COLUMN

AIとビッグデータの関係性とは?活用事例も含めて分かりやすく解説

ビジネスへのAI活用に少しでも興味のある方は、NTT東日本へお気軽にお問い合わせください。

近年、多くの企業でAIを用いたビッグデータの解析が行われています。
あなたの会社でも、蓄積していく膨大なデータをビジネスに活かそうとする動きがあるのではないでしょうか。

しかし、これまでにAIやビッグデータを活用したことがないと、

「AIとビッグデータはどのように関わり合っているのだろう?」

「AIを活用してビッグデータを解析することは、具体的にどのようなことなのだろう?」

など、分からないことも多いですよね。
具体的に何が良いのかもイメージできず、あまり必要性を感じていらっしゃらないかもしれません。

ただ、実はビッグデータはビジネスを成長させるヒントの宝庫であり、さまざまな業種・企業がその活用に向けてすでに動き出しています

そのため、よく分からないことを理由にAI×ビッグデータの活用を先延ばしにしてしまうと、他社の成長スピードに追いつけず遅れをとってしまうことになります。

そのような事態を避けるには、まずビッグデータとその分析に欠かせないAIの両者について、しっかりと理解しておくことが大切です。

そこでこの記事では、以下の内容をお伝えします。

本記事の内容
  • AIとビッグデータの基礎知識と関係性
  • AIを用いたビッグデータ解析の活用事例
  • AIでビッグデータを解析することのメリット
  • AIでビッグデータの解析を行う際の課題
  • AIによるビッグデータ解析で成果を得るためのポイント

実際の事例も紹介しているので、AIとビッグデータの活用方法がイメージしやすくなるはずですよ。

AI・ビッグデータについての理解が深まり、ビッグデータの解析へ一歩踏み出せるような記事となっているので、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。

ビジネスへのAI活用に少しでも興味のある方は、NTT東日本へお気軽にお問い合わせください。

1. AIとビッグデータの関係性

まずはAIを用いたビッグデータの解析について、基本的な部分を理解するところから始めましょう。

そのためには、AIとビッグデータがそれぞれどのようなものか把握した上で、両者の関係性について知る必要があります。

そこでここでは、

  • AIとビッグデータがそれぞれどのようなものか
  • AIとビッグデータはどのように関わり合っているのか

といったことを説明します。

1-1. ビッグデータとは?

ビッグデータとは、一般的に以下の3つの特徴(3V)を持つデータのことを指します。

◆ Volume(膨大な量)
◆ Velocity(高速な発生速度)
◆ Variety(多様性)

つまり簡単に説明すれば、

「目まぐるしく蓄積される、多種多様なデータ群」

と言うことができるでしょう。

ビッグデータには、電子メールやSNSの投稿内容、音声、動画、画像、Web上での行動履歴、位置情報など多様なものが含まれ、従来の表計算ソフトなどでは分析が困難でした。

しかし、AIの技術を用いることで、そのようなビッグデータも効率良く整理し分析することができるようになったのです。

では、そのAIとはどのようなものなのでしょうか?続けて説明しますね。

1-2. AIとは?

AIとは、Artificial Intelligenceを略した言葉で、日本語では「人工知能」とも呼ばれています。

AIの定義は研究者や機関によって異なりますが、基本的には以下のような意味合いで捉えておくと良いでしょう。

人間の知能を人工的に再現し、さまざまな判断や振る舞いを可能にするシステムのこと

利用シーンにもよりますが、一般的にAIが高い精度で判断を行うためには、データによる学習が必要となります。

例えば、AIが搭載された顔認証システムでは、まずAIに膨大な顔の画像データを読み込ませます。AIはこのたくさんの画像データから、顔の特性やパターンなどを学び、個人の顔を判別することができるようになるのです。

このように、学習過程でデータの中から規則性・特徴を見つけられることや、その規則性や特徴を使ってデータについての判断を行えることなどがビッグデータの解析にも役立っているのです。

1-3. AIとビッグデータは互いにとって必要な存在

ここまでの説明でも分かるように、AIとビッグデータは、それぞれがお互いを必要としています。

日々量産され続ける種類も形式も多様なビッグデータを効率良く分析するためにはAIの技術が必要です。
それと同じくAIにとっても、学習教材となるビッグデータは、より精度の高い判断を行うために欠かせない存在なのです。

学習によって精度の高いデータ解析が可能となったAIを用いてビッグデータを解析することで、これまでになかった視点から、そしてこれまでよりスピーディーにデータを読み解くことができるようになってきました。

このことは、例えば次のようなことに役立っています。

  • SNSやレビューサイトから得られるデータに基づいたマーケティング
  • 機器類の動作状況のデータから故障の予兆を検知・予防
  • ECサイトでの購入履歴や顧客の属性データに基づいたレコメンド表示
  • 日々の売り上げデータや気象情報に基づいた需要予測

etc.

