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オンプレミスとは?意味やクラウドとの比較までわかりやすく解説
オンプレミスとクラウドの違いについて、それぞれのメリット、デメリット、適正などをNTT東日本のクラウドエンジニアがまとめたお役立ちマニュアルです。ぜひダウンロードしてご活用ください。
オンプレミスとは、システムを運用する上で必要なソフトウェア・ハードウェアを自社で保有・管理する運用形態です。自社でハードウェアなどを保有しない運用形態であるクラウドとは、対になるあり方として、よく比較されます。
ソフトウェアライセンスやサーバー・ストレージなどを自前で調達する必要があるオンプレミスでは、初期費用がかかったり運用・保守管理の手間がかかったりするのも事実です。しかし一方で、独自のシステムを構築・連携しやすいなどのメリットも多くあります。
そのため、一概に「オンプレミスを選ぶべき」「クラウド一択」などと決められない点に注意が必要です。オンプレミスの特徴やメリット・デメリットを踏まえ、システムの目的や業務の特性に合わせた選択をすることで、効率的で最適な運用が実現できます。
そこで今回は、オンプレミスかクラウドか検討を迫られたときに、正しい判断ができるようになるために知っておくべき点を解説します。
- オンプレミスとは
- オンプレミスのメリット・デメリット
- オンプレミスとクラウドの比較
- オンプレミスが向いている場合とクラウドが向く場合
上記のポイントを押さえることで、オンプレミス・クラウドそれぞれの特徴を踏まえた上で、オンプレミスにすべきかどうかを判断することができるようになるでしょう。
オンプレミスとクラウドでは、費用の発生タイミングや運用の仕方などが大きく異なります。自社の状況に合う効果的な運用が可能な形態を選ぶためにも、まずはオンプレミスについて正しく把握しておきましょう。
1. オンプレミスとは
冒頭でもお伝えしたとおり、オンプレミス(on-premises)とは、ソフトウェア・ハードウェアを自社で保有・管理しシステムを自前で構築する運用方法です。「オンプレ」「自社運用」などと言われることもあります。
オンプレミスは聞きなれない用語のため、新しい方式なのかと考えがちですが、実は従来型のシステム構築方法です。2000年頃からクラウドという新方式が登場したことに伴い、クラウドと区別するために従来の方式をオンプレミスと呼ぶようになりました。
例えば、メールシステムをオンプレミス型で構築する場合、
- メールのアプリケーションやメールサーバーなどの購入・管理
- カスタマイズや設定などシステムの構築
- アップデートやトラブル対応などの保守
など、システムの調達・構築・保守管理のすべてを自社で行うことになります。
導入や運用時に手間や時間がかかる一方で、データの管理を外部に託さなくてもよくセキュリティ上の安心感があるなどの良さもあるため、クラウドと用途に応じた使い分けが必要です。
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2. オンプレミスのメリット・デメリット
オンプレミス方式には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
オンプレミスのメリット・デメリット | |
---|---|
メリット |
|
デメリット |
|
オンプレミスが企業にとって、どのように有益でどう負担になるのかを、それぞれ説明します。
2-1. メリット
オンプレミスでは、サーバーなどを自社で保有・管理するため、ネットワーク環境やセキュリティ対策も自由に選択可能です。インターネットを使わず社内ネットワークのみで接続したり、高度な暗号化などのセキュリティ対策を採用するなど、セキュリティレベルを自由に管理できます。
またオンプレミスでは、ソフトウェア・ハードウェアを何にするか、どういうカスタマイズをするかも完全に自由です。ソフトウェアの選択肢に制限がないため、他システムとの連携の自由度も高くなります。
オンプレミスのメリット |
---|
|
自社ですべてを保有・管理するオンプレミスでは、選択肢に制約がまったくないことが大きなメリットと言えるでしょう。
2-2. デメリット
ソフトウェア・ハードウェアの購入も設定・テストも、すべて自社の責任で行うオンプレミスは、システム運用開始までに費用と時間がかなりかかります。カスタマイズが複雑であればあるほど所要時間は増える傾向にあり、数ヶ月を要することもあるでしょう。
オンプレミスでは、機器の更新・ソフトウェアのアップデート・トラブル対応もすべて自社で行います。情報システムに詳しい従業員を配置する必要があり、大規模なシステムを運用する場合や人材に制約がある中小企業などでは、特に負担が重くなりがちです。
オンプレミスのデメリット |
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導入から設定・運用・トラブル対応などすべての段階で、システム導入企業が主体となって動く必要があるため、費用や時間的負担が大きいことがオンプレミスのデメリットと言えます。
