Amazon WorkSpacesを構築・運用してみた

こんにちは、田口です。
AWSはフルマネージドなVDIサービスとしてAmazon WorkSpacesを提供しており、場所を問わず安全に仮想デスクトップへアクセスすることができます。
本コラムではAmazon WorkSpacesの構築手順、運用についてご紹介します。
目次:
- 1. Amazon WorkSpacesとは
- 1-1. Amazon WorkSpaces Familyについて
- 1-2. 利用料金
- 2. Amazon Workspacesの特徴
- 2-1. さまざまな端末で利用可能
- 2-2. 場所を問わず利用可能
- 2-3. セキュリティが高い
- 2-4. 多様なバンドル提供
- 2-5. 自動バックアップ
- 3. Amazon Workspacesの課題点
- 4. Amazon Workspacesの導入事例
- 4-1. 三金興業株式会社さまの事例
- 4-2. コアーズ株式会社さまの事例
- 5. Amazon WorkSpacesを構築してみた
- 5-1. SimpleADの作成
- 5-2. Amazon WorkSpaces Personalの作成
- 5-3. Amazon WorkSpacesに接続してみる
- 6. Amazon WorkSpacesの運用について
- 6-1. ユーザーの追加/削除
- 6-2. カスタムイメージの活用
- 6-3. セキュリティの向上
- 6-4.コンピューティングタイプの変更について
- 6-5. ボリュームサイズの変更時における注意点
- 7. まとめ
1. Amazon WorkSpacesとは
1-1. Amazon WorkSpaces Familyについて
Amazon WorkSpaces Familyとは、Amazon WorkSpacesをはじめとした以下の複数のサービスを総称したものとなります。
- Amazon WorkSpaces
- Amazon WorkSpaces Core
- Amazon WorkSpaces Secure Browser(旧 Amazon WorkSpaces Web)
- Amazon WorkSpaces ThinClient
それぞれのサービスについて触れていきます。
Amazon WorkSpaces
Amazon WorkSpacesは、フルマネージドな仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)サービスです。
Amazon WorkSpacesにはPersonalとPoolsの二種類があり、Personalは従来「Amazon WorkSpaces」と呼ばれていたサービスで、個人単位で永続的な仮想デスクトップ環境が用意されます。Poolsは反対にコールセンターやトレーニングなど共有環境向けの非永続的な仮想デスクトップ環境となり、ユーザーがサインインするたびに新規の仮想デスクトップ環境が用意されます。
Amazon WorkSpaces Personalについての詳細は以下コラムで取り上げています。併せてこちらもぜひご覧ください。
Amazon Workspacesとは|特徴・導入事例を徹底解説
Amazon WorkSpaces Core
Amazon WorkSpaces Coreは、VMwareやCitrixなどのサードパーティー製のVDIソリューションからAmazon WorkSpacesのインフラを活用することができるVDI APIセットです。
Amazon WorkSpaces Secure Browser(旧 Amazon WorkSpaces Web)
Amazon WorkSpaces Secure Browserは、AWSが用意した仮想マシン環境のWebブラウザ(Chrome)のみ利用することができ、社内リソースやSaaSアプリに安全にアクセスすることができます。
Amazon WorkSpaces ThinClient
Amazon WorkSpaces ThinClientは、AWSが販売しているシンクライアント端末とAWS仮想デスクトップサービスへの接続を一元管理するサービスです。
1-2. 利用料金
Amazon WorkSpaces Personalの利用料金は、バンドルや利用するリージョンによって金額が異なります。
バンドルとは仮想デスクトップのOSやストレージ、コンピューティングなどの構成をさします。
またAmazon WorkSpaces Personalは、月額固定での課金と従量課金の2つの料金オプションが用意されています。
以下は東京リージョンでAmazon Linux 2のバンドルを利用した場合の料金表です。(2024年12月現在)
横にスクロールします→
| バンドルタイプ | vCPU | メモリ (GB) | ルートボリューム | ユーザーボリューム | 月額料金 (USD) | 時間課金料金 (USD/時間) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Value | 1 | 2 | 80 | 10 | $30 | $10.00/月 + $0.25/時間 |
| Standard | 2 | 4 | 80 | 50 | $43 | $14.00/月 + $0.36/時間 |
| Performance | 2 | 8 | 80 | 100 | $61 | $19.00/月 + $0.56/時間 |
| Power | 4 | 16 | 175 | 100 | $114 | $26.00/月 + $0.85/時間 |
| PowerPro | 8 | 32 | 175 | 100 | $173 | $26.00/月 + $1.80/時間 |
月に数日しか使用しない場合は従量課金での利用がお得ですが、80時間を超えるような長い期間利用する場合は月額で支払う方がお得になります。
Amazon WorkSpaces PoolsはWindowsでの提供となるため、従量課金にプラスしてRemote Desktop Services (RDS) Subscriber Access License (SAL)として月に4.19ドルが発生します 。
Poolsの場合、ルートボリュームは200GiBで固定されます。
横にスクロールします→
| バンドルタイプ | vCPU | メモリ (GB) | ルートボリューム | 時間課金料金 (USD/時間) |
|---|---|---|---|---|
| Value | 1 | 2 | 200 | $4.19/月 + $0.09/時 |
| Standard | 2 | 4 | $4.19/月 +$0.12/時 | |
| Performance | 2 | 8 | $4.19/月 + $0.24/時 | |
| Power | 4 | 16 | $4.19/月 + $0.48/時 | |
| PowerPro | 8 | 32 | $4.19/月 + $0.96/時間 | |
| Graphics.g4dn | 4 | 16 | $4.19/月 + $1.26/時間 | |
| GraphicsPro.g4dn | 16 | 64 | $4.19/月 + $3.44/時間 |
2. Amazon Workspacesの特徴
ここまで、Amazon Workspacesとはどういったものなのかについて解説してきました。
それでは、Amazon Workspacesでは具体的に何ができるのでしょうか。
2章では、Amazon Workspacesの特徴について、解説します。

