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クラウドERPとは?特徴やメリット、相性のいい企業3種類を解説

クラウドERPとは、クラウド環境で使えるERP(Enterprise Resources Planning)のことです。また、ERPとは、基幹システムの一種のことで、主に次のような機能を含んでいます。

◆ERPで使える代表的な機能

  • 会計管理
  • 販売管理
  • 在庫管理
  • 生産管理
  • 人事給与管理

クラウドERPには、さまざまなメリットがあります。例えば、導入時の初期費用や運用・保守にかかる労力を抑えることができるので、コストを抑えたシステムの導入・運用が可能です。

また、ネットワーク環境さえ整っていれば、場所やデバイスを選ばずにシステムにアクセスできます。在宅勤務時や出先にいるときでも、社内にいるときと同じ環境で業務を進めることができるので、クラウドERPを導入すれば、業務効率化や働き方改革の実現につながるでしょう。

他にも多くのメリットがある反面、クラウドERPには注意点もあります。例えば、オンプレミスのシステムと比べれば、クラウドERPはカスタマイズできる範囲に制約があります。一般的な使い方であれば問題ありませんが、特殊なカスタマイズをしたい場合などは注意すべきでしょう。

さらに、インターネット環境がなければ使えないなど、事前に把握しておくべき点があります。「クラウドERPは評判が良いから導入する」のではなく、概要をきちんと知って、自社にとって本当に使いやすいシステムを導入することが、生産性を向上させるには大事なのです。

そこで今回は、クラウドERPがニーズに合っているのかどうか正確に判断するために必要となる基本的な情報を解説していきます。

【この記事の内容】

  • クラウドERPとは
  • クラウドERPとオンプレミスERPの比較
  • クラウドERPが向いている企業とは
  • クラウドERP導入について正しい判断をするためのチェックポイント

この記事では、基礎知識に加えて、クラウドERPと相性のよい企業やクラウドERP導入を検討するうえでのチェックポイントも紹介しています。

このような情報を参考にすることで、業務を効率化し企業の成長を促進できるようなシステムが選べるようになりますので、参考にしてください。

1. クラウドERPとは

クラウドERPとは、クラウドベースの基幹業務関連システムのことです。ERPは、「Enterprise Resource Planning」の略称で、会計・販売・生産・人事労務などの基幹となる業務を総合的にサポートできるシステムを意味します。

クラウドERPは、

  • オンプレミスのシステムでありがちな運用・保守管理にかかる大きな負担
  • 業務システムを業務ごとに導入することで起こる非効率さ

などの課題を解消できることから、近年、導入する企業が増えているシステムです。

クラウドERPとは
  • 会計・販売・生産・人事労務などの基幹となる業務を総合的にサポートできるシステム
  • ERPの中でもクラウドベースのシステム

ここではクラウドERPについて、メリット・注意点・種類ごとの特徴といった3つの視点から、どのようなシステムなのか、基礎知識を確認してみましょう。

1-1. クラウドERPのメリット

クラウドERPには、主に次のようなメリットがあります。

◆クラウドERPの主なメリット

  • システム導入時の負担を軽減できる
  • 保守管理の労力を抑えられる
  • 働き方改革や業務の効率化につながる
  • BCP対策ができる
1-1-1. システム導入時の負担を軽減できる

クラウドERPは、導入にかかる時間が短くすむことや初期費用を抑えられることから、システム導入時の負担を軽減することができます。

クラウドサービス提供事業者が提供するERPシステムを利用するクラウドERPでは、自前でサーバーなどの機器を準備する必要がないからです。システムの稼働に使う機器類を一から準備しないので、機器を購入する必要がなく、調達にかかる時間も抑えることができます。

速やかに業務環境を構築したい場合や、まとまった初期費用を発生させたくないベンチャー企業などに、最適です。

1-1-2. 保守管理の労力を抑えられる

クラウドERPは、運用時の保守管理にかかる労力を最小限にすることができます。

なぜなら、クラウドERPは

  • システムの稼働に使う機器を保有しない
  • アップデートなどの保守管理作業はクラウドサービス提供事業者が行う

といった特徴があるからです。何もしなくても最新の状態に更新したシステムを使えるので、セキュリティ面でも安心できます。

人手が不十分で少しでも業務の負担を減らしたい企業や、セキュリティ関係のアップデートを忘れがちな場合に、最適と言えるでしょう。

1-1-3. 働き方改革や業務の効率化につながる

働き方改革や業務の効率化の実現に役立つ点も、クラウドERPのメリットと言えます。

クラウドERPは、インターネットに接続することができれば、自宅や出張先といった社外からでもシステムにアクセスし、作業することができるからです。

オフィスに居なくてもいつもどおりの仕事をこなせるので、快適で効率的なテレワーク環境を作ることができます。また、出先からオフィスに戻らなくても作業をできるので、移動時間を削減し生産性を高めることも可能です。

