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VDIとリモートデスクトップ(SBC)の違いとは?初心者でも分かるよう解説

VDIの導入をご検討の方、お悩みの方はこちらからお問い合わせください。

「VDIとリモートデスクトップ(SBC)にはどのような違いがあるのだろう?」

「自社のテレワークで利用したいけど、どちらを選んでも良いのだろうか?」

こんな風にVDIとリモートデスクトップ(SBC)の違いがいまいち理解しきれていないのではないでしょうか?

テレワークの需要が高まる昨今、VDI(仮想デスクトップ)リモートデスクトップ(SBC)はリモートアクセスを実現する手段として注目されていますが、両者で何がどう違うのかは分かりにくいですよね。

結論を言うと、VDIとリモートデスクトップ(SBC)の大きな違いはユーザーがOSを個別に利用するか、共同で利用するか」という点にあります。

そして、この違いによって導入・運用するためのコストや労力にも差が出てきます

そのような違いを細かいところまで把握しておくことで、あなたの会社に本当に適しているのが、VDIとリモートデスクトップ(SBC)のどちらなのか判断しやすくなるはずです。

そこでここでは、以下の内容についてご紹介します。

本記事の内容

  • VDIとリモートデスクトップ(SBC)の違い
  • VDIのメリットとデメリット
  • リモートデスクトップ(SBC)のメリットとデメリット
  • VDIとリモートデスクトップ(SBC)はどう選ぶべきか

最後までお読みいただくことで、あなたの会社に適しているのがどちらかが判断でき、快適なリモートアクセスの実現に向けて動き出せるはずですよ。

早速読み進めていきましょう。

※ここでは、オフィスに置いてある作業用パソコンの遠隔操作ではなく、サーバーに構築した作業環境にリモートアクセスを行う方式のことをリモートデスクトップ(SBC)として説明しています。

VDIの導入をご検討の方、お悩みの方はこちらからお問い合わせください。

目次:

1. VDIとリモートデスクトップ(SBC)の違い
1-1. VDIのリモートデスクトップ(SBC)との違いは「個別にOSを使う」点
1-2. リモートデスクトップ(SBC)のVDIとの違いは「OSを共同で使う」点
2. VDIとリモートデスクトップ(SBC)の違いや共通点を比較
2-1. データの保管場所
2-2. ユーザーが共有するリソース
2-3. コスト負担
2-4. 導入・運用の労力負担
3. VDIのメリット・デメリット
3-1. VDIのメリット
3-2. VDIのデメリット
4. リモートデスクトップ(SBC)のメリット・デメリット
4-1. リモートデスクトップ(SBC)のメリット
4-2. リモートデスクトップ(SBC)のデメリット
5. VDIとリモートデスクトップ(SBC)は利用する従業員の業務に応じて選ぼう
5-1. 幅広い業務や負荷の高い業務への対応が必要ならVDI
5-2. 負荷の低い一定の業務に対応できれば良いならリモートデスクトップ(SBC)
5-3. コストや労力面でどちらも選ぶのが難しいならクラウド活用がおすすめ
6. NTT東日本が業務スタイルに適した快適なVDI/リモートアクセスの導入を支援いたします
6-1. 安全・快適なリモートアクセスのための環境構築をワンストップサポート
6-2. 150件を超える実績に裏付けられた課題解決力
6-3. 長期的なコストパフォーマンスの高さを重視したご提案
7. まとめ

1. VDIとリモートデスクトップ(SBC)の違い

冒頭でもお伝えした通り、VDIとリモートデスクトップ(SBC)の違いは「ユーザーがOSを個別に利用するか、共同で利用するか」という点にあります。

もう少し詳しく言うと、それぞれ以下のように異なります。

  • VDIのリモートデスクトップ(SBC)との違いは「個別にOSを使う」点
  • リモートデスクトップ(SBC)のVDIとの違いは「OSを共同で使う」点

ここでは、こうした両者の違いについて順番に説明します。

1-1. VDIのリモートデスクトップ(SBC)との違いは「個別にOSを使う」点

VDI(Virtual Desktop Infrastructure)がリモートデスクトップ(SBC)と決定的に違うのは、ユーザーが個別にOSを使えるところです。

