COLUMN

BCP対策にクラウドを活用すべき理由やメリットデメリットを解説

「BCP対策にクラウドを利用することは本当に有効なのだろうか?」

「クラウドの活用にどんなメリットがあるのだろう?」

BCP対策におけるクラウドの利用について、そのような疑問をお持ちではありませんか?

クラウドやクラウドサービスがビジネスツールとして便利であることはなんとなく分かっていても、BCP対策でどのように役立つのか具体的に知らないと、その有効性がイメージしづらいですよね。

ただ先に結論を言ってしまえば、BCPにはクラウドを活用するべきです。

クラウドサービスを利用してクラウド上にデータやシステムを保管しておくことは、次のようなBCPの目的の達成に大いに役立つからです。

むしろデジタル社会である現代においては、クラウド上にデータやシステムを保管しておかなければこうしたBCPの目的達成は困難であると言っても過言ではありません。

そこでこの記事では、BCP対策のためのクラウド利用に納得して踏み出せるように、

  • BCP対策でクラウドを活用すべき理由
  • BCP対策にクラウドを活用するメリット

を分かりやすく解説していきます。

その上で、クラウドを利用するなら知っておくべき以下のこともお伝えします。

  • BCP対策にクラウドを活用するデメリット
  • BCP対策にクラウドを活用する際に気をつけるべきこと
  • BCP対策に利用するクラウドサービスを選ぶ時に見るべきポイント
  • クラウドサービスを導入する手段の紹介

BCP対策にクラウドを活用すべきであることがよく分かり、クラウドを導入するための行動に移せる内容となっていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

目次:

1.BCP対策でクラウドを活用すべき理由
2.BCP対策にクラウドを活用するメリット3つ
3.BCP対策にクラウドを活用するデメリット2つ
4.BCP対策にクラウドを活用する際に注意すべきこと
5.BCP対策のためのクラウドサービスを選ぶ時に見るべきポイント
6.BCP対策のためにクラウドを導入する手段2つ
7.BCP対策のためのクラウド導入ならNTT東日本にご相談ください
8.まとめ

1. BCP対策でクラウドを活用すべき理由

BCPは、中小企業庁によって次のように定義されています。

BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと。

こちらを読んでいただければ、BCPの策定目的は「事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とする」ことであるとお分かりですね。

冒頭でもお伝えしましたが、クラウド上にデータやシステムを保管しておくことはこの目的の達成に大変役立ってくれます

だからこそBCP対策にはクラウドを活用するべきなのです。

そのことを理解するため、ここではまず、クラウドの利用がBCPの目的を達成するためにどのように役立つのかを見ていきましょう。

1-1. クラウドでのデータ保管が事業資産の損害を軽減

クラウドサービスを利用してクラウド上にデータを保管しておけば、災害や火災で自社オフィスが使用できないような状況に陥っても事業資産の一つであるデータは守ることができます