1-1-4. BCP対策ができる

クラウドERPを導入することは、そのままBCP対策になります

堅牢なデータセンターでシステム稼働に必要な機器を管理するクラウドERPは、自社で管理する場合と比べて、災害時の被害を受けにくくなるからです。

また、定期的にバックアップを行うので、もしもの場合であっても、データ消失の危険性がほとんどありません。さらに、どこからでもアクセスして作業できるので、出社が困難な状況になっても業務を継続することができます。

1-2. クラウドERPの注意点

豊富なメリットのあるクラウドERPですが、注意すべき点もあります。

◆主な注意点

  • カスタマイズできる範囲に制約がある
  • クラウドサービス提供事業者によって品質が異なる
1-2-1. カスタマイズできる範囲に制約がある

クラウドサービス提供事業者の提供するシステムを利用するクラウドERPでは、カスタマイズの幅に制約があります。

クラウドサービス提供事業者の保有する機器やソフトウェア・提供できる機能の範囲で利用する必要があるからです。とは言っても、かなり自由にカスタマイズできるサービスも多く存在します。すべてが自由に組み合わせられるわけではないことを念頭に、自社のニーズに合ったサービスを選ぶことが大切です。

◆ポイント

  • クラウドERPのサービス選定時に、どこまでカスタムできるのか確認し、ニーズに合ったサービスを選ぶ必要がある
1-2-2. クラウドサービス提供事業者によって品質が異なる

クラウドERPは、保守管理や障害発生時の復旧などがクラウドサービス提供事業者任せになります。そのため、サービスによって品質に差があることに注意が必要です。

アップデートが速やかに行われない、障害時に復旧作業がなかなか終わらず進捗もわからない、などという事態になってしまっては、安心してシステムを使えなくなってしまいます。

以下のポイントを参考に、信頼できるクラウドサービス提供事業者のサービスを選んでおく必要があるでしょう。

◆ポイント

  • 運用実績やサポート体制を確認し、信頼できるクラウドサービス提供事業者のサービスを選ぶ
  • 4. 最適なクラウドERP選びのポイント」も参考にして、最適なサービスを選ぶことが大切

1-3. クラウドERPには3種類ある

クラウドERPには、パブリック・プライベート・ハイブリッドの3種類があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

クラウドERPには3種類ある
パブリック
  • 不特定多数のユーザー向けに作られたERPを利用する
プライベート
  • 自社専用のクラウド環境に構築したERPを利用する
ハイブリッド
  • パブリックとプライベート、オンプレミスを併用する

それぞれのメリット・デメリットを簡潔にまとめると、以下のようになります。

  メリット デメリット
パブリック 手間をかけずもっとも低コストで使える カスタマイズの自由度は低め
プライベート カスタマイズの自由度がもっとも高い 導入コストが高く、運用の手間もかかる
ハイブリッド 柔軟な使い分けが可能 構成が複雑になって運用難易度が上がる

お手軽にシステム回りを整備したいならパブリック、こだわりがある場合はプライベート、すでにオンプレミスのシステムがある場合はハイブリッドなど、目的に応じた使い分けをすると、さらに快適に環境を構築できるでしょう。

2. クラウドERPとオンプレミスERPの比較

ERPには、クラウドERPの他にもオンプレミスERPがあります。

クラウドとオンプレミスはそれぞれ、異なる特徴があるため、どちらがよりニーズに合っているかは、組織の状況や割くことのできるコストなどによって異なります。そこで、どちらが向いているか判断するためにも、それぞれの特徴をまとめて確認してみましょう。

  クラウドERP オンプレミスERP
費用 初期費用はほとんどかからず、利用料金が継続して発生する まとまった初期費用が発生し、ランニングコストは抑えられる
カスタマイズ性 サービス提供の範囲内で自由にカスタマイズできる カスタマイズできる
運用の負担 運用・保守は基本的にクラウドサービス提供事業者が実施するので負担が小さい すべて自社で行うので負担が大きい