VDIではユーザーごとに、パソコンのような振る舞いをする仮想マシン(=作業環境)をサーバー上に構築し、それぞれの仮想マシンにOSを割り当てます。

これにより各ユーザーは、自身の任意の端末(パソコンやタブレットなど)からサーバー上の仮想マシンにアクセスして、個別のOS下で作業を行うことが可能です。

インターネットやVPNなどのサーバーにアクセスするネットワークと、サーバーにアクセスするための端末があればどこからでもサーバー上の仮想マシンを使って作業ができ、これによってリモートアクセスを実現しています。

1-1-1. VDIの操作感は「自分専用のパソコン」

VDIによってリモートアクセスを行う場合、ユーザーの操作感は「自分専用のパソコンを使っている」感覚に近いです。

実際には手元の端末を介してサーバー上の仮想マシンを動かしているのですが、仮想マシンごとにOSがインストールされることもあり、ユーザー専用の作業環境を実現できるのです。

またこういったことから、VDIではユーザーごとに以下のようなカスタマイズも可能となっています。

ユーザーが可能なカスタマイズ

  • アプリケーションの追加
  • 仮想マシンの設定変更
  • OSの選択

このように各ユーザーの作業に合わせたカスタマイズを行いやすいため、VDIでの操作感は自分専用のパソコンを使っている感覚に近いのです。

1-2. リモートデスクトップ(SBC)のVDIとの違いは「OSを共同で使う」点

リモートデスクトップ(SBC)では、1つのサーバーOSを複数人で共同利用します。

このことが、ユーザーが個別にOSを利用できるVDIとの根本的な違いと言えます。

リモートデスクトップ(SBC)は、RDS(Rimote Desktop Service)や、SBC(Server Baced Computing)とも呼ばれ、イメージとしては、1台のパソコンを複数のユーザー(アカウント)で共同利用するような状態に近いです。

リモートデスクトップ(SBC)にはVDIとの根本的な違いがある一方で、以下の点についてはVDIと共通しています。

  • 各ユーザーが手元の端末からサーバー上の作業環境にアクセスする
  • サーバーにアクセスするネットワークと端末があれば、どこからでも作業できる

VDIと共通するこうした仕組みにより、リモートデスクトップ(SBC)でもリモートアクセスが可能となっています。

1-2-1. リモートデスクトップ(SBC)の操作感は「他の人のパソコン」

リモートデスクトップ(SBC)の操作感は、「他の人のパソコンを使っている」感覚に近いです。

お伝えした通りリモートデスクトップ(SBC)では、一つのサーバーOSを複数人で共同利用するため、各ユーザーは同じデスクトップ環境で作業を行います

つまり、VDIのように各自でアプリケーションを追加したり、OSの設定を変更したりといったカスタマイズができないのです。

このようにユーザーは自分の好きに環境を変更することができず、用意されたOSやアプリケーションを使うしかないので、慣れるまでは「他の人のパソコンを使っている」感覚で作業を行うことになるでしょう。

2. VDIとリモートデスクトップ(SBC)の違いや共通点を比較

お伝えした通り、VDIでもリモートデスクトップ(SBC)でも従業員の作業環境はサーバー上に構築しますが、

◆VDI

→個別にOSが利用でき、ユーザー専用の作業環境が構築される

◆リモートデスクトップ(SBC)

→複数人でサーバーOSを共同利用するため、作業環境も共有となる

という点で違いがあります。

こういったことに起因して、それぞれに次のような特徴が見られます。

特徴

仮想デスクトップ(VDI)

リモートデスクトップ(SBC)

データの保管場所

サーバー サーバー

ユーザーが共有するサーバーリソース

少ない 多い

コスト負担

比較的大きい 比較的小さい

導入・運用の労力負担

比較的大きい 比較的小さい

ここではこのような違いや共通点について、比較しながら説明します。

2-1. データの保管場所

特徴

仮想デスクトップ(VDI)

リモートデスクトップ(SBC)