多くの場合、社内のサーバーやパソコンがダメージを受けてもクラウド上に保管してあるデータ自体には影響が無いからです。

なぜそのようなことが可能かと言うと、

  • クラウド上のデータはデータセンター内に保管されている
  • データの分散保管でデータセンターのトラブルにも備えられる

というところが主な要素となっています。

どういうことか詳しく説明しますね。

1-1-1. クラウド上のデータはデータセンター内に保管されている

クラウド上のデータの物理的な保管場所となるサーバーは、データセンターと呼ばれる、サーバーなどの管理に特化した施設内に設置されています。

そのため自社オフィスや設備がダメージを負っても、オフィスとは別の場所にあるデータセンターやサーバーが無事である限りデータは保護することができるのです。

またデータセンターはサーバーやデータを安全に管理するための施設なので、一般的な企業よりも非常事態への備えも充実しています。

具体的には次のような構造や設備が整備されています。

◆災害の影響を受けづらい構造
耐震・免震構造になっている。火災に対してはサーバーなどの機器故障を防ぐため、水を使わずに消化できる仕組みになっている。

◆冗長化された設備
予備の機器や設備が用意されていて、停電や機器の故障が発生しても予備に切り替えて作動し続けることができる。

自社と別の場所にデータを保管できることに加えて、こうした環境にサーバーが置かれているので、何らかの非常事態が発生してもデータを保護することができるのです。

1-1-2. データの分散保管でデータセンターのトラブルにも備えられる

自社に非常事態が起きても、データセンターやサーバーが無事ならデータを保護できることはお分かりになったかと思いますが、

「大災害が発生すれば、堅牢なデータセンターとはいえ被害が及ぶのでは?」

という不安もありますよね。

しかし、安心してください。

多くの場合、クラウドにデータを保管する際に利用するクラウドサービスには、複数のデータセンターにデータを分散保管できる仕組みが整備されています

この仕組みを利用すれば、自社設備と一つのデータセンターが稼働できなくなったとしても、他方のデータセンターでデータが守られます。

このようにクラウドサービスを利用してデータを保管することで、そもそもダウンする可能性の低いデータセンターにデータを保管でき、さらにそのデータセンターへのリスクもカバーすることが可能となります。

その結果、自社オフィスや設備に非常事態が発生しても事業資産の一つであるデータは守られ、「事業資産の損害を最小限にとどめる」ことに繋がるのです。

1-2. 社外でも利用できるクラウドは事業の継続・早期復旧に貢献

クラウドは「事業の継続・早期復旧」という、もう一つのBCPの目的にも貢献してくれます。

クラウド上のデータやシステムにはインターネットなどの接続ネットワークさえあれば、オフィスに限らずどこからでもアクセスできるからです。

例えば自社のデータと、データをローカルのパソコンと同じ使用感で編集できるシステムがクラウド上にあれば、自宅などでもデータを扱えるようになり、一部の業務は継続・復旧が可能となるでしょう。

この場合に継続できる業務としては次のようなものがあります。

  • 営業資料や企画書などの資料作成
  • 自社規定のフォーマットによる見積もり書や請求書の作成
  • 自社のWebサイト更新による状況や通常業務再開目処のお知らせ
  • デザインや動画編集などの制作作業

もちろん従業員の安否確認や設備復旧など優先的に行うべきこともありますが、非常事態の内容や規模によっては手の空く人も出てくるはずです。

そのような人に、自宅などで可能な業務を継続して行ってもらうことが、結果的に事業の早期復旧にも繋がります

2. BCP対策にクラウドを活用するメリット3つ

BCPの目的である、

◎事業資産の損害を最小限に抑制
◎中核事業の継続あるいは早期復旧

の達成に役立つという理由から、BCP対策にはクラウドを活用すべきであることはお分かりいただけたかと思います。

そこで次は、BCP対策においてクラウドを活用するメリットについてもお話しします。

そのメリットとは主に次の3つです。

  • 手間をかけずにデータを守れる
  • コスト負担が比較的小さい
  • 強固なセキュリティの下でデータを保管できる

順番に詳しく説明しますね。

2-1. 手間をかけずにデータを守れる

BCP対策のために一度クラウドを導入してしまえば、その後は手間をかけることなくデータを守ることができます。

すでにお伝えした通り、クラウド上のデータはデータセンター内のサーバーに保管されていて、そのサーバーや設備の保守・メンテナンスなどはクラウドサービス提供事業者が行ってくれるからです。

また利用するクラウドサービスや設定によっては、クラウドへのバックアップ(データ保管)や、クラウド上のデータのさらなるバックアップ作成を自動で行うことができ、人の手によってクラウドへデータを保管したり、バックアップを作成する手間も省くことができます

企業にとってBCP対策は重要ですが、そのために日常業務の負荷が増えるのはできる限り避けたいところです。

日常的な手間をかけずにデータを保護できることは、BCP対策にクラウドを活用するメリットと言えるでしょう。

2-2. コスト負担が比較的小さい

自社でデータ保護のための設備を運用することに比べれば、コスト面での負担が小さいこともクラウドを利用してBCP対策を行うメリットの一つです。

クラウド上に保管したデータは、クラウドサービス提供事業者のデータセンターで安全に守られますが、クラウドを利用せずにオフィス外にデータ保管のための設備を準備しようとすれば莫大な金額が必要となります

クラウドサービスと同等の安全性でデータを保管するためには次のような設備を用意しなければならないからです。

  • データセンターと同等の耐震・免震構造を持った建物
  • 水を使わない消火システム
  • 予備の機器や電源と緊急時の切り替えシステム
  • 24時間保守を担当するエンジニア複数名
  • サーバーや関連機器
  • 老朽化した機器や設備の入れ替え

