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業務効率化とは?生産性を高めるための業務効率化手法を紹介
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業務効率化とは、現状のさまざまな業務プロセスに隠れた「ムリ・ムダ・ムラ」をなくしプロセスを改善することで、企業全体の生産性を高める取り組みを指します。
業務効率化でなくすべき「ムリ・ムダ・ムラ」の例 | |
---|---|
ムリ | 実情と合わない達成が難しいスケジュールや目標が設定されているため、従業員や機械設備への負担が過度に大きく、かえってパフォーマンスが下がっている状態 |
ムダ | 不要だが定例化している会議など、目的を達成するうえで必要のない工程や形骸化している業務 |
ムラ | 適切な人員配置になっておらず、部署によって、または時期によって、業務の偏りが大きくなっている状態 |
上記のような「ムリ・ムダ・ムラ」をなくしプロセスを効率化することで、同じ従業員数でも労働時間数を減らすことができたり、同じ労働時間でもこれまで以上の質・量の成果を上げることが可能となったりすることが、業務効率化です。
主に少子高齢化社会の進展に伴う労働人口の減少への対策や、働き方改革の観点から、近年、業務効率化の必要性がますます高まっています。
企業の競争力を高めるうえでも欠かせない業務効率化ですが、「何をどうすれば業務を効率化できるのか、わからない」という方が多いのが実情です。闇雲に今の業務を見直すだけでは、かえって仕事がやりづらくなる結果にもなりかねません。
そこで今回は、業務効率化とはどのようなもので、どのように進めればよいのかについて、ポイントをわかりやすく解説します。
- 業務効率化とは、どのようなものか
- 業務効率化をスムーズに進めるための手順
- 業務効率化の手法
- 業務効率化に役立つおすすめツール
- 業務効率化を進めるときの注意点
上記に加えて、業務効率化の成功事例も複数紹介しています。
これらのポイントを踏まえることで、各企業の状況に合わせた効果的な業務効率化の実現に近づきます。
「業務効率化をしたいが、何から始めればよいのかわからない」
「自社に最適な業務効率化を、スムーズに実現したい」
そうお考えの方は、スムーズに進めるための方法や成功事例を参考にして、早速、できるところから少しずつでも業務効率化に着手してみませんか。
目次:
NTT東日本がおすすめするクラウド導入を成功させるためのお役立ちマニュアルです。無料でダウンロードできますので、業務効率化に向けぜひご活用ください。
1. 業務効率化とは企業全体の生産効率を高める取り組み
各業務プロセスから無駄な業務などをなくす業務効率化を行うことで、従業員一人ひとりが仕事をしやすくなるのはもちろんのこと、企業全体の生産効率も高めることができます。
とはいえ、ただ仕事のやり方を変えれば、業務効率化ができるわけではありません。
また、慣れ親しんだルーティンであれば、そもそも効率化すべき箇所を見極めること自体、難しいかもしれませんね。
まずは、「業務効率化とは具体的にどういうことを指すのか」「どのようなメリット・デメリットがあるのか」を正しく把握して着手することが大切です。
そこで、ここでは、
- 業務効率化とは、どのようなものか
- 業務効率化と生産性向上との違い
- 業務効率化のメリット・デメリット
について説明します。
1-1. 業務効率化とは
冒頭でも述べましたが、業務効率化とはさまざまな業務プロセスに隠れた「ムリ・ムダ・ムラ」をなくしプロセスを改善することで、企業全体の生産性を高めることができる取り組みです。
業務効率化における「ムリ・ムダ・ムラ」とは、以下のような状態を意味します。
業務効率化における「ムリ・ムダ・ムラ」とは? | |
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ムリ |
|
ムダ |
|
ムラ |
|
例えば、
|
のような状態は、業務効率化すべき「ムリ・ムダ・ムラ」です。
効果的に「ムリ・ムダ・ムラ」をなくし業務効率化するためには、
- 業務のプロセス全体と課題を見える化すること
- 関連する他業務と合わせて効率化すること
といった、部分のみに着目せず全体を見たうえでやり方を見直すことがポイントとなります。
1-2. 業務効率化と生産性向上との違い
業務効率化と生産性向上は、手段と成果のどちらに重きをおくかという点で異なります。
