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初心者必見!SaaS導入は4ステップを押さえよう!効果・注意点も解説

SaaSを導入するときは、適切なプロセスを踏んで進めることで、余計な労力をかけずに効果的なサービスを取り入れることができます。SaaSを導入する際の基本的な流れは、次のとおりです。

上記のとおり、いきなり導入するSaaSを選び始めるのではなく、業務の現状分析から着手することで、現在のニーズや課題解決に本当に必要なSaaSを導入することができます。

またSaaSを導入したらそれで終わりにせず、継続的に運用状況をチェックし、より使いやすい運用方法やサービスを検討することで、SaaSの導入効果を格段にアップさせられるでしょう。

このように、言われてみれば「確かに」と思える導入の流れも、事前に把握していなければ、なかなか実践しづらいものです。このような基本ポイントを押さえずにSaaSを導入してしまうと、「せっかく導入したSaaSが使いづらい」「かえって業務が煩雑になった」という結果になりかねません。

そこで、今回は、SaaS導入を成功させ有効活用するために必要なポイントをご紹介します。検討段階から導入までの基本的な流れに加えて、SaaSのメリット・デメリットや代表的な導入シーンなど、SaaS導入に欠かせない知識の数々は、必見です。

【この記事の内容】

  • SaaS導入の基本的な4つのプロセス
  • SaaSを導入するメリット・デメリット
  • SaaSの導入効果が高いシーンの代表例5つ
  • SaaS導入を成功させるために押さえるべき3つのポイント

後半では、SaaS導入を成功させるポイントもご紹介します。無駄なコストや労力をかけたくない方は、ぜひチェックしていただき、結果の出せるSaaS導入を実現してください。

「SaaSを導入したいけれど、どういう流れで進めればよいのかわからない」「効果的なSaaS導入がしたい」とお考えの方は、ぜひ今回ご紹介する内容を参考にして、SaaSの導入メリットを最大化しましょう。

1. SaaS導入の基本的な4つのプロセス

SaaS導入を成功させるには、然るべきプロセスを踏むことが大切と言えます。業務の現状やサービスの内容について、チェックすべきポイントを押さえながら導入を進めることで、目的にマッチしたSaaSを選ぶことができるからです。

基本的にSaaSの導入は、次のような4段階の流れで進めていくとよいでしょう。

SaaS導入の基本的な4つのプロセス

1. 業務の現状を確認する

2. SaaSの内容をチェックする

3. スモールスタートで導入する

4. 運用結果を踏まえて最適化をはかる

以下では、検討段階から導入までの基本的な4つのプロセスを、もう少し詳しく解説していきます。

1-1. ① 業務の現状を確認する

SaaSを導入するときは、最初に業務の現状を確認し、ニーズや課題を洗い出すことから始めましょう。SaaSを導入する目的を明らかにし、どういう機能が役に立つのか、はっきりさせる必要があるからです。

一言でSaaSと言っても、その機能や種類は多種多様なものがあります。導入目的が明確でないと、本当に必要な機能が明確にならず、業務環境を改善するのに最適な機能を有したSaaSを選ぶことができなくなってしまうでしょう。

そこで、導入目的を明確にするために有効なのが、業務で現在抱えている課題や改善したい点などを確認することです。

例えば、

  • ペーパーレス化を進めたい
  • 社外でもストレージを使えるようにしたい
  • 会計システムと連携させられる電子決裁ツールがあると効率化が進む

などといった現在のニーズと、ニーズを満たすために必要な機能とは何かを、明確にしておきましょう。

1-2. ② SaaSの内容をチェックする

SaaSを導入する目的が明らかになったら、次は、SaaSのサービス内容をチェックし比較検討しましょう。SaaSは、サービスによって充実している機能などが異なるからです。

クラウドサービス提供事業者が提供する範囲で機能を利用できるSaaSでは、使いたい機能が無い場合に、後から自分で買い足すといったことができません。後から必要な機能が無いことが判明すると、利用するサービス自体を変更しなければならなくなるので、必ず3つ以上の複数のサービスを、比較検討しておきましょう。

以下のポイントは使い勝手や運用の安定性に影響するので、SaaSの内容を比較検討するときは、必ず見ておくことをおすすめします。

比較検討時に着目したいSaaSのサービス内容
使える機能
  • 導入目的を果たせるかどうかに直結するポイント
  • 多機能なものを選ぶのではなく、導入目的やニーズに合った機能が充実しているサービスを選ぶことが大切
サポート体制
  • 運用時の労力を抑えてストレスフリーに使うために重要なポイント
  • サポート範囲に加えて、24時間365日対応できるか、といったサポートの使いやすさもチェックする
  • また、サポートはどこまでが無償対応なのかについても比較検討しておく
セキュリティ対策
  • 情報漏えいなどのリスクを抑えるために、必ず確認すべきポイント
  • 暗号化対策やバックアップなどのデータ自体への情報セキュリティ対策に加え、サーバーやデータセンターの物理的な警備体制もチェックする
導入実績
  • 導入実績が多いと、運営が安定しやすい
  • 導入事例や件数などをチェックする

