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クラウド型ファイルサーバーとは?基礎知識から導入方法まで解説

クラウド型のファイルサーバーとは、文書や画像などのデジタルデータを保管するためにクラウド上に構築されたファイルサーバーのことです。

オンライン上でファイルが保管でき、社内外でデータのやり取りができることから、企業での利用も増加傾向にあります。

リモートワークの普及や外出の多い営業部署の業務効率に配慮して、自社でもクラウド型のファイルサーバーの導入について考えていらっしゃるのではないですか?

ただ、今まで使用したことがないと、

「そもそもどんなもので、どういうことができるのかイメージしづらい…」
「デメリットはないの?」

と疑問や不安が拭いきれませんよね。

そこでこの記事では、クラウド型ファイルサーバーについて十分に理解していただくために、

  • クラウド型ファイルサーバーの基礎知識
  • オンプレミス(自社運用)型との違い
  • クラウド型ファイルサーバーのメリット・デメリット

についてご紹介します。

さらに、自社に適したクラウド型ファイルサーバーの選び方や導入方法も説明します。

クラウド型ファイルサーバーのことが詳しく分かり、自社への導入を判断できる内容となっていますので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。

目次:

1.クラウド型ファイルサーバーとは
2.クラウド型ファイルサーバーの機能
3.クラウド型ファイルサーバーを利用するメリット3つ
4.クラウド型ファイルサーバーのデメリット3つ
5.クラウド型ファイルサーバーがおすすめな企業
6.クラウド型ファイルサーバーの選び方
7.クラウド型ファイルサーバーを導入する手順
8.自社でのクラウド移行・導入に不安があればNTT東日本へご相談ください
9.まとめ

1. クラウド型ファイルサーバーとは

クラウド型ファイルサーバーとは、冒頭でも触れた通り、文書や画像などのデジタルデータ(=ファイル)を保管するためにクラウド上に構築されたファイルサーバーのことです。「オンラインストレージ」「クラウドストレージ」とも呼ばれるサービスもクラウド型ファイルサーバーと言えます。

クラウド型ファイルサーバーに保管されたデータには、基本的にインターネットを通じてどこからでもアクセスでき、社内外でのデータ共有もスムーズに行うことができます。

とはいえ、こうした説明だけではどのようなものかが分かりづらいと思いますので、ここではクラウド型ファイルサーバーの特徴や社内設置のファイルサーバーとの違いについて詳しく説明します。

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1-1. クラウド型ファイルサーバーの特徴

クラウド型ファイルサーバーには、主に以下のような特徴があります。

  • インターネットを経由してサービス(ファイルサーバーの機能)が提供される
  • 社内にサーバーを設置する必要がない
  • サーバーの管理はサービス事業者が行う

それぞれの特徴について、より詳しく見ていきましょう。

1-1-1. インターネットを経由してサービスが提供される

クラウド型ファイルサーバーの大きな特徴として、「ファイルサーバー機能がインターネットを通して提供されること」が挙げられます。

利用者側はファイルサーバーの機能をインターネット経由で利用できるため、パソコン内にデータを保存していなくても、インターネットに接続してあるパソコンやタブレットがあれば、クラウド型ファイルサーバーに保管してあるデータを閲覧することが可能です。また保管してある場所のURLを知らせるだけで、データの共有も簡単に行えます。

これだけではどういう場合に役立つかイメージしづらいかもしれませんね。
そこで実際にクラウド型ファイルサーバーに資料を保管していた場合のことを考えてみましょう。

例えば、印刷してクライアントとの商談で使用する【提案資料A】と、今回の商談では使用する予定がない【サービス案内資料B】がクラウド型ファイルサーバー上に保管されていたとします。

商談当日、担当者は印刷した提案資料Aをクライアントに配布して提案内容を説明しますが、話を進める中で今回提案したものとは別のサービスについても関心を持ってもらえそうなことが分かりました。

そのサービス内容は、【サービス案内資料B】に詳しく記載されています。

【サービス案内資料B】は今回使用する予定ではなかったので配布用に印刷はしていませんが、クラウド型ファイルサーバーには保存されています。

そのため、担当者は持参していたタブレットをWi-Fiに接続し、【サービス案内資料B】をタブレットでクライアントに見せながら内容を説明することができました。


インターネットを経由してサービスが提供されることの利便性が、イメージできましたでしょうか?

このように、インターネットに接続することができれば、クラウド型ファイルサーバーに保管されているファイルには場所を選ばずアクセスすることができます。

もちろん情報セキュリティの観点から、接続する回線やデバイスを制限する必要はありますが、インターネット経由でファイルサーバーを利用できることは、社外での業務に役立つ特徴と言えるのです。

1-1-2. 社内にサーバーを設置する必要がない

先に紹介した通り、クラウド型ファイルサーバーはインターネットを通してファイルサーバー機能が提供されるので、社内にサーバー本体を設置する必要はありません。

このような特性は、単純にサーバー用に場所や電源を確保しなくても良いというだけではなく、「サーバーや関連機器の故障を心配しなくてよい」ということに繋がります。

どういうことか理解していただくために、まず社内にサーバーが設置してある場合のことを考えてみてください。
社内にサーバーがあるということは、社内で故障に備えたり、対応する必要があるということですよね。
つまり、以下のようなことを社内で行う必要があるのです。

  • 停電した際の予備電源の用意
  • 災害発生時にデータを守るための対策
  • サーバー本体や関連機器の日々のメンテナンス
  • サーバーが故障した場合の復旧作業

データのデジタル化が加速する今、その保管先であるサーバーが故障することは企業にとって致命的です。社内にサーバーが設置してあるなら、日頃から細心の注意を払って機器の故障に備える必要があります。
また、実際に故障した場合に迅速に復旧対応を行えるエンジニアも確保しておかなければなりません。