AIとビッグデータは相関するものであり、両者をうまく利用することでビジネスチャンスに繋がるということが少しイメージしやすくなったのではないでしょうか。

2. AI×ビッグデータ活用の重要性は高まっている

AIを用いたビッグデータの解析について、基礎知識となる部分を説明してきました。

次は、そのAIとビッグデータを活用することの重要性についてお話しします。
なぜこの2つがビジネスにとって重要なのかが分かる内容となっています。

2-1. そもそもデータは企業にとって重要なもの

データに基づいた状況把握や意思決定は、ビジネスにおいて一般的なことになっています。

あなたの会社でも状況把握のために、毎月の売り上げや顧客の受注状況などのシンプルでまとめやすいデータはすでに利用されているのではないでしょうか。

このことからも、正確な状況把握や有効な意思決定にとってデータが重要であることは、すでにお分かりいただけているかと思います。

ビッグデータはさまざまな種類や形式を持つ複雑なものではありますが、データであることには変わりません。
うまく活用することができるなら、ビッグデータも一般的なデータと同じく、やはり企業にとって重要なものなのです。

2-2. AIの進歩によりビッグデータの分析が可能に

データの重要性については多くの企業が理解していたものの、これまではビッグデータをうまく分析する技術や基盤が整っていませんでした。

しかし近年、AIをはじめとする技術の進歩によって企業が持て余していたビッグデータも効率的に分析することができるようになってきました。
AIを用いてビッグデータから必要な情報を抽出・分析し、ビジネスにおける状況把握や意思決定に活用することができるようになったのです。

こういったことから、AIもビッグデータを活用したい企業にとっては重要なものであることがお分かりですね。

さらにAIの進歩によって、ビッグデータもますます多くの企業にとって重要視される存在になっていると言えるでしょう。

3. AIとビッグデータの活用事例

AIによるビッグデータ分析の重要性はお分かりいただけたでしょうか。

実際に、現時点でもすでに多くの企業がビッグデータを分析しビジネスに役立てています

ここでは、そのようなAIとビッグデータの活用事例をいくつかご紹介しますので参考にしてみてくださいね。

3-1. 国内の事例

まずは、国内での事例を見てみましょう。

3-1-1. 来客予測で無駄を削減

三重県きっての観光地である伊勢神宮近くの食堂では、AIによってビッグデータを分析することで、来客人数や属性の予測ができるようになりました。

その結果、食材ロスの削減や最適な人員配置が可能となり、売り上げも大きく伸ばすことができました

こちらの食堂が抱えていた課題や活用したビッグデータなどについては次の表をご覧ください。

課題
  • 従業員の経験や勘を判断基準とする経営体制
  • この体制下では食材ロスや非効率な人員配置が発生していた
活用した
ビッグデータ
  • 気象データや周辺ホテルの宿泊予測データなど200種超のオープンデータ
    ※オープンデータ…二次利用できるように公開されているデータ
  • レビューサイトのアクセス数や直近の来客数などの自社保有データ
分析結果
  • 来客の属性や人数を95%の精度で予測できるようになった
成果
  • 食材ロスを削減

    廃棄ロスは72.8%の削減を達成)

  • 効率的な人員配置が可能となり、一人当たりの売上高が約3倍になった

この事例では、ビッグデータの分析結果に基づいて食材の仕入れや人員配置を行えるようになり、年間の売り上げも約5倍になりました。

AI×ビッグデータを活用することが、最終的に売上額の向上に繋がった成功事例と言えます。

出典:公益社団法人 関西経済連合会

3-1-2. ECサイトでの顧客に合わせたレコメンド

ワインを専門に取り扱う通販サイトでは、ユーザーのWeb閲覧履歴や購入履歴、ワインの味わいなどを分析し、それぞれの顧客に適したワインをおすすめ表示できるようになりました。