データの保管場所

サーバー サーバー

VDIの場合もリモートデスクトップ(SBC)の場合も、基本的にデータはサーバー上に保管され、アクセス元となるユーザーの端末側には保管されません。

どちらの場合も、実際に操作しているのはサーバー上の仮想マシンやデスクトップだからです。

リモートアクセス中のアクセス元端末は、サーバー上の作業環境を操作するためのリモコンのようなものであり、基本的には端末側で処理を行わないのです。

例えば文書作成・保管を行う場合は、サーバー上の作業環境に入っている文書作成ソフトを使って文書を作り、サーバー上にデータを保管することになります。

このようにVDIでもリモートデスクトップ(SBC)でも、基本的にアクセス元の端末には業務データは残りません

また、この特徴は端末が盗まれたり不正アクセスを受けることによる情報流出リスクの低減に繋がることも覚えておきましょう。

2-2. ユーザーが共有するリソース

特徴

仮想デスクトップ(VDI)

リモートデスクトップ(SBC)

ユーザーが共有するサーバーリソース

少ない 多い

より多くのサーバーリソースをユーザー同士で共有するのは、リモートデスクトップ(SBC)です。

そもそもリモートデスクトップ(SBC)は、一つの作業環境を共有して使用するためです。

そのようなリモートデスクトップ(SBC)では、例えば以下のようなサーバーリソースをユーザー同士で共有して使います。

  • OS
  • CPU
  • メモリ
  • ストレージ
  • アプリケーション

このように多くのリソースを共有するリモートデスクトップ(SBC)では、ユーザーの使用状況が互いに影響を及ぼしやすく、作業環境の使い方には多少の配慮が必要となるでしょう。

一方、VDIでは大元のサーバー本体こそユーザー同士で共有していますが、OSだけでなくCPUやメモリ、ストレージも論理的に分割され各自の仮想マシンに割り当てられます。

このため、VDIではユーザーが自身の作業環境を比較的思い通りに活用しやすいと言えます。

2-3. コスト負担

特徴

仮想デスクトップ(VDI)

リモートデスクトップ(SBC)

コスト負担

比較的大きい 比較的小さい

コスト負担はリモートデスクトップ(SBC)の方が比較的小さい傾向にあります。

VDIでは、ユーザーの数だけ仮想マシンが必要となるため、その分必要なサーバーやストレージは多くなりますし、性能の高さも求められます

また、基本的にOSライセンスが仮想マシン分(ユーザーの人数分)必要です。

一方リモートデスクトップ(SBC)では、一つの作業環境を共有するので、VDIと比較するとサーバーの台数は少なくて済みます。また、必要なライセンスもVDIの場合より安価なタイプです。

こういったことから、どちらを採用してもコスト負担は発生しますが、比較的リーズナブルに導入できるのはリモートデスクトップ(SBC)だと言えます。

2-4. 導入・運用の労力負担

特徴

仮想デスクトップ(VDI)

リモートデスクトップ(SBC)

導入・運用の労力負担

比較的大きい 比較的小さい

導入や運用にかかる管理者の労力負担が比較的小さいのもリモートデスクトップ(SBC)の方です。

VDIでは人数分の作業環境を個別に構築しなければならないため、その分導入時にかかる労力は大きなものとなってしまいます。

運用面のことを考えても、ユーザーがそれぞれ異なる環境を使っているため、サポート対応がリモートデスクトップ(SBC)と比べて煩雑になりがちです。

対してリモートデスクトップ(SBC)では、ユーザー別に作業環境を構築する必要がなく、各ユーザーが共通の環境で作業を行っていることから、運用面で必要な対応も一元化しやすいです。

こういったことから、管理負担はリモートデスクトップ(SBC)の方が小さいと言えるでしょう。

VDIの導入をご検討の方、お悩みの方はこちらからお問い合わせください。

3. VDIのメリット・デメリット

VDIとリモートデスクトップ(SBC)の特徴を見比べることで、それぞれに利点・欠点があることが分かってきたのではないでしょうか?

そこでここからは、そうした特徴から見えてきたメリット・デメリットを改めて整理し、詳しく見ていきましょう。

まずはVDIのメリットとデメリットから始めます。

3-1. VDIのメリット

早速VDIのメリットについて説明しますね。

3-1-1. 幅広い業務内容に対応できる

VDIは、各従業員の幅広い業務内容にも対応することができます。

ユーザーごとの仮想マシンをサーバー上に構築するVDIでは、従業員は各自でアプリケーションを追加したり、仮想マシンの設定を変更することが可能だからです。

またOSも仮想マシンごとに設定でき、仮想マシン上で使用できるアプリケーションの幅も広いです。

このようなことから、それぞれの作業環境を各従業員の業務内容にマッチしたものにしやすいのです。

これは例えば、以下のような場合には特に大きなメリットとなるはずです。

  • テレワークを行う従業員間で職種がバラバラ
  • 従業員ごとにOSが違う
  • クリエイター用に専門アプリケーション(ソフト)が必要
3-1-2. 専用端末を使った従来の勤務に近い感覚でテレワークを行える