これだけの備えを充分に行うのは、簡単なことではありませんよね。

しかし、社内にサーバー本体を設置する必要のないクラウド型ファイルサーバーなら、こうした負担から解放してくれるのです。

クラウド型ファイルサーバーでは、データの物理的な保管場所であるサーバーはもちろん存在しますが、そのサーバーは「データセンター」というデータやサーバー保管に特化した施設に設置されているからです。

データセンターは「データやサーバーを安全に保管するための施設」とも言い換えることができ、故障やその他のイレギュラーに対する備えは、一般企業で行うものよりも細やかかつ堅牢であるケースがほとんどです。
そのため、クラウド型ファイルサーバーの利用企業ではサーバー本体や関連機器の故障を心配しなくてもよいのです。

このように社内にサーバー本体を設置する必要がないという特徴は、自社の負担や心配を軽減してくれる大きなメリットでもあるのです。

1-1-3. サーバーの管理はサービス事業者が行う

サーバー本体の管理だけではなく、システムやソフト面の管理もクラウド型ファイルサーバーの提供事業者が行ってくれます。

ソフト面を管理する上で必要な、大まかな項目は以下の通りです。

ウイルス対策

アンチウイルスのためのソフトやシステムを導入し、最新版で稼働させる。
サーバー自体にウイルス対策を施すことはもちろん、クラウド型ファイルサーバーの利用者それぞれのパソコンを経由したウイルス感染を防ぐため、データのアップロード時にウイルススキャンを行うなどのシステムが搭載されていることも多い。


データのバックアップ

クラウド型ファイルサーバーに保管されているデータは、自動的にバックアップが取られていることがほとんど。
万が一ミスでデータを消去してしまっても、復旧することが可能。


OSのアップデート

一般的なパソコンでWindowsやMacをアップデートするのと同じように、サーバー本体にもファイルサーバーとして稼働するためのOSがあり、適宜アップデートを行う必要がある。


通信や保管データの暗号化

サイバー攻撃などからデータを守るために必要な、情報セキュリティ対策の一環。
通信を暗号化することで、傍受されづらくなり、安全にデータのやり取りが行える。
また、保管データを暗号化しておけば、万が一データが漏えいしても内容を読み取られる可能性がかなり低くなる。


ここで説明したものはあくまで一例に過ぎませんが、これだけでも自社で行おうとすれば、それなりの労力や技術が必要なはずです。

クラウド型ファイルサーバーには、こうした煩雑なソフト面の管理もサービスの提供者側で行ってくれる仕組みがあるのです。

1-2. オンプレミス(自社運用)型のファイルサーバーとの違い

クラウド型ファイルサーバーの導入を検討されている場合、

  • すでに自社運用でファイルサーバーを活用している
  • 自社運用のファイルサーバーとクラウド型のファイルサーバーのどちらを導入するか迷っている

という状況に当てはまるのではないでしょうか?

そこで、オンプレミス(自社運用)型とクラウド型のファイルサーバーの違いを下記の表にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 横にスクロールします
オンプレミス型ファイルサーバー クラウド型ファイルサーバー

サーバー本体の設置場所

社内/自社保有の施設

データセンター

導入コスト

クラウドより費用がかかる

不要なケースが多い

運用コスト

・常時稼働のための光熱費

・管理者の人件費

・月額利用料

・従量課金生

運用・管理

自社で対応

サービス事業者が対応

エンジニアの必要性

必須

選ぶサービスによっては不要

社外でのデータへのアクセス

(別途回線を導入すれば可能)

自社に合わせた機能等のカスタマイズ

(事業者側から提供されている範囲内で可能)

容量拡張の容易さ

(サーバーそのものを増設する場合は労力とコストがかかる)

(プラン変更の申請のみ。サービスによっては容量無制限)

取引先など社外とのファイル共有

×

(共有リンク発行などの機能が搭載)

オンラインでのファイル編集

×

情報セキュリティ対策

(強度は対応するエンジニアによる)

(強度はサービス事業者による)

いかがでしょうか。
自社で運用するファイルサーバーか、インターネット経由で利用するサーバーか、という点に起因する違いが多くあることがお分かりいただけたかと思います。

オンプレミス型のファイルサーバーは、機能やシステムを自社に合わせてカスタマイズできるため、社内での利便性を最大限高められる可能性を秘めています
しかし、そのためには潤沢な予算や人材が必要となり、導入や運用が現実的に難しいのではありませんか?

クラウド型ファイルサーバーは、導入や運用の手間のほぼ全てをサービス事業者に任せることができるため、選ぶサービスによっては専任のエンジニアを必要としません。
そのことを考えれば、月額利用料の費用対効果はかなり良いと言えますよね。

このように、クラウド型ファイルサーバーは導入や運用のハードルが低く、自社に合ったサービスを選べば利便性についてもオンプレミス型に劣ることはないでしょう。

もしどちらかの二択で迷っていらっしゃるなら、クラウド型の導入を強くおすすめします。

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2. クラウド型ファイルサーバーの機能

クラウド型ファイルサーバーの特徴についてはお分かりいただけたかと思いますが、具体的にどのようなことができるのかもしっかりと把握しておきたいですよね。

ここでは、クラウド型ファイルサーバーの機能について、

  • 自社運用のファイルサーバーと同様の機能
  • クラウド型ならではの機能

に分けてそれぞれ紹介していきます。

 

2-1. 自社運用のファイルサーバーと同様の機能

クラウド型ファイルサーバーの持つ機能の内、自社運用型と同様のものには

  • ファイル保管と共有
  • アクセス権の設定

の2つがあります。
それぞれ利用シーンの例を用いて、どういうものか具体的に説明しますね。

2-1-1. ファイル保管と共有

クラウド型ファイルサーバーのメイン機能は、「ファイルの保管・共有」です。
この機能が実務においてどのように役立つのか、その利用シーンを紹介します。

利用シーン:資料の共同制作

営業担当のAさんはクライアントから、次回打ち合わせまでに製品PR用チラシのデザインを提案して欲しいと依頼された。しかし、次回の打ち合わせは4日後…。

かなりタイトなスケジュールのため、デザイナー4名にデザイン案を出してもらい、Aさん自身が各デザイン案を提案書に落とし込むという共同作業を行うことになった。

各デザイナーはそれぞれのデザインデータをクラウド型ファイルサーバーの指定されたフォルダに保存。
Aさんは提案書を作成しつつ、ファイルサーバー上で各デザインをチェックし、確定したものから提案書に盛り込んでいく。

提案書がほぼ完成したところでAさんもそのデータをファイルサーバーにアップし、デザインチームや上長に確認してもらい、修正を行う。
共同での資料制作がスムーズに進んだので、なんとか打ち合わせでの提案を行うことができた。

こちらの利用シーンでのポイントは、資料の共同制作がスムーズに進められたことですよね。

このスムーズな資料制作は、

クラウド型ファイルサーバーへのデータ保存

保存されたデータをサーバー上で確認(データの共有)

という機能に支えられていることがお分かりでしょうか?