2-1. さまざまな端末で利用可能
Amazon Workspacesの特徴1つめは「さまざまな端末で利用可能」という点です。
Amazon Workspacesは、仮想デスクトップサービスであるため、利用する端末のスペックには依存しません。実際の作業はサーバー側のパソコン上で行われるため、さまざまな端末で利用ができるのです。
具体的にAmazon Workspacesが利用できる主な端末は下記の通りです。
- Windowsパソコン
- Macパソコン
- Chromebook
- iPad
- Fireタブレット
- Androidタブレット
- ZeroClientデバイス
2-2. 場所を問わず利用可能
2つめは「場所を問わず利用可能」という点です。
Amazon Workspacesは、ネットワークがつながる場所であればどこからでも、サーバー上の仮想デスクトップにアクセスできるため、仕事を進めることができます。
たとえば自宅・カフェ・新幹線など、インターネット接続環境があればどこからでもすぐにAmazon Workspacesにアクセスして業務を行えます。
Amazon Workspacesのこうした特徴はリモートワークに最適となっており、柔軟な働き方を実現できます。
2-3. セキュリティが高い
3つめは「セキュリティが高い」という点です。
Amazon Workspacesでは、高セキュリティのAWS(アマゾンウェブサービス)のプラットフォームを基盤とした上で、Amazon WorkSpacesには、
- 多要素認証(MFA)
- アクセス制御設定
- 仮想デスクトップで画面転送する際の暗号化
- ユーザー認証
といった、さまざまなセキュリティ対策機能が搭載されています。
そのため、データの共有や自社のシステムに対する脅威などの心配がなく、安心して利用ができます。
2-4. 多様なバンドル提供
4つめは「多様なバンドルの提供」です。
バンドルとはOS・ストレージ・コンピューティング・ソフトウェアリソースといった各種パソコン構成の組み合わせのことで、Amazon Workspacesではこうしたバンドルが豊富に用意されています。
用途・環境にあわせ、ハードウェア・ソフトウェア構成を自由に選択することができ、業務に最適な環境を整備することができます。
Amazon Workspacesは豊富なバンドルから、自社の要件に合うようにカスタマイズすることができる魅力があるのです。
2-5. 自動バックアップ
5つめは「自動バックアップ」です。
Amazon Workspacesは12時間ごとに自動でバックアップが実施され、重要なデータが消失するといった、万が一の事態に備えることができます。
Amazon Workspacesの再構築を行った場合も、ユーザー領域に保存したデータはバックアップから直ぐに復元することが可能となっており、迅速に環境を整えることが可能です。
Amazon Workspacesは作業環境の保持・復元しやすいサービスといえるでしょう。
3. Amazon Workspacesの課題点

