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生産性向上とは?実現する方法・成功事例・失敗しないための注意点を解説
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「生産性向上ってなに?」
「生産性向上のためにはなにをすればいいの?」
生産性向上とは、一言で言うと「企業が効率よく利益を上げられるようにすること」です。
少ない労働力でより多くの利益や商品を生み出すことができるようになれば、生産力が上がったということです。
限られた人手を活用し、より多くの利益を生み出して企業を成長させるには、生産性向上が欠かせない課題です。
生産性向上を目指すには、まず生産性とは何かについて理解した上で、正しい施策を行わなくてはなりません。
生産性向上について理解しないまま、闇雲によさそうな施策だけを行ってしまうと、生産性を向上するどころか、一部の社員に長時間労働を強いるなど、逆に生産性を下げてしまうことに繋がってしまう可能性があります。
そこでこの記事では、生産性について詳しく解説します。
【この記事を読めばわかること】
◎生産性向上とは
◎生産性向上を実現するメリット
◎生産性向上にデメリットはあるのか
◎生産性向上を実現するための3つのステップと4つの方法
◎生産性向上を実現するための注意点
この記事を読み、生産性について深く理解した上で、生産性向上のための正しい方法を行うことで、自社の生産性を上げることができるはずです。
ぜひ最後までお読みいただき、生産性向上に役立ててください。
目次:
- 1.生産性向上とは
- 1-1.そもそも生産性とは
- 1-2.生産性が向上した状態とは
- 1-3.生産性向上が重要視される理由
- 1-4.「業務効率化」は生産性向上のひとつの手法
- 2.生産性向上を実現するメリット
- 2-1.企業の競争力が上がる
- 2-2.人手不足を解消できる
- 2-3.労働環境を改善できる
- 3.生産性向上にデメリットはある?
- 3-1.生産性向上自体にデメリットはない
- 3-2.生産性向上の施策を間違えると問題が出てくる
- 4.生産性向上は企業にとって必須!
- 4-1.最小限の人員で最大のパフォーマンスを得られる
- 4-2.国際化社会で企業が生き残るには生産性向上が必要
- 5.生産性向上を実現するための3つのステップと4つの方法
- 5-1.ステップ①自社の現状を「見える化」する
- 5-2.ステップ②無駄な工数がないか洗い出しをする
- 5-3.③ステップ③生産性向上のための施策を行う
- 6.生産性向上を実現するための4つの注意点
- 6-1.過度なマルチタスク化を防ぐ
- 6-2.長時間労働に繋がる施策を行わない
- 6-3.業務の効率化だけを目指さない
- 6-4.生産性向上に使える支援策を活用する
- 7.生産性向上のためにクラウド導入を検討する場合はNTT東日本にご相談ください
- 7-1.ランニングコストを削減できる場合もある
- 7-2.保守・運用の業務の負担を削減できる可能性がある
- 7-3.クラウド導入にかかる手間や時間はNTT東日本が請け負います!
- 8.まとめ
1.生産性向上とは
生産性向上とは、先ほども紹介したように、一言でいえば「企業が効率よく利益を上げられるようにすること」です。
しかし、これだけでは、生産性向上について理解するのは難しいのではないでしょうか?