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3. オンプレミスの特徴は?6つの視点からクラウドと比較
オンプレミスにするべきかどうかをスムーズに検討をするには、クラウドと比較してどういう特徴があるのかを知っておく必要があります。
ここでは、
- 費用面
- 導入までの期間
- カスタマイズ性
- 拡張性
- セキュリティ
- 障害対応
の6つの視点から、オンプレミスとクラウドを比較するので、オンプレミスの特徴を把握する上で参考にしてください。
3-1. 費用面
トータルの費用面で比較した場合、オンプレミスよりもクラウドが低価格になる傾向です。
費用の主な内訳ごとの比較は、以下のようになります。
オンプレミスでは、初期費用の負担が重いことと、ハードウェアを保有することで固定資産税が発生する場合がある点に注意が必要です。クラウドでは、ほぼ月々のサービス利用料のみで利用できます。ただしサービス利用料は従量課金制であるため、使えば使うほど高額になる点に留意しておきましょう。
オンプレミス | クラウド |
---|---|
特に初期費用が高額 | コストを抑えやすい |
長期的に運用するケースや使う機能や容量が多いときは、オンプレミスのほうが費用を抑えて運用できる場合もあるため、該当する際は費用シミュレーションを行っておくと安心です。
3-2. 導入までの期間
システムを導入開始するまでのスピードは、オンプレミスよりもクラウドのほうが圧倒的に早くなります。
オンプレミスでは、アプリケーションや機器の購入・設定など、導入までに多くのプロセスを経る必要があるのに対し、クラウドはすでに構築された環境を利用するだけだからです。
オンプレミス | クラウド |
---|---|
|
|
速やかに環境構築をしたい場合は、申し込みと簡単な設定で使えるクラウドをおすすめします。
3-3. カスタマイズ性
カスタマイズ性能については、オンプレミスとクラウドに大きな差はありません。
オンプレミスは、ソフトウェア・ハードウェアの選択に一切制約がないため、自由度はとても高いと言えます。クラウドは、選択の自由度という点ではオンプレミスに一歩及ばないものの、かなり自由な機能・サービスのカスタマイズが可能です。
オンプレミス | クラウド |
---|---|
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|
3-4. 拡張性
導入後に保存容量・機能を増やすなどの拡張は、クラウドの方が簡単にできます。
オンプレミスも拡張自体は可能ですが、サーバー・アプリケーションを買い替え、設定などをし直す必要があります。費用・時間・手間がかかるため、ハードルが高いでしょう。一方クラウドは、契約を変更するだけで拡張できます。
オンプレミス | クラウド |
---|---|
|
|
ビジネス環境やプロジェクトの変更などによるシステム変更の可能性が高い場合は、クラウドを選ぶことで柔軟な対応が可能となり、コストパフォーマンスもよくなるでしょう。
3-5. セキュリティ
クラウドとオンプレミスのセキュリティにおいて、一番大きな違いはデータの保管場所です。
オンプレミスではデータを自社に設置されたサーバー内に保管するのに対し、クラウドではクラウドサービス提供事業者のデータセンター内でデータが管理されます。
また、クラウドでは、運用やデータ管理は、原則としてクラウドサービス提供事業者側で実施するため、セキュリティも自動更新(※)となります。
このため、管理やメンテナンスのための技術を持った人材を用意する必要がなく、オンプレミスに比べてコストが抑えられる特徴があります。
一方、カスタマイズ性に着目すると、オンプレミスの方が自由度は高く、一から自社の環境に適したシステムを構築していくことができ、自社開発でどこまでもセキュリティを高めることが可能になります。
このように、クラウドとオンプレミスには、それぞれメリットとデメリットがあり、どちらが自社に向いているのかどうかには慎重な判断が必要になります。
(※)ユーザの管理責任の範囲は、クラウドのサービスに応じて異なります。サービスの選択によって、セキュリティ等に関する責任の一環としてユーザ側が実行する構成作業の量が決定されます。詳しくは下記をご参照ください。
オンプレミス | クラウド |
---|---|
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|
3-6. 障害対応
オンプレミスの場合、障害発生時は対応する手間があるものの、自社のペースで進めることや原因を解明することが可能です。クラウドの場合、障害が発生してもオンプレミスより手間はかからず、復旧はクラウドサービス事業者任せになります。
オンプレミス | クラウド |
---|---|
|
|
オンプレミスにする場合、トラブル発生時の対応を自社でどこまでできるのか、できない場合どこの業者に依頼するのかを検討しておきましょう。一方でクラウド導入を検討する場合は、障害対応の体制を確認し、迅速に復旧可能な業者を選ぶと安心です。
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4. 【ケース別】オンプレミスとクラウドどちらが向いている?