次の表で詳細を見てみましょう。

課題
  • 顧客の商品閲覧履歴を元にしたレコメンドだけではワインの特性上不十分だった
活用した
ビッグデータ
  • Web上での行動データ
  • 購入履歴
  • 独自にデータ化したワインの味わい
分析結果
  • 顧客それぞれの趣向に応じたおすすめ商品を表示できるようになった
成果
  • おすすめ商品枠からの購入率が2倍にアップ

この事例では、ユーザーのWeb上の行動履歴だけではなく、ワインの特徴もデータとしてAIに分析させています。

その結果、産地や品種などで味わいが異なるワインという商材に適したレコメンドを顧客それぞれに対して行えるようになったのです。

おすすめ商品枠からの購入率が倍増していることからも、ビッグデータの分析が価値のあるおすすめ表示に繋がることが分かりますね。

出典:Rtoaster

3-1-3. 需要予測で業務の効率化

九州を中心に展開するホームセンターでは、ビッグデータの分析によって得られた需要予測に基づいた仕入れ業務を行っています。

その結果、どのような成果を得られたのか以下の表で見てみましょう。

課題
  • 従業員の経験や勘に頼って仕入れ計画を策定、実施していた
  • 過剰な在庫や、それに伴う返送作業などの管理負担が発生
活用した
ビッグデータ
  • カレンダーや気象データ
  • 過去の売り上げデータ(店舗別、商品別)
分析結果
  • データからの需要予測が実現
成果
  • 平均在庫が16%減
  • 在庫管理業務が大幅に減少
  • 売れ筋商品の創出や売り場改善業務に時間を回せた

こちらの事例ではビッグデータを分析した結果、客観的で精度の高い需要予測が可能となり、余計な仕入れが発生しづらくなりました
そのおかげで在庫数はもちろん、仕入れ計画の策定や在庫管理業務の負担を削減することができたのです。

負担が軽減した分、従業員は売り上げに直結する他の業務に当たることができるようになり、業務の効率化にも成功していることが分かります。

出典:AI導入ガイドブック(経済産業省)

3-1-4. 製造現場の作業を可視化し改善施策を実施

兵庫県の航空機関連の製造企業では、現場での作業実績データなどを分析し正確な状況把握を行うことで、経営や現場の改善に効果的な施策を実施することができました。

従来の現場改善施策は、従業員の経験や勘に頼っていて効果も把握できていませんでしたが、AI・ビッグデータの活用を始めてからは、データに基づいた効果的な改善活動を行うことができるようになったのです。

詳細については以下の表をご覧ください。

課題
  • 現場・経営の改善
  • 設備稼働率の向上

    →実現するためには現場での作業実績の把握が必要

活用した
ビッグデータ
  • センサーなどで収集した設備の稼働データ
  • カメラシステムで収集した従業員の作業データ
  • 製造される製品データ
分析結果
  • 製品ごとに必要な作業者や設備の工数を正確に把握できた
  • 設備の稼働状況や従業員の作業状況が可視化された
成果
  • データに基づく正確な指示・教育により、改善活動が高度化
  • 不要な設備停止ロスを削減し、設備稼働率が向上
  • 製品原価を正確に算出できるようになり適正な価格設定が実現、収益が向上

製造の現場で、作業や設備稼働の状況をデータとして収集し分析すれば、改善のために必要な対応が分かるはずです。

こちらの事例でも、データの分析結果に基づいて改善のための施策を実施することができ、結果的に生産性や収益が向上しています。

出典:公益社団法人 関西経済連合会

3-2. 海外の事例

次に海外での活用事例もご紹介します。
ここで紹介する事例は、規模が大きい企業での事例ということもあり、同じような活用方法をあなたの会社ですぐに取り入れるというのは難しいかもしれません。

ただ、多様なデータが含まれるビッグデータの活用方法についてさらに理解を深めたり、データの活かし方についてヒントを得ることはできるはずですので、ぜひ目を通してみてくださいね。

3-2-1. SNSでの不適切な投稿を防止

世界中の人に利用されているFacebookには約100億枚もの写真が毎日投稿されており、中には暴力的なものや性的なものなど、投稿内容として不適切なものも存在しています。