従来のオフィス勤務では、各従業員が個別に専用のパソコンを使って作業を行うのが一般的でした。

VDIなら、そのような専用端末を使った勤務形態に近い感覚でテレワークを行えます

VDIでは各仮想マシンにCPUやメモリ、ストレージが割り当てられ、他の従業員の利用状況に影響を受けることなく作業ができるからです。

このため、VDIの利用者は自分の専用パソコンで行うのと同じような感覚で、サーバー上の環境において業務を進めることができます。

つまりVDIを用いてテレワークを実施すれば、それまでのオフィス勤務とあまり変わらない作業環境で各自が業務を進められるのです。

3-2. VDIのデメリット

次に、VDIのデメリットについても見ていきましょう。

3-2-1. 導入時のコスト負担が大きい

VDIの導入には、多くの費用がかかります。

例えば、ハードウェア・ソフトウェアだけに限っても、以下のような購入費が必要となります。

◆ハードウェア
  • VDI用サーバー
  • ストレージ機器
  • ネットワーク機器

◆ソフトウェア関連
  • VDI環境の構築に使用するソフトウェア
  • 仮想マシンごとのOSライセンス

VDIの運用によって、従業員それぞれのパソコンの保守費用等、削減できる費用も種々あるので、適切に導入すれば初期費用を回収できる可能性は高いですが、それでも導入時に少なくない金額が必要となるのは事実です。

3-2-2. 導入・運用にかかる労力が大きい

VDIの導入・運用にかかる労力負担も大きくなる傾向にあります。

例えば以下のような点で特に労力を要します。

◆作業環境を構築するのに必要なリソース計算
→ユーザー別の作業環境構築のため、緻密な計算が必要。リソースが不足していれば各ユーザーが必要とするパフォーマンスを発揮できないし、過剰なリソースは無駄になる。

◆ユーザーごとの作業環境構築
→ユーザーごとの環境が必要なため、リモートデスクトップ(SBC)の場合より時間を要する傾向。

◆運用開始後の保守・サポート業務
→ユーザーごとに作業環境に差があるため、個別の確認や対応が必要となりやすい。

このように導入・運用にかかる労力負担は、小さいとは言えません。リモートデスクトップ(SBC)の場合と比べても、多くの労力が必要です。

ただ、運用面においては、従業員それぞれのパソコンに対して保守・サポートを行うよりは、負担は軽減されやすいので、その点は留意しておきましょう。

VDIの導入をご検討の方、お悩みの方はこちらからお問い合わせください。

4. リモートデスクトップ(SBC)のメリット・デメリット

続いてリモートデスクトップ(SBC)のメリットとデメリットについても見てみましょう。

4-1. リモートデスクトップ(SBC)のメリット

まず、リモートデスクトップ(SBC)のメリットについて説明します。

4-1-1. 従業員の作業環境を標準化できる

リモートデスクトップ(SBC)では、各従業員の作業環境を標準化することができます。

これは、「1つの作業環境を複数人で共有する」というリモートデスクトップ(SBC)の性質によって可能となります。

作業環境が標準化されることは、先ほどご紹介した「幅広い業務内容に対応できる」というVDIのメリットと矛盾しているように感じられるかもしれません。

しかし、むしろ幅広い業務内容に対応する必要のない場合には、作業環境が標準化されていることで以下のような利点が生まれるのです。

◆業務の属人化防止
→特定のアプリケーションしか使えないことで独自の手法で作業を行いづらく、業務プロセスが統一されやすい。

◆アプリケーション管理が一括で行える
→管理者サイドでアップデートやインストールなどを一括で行えて、最新の状態を保ちやすい。

◆管理者サイドによる統制が取りやすい
→作業環境の全体像を把握しやすく、従業員にアプリケーションの追加権限が無いため、不要なアプリケーションを置かずに済む。

このように、作業環境が標準化できることは、一定の業務しか行わないような場合には大きなメリットとなります。

4-1-2. スムーズに導入しやすい 

リモートデスクトップ(SBC)は、リモートアクセスの手段としては比較的スムーズに導入しやすいです。

お伝えした通り、導入に必要なコストや労力がVDIほどは大きくないためです。

例えば、コスト面では以下の点でVDIより導入ハードルが低いと言えます。

  • サーバーは高性能でなくても良い
  • サーバー・ストレージ機器共に少なくて済む(同じ規模でVDI環境を構築する場合と比べて)
  • 使用するライセンスが安価な傾向