Amazon Workspacesには「ネットワーク環境が必要不可欠」という課題点があります。
Amazon Workspacesを利用する際には、仮想デスクトップへのアクセスが必要になるため、サーバーに接続できるネットワーク環境が必要になります。ネットワークへの依存性が高くなっており、ネットワーク環境が不安定であったり災害時に停止してしまうと、業務を行えなくなってしまう点は、Amazon Workspacesの課題といえます。
対策としては、「ネットワークの二重化」です。
たとえば、本社ー支社間や、企業とデータセンターを接続するネットワークにおいて、アクセス回線が二重化されていれば、万が一、片方の回線が切断されてもバックアップ回線で通信を継続できる環境を整えられるでしょう。
4. Amazon Workspacesの導入事例

Amazon Workspacesのサービスや課題について理解したところで、実際にどのように企業に導入されているのか、導入事例でイメージを描きましょう。
4-1. 三金興業株式会社さまの事例
1つめの事例は、三金興業株式会社さま(以下、三金興業さま)のテレワーク化におけるAmazon Workspacesの導入事例です。
三金興業さまでは、当初、新型コロナウイルスへの対策・人手不足という課題を抱えていました。
そこで、当初抱えていた新型コロナウイルスへの対策、人手不足を解消することを目的として、Amazon Workspacesを導入しました。
具体的には、おまかせクラウドVDI・Amazon WorkSpacesの導入を実施しています。
その結果、現場事務所のテレワーク化を実現し、当初抱えていた新型コロナウイルスへの対策という課題を克服しました。
またテレワーク環境の構築によって、現地に出向く必要なく現場の資料の共有・改変が可能になったことで、業務効率が10%~20%程度改善され、人手不足が緩和されました。
このように、Amazon Workspacesを導入することで、新型コロナウイルス感染リスクの低減・業務効率の改善による人手不足の緩和という二つの環境改善効果を得ることができます。
出典:NTT東日本「Amazon WorkSpaces導入により、現場事務所のテレワークを実現し、業務効率を10%~20%程度改善!」
4-2. コアーズ株式会社さまの事例
2つめの事例は、コンピュータソフトウェア受託開発及び技術者派遣事業を行っている、コアーズ株式会社(以下、コアーズさま)の事例です。
コアーズさまでは、これまでソフトウェア開発事業は特に、テレワークを導入しやすい分野であったため、導入を検討していましたが、主にセキュリティの観点から、本格導入を見送っていました。
しかし、社会的な機運の高まりや、新型コロナウイルス感染症拡大対策として、テレワーク環境を本格導入する必要が急遽発生しました。
そこでテレワークの導入を検討し始めましたが、「セキュリティ基準に応じられる環境が容易に構築できるかどうか」が懸念事項でした。
そこでNTT東日本のAmazon WorkSpacesの導入ソリューションをご依頼いただき、おまかせクラウドVDI・Amazon WorkSpacesを導入して、セキュアな環境でテレワーク環境の実現を目指すこととなりました。
実際にAmazon WorkSpacesを導入してみた結果、自前でVPN環境を構築していた時と比べてインフラ担当の作業負荷を20%程度軽減しつつ、セキュリティを確保した環境でのテレワーク推奨が実現できるようになりました。
出典:NTT東日本「要求するセキュリティ基準を満たすAmazon WorkSpaces導入で、容易なテレワーク環境の構築と運用の作業量を20%程度改善!」
5. Amazon WorkSpacesを構築してみた
それではここから、Amazon WorkSpaces Personalを実際に構築する流れを解説していきます。今回は東京リージョンで進めます。Amazon WorkSpaces は大阪リージョンなど一部サポートされていないリージョンがありますので、詳細は以下のドキュメントをご覧下さい。
WorkSpaces Personal のアベイラビリティーゾーン
東京リージョンにはあらかじめVPCとサブネットを用意しています。
5-1. SimpleADの作成
Amazon WorkSpaces Personalではユーザーと結びつけるため、Directory Serviceの利用が必要となります。
Directory ServiceはSimpleAD,AWS Managed Microsoft AD,AD Connectorを利用したオンプレミスのActive Directory,IAM Identity Centerを経由したEntraID,IAM Identity Centerを経由した外部IDプロバイダーから選択できます。なお、EntraIDと外部IDプロバイダーについてはAmazon WorkSpaces PersonalかつWindows10および11のBYOLのときのみサポートされています。
検証ではSimpleADを使用します。
Amazon WorkSpacesを開き、「ディレクトリ」を選択し、「ディレクトリの作成」をクリックします。