具体的には、業務効率化は成果を出すための手段(コスト)をいかに効率化するかを重視するのに対し、生産性向上は成果をいかに最大化するかを重視します。
また、業務効率化と生産性向上は、手段と目的の関係にあるとも言えるでしょう。
業務効率化をすることは、生産性向上という目的を達成するためだからです。
1-3. 業務効率化のメリット
業務効率化を行うことで、次のように従業員にも企業にもメリットがあります。
業務効率化の主なメリット3つ |
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|
従業員にとっては、無駄な業務から解放されることによる負担軽減や、業務効率化の過程で理由もわからず行っていた業務の目的が明確化することによるモチベーションアップといったメリットがあります。その結果、仕事への満足度アップが見込めるでしょう。
企業全体で見た場合、時間や経費といったコストを削減し生産性が向上する結果、利益率が増大します。また、効率化に伴い余裕ができたリソースを活用し、新規事業などを始めることも可能です。
1-4. 業務効率化のデメリット
一方で業務効率化には、以下のようなデメリットもあります。
業務効率化で想定される主なデメリット2つ |
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業務効率化する際に効果的なITツールですが、導入するためにコストがかかること・情報の流出などのセキュリティリスクがあることに注意が必要です。予算に合わせたツールを提案してもらえる業者を活用する・情報セキュリティに関する社内研修を行うなどの対策を取るとよいでしょう。
また、業務効率化に伴い仕事のやり方を変える場合、どうしても新しい工程を覚えるための手間がかかってしまいます。詳しくは「6. 業務効率化をするときの注意点4つ」でも説明しますが、マニュアルやフローを準備する・説明会を行うなど事前準備をしっかりすることでスムーズに移行が可能です。
2. 業務効率化をスムーズに進める方法
業務効率化をスムーズに進めるためには、正しい手順で行うことが重要です。
業務効率化をスムーズに進めるための5ステップ |
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1. 業務と課題を見える化する 2. 効率化の優先順位を決める 3. 最適な手法・ツールを選ぶ 4. 効率化の受け入れ態勢を整える 5. 効果を検証しフィードバックする |
上記のステップを踏むことで、本当に改善すべきプロセスを正しく効率化することができるでしょう。
「業務効率化をしたつもりが、かえって仕事がやりづらくなった」というケースの多くは、業務効率化を進める手順が適切でなかったために、効率化する箇所や方法を誤ったことが原因と考えられます。
ここでは、失敗せずスムーズに業務効率化を進めるための手順を詳しく解説しますので、ご活用ください。
2-1. 業務と課題を見える化しよう
業務効率化をスムーズに進めるためには、まず、業務の全体像と課題がある箇所を明らかにしましょう。
業務の全体像を把握することで、どこを改善すれば業務全体が効率化できるのかを正しく判断することができるようになります。
具体的には、次のようなポイントを押さえて見える化をすると効果的です。
業務の全体像を見える化するポイント | |
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業務に携わる従業員 | 現在の担当者、人数、部署名など |
時期 | 繁忙期・閑散期、業務が発生する頻度など |
業務内容 | 業務工程のフロー、必要なツール・スキルなど |
所要時間 | 業務の各工程にかかる時間 |
上記のポイントを押さえて業務の全体像を把握したら、ムリ・ムダ・ムラなどの課題を探しましょう。
例えば、
- 成果には直接影響しない業務工程に、多くの時間を割いていないか
- 同種の業務なのに担当者によってやり方が違う結果、所要時間や成果の量・質に差が出ていないか
などの観点から、効率化すべき問題点を探していくと効果的です。
以上のような内容を、作成者以外でもわかりやすいように図や表などを用いて見える化しておくことで、スムーズに業務効率化を進めることができます。
2-2. 効率化の優先順位を決めよう
業務の全体像と課題がある箇所を明らかにしたら、次は、どの課題から優先して効率化していくか、業務効率化の順番を決めましょう。