また労力面でも、VDIと比較した場合ではありますが、以下のように工数を削減することが可能です。

  • サーバー・ストレージ機器が少ない分、設置/構成作業の工数を削減できる
  • リモートデスクトップ(SBC)環境は複数人で共有するので構築工数が比較的少なくて済む

このようにコスト面でも労力面でもVDIより負担が小さくて済むことから、リモートデスクトップ(SBC)は比較的スムーズに導入しやすいと言えるのです。

4-2. リモートデスクトップ(SBC)のデメリット

続いてリモートデスクトップ(SBC)のデメリットについても見ていきましょう。

4-2-1. 特定の業務しか行えない

リモートデスクトップ(SBC)を利用する従業員は、作業環境において特定の業務しか行うことができません。

以下のような理由から、リモートデスクトップ(SBC)で行われる業務は一定かつ低負荷なものである必要があるのです。

一定の業務であるべき理由

  • ユーザー(従業員)はアプリケーションを自由にインストールできない
  • サーバーOSに対応しているアプリケーションしか使えない
  • マルチユーザーに対応したアプリケーションしか使えない(原則)

低負荷な業務であるべき理由

  • CPU、メモリ、ストレージなどのリソースをユーザー同士で分け合って使う
  • 高い負荷のかかる作業は多くのリソースを消費し、作業環境全体のパフォーマンスが低下する
    (高負荷作業…マクロの実行、動画編集など)

リモートデスクトップ(SBC)の作業環境で行えるのは、こういった制約の範囲内で可能な業務に限定されてしまうのです。

4-2-2. 使い勝手の悪さを感じる場合がある

リモートデスクトップ(SBC)の作業環境は、使い勝手が悪く感じられる場合もあります。

今まで専用のパソコンを使って業務を行ってきたなら、特にそのように感じやすいはずです。

リモートデスクトップ(SBC)の作業環境は、専用パソコンを使用する場合に比べて自由が利かないからです。

これまでにもお伝えした通り、リモートデスクトップ(SBC)を利用する場合、従業員は環境下に用意されたアプリケーションしか使うことができません。

また、アクセスが集中したり、他の従業員が普段より負荷の高い作業を行うと、処理スピードが遅くなることもあります。

このような状況は、これまで専用のパソコンを使ってきた従業員にとっては少なからず不便に感じてしまうものです。

リモートデスクトップ(SBC)環境に慣れるまではこういったデメリットがあることを、覚悟しておいた方が良いでしょう。

5. VDIとリモートデスクトップ(SBC)は利用する従業員の業務に応じて選ぼう

VDIとリモートデスクトップ(SBC)のどちらが自社に適しているか判断する際には、リモートアクセスを利用する従業員の業務により適した方を選ぶようにしましょう。

ここでは適切な選択ができるように、VDIとリモートデスクトップ(SBC)がそれぞれがどのような業務形態に向いているものなのかを説明します。

5-1. 幅広い業務や負荷の高い業務への対応が必要ならVDI

以下のような状況に対応するなら、VDIの方が適しています。

◆利用予定者の業務の幅が広く、それぞれが異なるアプリケーションを使って業務を行う

もしくは

◆利用予定者の中にリソース負荷の高い業務(制作・高度なプログラミング等)を行う従業員が居る

これまでに紹介した通り、VDIには

  • 仮想マシンごとにカスタマイズが可能で、幅広い業務内容に対応できる
  • ユーザー同士で共有するリソースが少なく、各仮想マシンにCPUやメモリ、ストレージが割り当てられる

という特徴や利点があります。

こういったことから考えると、リモートアクセスを利用する従業員の業務の幅が広い、あるいは負荷の高い業務であるという場合は、柔軟な対応が可能なVDIを採用するべきと言えるのです。