もちろんクラウドサービスにも利用料はかかりますが、大企業で無ければ1ヶ月あたり数万円〜30万円程度におさまる場合がほとんどです。

BCPのためのデータ保護は自社で設備を用意して行うよりも、クラウドサービスを利用して行った方がコスト負担が小さいのは明らかですよね。

2-3. 強固なセキュリティの下でデータを保管できる

強固なセキュリティの下でデータを保管できることも、BCPにクラウドを活用するメリットです。

クラウドサービスでは、サービス提供事業者によって、いわばプロレベルの情報セキュリティ対策が講じられています

そのため不正アクセスやサイバー攻撃を受ける可能性が低く、セキュアな環境でデータを保管することが可能です。

また、もしも自社の端末や社内ネットワークの隙を突かれて、多くのパソコンやサーバーがウイルスに感染しデータが消失してしまうような事態に陥ってしまっても、クラウド上のデータは無事である可能性が高いです。

先ほどもお伝えしたように、クラウドサービスではプロレベルの情報セキュリティ対策がなされていますし、ウイルスに侵された社内の危険なデータをクラウド上に保管できないようにすることも可能だからです。

BCPにクラウドを活用することで、このような強固なセキュリティの下でデータやシステムを保管することが可能になり、これも重視すべきメリットと言えるでしょう。

3. BCP対策にクラウドを活用するデメリット2つ

BCP対策にクラウドを活用するメリットをお伝えしましたが、大きな利点がある反面、デメリットも存在します。

それが以下の2つです。

  • 接続ネットワークが無ければクラウドにアクセスできない
  • 場合によっては専門的な知識やスキルが必要

ここでは、それぞれのデメリットについてお話しします。

3-1. 接続ネットワークが無ければクラウドにアクセスできない

BCPにクラウドを活用するデメリットの1つ目は、接続ネットワークが無ければクラウド上のデータやシステムにアクセスできないということです。

緊急事態が発生した際に、クラウドにアクセスするための接続ネットワークが切断されてしまうとクラウドにアクセスすることができず、ネットワークの復旧まではデータやシステムを利用した業務を中断せざるを得ません

そうなれば、BCPのためにクラウドを利用した意味が無くなってしまいます。

このデメリットを避けるためには、次のような対応が必要となります。

  • 予備のネットワークを用意しておく
  • あらかじめ二重化(冗長化)されたネットワークを利用する

BCPにクラウドを利用する場合は、「ネットワーク障害があればアクセスできない」というデメリットを踏まえて、上記のような対応もクラウド導入時に検討するようにしてください

3-2. 場合によっては専門的な知識やスキルが必要

BCPにクラウドを活用するデメリットの2つ目は、場合によっては専門的な知識やスキルが必要となることです。

例えば、データだけでなく業務用のシステムもクラウドに保管して緊急事態時でも普段と同じように利用したいという場合、クラウドサービスに詳しいエンジニアの技術が必要になってきます。

社内にそのようなエンジニアが在籍していないなら、これはデメリットになりますよね。クラウド活用のハードルも上がってしまいます。

とはいえ、エンジニアが居ないなら居ないで、必要に応じて次のような対応も可能です。

クラウドに保管したいものが文書や表計算などファイル形式のデータのみなら…

ストレージ機能に特化したクラウドサービス(クラウドストレージ)を利用する。
専門知識・スキルが無くても対応可能。

ex.)OneDrive、boxなどの法人向けプラン

業務用システムや社用パソコンのデスクトップ環境もクラウドに保管したいなら…

付き合いのある情報システム関連の企業に相談してみる。
あるいはクラウド導入・運用の支援サービスを行う企業に相談してみる。

自社のBCP対策に適したクラウドサービスや活用方法から相談したいなら…

クラウド導入・運用の支援サービスを行う企業に相談してみる。

自社にエンジニアが在籍していないなら、こういった方法でクラウドを導入すると良いですよ。

4. BCP対策にクラウドを活用する際に注意すべきこと

BCPにクラウドを活用することにはご紹介したようなデメリットもありますが、緊急事態時にデータを保護できることや社外で業務を続けられることを考えれば、やはり活用すべきです。