上記のようなサービス内容は、クラウドサービスの公式ホームページの閲覧や資料請求をすることで、把握できます。

1-3. ③ スモールスタートで導入する

SaaSを導入する際はスモールスタートで、スケジュール調整しやすい部署から小さく導入し、様子見してから組織全体へ広げていくようにしましょう。

最初から組織全体に導入すると、混乱や業務の停滞が起こりやすく、担当者の負担も増えるからです。SaaSは、導入に手間がかからないとは言え、使い始めるためには設定や利用方法の周知などが必要になります。また、想定したとおりの導入効果が得られるかどうか、検証をする必要もあるでしょう。

以上のことから、まずはスモールスタートで運用してみて、その結果を踏まえて、他の業務・部署への導入を検討していくのがおすすめです。

1-4. ④ 運用結果を踏まえて最適化をはかる

SaaSを導入し、一定期間運用したら、導入目的を達成できているかどうかチェックし、必要な見直しを行っていきましょう。

当初、想定していたような導入効果が得られているか、コストに見合った成果は上がっているのかをチェックすることで、無駄を省いて業務効率化を進められるようになるからです。

なお、SaaSを実際に使っている従業員にヒアリングやアンケートを行うことで、導入効果を確認することができます。

2. SaaSを導入するメリット・デメリット

SaaSを導入することで、企業にとっては、次のようなメリット・デメリットがあります。

SaaSを導入するメリット・デメリット
SaaSを導入するメリット
  • 効率的にIT投資ができる
  • 業務効率化が実現できる
  • 多様な働き方の実現につながる
SaaSを導入するデメリット
  • 情報セキュリティリスクへの対策が必要になる
  • ランニングコストが発生する

それぞれ、どういう利点や注意点なのか、順番に説明していきますので、導入を検討する際の参考にしてください。

2-1. SaaSを導入するメリット

SaaSを導入することの代表的なメリットは、次の3つです。

◆SaaSを導入することで得られる主なメリット3つ

  • 効率的にIT投資ができる
  • 業務効率化が実現できる
  • 多様な働き方の実現につながる
2-1-1. 【メリット①】効率的にIT投資ができる

SaaSを導入することで、効率的にIT投資をすることができます。SaaSのようなクラウドサービスは、まとまった初期投資や保守管理の手間などをかけずに、最新のシステムや機能を使えるからです。

情報処理推進機構(IPA)の「DX白書2021」の調査結果においても、効率的なソーシング手段の一つとしてSaaSが活用されています。例えば、「低コストであることを重視して導入するシステム」については、17.8%の企業が、ソーシング手段としてSaaSを活用しているという結果でした。

ITへの投資は、企業の競争力を維持するうえで、近年欠かせないものとなっています。限られた投資資金を有効活用するには、SaaSの導入は最適な選択肢と言えるでしょう。

2-1-2. 【メリット②】業務効率化が実現できる

SaaSの導入は、業務効率化を実現するために有効です。SaaSは、機器の保守やアップデートなどに手間をかけずに最新の機能が使え、どこからでもアクセスできるからです。特に中小企業にとって、SaaSの導入は、業務効率化の強い味方と言えるでしょう。

中小企業庁「中小企業白書2022」においても、今後、SaaSなどのクラウドサービス利用を拡大したい理由としてもっとも多かったのが、「業務の効率化につながる」からというものでした。中小企業の65.7%が、業務効率化のためクラウドの利用拡大を行いたいと考えていることからも、SaaS導入の有効性がわかります。

2-1-3. 【メリット③】多様な働き方の実現につながる

SaaSの導入には、多様な働き方の実現につながるというメリットもあります。

インターネット経由でどこからでもアクセスできるSaaSは、テレワークとの親和性が高いからです。

例えば、SaaSの勤怠管理システムを導入することで、以下のように、多様な働き方の実現がスムーズになります。

【例】SaaSの勤怠管理システムを導入することで、多様な働き方が実現しやすくなる理由

  • 自宅などの社外にいても、どこからでも打刻ができるようになる
  • 給与計算など、他のシステムと簡単に連携させられる
  • 働き方の多様化に応じて、柔軟に機能やリソースを変更できる