もしクラウド型ファイルサーバーが利用されていなければ、Aさんはデザインデータを各デザイナーからメールなどで送ってもらわなければなりませんでした。
クラウド型ファイルサーバーを利用することで、4人のデザイナーからのメールを都度開いて、データをダウンロードして…という手間が大幅に削減できたのです。

またファイルサーバーに提案書を保存するだけで、デザインチームや上長による最終チェックをしてもらうこともできました
この点でも、修正の度にデータを添付したメールを送る手間が省けています。

このように、(クラウド型)ファイルサーバーの「ファイルの保管・共有」という機能は、組織で業務を行う上で非常に重要なものなのです。

2-1-2. アクセス権の設定

アクセス権の設定ができることも、オンプレミス型と共通するクラウド型ファイルサーバーの機能です。

アクセス権を設定するということは、部署やそのほかのグループごとに、閲覧できる範囲や操作できる範囲を制限するということです。

では、この機能はどのような局面で役に立つのか見てみましょう。

利用シーン:ミスによる情報漏えいの防止

新入社員のBさんが仕事帰りに居酒屋で友人と談笑していたところ、隣のテーブルに座っていた男性に話しかけられた。話の流れで男性はBさんと同じ業界の人間ということが分かり、意気投合。名刺交換を行った。

その後プライベートで何度か会う機会もあり、Bさんはその男性に気を許していた。ある日男性から、Bさんの会社の取引先である◯◯社の広報部長に直通の連絡先を教えて欲しいと頼まれた。
Bさんが理由を尋ねると、
「以前名刺交換をしたが、名刺を紛失してしまって連絡が取れない。」
との返答があり、Bさんも納得してしまう。

Bさん自身は〇〇社とは関わりが無かったが、クラウド型ファイルサーバー内に「顧客情報」というフォルダが存在していることは知っていたのでアクセスしてみた。
しかしBさんには閲覧権限が付与されていなかったため、結局男性に連絡先を教えることはできなかった。

こちらのケースでは、クラウド型ファイルサーバー内のデータに対してアクセス権を適切に設定してあったことで、競合企業に顧客情報が流出することを防止できました。

このようにアクセス権の設定機能は、従業員のミスや思い違いで重要なデータが流出してしまうことを防止することに役立つのです。
もちろんミスだけではなく、悪意のある内部不正による情報漏えいの防止にも繋がります。

アクセス権の設定は、情報セキュリティの観点から大変重要な機能であるということがお分かりですね。

2-2. クラウド型ならではの機能

ここからは、クラウド型のファイルサーバーならではの機能についてご紹介します。
オンプレミス型のファイルサーバーでは対応が難しい、クラウド型だからこその機能には下記のようなものがあります。

  • ファイルのオンライン編集
  • 社外からのアクセス
  • 外部ユーザーの招待

それぞれ具体的に説明しますね。

2-2-1. ファイルのオンライン編集

クラウド型のファイルサーバーに保管したファイルは、パソコンにダウンロードすることなくオンライン上で直接編集できる場合が多いです。

この機能がどういう時に便利かを、利用シーンを例に見てみましょう。

利用シーン:資料の一括修正

Cさんの会社で新たなサービスを展開することになった。
サービス概要を説明するための資料をCさんを中心としたメンバーで作成してきて、そろそろ完成間近だ。

今日は資料の完成に向けた最終調整のための会議が行われる。メンバーの中には出張中の者や、別の営業所に出勤している者もあったため、オンラインミーティングで行うことになっていた。

オンラインミーティングでは、メンバーそれぞれがクラウド型ファイルサーバー上で資料を見ながら修正すべき箇所を指摘していった。指摘の入った箇所は、その部分を担当したメンバーがオンライン上で修正し、メンバー全員がリアルタイムでその修正を確認する。

大きな修正は無かったため、この作業を何度か繰り返してミーティング中に資料を完成させることができた。

オンライン編集機能があることで、今回のケースのようにオンラインミーティングと修正作業を並行して行うことが可能になります。
さらに言えば、編集がリアルタイムで反映されるため確認作業も同時に行うことができるのです。

つまり、修正箇所を洗い出す会議・修正作業・確認の3つのプロセスを1度のオンラインミーティング内で完結させることができるのです。

この例から、クラウド型ファイルサーバーのオンライン編集機能によって、効率よく業務を遂行できることがお分かりのはずです。

2-2-2. 社外からのアクセス

クラウド型ファイルサーバーは、基本的にインターネットに接続されているデバイス(パソコン・タブレット・スマートフォン)からであれば、場所を選ばず利用することができます。

この利便性についてはイメージしやすいかと思いますので、社外からアクセスできることが役立つ局面をいくつかピックアップしてみます。

社外から必要なデータにアクセスできると…

  • 在宅勤務などのリモートワークがしやすい
  • 出張時の移動時間や宿泊先でも作業が可能
  • 取引先に出向いての打ち合わせで、持参していない資料も見せることができる
  • 電車移動中もスマホによる資料確認ができ、タイムロスが軽減される
  • 外出先でも急ぎの資料送付依頼に対応できる