「個人」を選択し、「AWS Directory Service」を選択した状態で、「ディレクトリの作成」をクリックします。


すると別タブでDirectory Serviceの画面に飛びます。
ディレクトリタイプで「SimpleAD」を選択し、「Next」をクリックします。

検証のため、ディレクトリサイズは「スモール」を選択して作成します。
組織名には一意となるような任意の名前を入力します。
ディレクトリのDNS名には設定したいディレクトリの完全修飾名を入力します。

管理者ユーザーはデフォルトで”Administrator”と変更できないものとなっています。
管理者パスワードを入力したら「Next」をクリックします。(管理者パスワードは設定後に確認する方法がないため、忘れないようにメモしておきます)
次にSimpleADを設置するネットワークを選択します。
あらかじめ作成したVPCと2つのプライベートサブネットを選択して「Next」をクリックします。

設定内容が問題ないことを確認し、「ディレクトリの作成」をクリックすると自動的にAmazon WorkSpacesの画面に遷移します。
先ほど作成したディレクトリを選択します。

次にAmazon WorkSpacesを設置するサブネットを選びます。ここのサブネットはSimpleADで選択したサブネットとは別のものを選択することも可能です。
直接IGWからインターネットに接続させたいという要件がある場合は、パブリックサブネットを選択します。
今回はパブリックサブネットに設置してみます。

「セルフサービスの許可」とは、利用者自身でAmazon WorkSpacesを再起動したり、スペック変更などができるようになります。こちらの設定は後から変更することが可能ですが、有効の状態で作成してみようと思います。

ここまで設定したら「登録」をクリックします。
しばらく待つとステータスが”待機中”から”アクティブ”の状態に変化します。

アクティブ状態となったらAmazon WorkSpaces Personalを作成していきます。
5-2. Amazon WorkSpaces Personalの作成
WorkSpacesの「個人」にいることを確認して、「Workspacesの作成」をクリックします。

作成をクリックするとWorkSpaces作成のオンボーディング画面が表示されます。
今回は設定を一つ一つ見ていきたいので、「自分のユースケースに必要なオプションを把握している。」を選択してオンボーディングをスキップします。

タイプはあらかじめ「個人」が選択されているため、そのまま進みます。

バンドルにはDCV(旧WSP)とPCoIP(PC over IP)の二種類のプロトコルが用意されています。
DCVとはAmazon WorkSpaces用のプロトコルで、応答性に優れており、スマートカードの利用やWebカメラ利用もサポートされています。またYubiKeyやWindows HelloなどのWebAuthn認証機能を利用したい場合もこちらを選択します。
もう一つのPCoIPはTeradiciが開発した画面転送のプロトコルです。iPadやAndroid Linux端末からクライアントを利用する場合や中国リージョンにAmazon WorkSpacesを作成したい場合に利用します。
なお、この2つのプロトコルは作成後も相互に変更可能です。
「すべてのバンドルを比較」をクリックすると、フィルタリングしながらバンドルを選択することができます。