Facebookではこういった投稿が人の目に触れないように、AIによって日々投稿される写真を分析し、不適切と判断された投稿画像を排除しているのです。

つまりFacebookではAIとビッグデータを活用することで、次のことを実現していると言えます。

  • 膨大な画像データから規則性を発見すること
  • 発見した規則性により、画像についての判断を行うこと

これと同じような方法でAIとビッグデータを活用するなら、例えば製品画像データから不良品を検知するといった方法が考えられるでしょう。

参考:東洋経済オンライン

3-2-2. Web上に散財するレビューから顧客満足度を追跡

アメリカでECサイトを運営する企業では、製品のレビューデータを分析し、顧客が製品に対して持つ感情の把握に役立てています。

製品に対するレビューは、ECサイト内だけではなくSNSやレビューサイトに多量に散在しています。これを1つずつ人間が確認し、製品への評価を分析するためには大変な労力が必要となりますよね。

この分析をAIによって行うことで、顧客の製品に対する評価や顧客満足度を迅速に把握することが可能となったのです。

もしあなたの会社で、提供しているサービスや製品についてのアンケートやエゴサーチを行うことで顧客満足度を測っているのであれば、こういったAI・ビッグデータの活用方法は参考になるかもしれませんね。

参考:InData Labs

4. AIでビッグデータを解析するメリット4つ

AIによるビッグデータの解析について、国内外での活用事例を見ていただきました。
実際の事例を知ることで、AI・ビッグデータを活用する利点も見えてきたのではないでしょうか。

ここではそんなAIを用いたビッグデータ分析のメリットについてご紹介します。
それが以下の4つです。

  • 現状の把握を正確に行える
  • 将来の状況の予測が可能になる
  • データに基づいた意思決定ができる
  • 業務の効率化が見込める

一つずつ説明しますね。

4-1. 現状の把握を正確に行える

AIを用いて多様なビッグデータを分析することで、業務や現場の状況が可視化され、正確に把握できるようになります。

以下はその一例です。

  • 設備の稼働データを分析し、ボトルネックを発見
  • 機器類の振動や作動音データを分析し、故障の予兆を検知
  • 顧客の行動履歴や購入履歴などのデータを分析し、ニーズを把握

ビッグデータを活用しない場合には、こういった現状把握を経験や感覚に頼らざるを得ません。
また一定のデータを活用するにしても、人力によるデータ収集や分析では時間がかかり過ぎてしまいます。

AIによってビッグデータを分析すれば、現状の把握を正確に、スピーディーに行えるようになり、課題解決に向けて何をするべきか見えやすくなるのです。

4-2. 将来の状況の予測が可能になる

過去のデータを分析することで、将来の状況も予測することができるようになります

例えば、以下のような現時点までのさまざまなデータを分析することで翌日の需要や来客数の予測が高い精度で行えるようになるのです。

  • 過去の売り上げや来客数
  • 過去の気象データ
  • 過去のカレンダー(休日やイベントなどの情報)
  • 直近のクチコミ
  • 直近のWebサイトへのアクセス

データに基づいた正確な状況予測が可能になれば、それに応じて効率的な行動や有効な意思決定もしやすくなるはずです。

4-3. データに基づいた意思決定ができる

ビッグデータの分析によって現状把握や将来の予測などが可能になることはすでにお話しした通りですが、そうしたデータから得られた情報に基づいて意思決定ができるということも利点の一つです。

ビジネスにおいて、以下のような意思決定が必要なタイミングというのは頻繁にありますよね。

  • 顧客にどの製品・サービスを提案するか
  • 機器の点検を行うタイミング
  • 製品やサービスの価格設定
  • 商品の仕入れ数
  • リソース配置の仕方

こういった意思決定を経験や勘に頼って行うことは、根拠を数値やデータで示せない以上、危ういことだと言わざるを得ません。

一方でビッグデータの分析結果に基づいて行った意思決定には客観的根拠があり、有効なものになる可能性が高いです。
このことは、データを使った業務の経験が少しでもあるならお分かりいただけるのではないでしょうか。

4-4. 業務の効率化が見込める

AIがビッグデータを分析し、現状の把握や将来の状況予測をスムーズに行えるようになることで、業務効率の向上が見込めます。

AIでシステマティックにビッグデータの分析を行えば、人力でのデータ収集や分析に比べて時間が短縮できますし、意思決定のスピードもアップするでしょう。無駄な業務の削減も見込めます。