社内に限らず、保管しているデータを閲覧したり編集したりできることで、さまざまな局面で柔軟に業務を行えることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

柔軟な働き方ができるということは、現時点で在籍している従業員にとってもプラスになりますし、今後新たな人材を確保する上でも大きな武器になるはずです。

クラウド型ファイルサーバーという一つのツールの中の、「社外からデータにアクセスできる」という一機能には過ぎませんが、実務を担う従業員にとっては働きやすさに直結する重要な要素になるでしょう。

2-2-3. 外部ユーザーの招待

クラウド型ファイルサーバーは、取引先などの外部とのデータ共有をスムーズに行うための機能を備えているものが多いです。
その中でも、かなり有用性が高いのが「外部ユーザーの招待機能」です。

これは、その名の通り社外のユーザーをクラウド型ファイルサーバーに招待し、ファイルの閲覧やダウンロードなどができる権限を与える機能です。
すでにお伝えしたように、クラウド型ファイルサーバーではアクセス権を設定することができるので、取引先の方に対して必要なフォルダの中で必要な操作だけを許可することが可能です。

では、外部ユーザーの招待機能がどのように役立つか、その利用シーンを見てみましょう。

利用シーン:企業のイメージムービー制作

映像制作会社Dで、クライアントから会社案内用のイメージムービー制作を依頼された。
イメージムービーの素材となる画像や動画はすでにクライアント側で用意しており、D社はその素材を編集して制作を行っていくことになった。

そのためにはまず、クライアントから全ての素材を提供してもらう必要がある。そこで、D社で使用しているクラウド型ファイルサーバーにクライアント企業の1人を招待し、専用フォルダに素材画像や動画をアップロードしてもらった。

またD社もイメージムービーの編集データを、同じフォルダ内にアップロードすることで、クライアントにチェックしてもらうことができ、スムーズに修正・納品を行うことができた。

このケースでは、動画制作において煩雑な素材データや編集データのやり取りをスムーズに行うことができました。

クラウド型ファイルサーバーに外部ユーザーを招待できたことで、クライアントは数ある素材データを一括でD社に支給することができ、また容量の大きな編集途中のデータをパソコン内にいちいち保存することなく確認することが可能となりました。

このような機能が無ければ、ファイル添付したメールのやり取りを何ターンも繰り返す必要があったでしょうし、クライアントは重たい動画データを、チェックの度にパソコン内にダウンロードしなければならなかったはずです。

紹介したような利用シーンに限らず、文書のデジタル化が進む現代においては、外部とのデータのやり取りは頻繁に行われていますよね。
そんな中でクラウド型ファイルサーバーの招待機能を活用すれば、社内のみならず取引先や顧客企業の負担も軽減させることができるのです。

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3. クラウド型ファイルサーバーを利用するメリット3つ

クラウド型ファイルサーバーによってできることが分かってきたところで、改めてそのメリットを把握しておきましょう。

クラウド型ファイルサーバーを利用することで得られる主なメリットは次の3つです。

  • 業務効率の向上が期待できる
  • 運用・管理の労力が少なくて済む
  • リモートワークに対応しやすい

それぞれ具体的に見ていきましょう。

3-1. 業務効率の向上が期待できる

クラウド型ファイルサーバーを利用することで、業務効率の向上が期待できます。

その理由は、クラウド型ファイルサーバーが持つ機能にあります。
すでにその機能をいくつかご紹介しましたが、その中から業務効率向上に繋がるものを下記の表にまとめました。

  • 横にスクロールします
機能 業務効率の向上に繋がる要素

ファイルの保管・共有

サーバー上にファイルを保存するだけで他の人と共有できる

▶︎添付メールを送る手間の削減
▶︎添付メールを受信するたびにファイルをダウンロードする手間の削減

オンラインでのファイル編集

オンライン会議と並行してファイルの編集ができる

▶︎編集箇所の洗い出し、編集、確認を一括で実施して時間短縮

社外からのアクセス

インターネットに接続できればデータ閲覧・編集・アップロードが可能

▶︎移動時間も業務に使えてタイムロスが軽減
▶︎帰社しなくてもデータ共有ができて無駄な待ち時間がなくなる

外部ユーザーの招待

サーバー上に保存したデータを自社以外の人とも共有できる

▶︎自社と取引先、双方の添付メール送信の手間を削減
▶︎自社と取引先、双方のファイルをダウンロードする手間の削減

ご覧の通り、上記のような機能があることで手間の削減や時間の短縮が可能になるのです。

その結果、必要な業務をよりスムーズに行うことができるため、業務効率の向上が期待できるというわけです。

3-2. 運用・管理の労力が少なくて済む

クラウド型ファイルサーバーは、ファイルサーバー機能やその他多くの機能を利用できるにも関わらず、運用や管理の労力を少なく済ませることができます。

これまでにもお伝えしたように、

  • 機器故障や災害への備え
  • ウイルス対策
  • データのバックアップ
  • OSのアップデート
  • 通信や保管データの暗号化

などの煩雑な対応を、サービス事業者側に任せることができるからです。

また容量や機能を追加したいという場合も、サービス事業者にプランの変更やオプションを申し込むだけで対応してもらえます。

このように運用・管理にまつわるほとんどの対応を事業者側に任せることができるため、利用企業側の負担は大幅に削減されるのです。

こうしたメリットは、システムエンジニアが社内に在籍していなかったり専任の担当者を新たに立てることが困難な場合にはかなり重要になってきます。

3-3. リモートワークに対応しやすい

クラウド型ファイルサーバーはインターネットを通してその機能を提供するため、利用する場所を選ばず、リモートワークと大変相性が良いツールです。

現時点でリモートワークを導入されていない場合は、あまりそのメリットを実感できないかもしれませんね。
ただ、近年のような感染症の流行だけではなく、災害でオフィスを利用できない場合や、子育て・介護など従業員個々の事情により、どうしてもリモートワークが必要になる局面が出てくるはずです。