そこでこの章では、生産性向上について理解するために、
◎そもそも生産性とは
◎生産性が向上している状態とは
◎生産性向上が重要視される理由
◎業務効率化との違い
について紹介します。
1-1.そもそも生産性とは
そもそも生産性とは、「コストに対する成果量の比率のこと」です。
コストとは、労働力(人数・時間)や資本(原材料費・設備)です。
成果量とは、得られた利益や、生産できたサービス・物の量のことをいいます。
生産性は、次の計算式で算出します。
生産性とは、生み出された利益や製品(アウトプット)に対して、どれくらいの労働力などのコスト(インプット)がかかっているかを計算し、より効率的に利益を生み出すための施策を考えるための指標なのです。
1-2.生産性が向上した状態とは
生産性を向上した状態とは、
◎インプットを減らす
◎アウトプットを増やす
のどちらかを実現できた状態です。
インプットを減らすとは、必要な労働力や時間を減らすことです。
同じ製品の数を、少ない人数で作り出せるようになれば、生産性が向上したことになります。
従業員100人で一日1,000台の車を生産していた工場で、従業員を50人に減らしても同じように1,000台車を生産できるようになれば、こちらも生産性が上がったと言えます。
アウトプットを増やすとは、生み出せる利益や製品の量を増やすということです。
同じ人数で、より多くの製品を作り出せるようになれば、生産性は向上します。
例えば、従業員100人で一日1,000台の車を生産していた工場で、一日2,000台の車を生産できるようになれば、生産性が向上したことになるということです。
つまり、生産性が上がった状態とは、少ないコストでより多くの利益を生み出せるようになった、コストに対してより多くの利益が生まれるようになった状態のことなのです。
1-3.生産性向上が重要視される理由
生産性向上が重要視される理由は、企業がより利益を生み出すには、生産性を上げることがとても重要だからです。
ひとつの製品を生み出すには、人件費や原材料費などのコスト(お金)がかかっています。
いくら沢山の製品を作ったとしても、製品を売って得た利益より、使ったコストの方が高ければ、利益は出ません。
より多くの利益を生み出すには、コストに対してより多くの利益を生み出すことができる、生産性向上は欠かすことができないのです。
しかし、日本は諸外国に比べ、生産性が低いことがわかっており、問題視されています。
公益財団法人日本生産性本部生産性総合研究センターがまとめたレポートによれば、日本の生産性は諸外国に比べて低いことがわかっており、2019 年の日本の 1 人当たり労働生産性(就業者 1 人当たり付加価値)は、81,183ドル(824 万円)で、OECD加盟37カ国中26位です。
これはアメリカの3分の2ほどの数字となり、より生産性を上げることが日本経済にとって重要とされているのです。
生産性向上を実現することで、企業はより多くの利益を生み出しやすくなります。
生産性向上は企業の成長、日本経済の成長のために欠かせない課題なのです。
1-4.「業務効率化」は生産性向上のひとつの手法
生産性向上と似た考え方に、業務効率化がありますが、業務効率化は生産性向上を実現するためのひとつの手段です。
業務効率化は、生産性向上で言う「インプット」の部分を最小限にすることです。
インプットとは、製品を生み出すために必要な「労働力」「設備投資」「時間」などのコストです。
業務効率化では、このコストの部分の無駄を省き、最小限にしていきます。
具体的には、
◎業務プロセスの中の無駄を省いて改善する
◎非効率で無駄な作業をなくす
◎材料費などの無駄を省いてコスト削減する
といった取り組みが業務効率化に当たります。
それに対して生産性向上は、インプットを最小限にするだけでなく、アウトプット、生み出される製品の量や、利益を最大限にすることも目指します。
業務効率化は生産性向上を目指す中で欠かせない取り組みですが、業務効率化以外にも生産性向上を実現する手段がありますから、より広い考えで施策を行っていくことが必要なのです。
2.生産性向上を実現するメリット
生産性向上と言うと企業にとって良いものというイメージはありますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
生産性向上で得られるメリットは次の3つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
2-1.企業の競争力が上がる
生産性を向上させる最大のメリットは、企業の競争力が上がることです。
生産性が上がるということは、少ない社員でも多くの製品や利益を生み出すことができるようになるということです。
たとえ中小企業でも、無駄を省き、価値ある商品を最大限生み出していくことができれば、他社と充分に戦いやすくなります。
国内だけでなく、海外の企業とも戦わなくてはならない国際化社会の中で、企業が勝ち続ける競争力を身に着けるには、生産性向上は欠かせないものなのです。
【生産性向上で企業の競争力を上げた事例】
業種:自動車整備業
従業員数:正社員5名 中小企業
自動車整備を行うA社では、資料請求や部品発注に時間がかかることで、顧客の対応が滞ることが問題となっていました。
そこで生産性向上の施策として、部品業者とシステム上でやり取りできる自動車整備ネットワークシステムを導入したのです。
システム導入により、事務処理にかかる時間が40%短縮できました。
顧客への見積書提示までの時間が短縮できただけでなく、事務処理にかかっていた時間を自動車整備に当てることができたことで、業務の質が向上しました。
業務の質が上がったことで、顧客満足度が大幅に上がり、他社よりも選ばれる、競争力アップを実現できたのです。
顧客満足度が上がり、より多くの仕事を行えるようになったことで、利益もアップ。全従業員の昇給を行うこともできました。
2-2.人手不足を解消できる
生産性向上を実現するメリットの2つめは、人手不足を解消できることです。
