加者最大100人まで、利用時間は1回あたり60分まで 料金プランについて、詳しくはこちらをご確認ください

公式ホームページ：Microsoft Teams

4. Web会議システムを快適に運用するためのツール3つ

ニーズに最適なWeb会議システムに加えて、以下のようなツールを導入することで、さらにオンライン会議を快適に効率よく進められます。

Web会議システムを快適に運用するためのツール3つ
1. Webカメラ 2. マイク・スピーカー 3. ライト

以下では、このようなツールが、どのようにWeb会議の環境改善に役立つのかを、解説します。

「オンラインで会議する機会が多い」「快適な業務環境を整えたい」という場合は、ぜひ参考にしてみてください。

4-1. Webカメラ

Webカメラは、快適なWeb会議環境を構築するのに欠かせないツールです。そもそもパソコンなどにWebカメラが内蔵されていないという場合は必須ですが、内蔵されているノートパソコンなどの場合でも、別途用意しておくことで利便性が上がります。

Webカメラを別途準備すると、以下のような点で便利です。

◆Webカメラを別途準備することでできること

会議で伝えたい内容を確実に理解してもらい、実施の意義を高めるためには、参加者全員を画角に納められ画質の良いWebカメラを、準備する必要があるでしょう。

4-2. マイク・スピーカー

Webカメラと並んでWeb会議の環境構築に欠かせないのが、マイクとスピーカーです。「マイクやスピーカーはパソコンに内蔵されているから不要」と考えがちですが、内蔵のものは音声の遅延やつぶれが発生しやすいため、会議の環境は悪化してしまいます。

マイクやスピーカーを別途準備すれば、以下のとおり、会議の生産性を高めることができるでしょう。

◆マイク・スピーカーを別途準備することでできること

音質と画質はWeb会議の質をダイレクトに左右するので、質を高められるツールを導入しておくことをおすすめします。

4-3. ライト

ライトは、特に商談や社外とのWeb会議で効果が大きいツールと言えます。室内の照明では、光量が十分でないことが多く、表情や雰囲気まで暗く映ってしまいがちだからです。

ライトを活用して明るく映すようにすることで、好印象を与えることができます。社内でのミーティングでは、印象を意識しなくても差し支えないでしょうが、商談や面接などの際は、印象の良し悪しで結果が変わることも多いので注意が必要です。

◆ライトを別途準備することでできること

社外とのWeb会議の機会が多いなら、信頼度をアップするためにも、ライトの導入を検討してみることをおすすめします。

5. まとめ

Web会議システムには、単にネットワーク越しにリアルタイムで話せるだけではなく、ビジネスや業務を円滑に進めるうえで役立つさまざまな機能が備わっています。Web会議システムの主な機能は、以下のとおりです。

Web会議システムの主な便利機能
1. 会議を効果的に進めるための機能	資料共有、画面共有機能 チャット、ホワイトボード機能 アンケート機能　など
2. スムーズな情報共有に役立つ機能	録画、録音 自動翻訳、自動文字起こし　など
3. プライバシーの保護・セキュリティ対策に役立つ機能	背景のカスタマイズ機能 暗号化機能、入室管理機能　など

Web会議システムでどういうことができるのかを把握しておくことで、「この機能が充実しているツールが、業務環境に合っている」など、よりニーズに合ったシステムの目星を付けやすくなります。

Web会議システム選びを成功させるためには、システムを比較するときに着目すべきポイントが、3つあります。

Web会議システム選びを成功させるための着目ポイント3つ
1. 導入目的に合った機能が充実しているシステム選ぶ 2. 音質や画質がよいシステムを選ぶ 3. 全員が操作しやすいシステムを選ぶ

Web会議システムを快適に運用したいなら、以下のツールもあわせて導入検討してみましょう。

Web会議システムを快適に運用するためのツール3つ
1. Webカメラ 2. マイク・スピーカー 3. ライト

Web会議システムは、多様な働き方を実現するためにも、移動の時間やコストを削減するためにも、欠かせないツールです。今回ご紹介した内容を参考に、自社にとって本当に使いやすいWeb会議システムを見つけて、導入効果を最大化してみませんか？