そのような状況下でリモートワークに対応する準備ができていないと、業務の停止や人材の流出といった事態に陥りかねません。

今はリモートワークの必要性を感じていらっしゃらなくても、対応できる仕組みは整えておくべきです。そう考えると、リモートワークに対応しやすいというクラウド型ファイルサーバーのメリットの重要性をお分かりいただけるのではないでしょうか。

4. クラウド型ファイルサーバーのデメリット3つ

クラウド型ファイルサーバーには大きなメリットがある反面、以下のようなデメリットも存在します。

  • 月額利用料がかかる
  • カスタマイズに限界がある
  • 操作方法に慣れる必要がある

それぞれ説明しますね。

4-1. 月額利用料がかかる

クラウド型ファイルサーバーの一つ目のデメリットは、月額利用料がかかることです。

中には個人利用向けの無料サービスも存在しますが、企業で利用するのであれば、情報セキュリティ対策がより強固に施されている法人向けのサービスを利用する必要があります。

利用料は、導入するクラウド型ファイルサーバーやプランによって異なります。

上位プランになると、利用料は高額にはなりますが、その分容量無制限で使用できたり、チャットツールやオンライン会議用のツールと連携が取れたりと、利便性は向上します。

もちろん基本プランでも上位プランでも、場所を選ぶことなくファイルサーバー機能を利用できますし、運用・管理をサービス事業者側に任せられるので、決してコストパフォーマンスが悪いわけではありません。

しかし毎月一定の金額を支払う必要があるということは、見逃せない事実です。

4-2. カスタマイズに限界がある

クラウド型ファイルサーバーは、あくまでサービス事業者から提供されるものであり、「できること」の範囲はあらかじめ決まっています。

そのため、自社運用のファイルサーバーに比べれば、各企業に合わせて細かく機能をカスタマイズすることは得意ではありません

自社運用型のファイルサーバーを専任のエンジニアによって運用しているのであれば、従業員の細かい要望に応えて機能を調整する、といった対応が可能ですが、クラウド型ファイルサーバーではそういった対応は難しいと考えておいた方が良いです。

ただ、その分多くのクラウド型ファイルサーバーで、幅広く柔軟な機能が搭載されています
そのため、サービスごとに細かい要件をしっかり確認して、自社に合ったクラウド型ファイルサーバーを選ぶことができれば、あまり大きなデメリットにはなりません。

4-3. 操作方法に慣れる必要がある

利用するクラウド型ファイルサーバーによっては、パソコン本体でのファイル保存や編集の仕方とは使い勝手が異なる場合があり、そうなるとまずは操作方法に慣れる必要があります。

また、パソコン本体での作業と同様の操作感で扱えたとしても、それまで使ったことのない新たな機能を利用するわけですから、やはり最初はスムーズに操作することは難しいでしょう。

こうしたデメリットを少しでも軽減するためには、直感的に操作できるものを選ぶと良いですよ。
レビューを見てリサーチしたり、無料トライアルを利用して実際に操作してみると判断しやすくなるはずです。

クラウド型ファイルサーバーのデメリットを3つ説明しましたが、このようなデメリットや課題があるにも関わらず、多くの企業でクラウド型ファイルサーバーが利用されています。

総務省の「令和3年版情報通信白書」によれば、クラウドサービスを利用している国内企業の割合は約7割に上り、その用途として最も多かったのが「ファイル保管・データ共有」だったのです。

クラウドサービスの利用内訳

出典:「令和3年版情報通信白書」(総務省)

つまり、クラウド型ファイルサーバーにデメリットがあるのは確かですが、このグラフに示されている通り、多くの企業が「デメリットよりメリットの方が上回る」と判断していることも事実なのです。

5. クラウド型ファイルサーバーがおすすめな企業

クラウド型ファイルサーバーには、メリットもあればデメリットもありましたが、多くの企業がメリットの方を重視して導入を決断しているということをお伝えしました。

ここでは、すでにクラウド型ファイルサーバーを利用している多くの企業と同様に、導入するメリットの方がデメリットを上回ると考えられる企業の特徴や状況をお伝えします。

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以下の図をご覧ください。

このような状況が当てはまるなら、ぜひクラウド型ファイルサーバーを導入すべきです。

それぞれの項目について説明していきますね。

5-1. 外出の多い部署がある

外回りや取引先への訪問が多い部署があるなら、クラウド型ファイルサーバーが大いに役立ちます

というのも、頻繁に外出する営業部やその他の部署では、保管しているデータを社外で扱えないために次のような課題を抱えているのではありませんか?

  • データの送付やダウンロードのためだけに帰社しなければならない
  • 外出先や移動時間に作業するためには、必要なファイルを事前にダウンロードしなければならない
  • 事前に用意しておいた資料以外は取引先で提示することができない

クラウド型ファイルサーバーに業務で使うデータを全て保存しておけば、このような問題は解決でき、無駄な時間を使うことも商機を逃すことも少なくなるはずですよ。

5-2. 自社運用型のファイルサーバーを構築、運用できる技術者が居ない

社内にエンジニアが在籍していない、あるいは在籍していてもすでに手一杯という場合にも、クラウド型ファイルサーバーを利用するメリットは大きいです。

ファイルサーバーを導入するに当たって、クラウド型の他にも自社運用型という選択肢もありますよね。

ただ、自社運用型のファイルサーバーや、それを利用するためのネットワークを構築するためには、社内インフラに強いエンジニアが在籍している必要があります。導入後の運用・管理に関しても同様です。

しかしクラウド型ファイルサーバーの場合は、すでに必要な機能が備わった状態で導入できますし、運用・管理に必要な対応のほとんどをサービス事業者側に任せることが可能です。