それでは、クラウドERPとオンプレミスERPの各特徴の違いについて、もう少し詳しく説明していきます。

2-1. 費用

クラウドERPとオンプレミスERPを比べると、費用の発生の仕方に大きな違いがあります。クラウドERPは、利用料を支払いシステムをサービスとして利用するのに対し、オンプレミスは、自前のハードウェアやソフトウェアを準備してERPを構築するためです。

  クラウドERP オンプレミスERP
費用 初期費用はほとんどかからず、利用料金が継続して発生する まとまった初期費用が発生し、ランニングコストは抑えられる

自前でハードウェアやソフトウェアを準備しなくてよいクラウドERPは、これらの購入費用が発生しないので、初期費用をぐっと抑えられます。一方で、システムを使った分だけ利用料金が発生するので、ランニングコストは継続的に発生し、使えば使うほど利用料金は増えるでしょう。

オンプレミスERPでは、ハードウェア・ソフトウェアを自分で準備し、セッティングなどを行う必要があります。そのため、これらの調達にかかるまとまったコストが、システムに導入時に発生してしまうのです。ただし、自分でシステム全体を保有するので、利用料金は発生しません。ランニングコストは、ある程度抑えやすいと言えます。

◆ポイント

  • まとまった初期費用の発生を抑えたいなら、クラウドERPがおすすめ
  • 導入時の費用はかかってもよいので、ランニングコストはコントロールしたいならオンプレミスERP

2-2. カスタマイズ性

クラウドERPとオンプレミスERPは、どちらもカスタマイズできますが、カスタマイズの自由度に違いがあります。自前でハードウェアやソフトウェアを準備するのかどうか、という差があるからです。

  クラウドERP オンプレミスERP
カスタマイズ性 サービス提供の範囲内で自由にカスタマイズできる カスタマイズできる

自分でハードウェア・ソフトウェアを準備しないクラウドERPでは、サービスの提供される範囲でのカスタマイズができるだけで、何もかも自由に選ぶということはできません。かなり自由にカスタムできるものの、一定の制約はあると考えておきましょう。

オンプレミスERPは、自分でハードウェアやソフトウェアを準備するので、機器の組み合わせや機能など、自由です。その分、構築に専門知識が必要ですが、何の制約もなくシステムを作るなら、オンプレミスERPを選ぶことになります。

◆ポイント

  • 専門知識不要だが自由度に一定の制約がある、初心者から使いやすいのがクラウドERP
  • 専門知識は必要だが自由に構築できる、独自のこだわりがある場合に選びたいのがオンプレミスERP

2-3. 運用の負担

クラウドERPとオンプレミスERPは、システム運用時の負担に大きな差があります。両者は、ERPを稼働させるために必要なハードウェア・ソフトウェアを管理する主体が異なるからです。

  クラウドERP オンプレミスERP
運用の負担 運用・保守は基本的にクラウドサービス提供事業者が実施するので負担が小さい すべて自社で行うので負担が大きい

クラウドERPでは、システムの運用にかかる保守や管理は、クラウドサービス提供事業者が主体となって行います。そのため、利用者側である企業の運用にかかる負担は、ほとんどありません

オンプレミスERPの場合、自分でシステムを保有しているので、当然、その保守管理もすべてERPシステムを利用する企業が行う必要があります。その結果、運用にかかる負担は大きくなり、専門の人員を準備する必要も出てくるでしょう。

◆ポイント

  • 人員が限られている、業務多忙などにより運用に手間をかけたくないなら、クラウドERP
  • ERP運用のための人材を準備できるなら、オンプレミスERPも選択可能

3. クラウドERPの恩恵を特に活かせるケース・向いていないケース

ここまでに見てきたクラウドERPの特徴や、他のシステムとの違いを踏まえると、次のような企業・状況で、クラウドERPの恩恵を最大限活かすことができます。

クラウドERPの恩恵を特に活かすことができる企業・状況

1. 製造業

2. 中小企業

3. 事業や組織のスタートアップ時

クラウドERPは、すべての企業にとって恩恵の大きなシステムですが、特に上記のような条件に当てはまるなら、積極的に導入を検討することをおすすめします。なぜ、このような企業・状況にクラウドERPが向いているか、以下で理由を確認しておきましょう。