少子高齢化が進む日本では、労働力不足が深刻な問題となっています。
厚生労働省がまとめた「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」では、2013年以降人手不足と感じている企業は増加傾向にあり、2019年には1990年代のバブル期に次ぐ数値となっています。
出典:令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-
この人手不足の問題を解消できるのが、生産性向上です。
生産性向上では、労働者一人当たりが生み出せる利益や製品を最大限にすることを目指します。
つまり、少ない社員でも、十分な製品や利益を生み出しやすくなる、生産性向上を実現することで、人手不足の問題を解消しやすくなるということなのです。
【生産性向上で人手不足を解消した事例】
社名:株式会社いちやまマート
業種:小売業(スーパーマーケット)
従業員数:正社員220名 パートタイマー1,000名 中小企業
スーパーマーケットを運営する株式会社いちやまマートでは、人手不足が大きな問題となっていました。
特にパートタイマーとして働く人が毎年一定数離職する反面、新しく応募してくる人が年々減っており、求人コストも増えてしまっていました。
そこで生産性向上の施策としてセミセルフ型レジを導入しました。
セミセルフ型レジとは、バーコードの読み取りは従業員が行い、清算はお客様が行うスタイルのレジです。
導入により、レジ業務に必要なパートタイマーの人数は15%削減でき、その分を総菜加工などの他の業務に回すことができたため、人手不足の解消を実現できました。
2-3.労働環境を改善できる
生産性向上を実現するメリットの3つ目は、労働環境を改善できることです。
生産性向上を行うための施策では、業務の無駄な部分を減らしたり、自動化できる部分はオートメーション化して人の負荷を減らすなどして、働きやすい環境を整えていきます。
そして無駄な業務を省くことで、残業を減らし、従業員の労働時間を減らすことにつなげていくのです。
残業が減ることで、ワークライフバランスが整い、よりよい職場環境となりやすいでしょう。
生産性向上は、企業だけでなく、働く人にとってもメリットがあるものなのです。
【生産性向上で労働環境改善を実現した事例】
社名:日通長崎運輸(株)佐世保営業所
業種:運送業
従業員数:正社員21名 中小企業
運送業としてパン等を工場からスーパーなどに配送する:日通長崎運輸(株)佐世保営業所では、運転手一人当たり一日約600kmを往復、拘束時間は15時間、運転時間は9時間と長時間労働が問題となっていました。
そこで生産性向上のため、業務工程を見直し、また高速道路を全線使うなど運行ルートの変更を行いました。
この施策により、拘束時間を2時間削減、労働生産性の数値は15%アップできました。
3.生産性向上にデメリットはある?
生産性向上には多くのメリットがあることがわかりましたが、逆にデメリットはあるのでしょうか?
結論から申し上げますと、生産性向上自体にデメリットはありません。
しかし、生産性向上の施策を間違えてしまうと、問題が生じることがあります。
詳しくみていきましょう。
3-1.生産性向上自体にデメリットはない
先ほども述べたように、生産性向上自体にデメリットはありません。
企業にとって生産性向上とは、
◎無駄をなくしてコストを削減する
◎生み出せる利益や製品を最大限にする
ための取り組みです。
この2つが実現できれば、少ないコストで多くの利益が生み出せるため、企業にとってメリットしかないのです。
3-2.生産性向上の施策を間違えると問題が出てくる
注意が必要なのは、生産性向上自体にはデメリットはないものの、生産性向上を目指して間違った施策を行ってしまうことです。
成果を求めるあまり、間違った施策を行ってしまうと、逆に生産性を下げてしまうことがあります。
生産性向上のために行ってしまいがちな間違った施策は次の2つです。
- 仕事が早い人ばかりに業務を集中させてしまう
- 一律残業代カットなどモチベーションを下げてしまう
それぞれ詳しくみていきましょう。
3-2-1.仕事が早い人ばかりに業務を集中させてしまう
生産性を上げようと行いがちな間違いの1つめが、「仕事が早い人ばかりに業務を集中させてしまう」ことです。
仕事が早い人、できる人は、遅い人に比べて生産性が高い傾向にあります。そこで生産性を上げようと、仕事が早い人に業務を集中させてしまうことがあります。
仕事が早い人に業務が集中すると、一時的には生産性は上がります。しかし業務が集中することで、仕事が早い人への負担は大きくなってしまうのです。
業務が集中するのに給料が同じだと、仕事が早い人は不満を抱えることになります。モチベーションが下がれば生産性は下がりますし、不満が大きくなり退社してしまえば、生産性は大幅に下がる可能性があります。
仕事が早い人に業務を集中させるのではなく、全体として生産性を上げる施策が大切なのです。
3-2-2.一律残業代カットなどモチベーションを下げてしまう
生産性を上げようと行いがちな間違いの2つめが、一律残業代カットなどモチベーションを著しく下げる場合があることです。
人件費を減らしてコストカットし、生産性を上げることも大切ですが、一律残業代カットなどモチベーションを下げる施策を行ってしまうのはNGです。
無駄な業務を省くことで残業を減らし、残業代をカットするのであれば、従業員も労働時間の短縮というメリットがあるためモチベーションが保たれやすくなります。
しかし、残業をしないといけない状況は変わらず、残業代だけがカットされてしまうと、社員のモチベーションは下がってしまうのです。
残業代がカットされれば一時的には生産性が上がったように見えますが、社員のモチベーションが下がれば仕事の効率は下がり、優秀な従業員が離職するなど、最終的には生産性が大きく下がる結果となります。
残業代を安易にカットするのではなく、残業自体を減らす取り組みや業務改善を行うことが大切なのです。
4.生産性向上は企業にとって必須!