それでも不明なことやトラブルが発生した場合のために、相談窓口が設けられているケースも多いです。

こうしたことから、社内にインフラを得意とするエンジニアが在籍していないなら、クラウド型のファイルサーバーを選択するべきと言えるでしょう。

5-3. データの管理をそれぞれの従業員に任せている

データの管理をそれぞれの従業員の裁量で行っている場合は、すぐにでもクラウド型ファイルサーバーを導入して、データ管理を一元化することをおすすめします。

「社員それぞれの管理で事足りているのだから、必要ないのでは?」

と思われるかもしれませんが、実はデータの管理を個々の社員に任せることは、情報セキュリティ上大変危険なことなのです。

ファイルサーバーのようなデータの保管場所を会社側で用意していなければ、それぞれが無料のクラウド型ファイルサーバーを利用していたり、USBメモリを複数所持していたりするはずです。

無料のサービスでは、企業のデータを保護するために十分なセキュリティ対策が講じられているとは言い難いですし、USBメモリも紛失する恐れがあります。

つまり、データ管理を社員それぞれが行っている状況は非常に情報漏えいのリスクが高いことなのです。

現時点でこうした状況にあるなら、自社の情報資産をしっかりと守っていくためにクラウド型ファイルサーバーをぜひ導入してみてください

5-4. 従業員側にリモートワークのニーズがある

社内でリモートワークのニーズがあると感じていらっしゃるなら、対応に向け、リモートワークと相性の良いクラウド型ファイルサーバーの導入をおすすめします。

従業員の働きやすさは、自社にとって必要な人材の確保や流出防止のために重要なことだからです。

おそらく在宅勤務などのリモートワークを望む従業員は、その背景に次のような事情を抱えているはずです。

  • 自宅で育児をしながら働きたい
  • 親の介護をしながら働きたい
  • 基礎疾患のある家族が居るため、感染症の流行期だけ在宅勤務をしたい
  • 遠隔地に住む親が入院したため、退院するまで親の近くで働きたい

誰しもがこのような状況に直面する可能性がありますが、もし勤めている会社でどうしてもリモートワークが認められなかったらどうでしょうか?
リモートワークが可能な他社への転職を試みるであろうことは容易に想像できますよね。

そのような人材流出を防ぐためには、リモートワークを含む柔軟な働き方に対応できるということが必要になってきます。

クラウド型ファイルサーバーは、場所を選ばず利用できるため、リモートワーク向きのツールと言えます。そのようなツールが導入されていて、リモートワークに対応する用意があるというだけで、人材の流出防止や新たな人材確保に役立つはずです。

リモートワークの準備の大きな一歩として、ぜひクラウド型ファイルサーバーの導入を検討してみてください。

6. クラウド型ファイルサーバーの選び方

ここまで読んでくださっている方は、自社へのクラウド型ファイルサーバーの導入を前向きに考えていらっしゃるのではないでしょうか?

そこでここでは、導入に向けて「自社に合ったクラウド型ファイルサーバーの選び方」を解説します。

クラウド型ファイルサーバーを選ぶ時には、下記のように選ぶようにすると良いですよ。

  • 月額利用料がお得なものを選ぶ
  • 業務と情報セキュリティ対策に役立つ機能で選ぶ
  • サポート体制が充実しているものを選ぶ

それぞれ詳しくお伝えしていきますね。

6-1. 月額利用料がお得なものを選ぶ

クラウド型ファイルサーバーを選ぶ時には、月額利用料がお得なものを選ぶようにしましょう。

と言っても、単純にリーズナブルな料金が提示されているものを選べば良いというわけではなく、自社でのクラウド型ファイルサーバーの使い方とサービス事業者の提示する料金体系をきちんと把握して、結果的にコストパフォーマンスが良くなるものを選択するということです。

各クラウド型ファイルサーバーの料金体系は、多くの場合「従量課金制」を採用しています。
従量課金制というのは、利用する量が増えればその分利用料も増えるという仕組みです。

そこで注意して見ていただきたいのが、「何の量」によって利用料が増えるかという点です。
使用する容量によって増額する場合もあれば、利用人数(ユーザーID)ごとに利用料がかかる場合もあるので、自社に適した料金プランのサービスを選択するようにしてください。

例えば、次のように判断すると良いでしょう。

利用人数:100人
保管するデータ:ほとんどが文書や表計算ソフトで作成したもの

それぞれのデータサイズが小さいので、使用する容量ごとに利用料が決まっているプランを選択する。
500GB程度で足りる場合は、3万円程度/月 で利用できるサービスもある。

利用人数:15人
保管するデータ:動画や画像が多い

動画や画像のサイズは大きく、容量に応じて利用料が増えると高額になる可能性が高いので利用人数ごとに利用料が発生するプランを選択する。
その中から、利用できる容量ができるだけ大きいものや無制限のものを選ぶ。

このようにクラウド型ファイルサーバーの使い方によって、選ぶべき料金のプランが異なります

各社の提示している利用料金は、何に対して課金されるのかをしっかり確認し、自社にとってお得になるような料金プランのクラウド型ファイルサーバーを選ぶようにしましょう。

6-2. 業務と情報セキュリティ対策に役立つ機能で選ぶ

自社にとって必要な機能を搭載しているクラウド型ファイルサーバーを選ぶのも重要なことです。

とはいえ、ただ各クラウド型ファイルサーバーの機能を見比べるだけではなかなか結論を出しづらいと思いますので、まずは「クラウド型ファイルサーバーの導入目的」を明確にしておいてください。

