COLUMN
生成AI×自動応答で電話業務の効率化を~サポートセンター編~
製品やサービスについての困りごとを解決するサポートセンター(カスタマーサポート)は、顧客満足度に直結する重要な窓口です。業界によっては一日に数百件~数千件の問い合わせが寄せられることもあるため、オペレーターの負荷軽減や顧客応対の迅速化・効率化を目的として、「IVR(Interactive Voice Response:自動音声応答システム)」を導入する企業・自治体が増えています。
IVRとは、顧客との通話やプッシュ操作に対して、あらかじめ設定した音声案内で自動応対するシステムです。電話業務を効率化できるソリューションとして、多くの企業や自治体で導入が進められています。しかしIVRには「定型文しか読み上げできない」「プッシュ操作を間違えるとやり直しになる」などの課題があり、顧客満足度の低下が懸念されていました。
これらの課題の解決法として近年注目されているのが、IVRに生成AIを活用した「AI-IVR」です。AIにより、「定型文以外でも回答できる」「顧客はプッシュ操作だけでなく、音声での操作も可能になる」など、顧客応対品質の向上が期待できます。
本コラムでは、サポートセンターにおける電話応対業務の課題やAI-IVRの活用例について紹介します。
1. サポートセンターにおける電話応対業務の課題
サポートセンターには、製品の不具合やサービスの内容確認、苦情(クレーム)など、さまざまな問い合わせが寄せられます。顧客の困りごとに対して適切に応対することが求められますが、次の点が課題となっています。
1-1. 長い待ち時間とストレス
サポートセンターでは、顧客がサポートセンターに架電してからオペレーターにつながるまでの平均時間を表す「ASA(平均応答時間・平均応答速度:Average Speed of Answer)」を一つの指標としており、一般的には10~20秒が目安とされています。「AHTの長時間化」や「オペレーターの不足」などの原因でASAが長くなると「電話がつながらない」「待ち時間が長い」といった状態が頻発し、顧客にストレスを与えてしまいます。
1-2. 応対時間の制約と機会損失
顧客からの問い合わせを処理するのに要した時間は「AHT(平均処理時間:Average Handling Time)」※1と呼ばれ、ASAと同様にサポートセンターの品質指標となっており、6分前後が目安とされています※2。一件あたりの応対時間が短いほどAHTは向上しますが、効率を重視して短い時間で終わらせようとすると、顧客課題の解決が不十分だったり、新たなクレームが発生したりする恐れがあります。結果、企業のイメージにも影響を及ぼし、顧客が製品やサービスの継続購入・利用を控えるなどの機会損失を招きます。
※1 AHT=(通話時間+応対後の履歴処理時間の合計)÷通話件数で算出
※2「What Are the Industry Standards for Call Centre Metrics?」callcentrehelper.comより
1-3. オペレーターの負荷とスキルの偏り
AHTを意識しながら適切に応対するには、製品・サービスの深い知識やクレームへの応対スキルをはじめとする、さまざまな技能が求められます。マニュアルやオペレーター自身の経験から応対できるものもありますが、内容によっては関係部署へ確認が必要など、その場で回答を提示できない場合もあり、取り次ぎや折り返し電話といった業務が増加します。また、オペレーターの経験の差で応対品質に偏りが出ることも多く、特定のオペレーターがいないと応対できない状況(属人化)に陥る可能性も考えられます。
2. サポートセンターでのAI-IVR活用例
AI-IVRを活用することで、AHT・ASAの改善や応対品質の均一化といった課題を解消できるとともに、顧客満足度の向上が期待できます。主な活用例は次の通りです。
2-1. ①FAQや定型的な問い合わせ応対
生成AIによって問い合わせ内容を自動で分析・分類し、FAQや定型的な問い合わせの場合には、オペレーターを介さずに自動応答します。これにより、複雑な内容や個別応対が必要な場合のみオペレーターへ取り次ぐようにできるため、業務効率の向上が図れます。24時間365日、営業時間外の問い合わせにも応対可能です。
2-2. ②代表電話の取り次ぎの自動化
代表電話にかかってきた問い合わせを生成AIが判別し、該当の部署へ自動で取り次ぎを行います。取り次ぎ先が電話に出られない場合は、問い合わせ内容を要約してメールやSMSなどに通知させることもできるため、伝え漏れを防ぐことができます。
2-3. ③CRMシステムとの連携による自動履歴管理
AI-IVRとCRMシステムを連携させることで、応対後の履歴入力を自動化でき、顧客情報管理を効率化できます。これにより、顧客ニーズや問い合わせ内容をオペレーター間で共有できるため、短時間で的確な回答を提示できるようになります。また、情報を集約し、FAQとしてまとめて生成AIに学習させることで、自動応答の精度向上が見込めます。
3. NTT東日本のAI-IVRソリューション特長と機能
NTT東日本では、電話業務を生成AIが代行する「IVRソリューション」を提供しています。
3-1. 特長
IVRのプッシュ操作のほか、音声で操作できる新たな機能を搭載し、利便性を向上させています。AWS環境で開発するため、柔軟かつクラウドの利点を最大限に活かしたIVRを導入していただけます。また、NTT東日本グループのクラウドエンジニアが導入から運用にいたるまで包括的にサポートするため、専門的な知識やスキルがなくても安心してご利用いただけます。
3-2. 機能
NTT東日本のAI- IVRソリューションには、次のような機能が備わっています。
ご相談内容に応じて、カスタマイズしたIVRをご提供いたします。
生成AI×自動応答
- 生成AIが自動で問い合わせ内容を判別し、適切な案内に誘導
- 内容によってオペレーターに接続することも可能
生成AI×自動振り分け
- 「○○について相談したい」など、具体的な用件を生成AIが判別し、オペレーターに接続
- 担当のオペレーターが電話に出られない時は、問い合わせ内容を要約してメールで通知
生成AI×自動検索
- 「○○のマニュアルを確認したい」などの問い合わせに対し、生成AIが内容を理解し、Web上のシステムと連動して、検索結果を提示
- 検索条件として足りない要素があれば、生成AIが聞き直して再検索を実施
生成AI×自動予約
- 人間ドックの予約変更など、オペレーターを介して行っていた業務を、生成AIが自動で実施
- 「日時」「名前」「診察コース」などを一度にまとめて話しても、生成AIによる内容判別が可能
4. まとめ
サポートセンターに多くみられる、製品・サービスに関する問い合わせやクレーム応対などに対してAI-IVRを導入することで、AHT・ASAの改善や応対品質の均一化などが可能になり、業務効率化や顧客満足度の向上に期待できます。AI-IVRの導入をお考えの方は、ぜひNTT東日本におまかせください!
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