判明した課題は一気に解決したくなるところではありますが、多くの業務効率化を並行して進めると現場が混乱したり、どの効率化も中途半端になってしまったりしがちです。焦って失敗しないためにも、効率化がより簡単な業務・効率化の効果が出やすい業務から順番に着手しましょう。
優先的に業務効率化を進めるとよい業務 |
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|
上記の視点から優先順位を決めることで、無理なくスムーズに業務効率化を進めることが可能になります。
2-3. 最適な手法・ツールを選ぼう
業務効率化を進める順番が決まったら、どのような手法・ツールを活用して効率化するのかを検討しましょう。
仕事のやり方を変える・アウトソーシングする・ツールを導入するなど、業務プロセスの課題を解決する選択肢はさまざまです。それぞれの業務や企業の状況に合わせた最適な方法を選択することが、スムーズな業務効率化を進めるうえで欠かせません。
最適な手法を検討するうえでヒントとなるのが、改善の4原則と呼ばれるECRSという考え方です。
ECRSとは? | |
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E 【Eliminate(排除)】 |
なくてもよい業務や工程は排除する(やめる) |
C 【Combine(結合)】 |
一本化できる業務は結合する(まとめる) |
R 【Rearrange(入替え)】 |
工程や担当者などを入替えすることで効率化を図る |
S 【Simplify(簡略化)】 |
目的達成に影響がない範囲で工程や業務を簡略化する |
上記の視点を「E→C→R→S」の順番で検討していくと、最適な改善策にスムーズにたどり着けます。
まずはECRSを踏まえて基本的な効率化の方向性を決めたうえで、具体的な手法・ツールを検討していきましょう。
なお、業務効率化手法は「3. 生産性を高めるための業務効率化手法」で、おすすめのツールは「4. 【ケース別】業務効率化のおすすめツール5つ」で、それぞれ詳しく紹介します。
2-4. 効率化の受け入れ態勢を整えよう
業務効率化の手法・ツールが決まっても、突然、導入するのはおすすめできません。まずは業務効率化を行う現場の受け入れ態勢を整えてから、リリースしましょう。
具体的には、
- 繁忙期などはできるだけ避ける
- 新しいシステムややり方を導入する場合は、事前にマニュアルやフローを周知させる
の2点に注意してください。
最適な業務効率化の手法・ツールであっても実施のタイミングや導入方法を誤れば、うまく定着せず失敗に終わってしまいます。
業務効率化というメリットの多い施策であっても、効率化対象となる業務に関係する従業員には一定の負担がかかることを考慮して、現場の状況を整えてからタイミングよく実施しましょう。
2-5. 効果を検証しフィードバックしよう
業務効率化を実施した後で忘れてはいけないのが、効率化の効果を検証しフィードバックすることです。
最適な業務効率化の手法・ツールを最善のタイミングで導入しても、予期していたとおりの効果が出るかどうかは、一定期間運用してみないとわかりません。必ず、どの程度の効果が出ているのか確認し、継続して改善していくことで、業務効率化を成功させることができます。
一度業務効率化を行ったら終わりではなく、定期的にモニタリングし必要なマイナーチェンジを継続して行うことが、業務効率化を形骸化させないためにもっとも重要です。
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3. 生産性を高めるための業務効率化手法
業務効率化によって効果的に生産性を高めるためには、次のような手法が効果的です。
生産性アップに効く!業務効率化手法6選 |
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1. 無駄な業務は思い切ってやめてみる 2. マニュアル・フローを作成する 3. 業務をまとめる・分業化する 4. アウトソーシングを活用する 5. RPAやツールを導入する 6. 効率的な情報共有方法に変える |
それぞれどのような手法なのか、具体的に説明します。
3-1. 無駄な業務は思い切ってやめてみる
費用や時間をかけず簡単に実践できて効果も大きいためまず挑戦したい手法が、無駄な業務は思い切ってやめてみることです。
新しいやり方の導入は費用や慣れるための手間がかかるため、費用対効果の観点から実践のハードルが上がりがちです。しかし、この手法は、今まで行っていたことをやめるだけであるため、比較的気軽に挑戦できます。