その削減できた時間や労力は、別の業務に当てることができますよね。
結果的にその分生産性を向上させることができ、業務の効率化に繋がるでしょう。

ビジネスへのAI活用に少しでも興味のある方は、NTT東日本へお気軽にお問い合わせください。

5. AIとビッグデータを活用する際に課題となること

AIでビッグデータの分析を行うことにより、さまざまなメリットが得られ、ビジネス上の課題解決に役立つことがお分かりいただけたでしょうか。

とはいえ、これまでAIやビッグデータに縁のなかった企業がAI・ビッグデータをうまく活用していくためには、いくつかの課題を乗り越える必要があります。

ここではそのような、AIによるビッグデータ分析を活用する際に課題となることをご紹介します。

5-1. 環境や基盤の整備

AIを使ってビッグデータを分析するには、環境や基盤の整備が必要となります。

大量のデータを蓄積し管理するためには、それ相応のコンピューターやストレージが必要ですし、AIが効率よくデータを分析するためのシステムやプラットフォームも用意しなければなりません

また、ビッグデータは多様で膨大な情報によって形成されているため、関連データをいくつか組み合わせることで個人情報に匹敵する情報にもなり得ます。
そのような情報の形成や漏えいを防ぐためには、強固な情報セキュリティを持った環境も欠かせません

こういった環境や基盤の整備はIT分野や社内インフラに関する専門知識が無ければ、なかなかハードルの高い課題となるでしょう。

5-2. ビッグデータを有効利用できない場合もある

ビッグデータの分析に乗り出したものの、データをうまくビジネスに活かせないという場合もあります。

例えば以下のようなケースが考えられます。

  • データの収集自体が目的となってしまい、その先のデータ分析や、そこからビジネスに活用すべき知見を得るというステップへの指針が定まっていない
  • 膨大な種類や量を持つデータから有効なデータを判別できず、自社の事業や業務に活用しきれない

こういった事態を避けるためには、社内のAIやビッグデータに詳しい人材もしくは協力会社との密な連携や、解決すべき課題を明確にしておくことが重要です。

5-3. 人材不足

AIとビッグデータをうまく活用していくためには、データサイエンティストと呼ばれる人材が欠かせません。

しかし残念ながらデータサイエンティストは不足傾向にあり、社内で抱えるのは非常にハードルが高いです。

本来なら自社の事業や業務を理解している社内の人間がAI・ビッグデータの活用を推進していくのがスムーズではありますが、人材が不足している現状ではなかなか難しいことです。
その代わりに、自社のことをしっかりと理解してくれるパートナー企業との協力を検討してみると良いですよ。

6. AIとビッグデータを活用して成果を得るためのポイント

AIによるビッグデータの分析を活用する際に課題となることをお伝えしました。
しかし裏を返せば、そのような課題を克服することが、AI・ビッグデータ活用の成功に繋がります。