前章で解説した特徴を踏まえると、システムの性質や重視したいポイントに応じて、オンプレミスが向く場合とクラウドが向く場合とがあります。
このケースならオンプレミスか、クラウドか? |
---|
1. 特殊なシステム・特に高度なセキュリティならオンプレミス 2. コストパフォーマンス・拡張性重視ならクラウド |
それぞれのケースについて、なぜ各方式が向くのかを以下で説明していきます。
4-1. 特殊なシステム・特に高度なセキュリティならオンプレミス
汎用性の低い特殊なシステムを運用したい場合や、特に高度なセキュリティを必要とするためインターネットに接続せずに運用したい場合などは、オンプレミスがおすすめです。
例えば、
- 独自開発したシステムなどと密接な連携が必要
- 社外に出せない機密性の高い情報を扱う
- システムに費用や人的リソースを割ける
のようなケースでは、オンプレミスのメリットを最大限活かせます。
このようにコストや手間をかけてでもシステム構成・セキュリティなどの面で独自の運用をしたいケースでは、オンプレミスを選ぶとよいでしょう。
4-2. コストパフォーマンス・拡張性重視ならクラウド
コストパフォーマンスの高さや簡単に拡張ができることを重視するなら、クラウドをおすすめします。
例えば、
- 初期費用や保守管理に、費用や人的リソースを取られずにシステムを運用したい
- ビジネス展開に合わせてデータ保存容量や機能を柔軟に変更したい
- とにかく手間をかけずに簡単に運用したい
などのケースでは、クラウドにするとニーズに合った快適な運用が可能です。
初期費用や運用・保守などの面で、できる限り負担を軽減して手軽に運用したいケースや、システム構成を変更する可能性が高いケースなどは、クラウドが向くと言えるでしょう。
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5. オンプレミスとクラウドのハイブリッドもおすすめ
「オンプレミスか、クラウドか」の二択ではなく、オンプレミスとクラウドのよいところを組み合わせるハイブリッドクラウドという運用方式もおすすめです。
オンプレミスとクラウドどちらにもメリット・デメリットがあるため、片方だけで運用するとデメリットの悪影響が出やすくなります。そこで、例えば社外に出したくないデータはオンプレミスで、サーバーはクラウドでなどのように2つを組み合わせることで、より快適に運用が可能です。
ハイブリッドクラウドのメリット・デメリット | |
---|---|
メリット | オンプレミスとクラウドのデメリットを相互に補いあえる |
デメリット | システムの構成が複雑になるため運用・保守が煩雑 |
ただし、ハイブリッドで運用するのはよいことばかりというわけではありません。上記のとおり構成が複雑になるため、運用・保守が煩雑だったり、専門知識が必要になったりという側面もあります。
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6. オンプレミスからクラウド化を検討するならNTT東日本が全力サポートします
オンプレミスかクラウドか、どちらを選ぶべきか迷ったらNTT東日本クラウドソリューションに相談してみませんか?