ValueタイプとWindowsOSでフィルタリングして、言語がJapaneseのバンドルを選択し、「送信」をクリックします。


バンドルによってはOfficeがプリインストールされているものもあります。またOffice365をAmazon WorkSpaces上で利用することも可能です。
詳細は以下コラムで紹介しておりますので、気になる方はご覧ください。
Amazon WorkSpacesでMicrosoft 365を使ってみた。~クラウド上のオフィス環境を実現する方法~
実行モードは「自動停止」を選択します。
自動停止を選んだ場合、アイドル時間が一定時間続いた場合、Amazon WorkSpacesが自動停止する時間を設定できます。時間は1時間~48時間まで選択可能です。
※なおこの機能はWindowsOSかつDCVプロトコルを選択した際に設定できます。
今回は1時間に設定しました。「次へ」をクリックします。

ディレクトリの選択画面になるため、先ほど作成したディレクトリを選択します。

ディレクトリにユーザーを作成していないため、ここで作成していきます。
「ユーザーを作成」をクリックします。

「追加ユーザーの作成」をクリックし、ユーザー情報を入力していきます。
“Eメール”に入力したアドレスへ作成したユーザーのパスワード設定リンクが送信されるため、受信できるアドレスを設定します。
入力が完了したら「送信」をクリックします。

リロードボタンをクリックすると、作成したユーザーが一覧に表示されます。
ユーザーにチェックをいれて「次へ」をクリックします。

ここではボリュームの暗号化とユーザーボリュームのサイズ変更が可能です。
今回は特に変更せずに作成しようと思います。「Workspacesの作成」をクリックします。

ステータスが”保留中”の状態でAmazon WorkSpacesが新しく出来上がりました。”使用可能”になるまで少し待ちます。

およそ10分ほど待つと使用可能の状態になりました。

では作成したAmazon WorkSpacesに接続していきます。
5-3. Amazon WorkSpacesに接続してみる
ユーザー作成時に登録したメールアドレスにAmazon WorkSpacesからパスワード設定のメールが送信されているため、リンクをクリックしてパスワードを設定します。

パスワードには英子文字、大文字、数字、特殊文字が含まれている必要があります。
「ユーザーの更新」をクリックします。

パスワードを更新すると、自動的にAmazon WorkSpacesに接続するためのクライアントのダウンロードページに遷移します。利用環境にあうクライアントをダウンロードします。
なおAmazon WorkSpacesにはこのクライアントを利用して接続する必要があります。

クライアントダウンロードの画面操作については各OSごとにドキュメントが用意されていますので、こちらを参考にして設定してください。
WorkSpaces Windows client application
インストールが完了しましたら、クライアントを立ち上げます。
この画面では登録コードを入力します。

コードはパスワード設定のメール内の第2項に記載されています。もしくはAmazon WorkSpacesのコンソール画面からも確認できます。
コンソールから確認する場合は、作成したAmazon WorkSpacesをクリック後、概要欄から登録コードを確認できます。

登録コードを入力して「Register」をクリックするとID/PWの入力画面に遷移します。
ID/PWを入力し、「Sign in」をクリックします。

Amazon WorkSpacesにアクセスすることができました。

少し環境を見てみます。
言語で“Japanese”を選択したため、すでに日本語設定がされています。

またAmazon WorkSpacesはパブリックサブネットに設置したため、インターネットも利用できます。

またセルフサービスを許可しているため、再起動などがユーザーで実施できます。

6. Amazon WorkSpacesの運用について
6-1. ユーザーの追加/削除
ユーザーの追加は前述で触れたとおり、Amazon WorkSpaces作成時にユーザーを追加することができます。しかし削除の場合、Amazon WorkSpacesのコンソールから削除する項目は現状用意されておりません。そのため、Active DirectoryユーザーとコンピューターをインストールしたEC2などの環境が必要となります。
もしくはローカル管理者権限があればAmazon WorkSpaces内にActive Directoryユーザーとコンピューターをインストールをすると別サーバーを用意せずユーザー管理することも可能です。
WorkSpaces Personal でユーザーを管理する
6-2. カスタムイメージの活用
カスタムでイメージを作成しておくことによって、業務で利用するサービスをインストールした状態でAmazon WorkSpacesを用意することができます。
カスタムイメージを作成するには、対象のAmazon WorkSpacesが”使用可能”の状態になっていることを確認して、「アクション」から「イメージの作成」を選択します。