例えば、
- 定例化しているが必要のない会議は、やめる・減らす・オンライン会議にする
- ほとんど活用されていない資料や報告書は、作らない・簡素化する
のような実践方法が挙げられます。
「突然完全にやめてしまうのは不安。反対が多そう」という場合は、段階的に減らしていくのもよいでしょう。
3-2. マニュアル・フローを作成する
誰もが同じプロセスを踏んで業務を遂行し同等の結果を出せるマニュアル・フローの整備は、定型化できる業務・たびたび発生する業務の効率化に効果的です。
定型的な業務ほど、作業プロセスによって生産性が変わります。そのため、短時間で質の高い成果を生み出せる最適なプロセスをマニュアル・フロー化して全員で共有することは、大きな効率化につながるのです。
例えば、次のような事例は効率化に効果的でしょう。
- 年4回作成する膨大な統計資料の最適な集計手順とスケジュール感を、マニュアル・フロー化する
- 複数部署の担当者が携わる経理処理のマニュアルを整備する
すでにマニュアル・フローがある場合も、定期的にそれが最適解なのか確認し、必要に応じて見直すことが重要です。
3-3. 業務をまとめる・分業化する
複数の担当者・部署にまたがっていた業務を単独の担当者・部署にまとめたり、単独で行っていた業務を複数の担当者・部署に分散させたりする手法も、業務の効率化につながる場合があります。
業務をまとめる・分業化する基準 | |
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まとめるとよいケース |
|
分業化するとよいケース |
|
業務をまとめることの最大のメリットは、情報を一元化できることです。一方で、分業化することによって、担当業務を簡素化し習熟スピードを上げることができます。
「2-1. 業務と課題を見える化しよう」で作成した業務の全体像をもとに、メリットを活かせる場合は、業務をまとめる・分業化することを検討しましょう。
3-4. アウトソーシングを活用する
アウトソーシング(Outsourcing)とは、社内の従業員でなくても処理できる定型的な業務を、外部の企業などに発注することです。コスト削減や社内の人的リソースの有効活用を目的として、近年、需要が高まっています。
アウトソーシングのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
アウトソーシングのメリット・デメリット | |
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メリット |
|
デメリット |
|
アウトソーシングがよく活用されている分野として、
- 総務や経理、人事などの業務
- メール配信やWebサイト制作、広報などの情報発信業務
などがあります。
3-5. RPAやツールを導入する
RPA(Robotic Process Automation)やITツールを導入することでも、効果的に業務効率化を進めることができます。
RPAとは、パソコン上の定型的な事務処理を自動化できるソフトウェアロボット技術です。アクセスやエクセルなどによる自動計算よりも、はるかに高度な自動処理ができます。
例えば、
- 複数のWebサイトやシステムからデータを収集し、レポートを作成する
- 会議の録音データを、自動で議事録や報告書など複数の資料に書き起こす
- 入力データを別システムのデータと突合しチェックする
なども、RPAでは可能です。
ITツールにはオンライン会議やチャット・クラウドメールなどがあり、情報共有やコミュニケーションに関する業務効率化に高い効果を発揮します。業務効率化に欠かせない要素であるため、改めて「4. 【ケース別】業務効率化のおすすめツール4つ」で詳しく解説します。
3-6. 効率的な情報共有方法に変える
業務効率化手法として、正確な情報を速やかに共有できるシステム作りも非常に効果的です。
情報共有を円滑化しておくことで、従業員の誰かが保有するノウハウや最新の知見を速やかに社内全体で共有でき、企業全体の情報を常に最新の状態にアップデートできます。
情報共有が効率的であれば、
- 新人や異動した直後などの教育に要する時間を短縮することができる
- 成功体験を社内で共有することで、同様の取り組みを他部署でも実践できるため、企業全体の業務効率化につながる
- 資料や報告書に必要なデータを参照しやすくなり、時間短縮が図れる
といったことも可能です。
効率的に情報共有をするためには、次のポイントを押さえるとよいでしょう。