その上で、BCP対策の精度をより高めるために、クラウドの利用に際して次のことに気をつけておくようにしましょう

  • クラウドの他にもバックアップ先を用意する
  • クラウドに保管するものは慎重に判断する
  • BCP対策に適したクラウドサービスを選ぶ

順番に説明していきますね。

4-1. クラウドの他にもバックアップ先を用意する

クラウド上に保管したデータは、クラウド以外の方法でも保管するようにしましょう。
リスクが分散され、BCPの確実性も上がります

どういうことか、クラウドにしかデータを保管していなかった場合を例に説明しますね。

ある制作会社ではBCP対策も兼ねて、普段からデータ保管のためにクラウドサービスを利用している。

営業部員Aはそのことに安心して、不要そうなデータを自身のパソコンからどんどん削除していた。

重要なデータはクラウドに加えて社内に設置してあるサーバーにも保管するよう言われていたが、「クラウド上にデータがあるから大丈夫だろう」
という気持ちからサーバーへの保管が漏れているデータも多々あった

ある日、利用していたクラウドサービスにシステム障害が発生し、しばらく利用できなくなってしまう。
そのタイミングでAは顧客から
「以前制作してもらったチラシを急きょ増刷して欲しい」
との依頼を受ける。

しかし印刷会社に送るためのデータはクラウドにしかない。パソコンからは削除してしまったし、本来なら担当営業であるAがサーバーにデータを保管するべきだったが、そのデータは保管が漏れていた。

結局クラウドサービスが復旧する翌々日まで、急いでいる顧客に対して増刷分の納品スケジュールすら連絡できず、信用を失うことに

自社のサーバーにきちんとデータを保管しておけばAさんは顧客の依頼に対応できたはずですが、この例のようにデータがクラウドにしか保管されていないと、クラウドサービス側の不具合によって業務に影響が出る恐れがあるのです。