WorkSpaces Personal 用のカスタム WorkSpaces イメージとバンドルを作成する
6-3. セキュリティの向上
Amazon WorkSpacesでは「ディレクトリ」から認証の追加やIP制限などの設定を行うことが可能です。

また「認証」の項目ではOktaなどのSAML2.0を利用したIDフェデレーションを設定することも可能です。
WorkSpaces Personal に SAML 2.0 を設定する
クラウドVDIの検討お役立ちマニュアルとパンフレット ダウンロードはこちらから
6-4. コンピューティングタイプの変更について
コンピューティングタイプの変更は、WorkSpacesのバンドルタイプから選択する形となります。バンドルタイプの中でも、移行元と移行先の組み合わせがあり、組み合わせの異なるコンピューティングタイプの変更は出来ないので注意が必要です。
移行先の組み合わせは、以下の二つとなります。
| 組み合わせ① |
スタンダード パフォーマンス パワー パワープロ |
|---|---|
| 組み合わせ② |
Graphics.g4dn GraphicsPro.g4dn |
※グラフィックス及びグラフィックスプロは変更不可(2023/11/30にサポート終了するため、Graphics.g4dnまたはGraphicsPro.g4dnへの移行が必要)
6-4-1. コンピューティングタイプの変更時における注意点
コンピューティングタイプの変更時における注意点は、以下の通りとなります。
- 新規に作成したWorkSpaceのコンピューティングタイプが変更できるのは、作成してから6時間以降となる
- 大きなコンピューティングタイプへの変更(例:スタンダードからパフォーマンス)は、6時間に1回実行できるが、小さなコンピューティングタイプへの変更(例:パフォーマンスからスタンダード)は30日に1回となるので、慎重な判断を要する
- コンピューティングタイプの変更プロセスには、最大1時間かかる
- コンピューティングタイプの変更中は、切断されるため使用できない
- コンピューティングタイプの変更が終わった後、自動で再起動される(再起動するため、保存していないデータは消える)
6-4-2. コンピューティングタイプの変更作業のプロセス
上記の注意点を踏まえて、コンピューティングタイプの変更を行うには、次のようなプロセスとなります。
①ユーザー側でファイルやアプリケーションのデータの保存を行って、確実に終了したのち切断する
②WorkSpacesコンソールまたはAWS CLIでコンピューティングタイプの変更を行う
③変更完了後、再接続を行い動作確認する
切断が必要となるため、実際の作業はユーザーが使用していない時間を選択することになることかと思います。
Amazon WorkSpacesの運用でお困りの方はNTT東日本へお気軽にお問い合わせください。
6-5. ボリュームサイズの変更時における注意点
ボリュームサイズの変更時の注意点は各項目について制約事項が多くなるので、少し分けてご説明したいと思います。
6-5-1. ボリュームタイプおよびボリュームサイズの制限
WorkSpacesで変更可能なボリュームタイプは、SSDタイプのみとなります。
マグネティックタイプのボリュームは変更できません。マグネティックタイプのWorkSpacesは2017年2月以前に構築されたものになりますので、再構築の検討をお勧めします。再構築時にSSDに置換されます。
SSDタイプの変更ですが、以下の組み合わせから選択する形になります。
| ルートボリューム(GB) | ユーザーボリューム(GB) |
|---|---|
| 80 | 10 |
| 80 | 50 |
| 80 | 100 |
| 175~2,000 | 100~2,000 |
※Windowsの場合、ルートボリューム=Cドライブ/ユーザーボリューム=Dドライブとなります
パーティションについては自動的に拡張されますので、OS側の操作は特に必要ありません。
ここで気を付けるポイントは、一番下のタイプに変更する場合です。
- 一番下のタイプに変更する場合は、まずユーザーボリュームを100GBにする必要がある
- ユーザーボリュームだけ500GBにしたい、という場合でもルートボリュームを175GB以上にする必要がある
またボリュームの縮小はできないので、コスト効率を考えるとボリュームサイズの選択は慎重に行う必要があります。
ボリュームをむやみに増やすよりはWorkSpaces側はローカルで作業が必要になる最小限のボリュームとしておいて、ファイルサーバーやWorkDocsなどの共有ストレージを利用したほうがおススメです。