そうすれば、自然とどんな機能が望ましいか見えてくるはずです。

例えば、営業担当の業務効率を向上させることが主要な目的であれば

  • スマートフォンやタブレットからのアクセス・操作がしやすい
  • その場で顧客に資料を共有するためのURLを発行できる

などの機能が必須になるでしょう。

またデータ保管において情報セキュリティを高めることが目的なら、

  • サーバー上での操作ログを取得できる
  • 細かいアクセス権の設定
  • デバイスごとの認証
  • IPアドレスによるアクセス制限

などの機能があれば安心です。

自社に合ったクラウド型ファイルサーバーを導入するためには、利用目的に応じて必要な機能を判断し、その機能を備えたものを選ぶようにしてくださいね。

6-3. サポート体制が充実しているものを選ぶ

クラウド型ファイルサーバーを安心して使い続けるためには、サポート体制が充実しているものを選ぶ必要があります。

多くのサービス事業者でサポートのための仕組みは存在するのですが、その体制は各社で異なり主に以下のようなものになります。

  • FAQページの設置のみ
  • メールや問い合わせフォームからの相談が可能
  • 電話での相談が可能

クラウドサービスを初めて導入する場合や、詳しい担当者が居ないのであれば、やはり電話での相談が可能なサービスを選んだ方が安心して利用することができます

各社のサポート体制についてもきちんとチェックして、できるだけ手厚いサポートを受けられるクラウド型ファイルサーバーを選ぶと良いですよ。

7. クラウド型ファイルサーバーを導入する手順

クラウド型ファイルサーバーの選び方についてお伝えしましたが、導入時に行うべきことは実は他にもあります。

快適にクラウド型ファイルサーバーを活用していくために、ここでは導入する際に行うべき手順をステップ形式でご紹介します。
以下の表をご覧ください。

  • 横にスクロールします

クラウド型ファイルサーバーの導入手順

STEP①
目的・予算の設定

  • 導入目的の明確化
  • 月々の予算の設定

STEP②
選定・体制検討

  • クラウド型ファイルサーバーの選定
  • 接続ネットワークの選定、設計
  • ネットワーク環境の検討、必要なら新たに構築
  • 運用体制の検討、必要なら人材の確保

STEP③
契約・運用準備

  • 選定したクラウド型ファイルサーバーの事業者との契約(構築)
  • 利用前の各種設定
  • 情報セキュリティ設定(オプションプランの追加など)
  • 接続ネットワークの設定
  • 障害発生時の対応策定
  • 必要ならオンプレミス型サーバーからのデータ移行

STEP④
運用開始

  • 必要に応じてスペックやプランの変更
  • 運用する中で見つかった課題への対応
  • 障害発生時の対応

導入前から実際に運用していくまでには、このような対応が必要になるのです。

もちろんオンプレミス型のサーバーを構築するより負担は少なくて済むのですが、社内にクラウドサービスやファイルサーバーについて詳しい人間が居ない場合、自社だけでこうした対応を行うのは不安を伴いますよね。

不安なままなんとか運用までこぎつけても、実際に使ってみて

「やっぱりこういう機能が必要だった!」
「こんなところが使いづらい!」

という事態になるのは避けたいところです。

そこでおすすめなのが、クラウド導入運用支援サービスを活用してクラウド型ファイルサーバーを導入するという方法です。

これは、自社のみでクラウドサービスの導入や運用を行うことに不安がある企業に向けて、必要な作業を一部代行したり、快適なクラウド利用を支援するコンサルティングサービスのことです。

こうしたサービスを利用すれば、クラウドに関する専門的な知識を持った技術者によるサポートを受けながらクラウド型ファイルサーバーを導入・運用することができるので、自社のみでの対応に自信がないという場合にはぜひ活用をおすすめします。

8. 自社でのクラウド移行・導入に不安があればNTT東日本へご相談ください

弊社NTT東日本でも、クラウド型ファイルサーバーの導入に不安を感じていらっしゃるお客さまに向けて、導入・運用のご支援を行っております。

クラウド型ファイルサーバーの導入を検討されていて、以下のような状況に当てはまる場合はぜひ一度ご相談ください。

  • はじめてのクラウド導入で不安
  • クラウド型ファイルサーバーを導入し自社に合わせて可能な限りカスタマイズしたいが、情報システム人材が十分とは言えない
  • 自社に最適なクラウド事業者やサービス、ネットワーク選定を相談できるパートナーが必要
  • オンプレミスからの移行実績がなく、自社内だけでの対応は心配

豊富な実績を持つNTT東日本の技術者が、クラウド型ファイルサーバーの導入をネットワーク環境や情報セキュリティ対策の領域も含めてワンストップでお手伝いいたします。

8-1. ご要望・お悩みに応じたご提案

クラウド型ファイルサーバーを導入する目的や、導入にあたってのご希望はお客さまによってさまざまです。
NTT東日本では、ネットワーク事業者としての知見と、クラウド導入運用コンサルティングにおける実績を活かしてご要望に応じたご提案・ご支援を行います。

例えば下記のようなご要望にも対応させていただきます。

ご要望①オンプレミスのシステムと連携しつつクラウド型ファイルサーバーを利用したい

ADサーバーなどの既存システムと連携させたクラウド型ファイルサーバーの構築を提案可能です。
まずは連携させたいオンプレミスシステムについてお聞かせください。

ご要望②クラウド型ファイルサーバーを導入しつつセキュリティも強化したい

クラウド型ファイルサーバーの情報セキュリティ設定やチェックを代行することが可能です。
より安全にクラウド型ファイルサーバーをご利用いただくための接続ネットワークの選定や設定もサポートいたします。

ご要望③クラウド型ファイルサーバーを導入して情報システム担当者の稼働を軽減したい

ブラウザで多くの管理ができる仕様でのご提案を行います。運用後のサポートも継続することが可能なため、「ひとり情シス」や専任者の居ない状況での運用をお手伝いします。

この他、どんなお悩みやご希望でもお伝えください。お客さまに、より快適にクラウド型ファイルサーバーをご利用をいただけるよう、ご要望に沿った形でご提案・ご支援を行います。

8-2. 課題解決をベースにしたサポート工程

NTT東日本では、課題の解決に適した方法でのクラウド導入支援を行っております。
そのためサポートの工程においても、課題の解決を見据える必要があります。

クラウド型ファイルサーバーの導入にあたっては、お客さまの抱える課題に応じたサポートを行うために以下のようなプロセスを経ることになります。

  • 横にスクロールします

STEP①
ヒアリング

  • クラウド型ファイルサーバーの利用目的を明確化
  • 社内システムの現状を分析
  • 現状においての課題を抽出

STEP②
解決策の提案

  • 課題解決を見込めるクラウド型ファイルサーバーの選択肢を提示
  • クラウド型ファイルサーバーの利用に適したネットワークの選択肢を提示
  • 情報セキュリティの選択肢を提示
  • ファイルサーバーのクラウド化に向けたスモールスタート提案
  • コストシミュレーション