ここでは、課題を乗り越え、ビッグデータの分析で成果を得るためのポイントとして以下の3つをご紹介します。

  • クラウドを活用する
  • 課題や目標を明確にする
  • パートナー企業と協力する

それぞれ詳しく説明しますね。

6-1. クラウドを活用する

まず、一つ目のポイントがクラウドを活用することです。

AIによるビッグデータの分析において、環境や基盤の整備が課題となることをお伝えしましたが、クラウドを活用することでこの課題はクリアしやすくなるのです。

というのも、AWS(Amazon Web Service)やMicrosoft Azureに代表されるクラウドサービスには以下のような特徴があるからです。

  • 拡張性に優れたコンピューターやストレージが提供されている
  • AIの構築に適したプラットフォームが提供されている
  • 強固な情報セキュリティ

このようなクラウドサービスを利用すれば、社内で一から環境を整備するよりずっとハードルは低いはずですよ。

6-2. 課題や目標を明確にする

解決したい課題や達成すべき目標を明確にしておくことも、AI・ビッグデータの活用で成果を得るためのポイントです。

これは、ビッグデータを有効活用できないという事態を回避するために大切なことです。

指針が定まっておらずデータ収集の先のステップにシフトできない、あるいは膨大なデータからどれが有効なものか判別できないといった状況に陥らないためには、

「課題の解決や目標達成には、何を把握するべきか?」

「それを把握するにはどのようなデータが必要となり得るか?」

という風に、課題や目標から必要な情報やデータを突き詰めておく必要があります。

このように把握すべき状況や必要となりそうなデータを事前にしっかりと検討するためには、自社の課題や目標をできるだけ明確にしておいた方が良いのです。

6-3. パートナー企業と協力する

最後にお伝えするポイントは、「自社に合ったパートナー企業と協力すること」です。

AI・ビッグデータを活用するために必要な人材が不足していることはすでにお伝えした通りですが、これを克服するには外部の専門家を頼るのが近道です。

また、AIやビッグデータに詳しい専門企業としっかり連携すれば、ビッグデータを有効活用できないといった事態も回避しやすくなるはずです。

こういったことから、ビッグデータを分析してしっかりと成果を出すためには、AI・ビッグデータに知見があり、活用のサポートを行ってくれるパートナー企業との協力も大切なポイントと言えます。

7. NTT東日本はAI×ビッグデータによるビジネスの成功をサポート

NTT東日本では、お客さま企業におけるAIを用いたビッグデータの分析をサポートしています。

単に「AIとビッグデータの活用ができるようになる」だけではなく、「AIとビッグデータの活用で成果を得る」ための体制を整えています

ここではその一端をご紹介させていただきます。

7-1. データサイエンティストチームがAI×ビッグデータの活用をリード

NTT東日本では、AI×ビッグデータの専門家であるデータサイエンティストチームが、お客さま企業におけるAI×ビッグデータの活用をリードします。

以下のようなご要望もお気軽にご相談ください。可能な限りお応えします。

  • ビッグデータを活用して業務を改善したい
  • 保有するデータをどのように活用すれば良いかアドバイスが欲しい
  • AI・ビッグデータを活用して課題を解決したいが、費用は予算内に収めたい
  • データの収集からサポートして欲しい

こういったお客さまそれぞれの課題やご要望に応じて、AI・ビッグデータの精鋭たちがご提案・ご支援を行います。

7-2. クラウドのプロが環境の整備をサポート

さらにNTT東日本には、Amazon Web Service(AWS)の認定資格を持つ100人を超えるクラウドのプロフェッショナル※も在籍しています。

※2022年2月時点

AIによるビッグデータ分析には欠かせない環境や基盤の整備についても、クラウドのプロが全面的にサポートさせていただきます。

以下はサポート内容の一例です。

  • お客さまに適したクラウドサービスの選定
  • AIによるビッグデータ分析に適したクラウドプラットフォームのご提案
  • クラウドサービス上のコンピューターやストレージのご提案
  • クラウド上でのAIシステム構築

このように、AI・ビッグデータの活用についてはもちろん、環境や基盤の整備もワンストップでご支援できるのが私たちの強みです。

AI・ビッグデータの活用とそのための環境について、まとめてサポートが必要ならぜひ一度NTT東日本にご相談ください。

NTT東日本に相談する

8. まとめ

AIを用いたビッグデータの分析について、その概要やAIとビッグデータの関係性はお分かりいただけたでしょうか?

最後に今回の内容をまとめておきます。

ビッグデータとは…

目まぐるしく蓄積される、多種多様なデータ群のこと

AIとは…

人間の知能を人工的に再現し、さまざまな判断や振る舞いを可能にするシステムのこと

ビッグデータを効率よく分析するためにはAIが必要ですし、AIの学習過程では教材となるビッグデータが必要となります。
つまりAIとビッグデータは、互いにとって必要な存在と言うことができます。

データの一種であるビッグデータは、分析手段であるAIの進歩とともに一層重要視されるようになってきています。

AIによってビッグデータを分析し、その結果を企業で活用することには以下のようなメリットがあります。

  • 現状の把握を正確に行える
  • 将来の状況の予測が可能になる
  • データに基づいた意思決定ができる
  • 業務の効率化が見込める

また、活用に際しては次のような課題もあります。

  • 環境や基盤の整備
  • ビッグデータを有効利用できない場合もある
  • 人材不足

このような課題を克服し、ビッグデータの分析によって成果を得るためには以下のようなポイントを抑えておきましょう。

  • クラウドを活用する
  • 課題や目標を明確にする
  • パートナー企業と協力する

AIによるビッグデータ分析によって、あなたの会社でも大きな成果が得られるよう願っています。

  • Amazon Web Services(AWS)は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
  • Microsoft Azureは、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。

AIの活用を検討されてい方は、NTT東日本にお気軽にご相談ください。

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