生産性向上は、企業にとって必須の取り組み課題です。
生産性向上を行うことは、一時的ではなく、継続して常に企業は努力していくべきといえます。
生産性向上が必須である理由は次の2つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
4-1.最小限の人員で最大のパフォーマンスを得られる
生産性向上は、最小限の人員で最大のパフォーマンスを得られるため、企業が成長するために欠かせないものです。
生産性向上は大企業だけのものではありません。
「2-1.企業の競争力が上がる」で紹介した事例のように、従業員5人という小規模であっても生産性を向上することで、利益をより大きくし、従業員全員の賃金アップにつなげることができた企業もあります。
従業員数が少ない中小企業であっても最大のパフォーマンスで、大きな利益を生み出しやすくなるのが、生産性向上なのです。
4-2.国際化社会で企業が生き残るには生産性向上が必要
国内だけでなく、海外の企業とも競争していかなければならない国際化社会の中で、企業が生き残るには生産性向上を実現することが必要です。
「1-3.生産性向上が重要視される理由」でも触れたように、日本の企業は諸外国に比べ、生産性が低いことがわかっており、問題視されています。
図表1-2-1-1 労働生産性の国際比較(2019年)
例えば労働生産性を先進7カ国で比較した場合、日本は最下位となっており、1位のアメリカと比較して約6割の水準です。
生産性を上げなければ、今後ますます激しくなる海外企業との競争に勝つことはできず、企業として生き残ることが難しくなりやすいです。
これからの未来において日本の企業が成長し、国際競争力をつけるためには、生産性向上への取り組みは欠かせないものなのです。
5.生産性向上を実現するための3つのステップと4つの方法
生産性向上への取り組みが企業にとって必須なことはわかりましたが、実際にどのような施策を行えば生産性向上が実現できるのでしょうか?