実際にはクラウドサービスが2日間も停止するような事態は考えられませんが、数時間程度のダウンは過去に例があり、このようなリスクも考慮しておくべきです。

クラウドとクラウド以外の両方にデータがあることで、リスクが分散され、片方のリスクを他方が補えます

データは必ずクラウドとは別の方法でも保管し、BCPをより確実なものにしましょう。

4-2. クラウドに何を保管するかは慎重に判断する

クラウドに不要なものを保管することがないように、どんなデータやシステムを保管するかは慎重に判断しましょう。

多くの場合、クラウドに保管するものの容量が増えれば、クラウドサービスの利用料もその分上がります

非常時への備えとはいえ、何でもかんでも保管していけば、その利用料は増額してしまうのです。

不要なデータのために無駄なコストを払うことがないように、

「BCP対策としてどのようなデータやシステムを保管しておくのが適切なのか?」

という点を慎重に議論し、明確にしておきましょう。

4-3. BCP対策に適したクラウドサービスを選ぶ

クラウドサービスを選ぶ時は、BCP対策に適したものを選ぶようにしてください。

選ぶサービスによってもBCPの安全性や確実性は変わってきます

安全な形でBCPを運用するなら、最低限次の項目をクリアしているクラウドサービスを選ぶようにしましょう。

  • クラウドへのバックアップが自動で行われる
  • データの分散保管ができる
  • データセンターが自社拠点と離れた場所にある

各項目については、次でも詳しくお話ししますね。

5. BCP対策のためのクラウドサービスを選ぶ時に見るべきポイント

BCP対策にクラウドを活用する際の注意点の一つとして、「BCP対策に適したクラウドサービスを選ぶ」ということをお話ししました。

そこで気になってくるのが、「BCP対策に適したクラウドサービスを選ぶにはどうすれば良いか?」というところですよね。

そんな疑問にお答えするため、ここではBCP対策のためのクラウドサービスを選ぶ時に見るべきポイントをお伝えします。

そのポイントとは以下の4つです。

  • BCP対策に有効な仕組みがあるか
  • データセンターの場所
  • 他社や他団体による導入実績
  • パートナー企業による導入支援を受けられるか

一つずつ詳しく説明していきますね。

5-1. BCP対策に有効な仕組みがあるか

クラウドサービスを選ぶ際には、まずBCP対策に有効な機能や仕組みがあるかどうかを確認しましょう。

その機能や仕組みというのは次のようなものです。

クラウドへのバックアップが自動で行われる

設定されたスケジュール通りに自動的にバックアップが行われる機能があれば、クラウド上に保管してあるデータがいつのものか明確に分かる

バックアップを毎日決まった時間に取るように設定していれば、緊急事態が発生した際に、最新のものとギャップが小さいデータやシステムを利用することができる

データの分散保管が可能

複数のデータセンターにデータやシステムを分散保管できれば、データが失われるリスクはさらに低くなる

例えば、自社内のサーバーと2つのデータセンターでデータを保管していたとすると、自社・データセンター①・データセンター②の全てが機能停止しない限り、いずれかの施設でデータを保護できる。

このような仕組みが無いと、緊急事態が発生した際に古いデータしか使えなかったり、データセンターの被災リスクに対応することが難しくなります。

クラウドサービス選定時は、最低限この2点が備わっていることを確認し、他にも自社のBCPに必要と思われる仕組みがあるなら追加でチェックしてみてください。

5-2. データセンターの場所

クラウドに保管したデータがどの地域にあるデータセンターに保管されるのかも、クラウドサービスを選ぶ時に見ておくべきポイントです。

というのも、クラウドサービスは国内外でさまざまなものがあり、そのデータセンターも日本を含め世界各国に設置されています。

自社のBCPにおいて、データセンターは国内にあるのが望ましいのか、それとも国内と国外両方に分散させたいのかなどを明確にした上で、希望に近い場所にデータセンターを保有するクラウドサービスを選ぶと良いですよ。

5-3. 導入実績

過去の導入実績も必ず確認しておいて欲しいポイントです。

非常時に備えて安全にデータやシステムを保管するためには、BCPが目的の導入実績が豊富なクラウドサービスを選ぶべきだからです。

検討しているクラウドサービスのWebサイトで、BCPとしての導入実績が掲載されているかどうかを確認し、下記の項目に当てはまるかどうかチェックしてみてください。

  • 多くの実績がある
  • 中小企業から大企業まで幅広い企業での実績がある
  • 官公庁や金融機関での導入実績がある

こうした項目に当てはまるなら、BCPに活用するクラウドサービスとして不足はないはずです。

5-4. パートナー企業による導入支援が可能か

最後に、クラウドサービスを導入する際に、パートナー企業によるサポートが受けられるかどうかもチェックしておきましょう。

これは社内にクラウドサービスに詳しいエンジニアなどが在籍していない場合に重要になってくるポイントです。

クラウドサービスの中には、専門的な知識やスキルが無ければ導入・運用が難しいものもあります。

しかし、単純なファイル形式のデータ以外にも、業務システムやデスクトップ環境をクラウドに保管・構築しておきたいといった場合には、そのようなサービスを選ばざるを得ません。

そんな時に必要になってくるのが、クラウドサービス提供事業者のパートナー企業による導入・運用支援です。

実は、活用の幅が広いクラウドサービスほど、別途導入や運用を支援してくれるパートナー企業が存在していることが多いのです。

社内にエンジニアなど対応できる人が居ないなら、そうしたパートナー企業による導入・運用支援が行われているクラウドサービスを選ぶと良いですよ。

6. BCP対策のためにクラウドを導入する手段2つ

ここまでお読みいただいて、ひとまず自社のBCPに適したクラウドサービスをピックアップするところまでは行えるようになったのではないでしょうか。

しかしその先、実際に利用するクラウドサービスを一つに決めて導入していく段階になると、次にどう動くべきか迷ってしまうのではありませんか?

そこでここでは、クラウドサービスを絞り込んだ後に取るべき行動に迷わないように、クラウドを導入する手段についてお話ししておきます。

BCP対策のためにクラウドを導入する手段としては、自社で必要な対応を行う場合と、先ほどお伝えしたようなクラウド導入・運用支援サービスを利用する場合の2パターンがあります。

それぞれの手段別に、クラウドサービスをある程度選んだ後に取るべき行動についてご紹介するので、導入に向けてさらに踏み込んだアクションを起こしてみましょう。

6-1. BCPのためのクラウド導入の手段① 自社で対応して導入する

自社での対応によってクラウドを導入するのが適しているのは、次のいずれかに当てはまる場合です。

  • 文書や表計算、プレゼン資料などファイル形式のデータのみをクラウドに保管したい
  • NASやファイルサーバーと同じ要領で利用できるクラウドサービスを利用したい
  • 社内にクラウドサービスに詳しいエンジニアが在籍している

