COLUMN

令和2年入社社員が車両運動シミュレーションソフトウェアをAWSに環境構築してみた!

はじめまして!2020年4月に入社しました新入社員のむーらんです。

今回、バーチャルメカニクス社とご縁があり、CarSimという車両運動シミュレーションソフトウェアをAmazon Web Services(以下AWSとする)に環境構築をしてみました。
このコラムでは、基本的なAWSの構築から作成時のポイント等をご紹介していきます。
また今後、クラウドのメリットであるコスト削減やBCP対策などを活かし、自動車開発についてITインフラの側面からお手伝いさせていただく取り組みを行っていきたいと思っていますので、是非読んでいただけると幸いです!

Ⅰ.クラウドを利用するメリット

近年、自動車開発において、クラウドサービスの活用が注目されています。今後自動車が必要とする主なデータとして、各種センサーから取得した道路の交通情報があげられます。この膨大なデータをクラウドで分析・処理することによって、最適なリソースを必要な時に必要なだけ使うことができます。また、スケーラブルな並列処理や膨大なデータを安価に保存でき、開発速度の向上やコストの最適化が見込まれます。

Ⅱ.CarSimとは?

CarSimとは、バーチャルメカニクス社が販売している、乗用車・小型トラック用車両運動シミュレーションソフトウェアです。シミュレーションソフトでは、危険を伴う場面や稀に起こる事象など、様々な状況下におけるシミュレーションが可能です。

※ライセンスにつきましては販売元のバーチャルメカニクス社へお問い合わせください。

Ⅲ.AWSへの構築手順

それではここから実際に私が試した構築方法についてご紹介していきます。
作成する構成は以下の図の通りです。

※今回はオハイオリージョンで構築しております。

1.AWS環境構築

①VPC作成

VPCを作成します。【図1】

「VPCウィザードの起動」⇒「1つのパブリックサブネットを持つVPC」

  • VPC名(例)CarSim_aws
  • アベイラビリティーゾーンの選択(例)us-east-2a
  • サブネット名(例)CarSim_Public

【図1】

②セキュリティグループ作成

セキュリティグループを作成します。【図2】

  • セキュリティグループ名(例)CarSim_aws_sg
  • 説明(例)CarSim_SecurityGroup
  • 作成したVPC(CarSim_aws)を選択

【図2】

作成後、インバウンドルールを追加します。【図3】
「インバウンドルールを編集」⇒「ルールを追加」

1.「Elastic Graphics」を選択し、カスタムで自らのセキュリティグループ(CarSim_aws_sg)を選択
※Elastic Graphics:グラフィックスアクセラレーション

2.「RDP」を選択し、「マイIP」を選択

【図3】

③ネットワークインターフェイス(ENI)作成

ネットワークインターフェイスを作成します。【図4】

  • 名前の作成(例)CarSim_aws_eni
  • サブネットの選択(例)CarSim_Subnet1a
  • 先ほど作成したセキュリティグループ(CarSim_aws_sg)を選択

【図4】

④EC2作成

EC2を作成します。

「インスタンスの起動」をクリックします。【図5】

1.Amazonマシンイメージを選択「Microsoft Windows Server 2019 Base」

2.インスタンスタイプの選択「t3.medium」

3.インスタンスの詳細設定

  • ネットワークの選択(CarSim_aws)
  • サブネットの選択(CarSim_Public)
  • Elastic Graphicsにチェック「eg1.medium」
  • 先ほど作成したENI(CarSim_aws_eni)をアタッチ

【図5】

4.ストレージの追加 (※50GB以上)

5.タグの追加【図6】
キー「Name」、値「CarSim_aws_Server」
※ネットワークインターフェースのチェックボックスを外します。

【図6】

6.セキュリティグループの設定
既存のセキュリティグループを選択します。(CarSim_aws_sg)

7.キーペアの作成
「起動」をクリックした後、新しいキーペアを作成します。【図7】
キーペア名(例)CarSim_aws_key
キーペアのダウンロードを行い、保存します。(RDP接続時に利用)

【図7】

⑤ElasticIP作成 

※EC2インスタンスのIPアドレスを固定するために使用します。

1.タグの追加【図8】
キー「Name」、値「CarSim_aws_EIP」

【図8】

2.ElasticIPを EC2にアタッチ【図9】
「ElasticIPのアクション」⇒「ElasticIPアドレスの関連付け」
作成したEC2(CarSim_aws_Server)にアタッチします。

【図9】

3.CarSimライセンスの取得(申請)
CarSimライセンスの取得に関してはバーチャルメカニクス社へお問い合わせください。
※ライセンスの発行にあたり、PCのホストIDと先ほど作成したネットワークインターフェイスのMACアドレスが必要となります。
バーチャルメカニクス社CarSim製品サイト:https://carsim.jp/別ウィンドウで開きます

4.CarSimライセンス取得後、リモートデスクトップでEC2インスタンスに接続

①作成したEC2(CarSim_aws_Server)からリモートデスクトップ接続を行います。【図10】
「接続」⇒「RDPクライアント」⇒「パスワードの取得」

【図10】

②EC2作成時に生成したキーペアを参照します。【図11】
「Browse」⇒「CarSim_aws_key」を選択⇒「パスワードの復号化」

【図11】

③「リモートデスクトップファイルのダウンロード」をクリックし、接続します。

④インスタンスに接続後、以下の作業をしていきます。

・日本語化【図12】
「Settings」⇒「Date&Time」⇒「Time zone(Osaka,Sapporo,Tokyo)」

【図12】

・時間設定【図13】
「Settings」⇒「Language」⇒「Add a language(日本語)」⇒「install」

【図13】

・リージョンの変更【図14】
「Settings」⇒「Region」⇒「Country or region(Japan)」
※今回のライセンスは日本のリージョンでしか適用できないため変更の必要があります。

【図14】

・デバイス名を変更する
「設定」⇒「システム」⇒「バージョン情報」⇒「デバイスの仕様」⇒「このPCの名前を変更」
※こちらがライセンスサーバーネームとなります。

⑤設定変更後、再起動を行うと反映されます。

⑥Chromeのインストール
ローカルPCでダウンロード後、ファイル(ChromeSetup.exe)をリモートデスクトップ上にコピー&ペーストし、実行します。

⑦CarSimのセットアップ
バーチャルメカニクス社ご案内のもと、セットアップを行います。

⑧CarSimのライセンス認証後、CarSimの実行が可能になりました。【図15】

【図15】

Ⅳ.おわりに

今回は、車両運動シミュレーションソフトをクラウド(AWS)上に構築してみました。
このようにクラウドへの環境構築の検証について今後も積極的に行っていきますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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