生産性向上を実現するには、次の3つステップを行ったうえで、自社に合った方法を選ぶことが大切です。
それぞれ詳しくみていきましょう。
5-1.ステップ①自社の現状を「見える化」する
生産性向上を行うためには、まずは自社の業務の現状について「見える化」して、正しく把握することが大切です。
自社の業務が現状どうなっているのかを見える化することで、生産性を上げるためにはどこにどう取り組むべきかが見えてきます。
業務を「見える化」するには、
- 業務をどのような手順や方法で行っているか
- 業務のどの部分をどの部署が担っているか
- 業務を行えるのはだれか
- 業務にかかる時間はそれぞれどれくらいか
- 業務に必要な設備はなにか
- 業務に必要な原材料と費用はどれくらいかかるか
というように、業務に関わる様々なことを資料にまとめ、誰がみてもわかるようにすることが必要です。
現状を見える化するには、次のような資料を用意します。
- 業務のマニュアルや手順書
- 業務のフローチャート
- 組織図
- 従業員労働時間
- 原価管理表
- 課題達成表や目標管理シート
- システム相関図
例えば業務のフローチャートは、以下のような図になります。
このように、どの部署が業務のどの工程でどのような動きをしているのか明らかにすることで、業務の流れや関係性を誰が見てもわかるようにしましょう。
5-2.ステップ②無駄な工数がないか洗い出しをする
自社の現状が把握できたら、業務の中に無駄な工数がないか洗い出しを行います。
毎日行っている業務の中に無駄なものはないか、非効率な物はないか探していきましょう。
一人が行っている業務は効率的でも、全体を見ると同じ業務を他の人もやっているといった無駄が隠れている場合もあります。
【業務の無駄を省いて生産性向上を実現した具体例】
業種 | 小売店(スーパー) |
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問題点 |
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改善策 |
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効果 |
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作成した資料をチェックしていくことで無駄を発見することができますから、まずは現在行っている業務に無駄な物がないか、しっかりと確認していきましょう。
5-3.③ステップ③生産性向上のための施策を行う
ステップ①で現状を把握し、ステップ②で無駄な工数を省いたら、次は業務をより効率的にし、生産性を上げるための施策を行っていきます。
生産性向上のために行う具体的な施策は次の4つです。
- システムやツールの導入
- アウトソーシングの検討
- 従業員の再配置
- 従業員のスキルアップ
自社の現状に合った施策を選ぶことで、より生産性を向上しやすくなります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
5-3-1.システムやツールの導入
施策内容 | 自社の課題に合ったシステムやツールを導入する |
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メリット |
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デメリット |
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おすすめの人 |
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デジタルツールの活用やモバイル端末の活用を行うことで、より働きやすい環境や情報伝達がしやすい環境を整えることで、生産性を上げる施策です。
例えば社内での情報共有にはグループウェアを使う、事務系作業を自動化して作業時間を削減するにはRPA(パソコンで行っている定型業務を自動化できるソフトウェアロボット技術)など様々なシステムやツールが使われています。
自社の課題に合わせたシステムやツールを導入することで、より生産性を上げやすくなるのです。
5-3-2.アウトソーシングの検討
施策内容 | 利益を生み出さない業務(ノンコア業務)を社外の専門企業に委託する |
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メリット |
|
デメリット |
|
おすすめの人 |
|
請求書の処理やコールセンター業務といったノンコア業務(直接利益を生み出さない業務)を、社外の専門企業に委託する、アウトソーシングを行うことで生産性向上を目指すという手もあります。
利益を生み出さないノンコア業務をアウトソーシングすることで、自社の従業員の負担を減らし、その分利益を生み出す業務(コア業務)に集中させることで生産性を向上させます。
また、詳しい専門企業が業務を行うことで、委託した業務の質を上げて生産性を向上させることにも繋がります。
アウトソーシングを請け負う専門業者は多岐にわたり、委託できる業務も様々です。
委託できる業務には、次のようなものがあります。
- カスタマーサポート
- データ入力
- 経理や給与計算
- データセンター
- 営業事務
- 総務
- デザイン・コーディング
- ライティング・編集
- マニュアル作成
- IT運用・サポート
ただし、委託にはコストがかかります。
自社の従業員が業務を行う場合と、アウトソーシングした場合の導入コストや運用コストを比較し、費用面でコスト削減につながる場合や、業務の質が向上して生産性が向上できるかを検討した上で導入を決定しましょう。
5-3-3.従業員の再配置
施策内容 | 従業員をそれぞれの能力に合った部署へ再配置する |
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メリット |