クラウドのプロであるAWS認定有資格者が多数在籍するNTT東日本では、「オンプレミスかクラウドか」の悩ましい問題を、中立的な立場から解決サポートさせていただきます。
- 自社の現状を踏まえた最適なシステム構成を知りたい
- クラウド化するなら、コストパフォーマンスを重視したい
- クラウドは気になるが、導入時や運用に手間をかけたくない
上記のような場合、すでに150を超えるお客さまのクラウド導入に関するお悩みを解決し、ビジネスの成功をサポートしてきたNTT東日本のクラウド導入運用コンサルティングを活用するのがおすすめです。
なぜ、NTT東日本が課題解決に有効なのか?その理由は以下をご覧ください。
6-1. 今の悩み・課題に最適なソリューションを豊富な実績に基づきご提案
NTT東日本のクラウド導入運用コンサルティングは、お客さまの現在の悩みや課題を丁寧に共有するところから始まります。
例えば、次のような悩みはありませんか?
オンプレミスとクラウドサービス、コストパフォーマンスが良いほうを選びたい |
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お客さまの悩みや課題に最適なクラウドサービス・ネットワークなどを選定し、コストパフォーマンスに優れたクラウドサービスの使い方をご提案いたします。 |
どのシステムをクラウド化すべきか、わからない |
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全社のシステムをすべてクラウド化するのではなく、まずはスモールスタートをするのがおすすめです。将来計画も検討しながら、順次、検証と評価をしていくと、効果的にクラウド化を進められます。 |
他にも、ハイブリッドクラウド環境でオンプレミスとクラウドを安全に閉域接続したいというニーズにも、NTT東日本なら柔軟に対応可能。お客さまの選定理由にもなっています。
「AWSとオンプレミス環境を閉域接続したいというニーズにも対応できるため、NTT東日本を選んだ」 |
株式会社ジェーエムエーシステムズさま |
まずは、クラウドに関連して今抱えている課題やニーズについて、お気軽にご相談ください。
6-2. 豊富なラインナップが実現する抜群のコストパフォーマンス
NTT東日本クラウドソリューションのクラウド導入は、業界・市場の中でもリーズナブルです。
実際に当社にご相談いただいたお客さまからも、コストパフォーマンスの良さを選定理由の1つとして挙げていただいております。
「運用・保守の料金においても安価であったこと」 |
株式会社 医歯薬ネットさま |
「他社と比較して安価な閉域ネットワークのコスト」 |
国際ソフトウェア株式会社さま |
豊富なサービスラインナップと、最適な組み合わせを導き出せる実績に基づくノウハウが、リーズナブルな理由です。
ぜひ、NTT東日本で、リーズナブルなのに高品質なクラウド環境構築をお試しください。
6-3. 構築も運用もあらゆるフェーズで万全にサポート
NTT東日本クラウドソリューションのクラウド導入運用コンサルティングでは、システムの構築も導入後の運用もあらゆるフェーズで万全なサポートを受けられます。
そのため、
- クラウドサービス・ネットワーク・セキュリティ、選択も設定もすべてお任せで大丈夫
- 24時間365日対応可能な監視・運用代行で、システム運用から解放されコア業務に専念できる
など、担当者のコスト(時間・労力)を最小限にすることが可能です。
このようなクラウド化の一元サポートで、NTT東日本は多くのお客さまに選ばれています。
「フレッツ回線およびインターネットセキュリティ対策、AzureやAWSへ接続するための機能までをワンストップでご提供可能なことを評価」 |
ジェイエムテクノロジー株式会社さま |
ビジネスの成功・発展につながるワンストップクラウド導入で、すでに多くのお客さまがビジネス課題を解決しています。まずは、お気軽にご相談ください。
7. まとめ
今回は、オンプレミスかクラウドか、検討を迫られたときに正しい判断ができるようになるために知っておくべきオンプレミスのポイントを解説しました。
オンプレミスとは、ソフトウェア・ハードウェアを自社で保有・管理し、システムを自前で構築する運用方式です。従来からの運用方式をクラウドと区別するために、2000年代以降から「オンプレミス」と呼ぶようになりました。
オンプレミスのメリット・デメリットは次のとおりです。
オンプレミスのメリット・デメリット | |
---|---|
メリット |
|
デメリット |
|
なお、オンプレミスとクラウドを比較すると、次のとおりです。
上記を踏まえると、
- 特殊なシステム・特に高度なセキュリティならオンプレミス
- コストパフォーマンス・拡張性重視ならクラウド
という運用に親和性があります。
自社の状況に合う効果的な運用が可能な形態を選ぶことで、業務効率化・生産性向上につながります。
最適な選択をするためにも、オンプレミスについて正しく把握しておきましょう。
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