とはいえ、VDIの導入にはそれなりのコストと労力が必要となるため、

①VDIを利用して業務を行う可能性のある従業員は誰か

②その従業員はそれぞれ、普段どのような業務をどのアプリケーションを使って行っているか

を改めて洗い出して、VDIでの対応が必要かどうかを慎重に見極めるようにしてください。

5-2. 負荷の低い一定の業務に対応できれば良いならリモートデスクトップ(SBC)

以下のようなケースに対応するなら、リモートデスクトップ(SBC)の方が適しています。

◆利用予定者の業務が定型で、使っているアプリケーションにあまり差がない

かつ

◆利用予定者の業務はリソース負荷の低いオフィス業務や事務作業

これまでにお伝えした通り、リモートデスクトップ(SBC)には

  • 各ユーザーによるカスタマイズができず作業環境が標準化される
  • ユーザー同士で多くのリソースを共有する
  • 導入・運用にかかるコストや労力が比較的小さい

といった特徴があります。

これらを考慮すると、負荷の低い一定の業務に対応できれば十分である場合には、リモートデスクトップ(SBC)の方が適していると言えるのです。

5-3. コストや労力面でどちらも選ぶのが難しいならクラウド活用がおすすめ

自社に適しているのがどちらか分かっても、導入や運用に必要なコスト・労力のために実際にはどちらも選びづらいという場合もあるかと思います。

そのような場合は、クラウドを活用してVDI/リモートデスクトップ(SBC)環境を構築するのがおすすめです。

クラウドを活用したVDI/リモートデスクトップ(SBC)には、以下のような特徴があり、コスト負担や労力負担を抑えやすいからです。

サーバーやストレージ機器を購入しなくて良い

クラウドを活用してVDI/リモートデスクトップ(SBC)を導入する場合、サーバーやストレージ機器はクラウド上のものを利用するため本体を購入する必要がありません。
こうしたハードウェアは高額であるため、導入費の大幅な削減が見込まれます。

一定の保守・管理対応はクラウドサービス提供事業者側で行ってくれる

  • クラウド側に設置されているサーバーやストレージ機器、ネットワーク機器の保守・管理対応はクラウドサービス提供事業者側で行われます。

  • 自社(オンプレミス)で環境構築を行った場合、これら全てを自社やアウトソース先の企業で行う必要があり、コスト的にも労力的にも負担が大きくなりがちですが、クラウドを活用することでそのような負担を削減することができるのです。

構築済みの環境を提供してくれるサービスもある

  • クラウドサービスの中には、構築済みのVDI/リモートデスクトップ(SBC)環境を提供してくれるものもあります。(DaaSと呼ばれるサービスです。)

  • このサービスを利用することで、構築作業を自社で行ったり外部企業に依頼する必要が無くなります。
  • これにより、導入コスト・労力の更なる削減が期待できます。

VDIやリモートデスクトップ(SBC)にかかるコストや労力をネックに感じられているなら、このようなクラウドを活用した環境構築が非常におすすめです。

VDIの導入をご検討の方、お悩みの方はこちらからお問い合わせください。

6. NTT東日本が業務スタイルに適した快適なVDI/リモートアクセスの導入を支援いたします

クラウドを活用したVDIやリモートアクセスの導入を検討されているなら、ぜひ一度NTT東日本のクラウドソリューションへご相談ください。

クラウド導入運用支援事業者である私たちが、業務スタイルに適した快適なVDI/リモートデスクトップ(SBC)の導入を実現に導きます。

ここでは、それを可能にする私たちの強みをご紹介します。

6-1. 安全・快適なリモートアクセスのための環境構築をワンストップサポート

クラウド導入支援事業者でもあり、ネットワーク事業者でもあるNTT東日本なら、従業員の皆さまの作業環境となるクラウドについてはもちろん、クラウドにアクセスするためのネットワーク構築についてもサポートが可能です。

一般的なクラウド導入支援事業者ではネットワークはサポート範囲外としているケースも多いのですが、NTT東日本はネットワークについても専門的な知見があるため、クラウド環境とネットワークの設計・構築をワンストップでサポートいたします。