さらに最後に、クラウドERPの導入について慎重に検討すべきケースもご紹介していますので、自分が該当していないか、あわせて確認してみてください。

3-1. 製造業

クラウドERPを製造業に導入することで、業務の効率化や生産性の向上に大きく寄与することができます。製造業で欠かせない製造・在庫管理・販売といった各段階でのデータの管理と活用を、クラウドERPで効率化することができるからです。

例えば、各製造現場や部署ごとにシステムが別だと、データを何度も入力する手間が発生しますが、クラウドERPであれば、一度データを打ち込めばすべてのシステムで共有できます。

また、遠隔地にある現場・部署間であってもリアルタイムでデータ共有できるので、作業に「待ち」の時間が発生しません。すぐにデータの集計や分析に取り掛かることができ、最新のデータをすぐに活用できるようになります。

◆ポイント

  • クラウドERPは、複数の業務システム間でリアルタイムで情報共有できるので、製造業の課題解決に役立つ

3-2. 中小企業

少数精鋭で業務を進める機会の多い中小企業にとっても、クラウドERPは強い味方と言えます。機器類を購入する必要がなく、保守管理をクラウドサービス提供事業者が行うクラウドERPは、導入時や、特に運用時にかかる労力を最小限にできるからです。

例を挙げると、

  • 基幹系システムを導入したいけれど、運用に専任で携われる人材がいない
  • 専門知識を持った人材が確保できない
  • アップデートを小まめに行い、常にセキュリティが万全な状態にしておきたい

といった場合でも、クラウドERPなら負担なく運用できます。

◆ポイント

  • クラウドERPは、運用を省力化でき人的リソースを有効活用できるので、中小企業に最適

3-3. 事業や組織のスタートアップ時

スピード感を持って業務環境を整備したい事業や組織のスタートアップ時にも、クラウドERPは真価を発揮します。すでに構築されたERPシステムをサービスとして利用するので、導入までにかかる手間や時間を大幅に短縮できるからです。

例えば、オンプレミスでERPを準備しようとすると1年以上かかることもありますが、クラウドERPであれば3ヶ月程度で導入することもできます。

手間をかけず快適な業務環境の構築ができる分、人的リソースを本来業務に充てられるので、とても効率的です。

◆ポイント

  • クラウドERPは、導入にかかる時間が短く手間もかからないので、スタートアップ時も快適に導入できる

3-4. 【参考】クラウドERP導入が向いていないケースとは?

クラウドERPを導入することであらゆる課題を解決できるわけではないため、次のようなケースでは、導入しても効果が実感できない可能性が高くなります

◆クラウドERP導入が向いていないケース

  • 社内のデジタル化・ペーパーレス化が進んでいない
  • クラウドERPを導入することで改善したい解決が明確でない

まず、ペーパーレス化などが進んでいないと、クラウドERPを有効活用する前段階として、データの移行作業が発生してしまいます。業務が一時的に増えても、クラウドERP導入と同時に社内のデジタル化を進めるつもりであれば問題はありませんが、安易に導入すると、うまく使いこなせなくなってしまうでしょう。

次に、「クラウドERPを導入すれば、それだけで業務がやりやすくなる」と考えているケースなど、解決すべき課題があいまいな場合も、慎重に再検討することをおすすめします。クラウドERPに限った話ではなく、基本的に、課題を解決するためにデジタルツールをどのように活用するのか考えておかないと、効率化も進まず、ツールも使いこなせない結果に陥るからです。

4. クラウドERP導入について正しい判断をするためのチェックポイント

クラウドERPを導入するかどうかの判断に失敗しないためには、次のようなチェックポイントを押さえて検討をするのがおすすめです。

クラウドERP導入について正しい判断をするためのチェックポイント
  • 解決したい課題・導入目的にマッチするか
  • カスタマイズできる範囲は十分か
  • 機能・操作性はニーズを満たしているか
  • サポート体制は十分か
  • トライアルで確認したか