このような状況に当てはまるなら、利用するクラウドサービスが比較的シンプルであるか、エンジニアによる対応が可能なため、自社だけで導入していくことができるでしょう。

この場合、利用するクラウドサービスの候補が絞り込めたら、次は下記の2つの行動に移りましょう。

クラウドサービスの無料トライアル

多くのクラウドサービスでは、機能や期間を限定した無料トライアルが可能です。

使用感や自社のBCPに適しているかどうかを、実際に使ってみて確認しましょう。
トライアルで問題なく使用できることが分かったら、そのまま本格的に利用を開始してください。

クラウドサービスの提供事業者へ問い合わせ

不明点があったり、利用するサービスの最終決定で悩んでいるならクラウドサービスの提供事業者に問い合わせて、詳しく話を聞きましょう

無料トライアルの利用に、事業者への連絡が必要となる場合もあります。

利用サービスの形態がクラウドストレージであれば、導入に向けて担当者がリードしてくれるでしょう。

ここまでくれば、クラウドサービスの導入にこぎつけられるはずです。

6-2. BCPのためのクラウド導入の手段② クラウド導入支援サービスを利用して導入する

社内にクラウドサービスに詳しいエンジニアが在籍しておらず、さらに次のような場合に当てはまるなら、クラウド導入の手段として導入支援サービスを利用すると良いですよ。

  • データだけではなく、業務システムやデスクトップ環境もクラウド上に置いておきたい
  • 最終的にどのクラウドサービスを利用するのが良いか専門家のアドバイスが欲しい
  • 自社のBCPにはクラウドサービス上のどのような機能を使えば良いか相談したい

こうした状況に当てはまるなら、クラウドサービスを導入するためには専門的な知識が必要となり、社内にクラウドサービスに詳しいエンジニアが居ないなら、自社対応によるクラウド導入はかなり厳しいです。

クラウドをBCPとしてきちんと機能させるためには、クラウド導入支援サービスを行っている企業を頼るようにしてください。

そのために、クラウドサービスの候補がある程度出揃ったら、次は相談する企業を見つけて問い合わせましょう。

相談する企業は、次のような方法で見つけるのがスムーズですよ。

  • クラウドサービスのWebサイトからパートナー企業を見つける
  • 「クラウド導入支援 BCP」などで検索して支援してくれる企業を見つける

もし気になる企業が複数あるなら、何件か問い合わせてみてくださいね。
BCP対策をより効果的なものにするために、パートナーとなる企業も慎重に判断しましょう

クラウドの導入支援を行ってくれる企業が決定すれば、あとは実際の導入に向けてリードしてくれるはずです。

7. BCP対策のためのクラウド導入ならNTT東日本にご相談ください

自社対応によるBCPのためのクラウド導入が難しいという場合はもちろん、自社で対応できそうでも疑問や不安がある場合は、お気軽にNTT東日本にお問い合わせください。

「本当に自社のBCP対策に適したクラウドサービスを選べているのだろうか?」

「緊急事態が発生した状況を考えると、クラウドに接続するネットワークのことも相談したい。」

このように、BCP対策のためのクラウド導入を自社だけで行うことに少しでもご不安があれば、ぜひ一度お話をお聞かせいただければと思います。

NTT東日本は、クラウドの導入支援サービスによってお客さまのBCPの効力強化に貢献します。

そのためのご支援内容やサポート体制の一部をご紹介します。

7-1. お客さまのBCP対策に適したクラウドサービスをご提案

NTT東日本に在籍するクラウドサービスの有資格者が、お客さまのBCP対策に適したクラウドサービスの選定からお手伝いいたします。

クラウドサービスを知り尽くした専門家がお客さまのご要望やBCPに対するお考えについて詳しくヒアリングを行い、その内容を元にご提案を行います。

  • BCP対策においてクラウドに求めているもの
  • 予算内で導入・運用を行いたい
  • セキュリティ面では妥協したくない
  • 通常業務の負担は増やしたくない
  • 利用方法はシンプルな方がよい