こうした一貫したサポートで、お客さまの業務スタイルに合った安全で快適なVDI/リモートデスクトップ(SBC)環境の構築をリードします。

6-2. 150件を超える実績に裏付けられた課題解決力

NTT東日本のクラウドソリューションでは、クラウドを活用し、お客さま企業でのビジネス上の課題解決をリードしてきました。その数は実に150社以上に上ります。

こうした実績に裏付けられた課題解決力によって、あなたの会社の業務スタイルに適したご提案が可能です。

まずは、VDIやリモートデスクトップ(SBC)に関するご要望をお気軽にお話しください。

  • 予算内でVDI/リモートデスクトップ(SBC)環境を構築したい
  • 社内にエンジニアが居なくても運用可能な形でVDI/リモートデスクトップ(SBC)を導入したい
  • 強固な情報セキュリティ対策とVDI/リモートデスクトップ(SBC)を両立させたい

etc.

幅広いニーズにお応えしてきた私たちが、あなたの会社やその業務スタイルにマッチするVDI/リモートデスクトップ(SBC)の構成をご提案します。

6-3. 長期的なコストパフォーマンスの高さを重視したご提案

NTT東日本では、長期的なコストパフォーマンスの高さを重視したご提案・サポートを行います。

コストについては、VDI/リモートデスクトップ(SBC)の導入にかかるコストだけではなく、運用開始後のコストや削減が見込めるコストについても考慮し、長期的に見てコスト効率の良いVDI/リモートデスクトップ(SBC)環境をご提案します。

また、パフォーマンスについては、クラウドの有資格者があなたの会社の要件にベストなサービスや環境構成をご提案

これらにより、長期的に見て高い水準のコストパフォーマンスを目指します

このようにNTT東日本は、あなたの会社やその業務スタイルに適した快適なVDI/リモートデスクトップ(SBC)の導入を全面的にサポートいたします。

VDIやリモートデスクトップ(SBC)の導入を検討されているなら、ぜひ一度私たちにお話をお聞かせください。

NTT東日本に相談する

7. まとめ

いかがでしたか?

VDIとリモートデスクトップ(SBC)の違いを、明確に把握することができたのではないでしょうか。

最後に、今回の内容をおさらいしておきましょう。

まず、VDIとリモートデスクトップ(SBC)は「ユーザーがOSを個別に利用するか、共同で利用するか」という点において大きく異なります。

もう少し詳しく言えば、お互い以下のように違っています。

  • VDIのリモートデスクトップ(SBC)との違いは「個別にOSを使う」点
  • リモートデスクトップ(SBC)のVDIとの違いは「OSを共同で使う」点

またこれに起因して、VDI・リモートデスクトップ(SBC)には以下のような細かな違いや共通点も見られます。

特徴

仮想デスクトップ(VDI)

リモートデスクトップ(SBC)

データの保管場所

サーバー サーバー

ユーザーが共有するリソース

少ない 多い

コスト負担

比較的大きい <比較的小さい

導入・運用の労力負担

比較的大きい 比較的小さい

このような違いや特徴を整理すると、VDIには次のようなメリット・デメリットがあることが分かります。

VDIのメリット・デメリット

メリット

  • 幅広い業務内容に対応できる
  • 専用端末を使った従来の勤務に近い感覚でテレワークを行える

デメリット

  • 導入時のコスト負担が大きい
  • 導入・運用にかかる労力が大きい

一方、リモートデスクトップ(SBC)には以下のようなメリット・デメリットがあると言えるでしょう。

リモートデスクトップ(SBC)のメリット・デメリット

メリット

  • 従業員の作業環境を標準化できる
  • スムーズに導入しやすい

デメリット

  • 特定の業務しか行えない
  • 使い勝手の悪さを感じる場合がある

このような両者のメリット・デメリットから、自社でどちらを選ぶべきかは以下のような基準で決めるようにしましょう。

  • 幅広い業務や負荷の高い業務への対応が必要ならVDI
  • 負荷の低い一定の業務に対応できれば良いならリモートデスクトップ(SBC)

また、コストや労力面でどちらも選ぶのが難しいなら、クラウドを活用してVDI/リモートデスクトップ(SBC)環境を構築するのもおすすめです。

あなたの会社でVDI/リモートデスクトップ(SBC)を導入するために今回の記事が役に立てば幸いです。

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