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デメリット |
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おすすめの人 |
|
従業員それぞれの能力やスキルに合わせ、その人の強みが最大限に発揮できる部署へ配置を行うことも生産性向上のために有効な方法です。
人には、各自得意な分野や苦手な分野、スキルや能力の違いがあります。
現在の業務だけでなく、その人の能力やスキルに合わせた適材適所への配置転換を行うことで、個人としてだけでなく全体の生産性アップにつなげます。
スキルには、業務に必要な知識や技術だけでなく、チームとして動くためのリーダーシップや協調性なども含まれます。
また、配置を考える際は従業員のモチベーションも大切になります。
モチベーションを維持し、それぞれのスキルを把握するために、身近な管理職がそれぞれの従業員をよく観察した上で、面談を行ってキャリア展望などの希望について聞き、把握した上で配置を検討しましょう。
5-3-4.従業員のスキルアップ
施策内容 | 従業員に研修や教育の機会を与えてスキルアップしてもらう |
---|---|
メリット |
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デメリット |
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おすすめの人 |
|
従業員に研修などに参加してもらい、スキルアップしてもらうことで生産性向上を実現しやすくなります。
一人一人の従業員のスキルが上がれば、仕事をより効率的に行うことや、クオリティを上げてより価値の高い業務を行うことが可能です。
また、将来的に必要となる人材の育成も同時に行うことで、中長期的に生産性を伸ばすことにもつながります。
まずは現場の従業員にヒアリングを行い、どのようなキャリア展望を持っているのか、どのようなスキルを伸ばしたいと考えているのかを聞いてみましょう。
6.生産性向上を実現するための4つの注意点
生産性向上のために様々な施策を行う上で、これはやってはいけないなどの注意点があります。
生産性向上を実現するために注意したいのは次の4つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
6-1.過度なマルチタスク化を防ぐ
生産性向上を実現するために注意したいポイントの1つ目は「過度なマルチタスク化を防ぐ」ことです。
それぞれの業務に専任の担当者を置くのではなく、一人の社員が様々な業務を行うことができるマルチタスク化を行えば、少人数でも生産性が上がると考えがちですが、実はそれは間違いです。
マルチタスクは効率が良いように見えますが、脳に負担がかかり、実際には作業効率が下がってしまうとスタンフォード大学が発表しているのです。
マルチタスクに向いている人は約2%とも言われており、その他の大多数の人はマルチタスクを行うとパフォーマンスが下がります。
人材の配置を考える際は、異なるスキルや知識が必要な業務を一人の人に負わせすぎないよう注意しましょう。
6-2.長時間労働に繋がる施策を行わない
生産性向上を実現するために注意したいポイントの2つめは、長時間労働に繋がる施策を行わないことです。
働く社員の数が限られていることから、社員一人当たりの労働時間を増やすことで生産性を上げようとする企業がありますが、これはNGです。
長時間労働を行うと一時的に生産性が上がることもありますが、社員の疲労が溜まり、健康を害する恐れがあります。
負担が増えることで社員のモチベーションも下がり、最悪の場合過労死といった大きなリスクを産むことになるのです。
長期的な目線で見れば、長時間労働に繋がる施策は生産性を上げるのではなく、むしろ下げることになります。
長時間労働を社員に強いるような施策は行わないようにしましょう。
6-3.業務の効率化だけを目指さない
生産性向上を実現するために注意したいポイントの3つめは、業務の効率化だけを目指さないということです。
無駄なコストや工数を減らして効率化することは、生産性向上には欠かせない施策です。
しかし、「業務の効率化」は、生産性向上の施策のひとつであり、すべてではないのです。
生産性向上には、コストなどのインプットを最小限にするだけでなく、アウトプット(生み出される利益)を最大限にすることも大切です。
無駄を省くことは大切ですが、それだけでなく、従業員のスキルアップや適材適所への配置など、アウトプットを増やす施策も同時に行うようにしましょう。
6-4.生産性向上に使える支援策を活用する
生産性向上を実現するために注意したいポイントの4つめは、使える支援策を活用することです。
生産性向上のために新しいシステムやツールを導入するにはコストがかかります。
コストがかかるからといって施策を行わなければ、生産性向上を実現することはできません。
そこで役立てたいのが生産性向上のために使える支援策です。
支援策を活用するには条件がありますが、助成金などを貰うことで生産性向上の施策を行うことが可能になります。
使える支援策は下記にまとめてありますのでぜひ参考にして下さい。
【生産性向上に使える支援策】
※労働生産性を向上した時に貰える
※生産性向上と事業場内最低賃金アップをした場合に助成金が貰える
※人事管理制度の整備により生産性向上と賃金アップ等をした時に貰える
※市区町村の先端設備等導入計画の認定を受けた中小企業の設備投資を支援
※中小企業経営強化税制(即時償却等)や各種金融支援が受けられる
7.生産性向上のためにクラウド導入を検討する場合はNTT東日本にご相談ください
「生産性向上のためにクラウドを利用したいけど、どれを選べばいいのかわからない」
「生産性向上にクラウド化を進めたいけれど、どうしたらいいのかわからない」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度NTT東日本のクラウド導入・運用サービスにご相談ください!