自社の業務環境に合った最適なシステムを導入するためにも、どういうチェックポイントがあるのか把握しておきましょう。

4-1. 解決したい課題・導入目的にマッチするか

クラウドERPの導入を検討するときは、業務上解決したい課題の解決や導入目的にクラウドERPがマッチするかどうかを、最初に確認しましょう。

課題解決や導入目的に合わない新システムを導入しても定着せず、導入効果を実感できないまま使わなくなってしまうケースが多いからです。

クラウドERPの導入を失敗させないためには、「同じデータを何度も入力するのが非効率」など、業務で解決すべき課題は何かを明確にし、クラウドERPの導入で解決できそうかどうかを確認しておきましょう。

4-2. カスタマイズできる範囲は十分か

クラウドERPもある程度のカスタマイズはできますが、何もかも自由に組み合わせられるわけではないので、必要なカスタマイズができるのかを、あらかじめ確認しておきましょう。

特に、現在オンプレミスのERPを使っていて、クラウドERPへの移行を考えているなら、注意が必要です。オンプレミスではできていた他システムとの連携や使えていた機能などが、クラウドERPではサポートしていない可能性があります。

クラウドERPの種類によっても、カスタマイズのしやすさは変わってくるので、必ず複数のクラウドERPを比較し、最適なシステムはどれか検討することが導入成功の秘訣です。

4-3. 機能・操作性はニーズを満たしているか

意外と見落としがちなのが、機能・操作性がニーズを満たすのかについてです。クラウドERPなど新しいシステムの導入を検討するときは、つい、予算に合致するのかという点にばかり目が行ってしまいがちですが、費用面だけを重視しすぎると導入に失敗します。

システムの機能が不十分だったり操作性が悪かったりすると、かえって業務が非効率になり、生産性も落ちてしまうからです。

失敗を避けるには、機能面・操作性などが自社ニーズを満たせるのかなどを確認したうえで、最後に費用面を調整するという順番で検討しましょう。

4-4. サポート体制・運用実績は十分か

クラウドERPを導入検討するときは、サポート体制・運用実績の確認も重要になってきます。システムの保守管理や障害時の復旧などをクラウドサービス提供事業者が担うクラウドERPでは、サポート体制・実績の充実度が、そのまま運用の安定性につながるからです。

例えば、新システム導入時にありがちな「操作の方法がわからない」「謎のエラー表示が出て、どうしたらよいのかわからない」などのケースでも、サポート体制が手厚ければ、すぐに対応が受けられます。疑問がすぐに解消されることで、業務の効率化にもつながるでしょう。

4-5. トライアルで確認したか

クラウドERPが自社に向いていると判断した場合でも、可能な限り導入する前に無料トライアルを利用して、操作感や機能面について、本当に使いこなせそうか確認しておきましょう。

実際にシステムを触ってみることで、使い勝手や業務体制にマッチするかどうかが明確になることも多いからです。運用開始したら、実際にシステムを使う予定の担当者に試してもらいましょう。

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5. まとめ

クラウドERPとは、クラウドベースの基幹業務関連システムのことです。会計・販売・生産・人事労務などの基幹となる業務を総合的にサポートできるシステムとなっており、以下のとおり、たくさんのメリットがあります。

◆クラウドERPの主なメリット

  • システム導入時の負担を軽減できる
  • 保守管理の労力を抑えられる
  • 働き方改革や業務の効率化につながる
  • BCP対策ができる

なお、ERPには、クラウドERPの他にもオンプレミスERPがあります。それぞれの特徴をまとめて確認しておきましょう。

  クラウドERP オンプレミスERP
費用 初期費用はほとんどかからず、利用料金が継続して発生する まとまった初期費用が発生し、ランニングコストは抑えられる
カスタマイズ性 サービス提供の範囲内で、自由にカスタマイズできる カスタマイズできる
運用の負担 運用・保守は基本的にクラウドサービス提供事業者が実施するので負担が小さい すべて自社で行うので負担が大きい

クラウドERPが向いているケースとは、次のようなケースです。

クラウドERPの恩恵を特に活かすことができる企業・状況

1. 製造業

2. 中小企業

3. 事業や組織のスタートアップ時

クラウドERP導入に失敗しないためには、

  • 解決したい課題・導入目的にマッチするか
  • カスタマイズできる範囲は十分か
  • 機能・操作性はニーズを満たしているか
  • サポート体制は十分か
  • トライアルで確認したか

といったポイントを押さえて、検討していきましょう。

クラウドERPを導入することで、業務を効率化し、企業の成長を促進することも可能です。ぜひ、この機会に、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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