などなんでもお話しください。

こういったさまざまなご要望と、クラウドの専門家の知見、そして「非常時において業務の継続や早期復旧が可能か」という3つの角度から、お客さまのBCPにとってベストなクラウドサービスを選択できるようにご提案させていただきます

7-2. BCPに適したネットワークからクラウドの設計まで一元的にサポート

ネットワーク事業者としても実績を積んできたNTT東日本なら、BCPに適したクラウドだけでなくネットワークの設計や構築まで一元的にサポートが可能です。

通常のクラウド導入支援サービスでは、クラウドサービスの選定・構築にフォーカスしていて、クラウドに接続するためのネットワークやお客さまのLAN環境に関しては知見が無いケースが多いです。

クラウドとネットワークをそれぞれ別の企業が構築するといったこともよくあります。

対してネットワーク事業者でもあるNTT東日本では、クラウドとネットワーク両方において専門的な知見があり、どちらの設計・構築もまとめてサポートすることができます。

BCP対策にクラウドを利用するなら、非常時の接続ネットワークのことも考えておく必要があります。

非常事態発生時にクラウドにアクセスできなくなってしまっては、BCPの効力が軽減してしまうからです。

NTT東日本では、お客さまのBCP対策がより効果的なものになるように、クラウドの導入支援と併せてそうした非常時のネットワークについても提案させていただきます。

7-3. 24時間365日の保守対応が可能

NTT東日本ではクラウド導入後の運用においてもサポートを行っており、24時間365日保守対応や問い合わせの受け付けが可能です。

支援事業者によっては保守対応や問い合わせ受け付けが平日の営業時間に限られている場合も多いですが、非常事態はいつ発生するか分からないため、対応時間外に何かあればタイムロスが発生してしまいます。

結果、BCPの目的の一つである「事業の継続や早期復旧」に差し障りがあることは言うまでもありません。

NTT東日本では、24時間365日にわたってクラウドサービスの監視・故障対応・問い合わせ受け付けなどを行う体制が整備されており、非常事態の発生時にも迅速な対応が可能です。

このような体制によって、お客さまの事業継続・早期復旧に貢献することができるのです。

NTT東日本では、お客さまのBCP対策の効力を可能な限り強化できるようにクラウド導入・運用をサポートさせていただきます。

まずはBCPやクラウドに対するあなたの疑問やご心配をお聞かせください。

NTT東日本に相談する

8. まとめ

BCP対策にクラウドを活用することについて、その理由やメリット・デメリットからクラウドサービスの導入に必要な情報までお伝えしてきました。

最後に今回の内容をまとめておきますね。

BCP対策にクラウドを活用すべき理由は、

  • 事業資産の損害を最小限に抑制
  • 中核事業の継続あるいは早期復旧

というBCPの目的の達成にクラウドが役立つからです。

それぞれの目的に対して、クラウドの次のような特徴がマッチしているのです。

事業資産の損害を最小限に抑制
  • クラウド上のデータはデータセンター内に保管されている
  • データの分散保管により、データセンターのトラブルにも備えられる
中核事業の継続あるいは早期復旧
  • クラウドに保管したデータは社外でも扱うことができる

また、BCP対策にクラウドを活用することには、次のようなメリットとデメリットがあるので、把握しておいてください。

メリット
  • 手間をかけずにデータを守れる
  • コスト負担が比較的小さい
  • 強固なセキュリティの下でデータを保管できる
デメリット
  • 接続ネットワークが無ければクラウドにアクセスできない
  • 場合によっては専門的な知識やスキルが必要

BCP対策にクラウドを活用するなら、次の3点に気を付けておくと良いですよ。

  • クラウドの他にもバックアップ先を用意する
  • クラウドに保管するものは慎重に判断する
  • BCP対策に適したクラウドサービスを選ぶ

BCP対策に適したクラウドサービスは、以下のポイントによって判断することができます。

  • BCP対策に有効な仕組みがあるか
  • データセンターの場所
  • 他社や他団体による導入実績
  • パートナー企業による導入支援を受けられるか

実際に自社にクラウドを導入する際の手段としては、

①自社で対応して導入する
②クラウド導入支援サービスを利用して導入する

の2パターンがあるので、自社に適した手段で導入してみてくださいね。

この記事の内容が、あなたの会社のBCP対策の役に立てば幸いです。

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