2-2. SaaSを導入するデメリット

SaaSを導入することで発生する主なデメリットは、次の2つです。

◆SaaSを導入する際に注意すべきデメリット2つ

  • 情報セキュリティリスクへの対策が必要になる
  • ランニングコストが発生する
2-2-1. 【デメリット①】情報セキュリティリスクへの対策が必要になる

SaaSを導入することによって、情報セキュリティリスクが高まることへの対策が必要になるというデメリットがあります。

SaaSの導入によって、インターネット経由でデータのやり取りをするようになると、以下のようなリスクが高まるからです。

◆SaaS導入で想定されるセキュリティリスク例

  • 利用する従業員のケアレスミスで、パスワードや個人情報などを漏えいさせる
  • 外部からのサイバー攻撃によって、データの流出や改ざん、システムの乗っ取りが起きる

SaaS自体にも高度なセキュリティ対策は施されているので基本的には安全ですが、すべてのリスクを防げるわけではありません。特に、利用者側のケアレスミスや新種の攻撃などは防ぎづらいので、利用者側でも対策をしておくことが大切です。

情報セキュリティ対策の一例には、次のようなものがあります。

◆SaaS導入時に検討したいセキュリティ対策の一例

  • SaaSの設定方法や利用上の注意に関するマニュアルを作成し、周知させるための研修を実施する
  • IDやパスワード管理のルールを決めておく
  • 多要素認証を導入する
  • SaaSを利用するデバイスに情報セキュリティ対策ソフトなどを導入する
  • SaaSにアクセスするときは、安全性の高いネットワーク経由で行う など
2-2-2. 【デメリット②】ランニングコストが発生する

SaaSを利用し続ける限り、ランニングコストが発生することにも注意しましょう。

SaaSは、導入時の初期費用はほとんどかからないので、コストの負担なく気軽に取り入れられますが、従量課金制の場合があります。その場合使った分だけの利用料金が発生し続けます

コストを抑えて導入できるからと言って、導入後に発生するコストを把握しないままにサービスを選ぶと、「ランニングコストの負担が大きかった」と後悔する羽目になりかねません。

導入後のランニングコストは、各SaaSの公式ホームページでざっくりとした試算ができたり、見積もりを取ったりすることで調べられます。導入前は、少なくとも2~3社から、ランニングコストも含めた見積もりを取って比較し、予算に合ったサービスを選ぶようにしましょう。

3. SaaSの導入効果が高いシーンの代表例5つ

SaaS導入のメリット・デメリットがわかったところで、具体的にどういう領域にSaaSを導入できるのか、代表例を確認しておきましょう。

基本的にSaaSは、さまざまなビジネスシーンで活用できますが、特に効果を実感しやすいのは、次の5つのシーンです。

SaaSが導入できるシーンの代表例5つ
人事・労務
  • 勤怠管理システム
  • 給与計算 など
財務・会計
  • 経費精算や請求書の処理
  • 予算、決算 など
営業支援
  • 顧客情報管理
  • 商談などの情報の管理 など
データ管理
  • ストレージ
  • ファイル共有
  • データベース など
コミュニケーション促進
  • タスク管理
  • プロジェクト管理
  • メール
  • チャット
  • Web会議システム など

各シーンにSaaSを導入することで、どのような変化が見込めるのかを、順番に見ていきましょう。

3-1. 人事・労務

人事労務関係の業務は、SaaSを導入することで、従業員の労働環境の改善や業務効率化といった効果を、得やすいシーンの一つと言えます。

その主な理由は、次のとおりです。

  • 勤怠管理システムなどをSaaSにすることで、自宅や出先からでも打刻できるようになり、多様な働き方の実現につながるから
  • バックオフィス系の業務をどこからでも処理できるSaaSにすることで、在宅勤務がしやすくなるため

人事・労務の分野でSaaSを導入できる業務の具体例と、導入の結果、期待できる効果には、以下のようなものがあります。

SaaS導入が効果的な業務の具体例と期待できる効果
勤怠管理
  • 社外からでも打刻ができるようになり、テレワークを導入しやすくなる
  • 給与計算システムと連携させることで、集計の手間が省ける
給与計算
  • データを自動で集約できるようになり、集計や計算の誤りをなくせる
  • 法改正の内容を自動で反映できるようになり、対応漏れを防げる
人事評価・人員配置
  • 人事評価に関する情報を一括管理できるようになり、効率的に評価や配置ができるようになる
  • 人事に関する情報が集約できることで、社員教育の方針などを効果的に立てやすくなる