「5-3-1.システムやツールの導入」でご紹介したように、生産性向上には自社に合ったシステムやツールの導入が効果的です。
特にクラウドは、次の2つの理由で生産性向上のために役立ちます。
◎ランニングコストを削減できる場合もある
◎保守・運用の業務の負担を削減できる可能性がある
それぞれ詳しくみていきましょう。
7-1.ランニングコストを削減できる場合もある
クラウド化することで、コストを削減し、生産性向上を実現することができる場合もあります。
クラウドはオンプレミス型に比べて、OSやアプリケーションの更新、ソフトウェア・などのランニングコストが安く済む場合が多いのがメリットです。
さらに、クラウドでは更新やサーバー管理をクラウド事業者側が行うことが多いのがポイントです。
オンプレミスの場合には、サーバーメンテナンスなどを行える社員を自社で抱えなくてなりません。
知識を持った社員を育てる教育費、社員への人件費は大きい金額となりますから、クラウド導入ですべてをクラウド事業者に任せることでランニングコストを削減することに繋がりやすくなります。
7-2.保守・運用の業務の負担を削減できる可能性がある
クラウド化することで、保守・運用の業務の負担を削減することで、IT担当者をより力を注ぎたい仕事へ回すことができるのもメリットです。
オンプレミス型の場合、IT担当者は保守・運用に時間を取られる場合もあります。
5年後とのハードウェアの更新作業、休日や深夜に呼び出しが行われるオンプレミス型に比べ、クラウドは保守・運用をクラウド事業者に任せられるため、IT担当者の負担がかなり削減しやくなります。
負担が減った分、IT担当者は社内のシステム構築など、本当に力を入れたい業務にリソースをさけるため、生産性向上につながるのです。
7-3.クラウド導入にかかる手間や時間はNTT東日本が請け負います!
「クラウドで生産性向上を目指したいけれど、クラウド導入はどうすればいいのかわからない」
「クラウド導入したいけれど導入にかけられるリソースがない」
そんな方はぜひNTT東日本にご相談ください!
面倒なクラウド導入を、NTT東日本が一貫してサポートいたします。
わかりにくいAWS・Microsoft Azureの専門家が、お客様の要件に合わせて適切なサービスをご紹介、ネットワークからクラウドまで一元的に最適な設計をご提案いたしますので、安心してお任せいただけます。
クラウド導入後のシステム保守や運用の代行まで行いますので、IT担当者の負担を大幅に削減、生産性向上を実現させます。
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- Amazon Web Services(AWS)は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
- Microsoft Azureは、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
8.まとめ
生産性向上についてご紹介しました。
生産性向上とは、「企業が効率よく利益を上げられるようにすること」です。
企業がより効率的に利益を上げられるように、
◎インプットを減らす(コスト、人件費、時間を減らす)
◎アウトプットを増やす(利益、売上、製品の数)
ことで生産性向上を実現できます。
生産性向上を実現することには、
◎企業の競争力が上がる
◎人手不足を解消できる
◎労働環境を改善できる
といったメリットがあります。
生産性向上を実現するには、次のステップと施策を行いましょう。
生産性向上は企業が成長し、利益を出し続けるために必要な課題です。
本記事が、生産性向上に興味を持っている方のお役に立てば幸いです。
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”ワンストップ支援”が可能です!
NTT東日本が選ばれる5つの理由
- クラウド導入を
0からワンストップでサポート可能! - 全体最適におけるコスト効率・業務効率の改善を
中立的にご提案 - クラウド環境に問題がないか、
第3者目線でチェック
してもらいたい - 安心の24時間・365日の対応・保守
- NTT東日本が保有する豊富なサービスの組み合わせで
”課題解決”と”コスト軽減”を両立
特に以下に当てはまる方はお気軽に
ご相談ください。
- さまざまな種類やクラウド提供事業者があってどれが自社に適切かわからない
- オンプレミスのままがよいのか、クラウド移行すべきなのか、迷っている
- オンプレミスとクラウド移行した際のコスト比較を行いたい
- AWSとAzure、どちらのクラウドが自社に適切かわからない
- クラウド環境に問題がないか、第3者目線でチェックしてもらいたい
- クラウド利用中、ネットワークの速度が遅くて業務に支障がでている
クラウドを熟知するプロが、クラウド導入におけるお客さまのLAN 環境や接続ネットワーク、
クラウドサービスまでトータルにお客さまのお悩みや課題の解決をサポートします。
相談無料!プロが中立的にアドバイスいたします
クラウド・AWS・Azureでお困りの方はお気軽にご相談ください。