効率的に情報共有をするための2つのポイント |
---|
|
ポイントは、ただITツールを導入するだけでなく、情報共有をすることで何を実現したいのか・どういうルールで運用するのかを明確にし、社内に確実に周知することです。
おすすめのITツールについて詳しくは、次章でご紹介します。
4. 【ケース別】業務効率化のおすすめツール4つ
効果的な業務効率化をするなら、ぜひとも活用したいのがITツールです。
とは言っても、何を導入すればどのような業務効率化に効果的なのか、よくわからない方が多いのではないでしょうか。
そこで、ここではケース別に業務効率化のおすすめツール4つをご紹介します。
業務効率化のおすすめツール4つ |
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1. 時間の無駄をなくしたいならオンライン会議ツール 2. 情報共有がうまくいっていないならファイル共有ツール 3. 連携を強化したいならチャットツール 4. メール対応が後手に回っているならクラウドメール |
それぞれ、課題の解決にどのように効くのかを以下で説明します。
4-1. 時間の無駄をなくしたいならオンライン会議ツール
会議が多く時間を取られがちだけれど、必要なものばかりだから減らせないなら、オンライン会議ツールを導入することで時短ができます。
オンライン会議ツールを活用して会議をすることで、参加者はどこからでも出席が可能です。本社の会議であっても支社にいながら、テレワーク中の自宅から、営業中の出先からでも出席できるため、移動時間などを大幅に削減できます。
会議に費やす時間を最小限に抑えて他の業務を充実させたいなら、オンライン会議ツールがおすすめです。
4-2. 情報共有がうまくいっていないならファイル共有ツール
情報共有がうまくいかず、業務が停滞したり手戻りが発生したりしているなら、クラウドストレージに情報を保存するファイル共有ツールがおすすめです。
クラウド上でファイルを共有すれば、
- アクセスできる従業員全員がいつでも情報を共有可能
- 出先や自宅など外部からでもデータの保存や閲覧などが可能
- 保守管理業務から解放される
などといった強みがあります。
テレワークや外回りなどによって情報共有に時差ができていると感じたら、クラウドストレージでファイル共有をすることで、業務効率化することが可能です。
4-3. 連携を強化したいならチャットツール
部署間や従業員間の連携が上手くいっていないことが課題の一因なら、チャットツールを活用することで業務効率化が図れます。
チャットツールを活用することで、次のような効果が期待できるためです。
- 1対1やグループなど、必要に応じた範囲でのコミュニケーションが簡単に取れる
- メールよりも気軽にスピーディーな情報共有ができる
- チャット履歴が残るため、口頭でのやり取りより確実
外回りやテレワークなどで遠隔地にいる従業員間の連携を強化したい場合にも、チャットツールを活用するとよいでしょう。
4-4. メール対応が後手に回っているならクラウドメール
取引先からの問い合わせや顧客とのやり取りなどのメール処理が後回しになりがちなのが課題なら、クラウドメールの活用をおすすめします。
自社の端末やサーバーなどで管理するメールの場合、オフィスに戻らなければメールの対応が難しいため、どうしても後回しになりがちです。その点クラウドメールなら、インターネットに接続できれば、いつでもどこでもメールに対応できます。
メールを自社サーバーからクラウドへ移すことで、サーバーの保守管理など運用にかかる負担を合わせて減らせることも魅力です。
5. 業務効率化の成功事例3つ
ワークライフバランスの実現や企業の競争力強化などを目的として、近年多くの企業で取り組まれている業務効率化。ここでは、効果的に業務効率化を実現した以下の3つの成功事例を紹介します。
業務効率化の成功事例3つ | |
---|---|
株式会社ハクブン | 作業のマニュアル化(動画化)・作業工程ごとにサポートしやすい制度構築などで、効率化及び生産性向上を実現 |
三井住友海上火災保険株式会社 | RPAやエクセルVBAなどの活用・働き方改革の推進によって、効率化・労働時間の削減を実現 |
NTT東日本 | Web会議の導入・時間外労働の夜型から朝型へのシフトなどによって、効率化・時間外労働時間の削減を実現 |
5-1. 株式会社ハクブンの事例