3-2. 財務・会計

請求書の処理や予算・決算などに代表される財務・会計関係の分野は、SaaSを導入することでケアレスミスの発生を抑えるとともに、業務の効率化がはかれます。

SaaSを導入すれば、財務・会計業務でミスが起こりやすい作業である紙ベースの資料から数値を転記・入力する工程を、格段に減らすことができるからです。

具体的にどのような業務にSaaSを導入できるのか、その結果、どういう効果が期待できるのか、一例を見てみましょう。

SaaS導入が効果的な業務の具体例と期待できる効果
請求書の処理・経費の精算
  • 請求書の様式などをデジタル化することができるので、紙ベースの請求書の数値をシステムに入力する手間が省け、打ち間違いなどのミスも減らせる
  • 申請時のデータや処理履歴が残るので、不備の特定に時間がかからない
  • 紙で請求書を保管しなくて済むので、ペーパーレス化が進む
予算・決算
  • 予算・決算処理に必要なデータを一元管理できるので、処理時間を短縮できる
  • 予算・決算処理のフローを保存できるので、担当者が変わっても業務効率が低下しない

3-3. 営業支援

顧客や商談内容などに関する情報の管理をSaaSで行うことで、業務効率化の実現や、戦略的なアプローチができるようになるといった効果が、期待できます。

SaaSであれば、これまでは部署ごとに管理していたような営業関係の情報を一元管理し、簡単に検索・分析できるようになるからです。また、ネットワーク環境さえ整っていれば、社外からでも顧客情報などのシステムにアクセスできるので、外回り中や出張中でも豊富なデータを活用できるようになります。

SaaS導入が効果的な業務の具体例と期待できる効果
顧客情報の管理
  • 部署ごとに管理していた営業内容や名刺の情報を社内で一元管理できるので、効果的な営業活動が可能になる
成約や商談に関する情報の管理
  • 過去の成約状況から最近の商談内容まで、まとめて分析することが可能になり、成約しやすいアプローチができる
  • 精度の高い目標設定が可能になる

3-4. データ管理

簡単に導入できて効果を実感しやすいSaaSが、ストレージやデータベースなどのデータ管理関係のツールです。データ管理をSaaSで行うようにすることで、データを活用しやすくなり、生産性の向上につながります。

SaaS導入効果が見込める具体例と期待できる効果
ストレージ・ファイル共有
  • ネットワーク環境さえ整っていれば、外回り先や在宅勤務中でもデータの確認や情報共有ができる
  • 複数名で同時にデータの編集ができるので、作業効率が上がる
データベース
  • データの容量を自由に変えられるので、業務の状況に合わせて無駄なく運用することができる
  • 手間をかけずにいつでも最新の機能を使えるので、データ分析とその活用が捗る

上記に加えて、SaaSであれば、自動的にデータのバックアップを行うので、災害時や機器の故障といった万一の場合でも安心できます。

3-5. コミュニケーション促進

Web会議システムなどのコミュニケーションツールや、タスク管理ツール・プロジェクト管理ツールといった進捗管理ツール、メーラーなどの情報系システムも、SaaSの導入に適しています。

いつでもどこからでもアクセスし、情報共有が密にはかれるというSaaSの特性を、最大限活かせるからです。社内のコミュニケーションを促進したいというニーズがあるなら、ぜひ導入を検討しましょう。

コミュニケーション促進に効果的なSaaSの具体例は、次のとおりです。

SaaS導入効果が見込める具体例と期待できる効果
Web会議システム
  • ネットワーク環境さえ整っていれば、どこにいても会議に参加できるので、テレワークを普及させたい場合や外回りの多い職場でも、コミュニケーションを密に取れる
  • 一時的に利用し、後は使わないという場合でも、使った期間だけ料金が発生するので、コストパフォーマンスが高い

タスク管理ツール

プロジェクト管理ツール

  • どこからでも、タスクや他のメンバーの業務進捗を確認できる
  • メンバーにテレワーク中の人がいる場合や、離れた拠点間のメンバーでチームを組んでも、連携して作業が進められる
メール
  • サーバーの保守管理が不要なので、人的リソースを有効活用できる
  • 自宅のパソコンやスマートフォン・タブレットなど、社内のパソコン以外からでも閲覧できるので、すき間時間で効率的にメール対応ができる

4. SaaS導入を成功させるために押さえるべき3つのポイント

SaaSの導入を成功させるには、押さえておくべき3つのポイントがあります。

SaaS導入を成功させるために押さえるべき3つのポイント

1. 業務自体の最適化をはかることも念頭に置く

2. 使いやすさを重視する

3. 導入時のスケジュール管理をしっかり行う

それぞれどういうところが重要な要素となるのか、以下で説明していきますので、SaaSを導入予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。