STEP③
環境の見直し・設定

②を経て決定された内容に応じて、

  • クラウド型ファイルサーバーのアカウント提供
  • 基本設定
  • ネットワークの設定
  • お客さまLAN環境の設定

STEP④
運用開始

  • 24時間365日のお問い合わせ受付
    ※お客さまLAN環境からクラウドの領域まで一元受付
  • 作動状況監視、故障の対応手配や取次ぎ
  • 円建てによる請求書払い(外資系企業によるサービス利用の場合)

このようなプロセスを踏むことで、ただクラウド型ファイルサーバーを導入するのではなく、「課題解決に適した方法でのクラウド型ファイルサーバーの導入」の支援が可能となるのです。

8-3. クラウド型ファイルサーバー導入支援の豊富な実績

クラウド型ファイルサーバーの導入にあたって、

「どのようなサービスを選ぶべきか?」
「現状のツールの難点を本当にクリアできるか?」

など、多くの方がそれぞれにお悩みを抱えていらっしゃいます。

NTT東日本では、ただクラウド型ファイルサーバーの導入をお手伝いするだけではなく、そうしたお悩みや課題の解決にこそ注力しており、実績も豊富です。

下記の2つの事例を見ていただければ、NTT東日本がお客さまの抱える課題を見据えた上で、クラウド型ファイルサーバーの導入支援を行っていることがお分かりいただけるかと思います。

CASE1:
情報システム専任担当者無しで、ファイルサーバーをクラウド化

【ご要望・課題】

オンプレミスサーバーをメイン活用、Microsoft Azure上のサーバーをバックアップとして利用する中で下記のような課題があった。

◆システムの故障発生から復旧までに時間がかかり、業務に支障が出ることがあった
◆営業担当者の現場では、クライアントに提示したい資料があっても、対応ができない

また運用においては、専任の情報システム担当者を配置していないため、稼働負担を可能な限り低減したい。

【解決策】
NTT東日本にて下記の内容でご支援を実施。

◆Amazon EC2を用いてファイルサーバーとADサーバーを構築
◆既存システム(Azure)からAWSへのデータ移行
◆テレワーク環境はAWS上のサーバーに外部からアクセスできるように構築
◆ネットワーク全体の見直し・見える化
◆セキュリティレベルの向上

<構成図>

【お客さまの声】

まず、全体を通して、情報システム担当者の稼働を抑制し、かつ、安価に構築できたことには満足しております。

また、今回のシステム更改にあわせてネットワークも見直しし、拠点間接続が見える化されたため、トラブル発生時も、まずは全体を把握することができ、対策がしやすくなったという印象です。(ご担当者さま)

CASE2:
ファイルサーバーのクラウド化で業務上の課題が解決されたと実感

【ご要望・課題】

オンプレミスのファイルサーバーを利用する中で、次の3つの課題があった。

業務の効率化
顧客情報は、セキュリティの観点から、オンプレミスのファイルサーバーに保存していたため、社外からサーバーへアクセスできず、朝夕に必ずオフィスに立ち寄る、外出時は社内スタッフを介して情報を得る必要があるなど、膨大に無駄な時間とコストがかかる点が生産性の観点で大きな課題だった。

情報セキュリティにおけるリスク軽減
顧客情報が入ったファイルをメールに添付して送受信することは、ファイルにパスワード設定をしているとはいえ、万が一のヒューマンエラーによる情報漏えい事故につながりかねず、大きなリスクだった。

従業員のライフステージに合わせた労働環境の整備
従業員には出産等で退職せずに働き続けてほしいという思いがあり、働き方改革のひとつとして、在宅ワークなどを見据えた社員のライフステージに合わせた労働環境・情報環境の整備を検討。

【解決策】
NTT東日本より下記のような支援・提案を実施。

◆Amazon EC2、Amazon EBSを用いたファイルサーバーを構築
◆業務用パソコンやLANからクラウドまでの構築と運用を一元的にご支援
◆ファイルサーバーのクラウド移行とは別のシステム選定をサポート
◆VPNルータの構築

<構成図>

【お客さまの声】
検討当初に持っていた課題が解決されていると実感しています。そしてこれらの課題解決により、当社が考える将来のオフィスの役割の変更など経営的に今後変えていきたい方向への第一歩が踏み出せています。(ご担当者さま)

このように、NTT東日本はクラウド型ファイルサーバーの導入のみならず、関連する領域においても一元的にサポートを行うことが可能であり、これによりお客さまの課題の解決が見込めるのです。

もしクラウド型ファイルサーバーの導入に向けて、自社だけでの対応に不安や難しさを感じていらっしゃるなら、知見も実績も豊富なNTT東日本に一度ご相談いただければと思います。

  • Amazon Web Services(AWS)は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
  • Azureは、マイクロソフト グループの企業の商標です。

9. まとめ

クラウド型ファイルサーバーがどのようなものかお分かりいただけたでしょうか。

クラウド型ファイルサーバーとは、文書や画像などのデジタルデータ(=ファイル)を保管するためにクラウド上に構築されたファイルサーバーのことで、クラウド型ならではの機能も多数あります。

そのメリットとデメリットは次の通りです。

  • 横にスクロールします

メリット

  • 業務効率の向上が期待できる
  • 運用・管理の労力が少なくて済む
  • リモートワークに対応しやすい

デメリット

  • 月額利用料がかかる
  • カスタマイズに限界がある
  • 操作方法に慣れる必要がある

このような点から、社外で業務を行う必要のある場合や、システムエンジニアが在籍していない場合には特に導入がおすすめです。

導入にあたっては、

  • 月額利用料
  • 業務と情報セキュリティ対策に役立つ機能
  • サポート体制

の3つに注意してサービスを選ぶようにしましょう。

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