厚生労働省「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」で表彰された株式会社ハクブンでは、主に以下のような業務効率化の取り組みを行い生産性向上を実現しました。
- 作業マニュアル(動画)を作成し、すべての従業員に共有
- 手の空いた従業員が他の従業員をサポートしやすい仕組みづくり
上記の取り組みの結果、1時間当たりの入客数が1.8倍と生産性が向上したほか、平均労働時間は1人あたり121時間/月から108時間/月へと減少するなどの成果が上がっています。加えて、従業員の収入も増加しました。
マニュアル・フロー化などの業務効率化手法により生産性が向上し、従業員の労働環境も改善された一例です。
5-2.三井住友海上火災保険株式会社の事例
三井住友海上火災保険株式会社はAIやロボットを活用した業務効率化などを行い、厚生労働省「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」で表彰されています。
- 経理や保険金支払いなどの部門にRPAを導入
- 営業・本社部門の外部からの照会に回答する業務にAIを導入
- 業務の自動化・効率化のためエクセルVBAを活用
上記のような取り組みを行った結果、三井住友海上火災保険株式会社では労働時間が1,200時間/月(14.4万時間/年)削減されました。
AIやロボット(RPA)による業務の自動化を部門や業務の種類に合わせて運用することで、サービスの質を落とすことなく業務効率化を実現した事例です。
5-3. NTT東日本の事例
NTT東日本においても、勤務時間を効率的に活用できるような業務効率化の施策を実施し、時間外などの労働時間削減を実現しています。
主に以下のような取り組みを行った結果、時間外労働は13%減少し、1ヶ月あたりの時間外労働が45時間以上の従業員は34%減少しました。
- Web会議を積極的に活用
- 在宅勤務の活用を推進
- 時間外労働を夜型から朝型へシフト
Web会議や在宅勤務など移動に要する時間・費用の削減効果を活用することで、時間外の労働時間を削減しワークライフバランスを実現したり、人件費を削減したりすることが可能となります。業務効率化の手法の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。
6. 業務効率化をするときの注意点4つ
スムーズに業務効率化を進めるためには、改善箇所や効率化手法の適切な選択以外にも、注意すべき点があります。
業務効率化をするときの注意点4つ |
---|
1. スムーズに導入できるよう準備する 2. 定着しやすいシステムを選ぶ 3. 従業員一人ひとりの意識を変える 4. 必ず検証を行う |
ここでは、上記の4つの注意点を解説します。
「業務効率化をするつもりが、従業員のモチベーションを下げて生産性が下がってしまった」などとならないよう、ぜひ参考にしてください。
6-1. スムーズに導入できるよう準備する
業務効率化の施策を実施する前に、新しいやり方や導入するツールなどについて、定着しやすくするための事前準備をしっかりと行うことが大切です。
実際に業務に携わる従業員からすると、事前に十分な説明や打診なくやり方が変わったりシステムが導入されたりしては、スムーズに対応することが難しくなるでしょう。
そこで、
- マニュアル・フローを前もって渡し、質問などへの対応を行う
- 説明会を開催する
- 業務効率化の実施時期は、業務のスケジュール的に対応しやすい時期を選ぶ
など、現場が少しでも対応しやすくなるように準備をすることが、業務効率化を成功させるうえで重要になります。
6-2. 定着しやすいシステムを選ぶ
業務効率化にあたってシステムを導入する際は、操作する画面がシンプルで使いやすいことなども定着を図るうえで重要です。
せっかく効果的に業務を効率化できるシステムを導入しても、使い方が難しく活用されない結果になってしまっては、効率化が進まないばかりかコストも無駄になってしまいます。
システムを導入する際は、次のポイントを押さえるとよいでしょう。
定着しやすいシステムを選ぶための着目ポイント2つ |
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1. ITツールに詳しくない人でも操作しやすいシンプルなシステムか 2. その業務の効率化に必要な機能が網羅されているか |
導入するシステムを既存のシステムと連携させたい場合は、簡単に連携が可能かどうかも確認しておくと安心です。
6-3. 従業員一人ひとりの意識を変える