また、バンドルタイプがグラフィックス/グラフィックスプロ/Graphics.g4dn/GraphicsPro.g4dnの場合は最小100GBのルートボリューム・ユーザーボリュームでも起動できます。
6-5-2. ボリュームサイズ変更時の注意点
ボリュームサイズ変更時の注意点としては、以下の通りとなります。かなり多くなりますので、ご注意が必要です。
- 新規に作成したWorkSpacesのボリュームサイズが変更できるのは、作成してから6時間以降
- 両方のボリュームを同時に変更することは出来ないので、順番に行う必要がある。両方のボリュームを増やす場合はどちらか片方のボリュームを増やしてから、20-30分ほど待機してもう片方のボリュームサイズの変更を行う必要がある
- 同じボリュームを再度拡張する場合は、前回の変更から6時間経過する必要がある
- WorkSpacesが起動中でもボリュームサイズの変更は可能だが、停止中にボリュームサイズの変更を行った場合は起動できない
(補足:公式ドキュメントの日本語版は「ディスクサイズの拡大中にユーザーが自身の WorkSpaces を使用できるようにするには、WorkSpaces のボリュームのサイズを変更する前に、WorkSpaces のステータスが AVAILABLE ではなく STOPPED であることを確認します。」とあるのですが、英語版を読むと「If you want your users to be able to use their WorkSpaces while the disk size increase is in progress, make sure the WorkSpaces have a status of AVAILABLE instead of STOPPED before you resize the volumes of the WorkSpaces.」とありますので、意味が逆になっています。公式ドキュメントでは英語版と他の言語の記載が矛盾している場合、英語版の表記が優先されるため、上記の解釈が正しくなります) - ボリュームサイズの変更が完了した後、再起動する必要がある
- ボリューム拡大のプロセスは最大で2時間かかる。同時に対応しているWorkSpacesの数が多い場合は長くなりがちなので、事前にAWS Supportへ連絡する
6-5-3. ボリュームサイズの変更作業のプロセス
上記の注意点を踏まえて、ボリュームサイズの変更を行うには、次のようなプロセスとなります。
(例:ルートボリューム80GB・ユーザーボリューム50GBから、ルートボリューム175GB・ユーザーボリューム500GBに変更する場合)
①2017年2月以降に構築されたWorkSpacesかどうかを確認する。2017年2月以前の場合は、再構築も検討する
②ユーザーボリュームを100GBに増加させる
③ボリューム追加完了後、再起動する
④20-30分程度待機したのち、ルートボリュームを175GBに増加させる
⑤④の完了から6時間以上経過後、ユーザーボリュームを500GBに増加させる
⑥ボリューム追加完了後、再起動する
このように、複数に及ぶ作業な上に、6時間以上を必要とします。オンプレミスのパソコンのボリューム拡張の場合、パソコンの電源を落としディスクを物理的に接続し、マウントする作業とするとそれほど大掛かりにはならないことから、パソコンの感覚で簡単に考えると作業時間の見積りを誤る例になります。
また、EC2のEBS拡張も16TiBまでユーザーボリュームは特段の考慮なく拡張できること、ルートボリュームの変更も2TiBまでは特に問題がないこと、2TiBを超える場合もGPTのパーティション分割が必要ですが、変更は可能ですので、この感覚でとらえると運用時のトラブルのもとになるので、ご注意が必要です。
このことから、ボリュームをむやみに拡張するよりも、可能なものは共有ストレージの利用を検討して、かつどうしても大きなボリュームが必要なWorkSpacesが必要となる場合は再構築するのもひとつの戦略となります。「どうしてもその仮想マシンでないといけないか?」は一度考えることをお勧めします。
言い古された言葉ですが、「クラウドリソースは家畜として扱う」というのは、ここWorkSpacesでも同様となります。
7. まとめ
今回はAmazon WorkSpaces Personalについて実際に構築してみました。
Amazon WorkSpaces Personalはすぐに仮想デスクトップ環境を用意することができるため、場所にとらわれず簡単にセキュアな環境を用意することができます。
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