4-1. 業務自体の最適化をはかることも念頭に置く

SaaSの導入を成功させるためには、必要に応じて、既存の業務フローを最適化することも必要です。

今までの業務の慣習をまったく変えずにSaaSだけ導入しても、効率化にはつながらず、かえって煩雑になってしまうこともあるからです。

例えば、SaaSの会計システムを導入したのに、依然として紙ベース中心で資料を作成したり決裁を取ったりしていては、SaaSの導入効果は実感しづらくなってしまいます。

SaaSの導入に合わせて関連する業務もデジタル化し、連携できるシステムは連携させ、不要な作業はやめるといった最適化をはかることで、導入効果を最大化できるのです。

SaaSの導入で成果を出すためにも、業務プロセス全体を最適化するよう、心がけましょう。

4-2. 使いやすさを重視する

導入したSaaSを定着させ、業務環境を快適なものにするには、使いやすいSaaSを導入することを意識する必要があります。

操作性がシンプルで、すぐに使いこなせるツールでないと、徐々に使わなくなってしまうからです。SaaSの導入を検討する段階では、コストパフォーマンスの高さや機能の多さなどを重視してサービスを選びがちですが、実際にツールを使う従業員にとっての使いやすさも重視して、選ぶようにしましょう。

使いやすいサービスを選ぶには、以下の方法が有効です。

◆使いやすいSaaSを導入するためのポイント

  • 業務の担当者などから、業務プロセスや改善したい部分、ニーズなどをヒアリングし、業務をスムーズに進めるために必要な機能が充実しているサービスを選定する
  • 本格導入前に無料トライアルを活用して、実際に業務担当者に試してもらう

4-3. 導入時のスケジュール管理をしっかり行う

SaaSを導入する際は、導入までの計画をきちんと決めて関係者に周知させるなど、スケジュール管理をしっかりと行うようにしましょう。

SaaSを導入する際は、初期設定や操作方法の習熟、効果の検証など、複数の担当者が関わる作業がいくつも発生するからです。ほとんどの従業員が、本来業務と兼任でSaaSの導入を進めるため、事前に本来業務との調整も含めてスケジュールを決めておかないと、いつまで経っても本格運用ができなくなってしまうでしょう。

SaaSを本格運用したい時期が決まっているのであれば、ベンダーなどに早めに相談し、どのようなスケジュールを立てれば余裕を持って運用開始できるのかを、確認しておくと安心です。

5. まとめ

SaaSを導入するときは、次のような4段階の流れで進めていくことで、余計な労力やコストをかけることなくスムーズに進められるでしょう。

SaaS導入の基本的な4つのプロセス

1. 業務の現状を確認する

2. SaaSの内容をチェックする

3. スモールスタートで導入する

4. 運用結果を踏まえて最適化をはかる

SaaSを導入するメリット・デメリットは、次のとおりです。

SaaSを導入するメリット・デメリット
SaaSを導入するメリット
  • 効率的にIT投資ができる
  • 業務効率化が実現できる
  • 多様な働き方の実現につながる
SaaSを導入するデメリット
  • セキュリティリスクへの対策が必要になる
  • ランニングコストが発生する

また、基本的にSaaSは、さまざまなビジネスシーンで活用できますが、特に効果を実感しやすいのは次の5つのシーンです。

SaaSが導入できるシーンの代表例5つ
人事・労務
  • 勤怠管理システム
  • 給与計算 など
財務・会計
  • 経費精算や請求書の処理
  • 予算、決算 など
営業支援
  • 顧客情報管理
  • 商談などの情報の管理 など
データ管理
  • ストレージ
  • ファイル共有
  • データベース など
コミュニケーション促進
  • タスク管理
  • プロジェクト管理
  • メール
  • チャット
  • Web会議システム など

上記を参考にして、SaaSを導入する優先順位などを検討しておきましょう。

SaaSの導入を成功させるには、押さえておくべき3つのポイントがあります。

SaaS導入を成功させるために押さえるべき3つのポイント

1. 業務自体の最適化をはかることも念頭に置く

2. 使いやすさを重視する

3. 導入時のスケジュール管理をしっかり行う

SaaSを導入することで、初期費用をかけずに業務のさまざまな課題を解決することが可能です。とは言え、何でもいいからSaaSを導入しさえすれば、業務環境を改善できるわけではありません。導入目的を明確にし、目的を満たす機能の充実した使いこなしやすいSaaSを導入する必要があります。

今回ご紹介した内容を参考に、導入効果の高いSaaSを選定してみてください。

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