業務効率化のための新しいやり方・ツールを導入するだけでなく、従業員の意識を変えることも忘れてはいけません。具体的には、「なぜ業務効率化が必要なのか」「業務プロセスの変更などが、どのように効率化につながるのか」などを理解してもらう必要があります。
「変えるように指示があったので従う」といった受け身の運用では、業務効率化の効果が出にくく、新規システムなどの定着率も下がってしまうためです。
必ず、従業員一人ひとりに業務効率化の目的や趣旨を理解し納得してもらったうえで、主体的に業務効率化に取り組んでもらうようにしましょう。
6-4. 必ず検証を行う
業務効率化を成功させるためには、検証とフィードバックが欠かせません。
最善の業務効率化手法・ツールを最適なタイミングで導入したつもりでも、実際に想定したとおりの効果が出るかどうかはわかりません。かえって効率が下がる場合もあります。
実施後は、定期的に業務効率を確認したり従業員に聞き取りを行うなどして、効果を検証してください。その結果を踏まえて、適切なフォローや再度の改善策の実施を行いましょう。
業務効率化は、一度施策を実施したら終了ではなく継続的にモニタリングし、運用しながら最適なあり方に微調整することが必要です。
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8. まとめ
今回は、失敗なくスムーズに業務効率化を進めるために把握しておくべきポイントを解説しました。
業務効率化とは、さまざまな業務プロセスに隠れた「ムリ・ムダ・ムラ」をなくしプロセスを改善することで、企業全体の生産性を高めることができる取り組みです。
業務効率化における「ムリ・ムダ・ムラ」とは、以下のような状態を意味します。
業務効率化における「ムリ・ムダ・ムラ」とは? | |
---|---|
ムリ |
|
ムダ |
|
ムラ |
|
業務効率化をスムーズに進めるためには、正しい手順で行うことが重要です。
業務効率化をスムーズに進めるための5ステップ |
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1. 業務と課題を見える化する 2. 効率化の優先順位を決める 3. 最適な手法・ツールを選ぶ 4. 効率化の受け入れ態勢を整える 5. 効果を検証しフィードバックする |
業務効率化の手法には、無駄な業務は思い切ってやめてみる・マニュアルやフローを作成する・RPA(Robotic Process Automation)やITツールを導入するなどさまざまな手法があります。解決したい課題に合わせて使い分けることが大切です。
業務効率化にはITツールの活用が効果的であるため、積極的に活用しましょう。
業務効率化のおすすめツール4つ |
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1. 時間の無駄をなくしたいならオンライン会議ツール 2. 情報共有がうまくいっていないならファイル共有ツール 3. 連携を強化したいならチャットツール 4. メール対応が後手に回っているならクラウドメール |
業務効率化を進めるときは、事前に説明などをしっかり行う・使いやすいツールやシステムを選ぶなど、実際に業務を行う従業員がスムーズに対応できるよう配慮することが大切です。
業務効率化を確実に成功させ生産性の向上につなげるために、以上のポイントを参考にしてください。
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してもらいたい - 安心の24時間・365日の対応・保守
- NTT東日本が保有する豊富なサービスの組み合わせで
”課題解決”と”コスト軽減”を両立
特に以下に当てはまる方はお気軽に
ご相談ください。
- さまざまな種類やクラウド提供事業者があってどれが自社に適切かわからない
- オンプレミスのままがよいのか、クラウド移行すべきなのか、迷っている
- オンプレミスとクラウド移行した際のコスト比較を行いたい
- AWSとAzure、どちらのクラウドが自社に適切かわからない
- クラウド環境に問題がないか、第3者目線でチェックしてもらいたい
- クラウド利用中、ネットワークの速度が遅くて業務に支障がでている
クラウドを熟知するプロが、クラウド導入におけるお客さまのLAN 環境や接続ネットワーク、
クラウドサービスまでトータルにお客さまのお悩みや課題の解決をサポートします。
相談無料!プロが中立的にアドバイスいたします
クラウド・AWS・Azureでお困りの方はお気軽にご相談ください。