COLUMN
クラウド環境でのビジネス継続性と災害復旧・復元(BC/DR)の計画
現代のビジネス環境において、ITインフラの継続的な運用は企業の活動に不可欠です。しかし、自然災害やサイバー攻撃など突発的な事態が発生した際には、迅速に通常業務を再開できるかどうかが企業の存続に直結します。そこで必要となるのが、ビジネス継続性(BC)と災害復旧・復元(DR)の計画です。
本コラムでは、クラウド環境を活用してビジネス継続性を確保し、災害復旧計画の策定と実施について詳しく解説します。クラウド環境の利点、BC/DR計画の基本構成、クラウドベースのバックアップとデータ復元手法、そしてBC/DRソリューションの選定方法など、具体的な内容を含めてお届けします。また、NTT東日本のサービスを事例として、その導入メリットと成功事例も紹介します。これにより、クラウド環境でのBC/DR計画を検討中の企業の方々にとって、実践的なガイドとなることを目指します。
目次:
- 1. クラウド環境の利点とビジネス継続性の重要性
- 1-1. クラウド環境の導入メリット
- 1-2. ビジネス継続性(BC)の概念と重要性
- 1-3. 災害復旧・復元 (DR) の必要性
- 2. クラウド環境でのBC/DR計画の基本構成
- 2-1. リスクアセスメントと事業影響分析
- 2-2. 目標復旧時間 (RTO) と目標復旧ポイント (RPO)
- 3. クラウドベースのバックアップとデータ復元手法
- 3-1. 初動対応とコミュニケーション計画
- 3-2. データ復旧手順とテスト
- 3-3. 初動対応とコミュニケーション計画
- 4. クラウドベースのBC/DRソリューションの選定
- 4-1. 主要なクラウドサービスプロバイダーの比較
- 4-2. コストと効果のバランスを考慮した選定基準
- 4-3. ソリューション導入のステップと注意点
- 5. クラウド環境でのビジネス継続性と災害復旧・復元(BC/DR)の計画ならNTT東日本の地域エッジクラウド
- 6. まとめ
1. クラウド環境の利点とビジネス継続性の重要性
1-1. クラウド環境の導入メリット
クラウド環境は、ビジネスの運営に主に3つのメリットをもたらします。
1つ目はスケーラビリティです。従来のオンプレミスのインフラストラクチャでは、新しいハードウェアやソフトウェアを購入する際に長いリードタイムが必要でしたが、クラウドでは必要なリソースを迅速に確保できます。
2つ目はコスト効率の向上をめざせることです。クラウドサービスは利用した分だけ課金されるため、初期投資が不要で、コストの無駄を減らすことが可能です。
3つ目は柔軟性の高さです。いつでもどこでもアクセスできるため、リモートワークやテレワークの推進にも寄与します。
1-2. ビジネス継続性(BC)の概念と重要性
ビジネス継続性(BC)は、企業が中断されることなく運営を続けることを保証するための計画や体制のことを指します。自然災害やサイバー攻撃、システム障害などの突発的な事態が発生した場合でも、企業が最低限の業務を維持し、迅速に通常業務に復帰できる能力が求められます。BCは企業の信頼性を高め、取引先や顧客に安心感を与える重要な要素です。
1-3. 災害復旧・復元 (DR) の必要性
災害復旧・復元(DR)の計画は、突発的な災害が発生した場合に迅速にデータやシステムを復旧するための手段です。特にクラウド環境では、オンプレミスと比べてデータの復元が迅速であり、業務への影響を最小限に抑えることができます。DR計画の策定は、企業の存続と競争力の維持に不可欠です。
2. クラウド環境でのBC/DR計画の基本構成
クラウド環境でのBC/DR計画を策定するためには、基本的な構成要素を理解することが必要です。
2-1. リスクアセスメントと事業影響分析
BC/DR計画を策定する際には、まずリスクアセスメントを実施し、企業にとって潜在的なリスクを特定します。次に、事業影響分析を行い、各リスクが事業に与える影響の程度を評価します。これにより、優先的に対策を講じるべき領域を明確にし、効率的に資源を配分することができます。
2-2. 目標復旧時間 (RTO) と目標復旧ポイント (RPO)
目標復旧時間(RTO)と目標復旧ポイント(RPO)は、BC/DR計画において重要な指標です。RTOは障害発生から業務が復旧するまでの時間を指し、RPOはデータが障害前の状態に復旧するまでの時間を指します。これらの指標を設定することで、復旧の迅速性とデータの完全性をバランス良く確保できます。
3. クラウドベースのバックアップとデータ復元手法
クラウド環境でのバックアップとデータ復元は、BC/DR計画の中核です。ここでは、災害発生時の初動対応からデータ復旧手順、業務復旧後のフォローアップまでの流れを解説します。
3-1. 初動対応とコミュニケーション計画
災害発生時の初動対応は迅速かつ正確に行う必要があります。まず、影響範囲を確認し、重要システムの停止やデータの損失を防ぐための即時対応を行います。同時に、従業員や関係者とのコミュニケーションを確保し、状況を適切に共有することが重要です。
3-2. データ復旧手順とテスト
具体的なデータ復旧手順を定め、定期的にテストすることが重要です。復旧手順には、データのバックアップ方法、バックアップデータの保存場所、復旧手順の詳細などが含まれます。これを徹底することで、実際の災害時にスムーズな復旧が可能になります。
3-3. 初動対応とコミュニケーション計画
業務が復旧した後も、フォローアップが必要です。復旧過程で問題が発生した場合は、その原因を分析し、再発防止策を講じます。また、BC/DR計画全体を見直し、必要に応じて改善を行います。こうした取り組みにより、次回以降の災害への備えが強化されます。
4. クラウドベースのBC/DRソリューションの選定
クラウドベースのBC/DRソリューションを選定する際には、さまざまな要素を考慮する必要があります。主要なクラウドサービスプロバイダーの比較から、コストと効果のバランスを考慮した選定基準、具体的な導入ステップと注意点までを解説します。
4-1. 主要なクラウドサービスプロバイダーの比較
クラウドベースのBC/DRソリューションを選定する際には、主要なクラウドサービスプロバイダーを比較検討することが重要です。AWS、Azure、Google Cloudなど、各プロバイダーが提供するサービスの特徴や価格、サポート体制を評価し、自社に最適なソリューションを選びます。
4-2. コストと効果のバランスを考慮した選定基準
コストと効果のバランスを考慮した選定基準を設定することが重要です。コスト効果だけでなく、サービスの信頼性、拡張性、セキュリティ対策なども評価ポイントとし、総合的に判断します。特に、データのバックアップ頻度や復旧速度などは、ビジネス継続性に直接影響を与えるため、慎重に検討してください。
4-3. ソリューション導入のステップと注意点
BC/DRソリューションの導入には、以下のステップが有効です。まず、現状のシステムとデータを評価し、必要な機能とサービスを洗い出します。次に、導入計画を策定し、段階的に導入を進めていきます。導入後は、定期的なテストと評価を行い、必要に応じて調整を行います。注意点としては、各ステップで関係者とのコミュニケーションを密にし、全員が計画を理解していることが重要です。
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6. まとめ
クラウド環境でのビジネス継続性と災害復旧・復元(BC/DR)の計画は、今後のビジネス運営において欠かせない要素の一つです。クラウドの利点を最大限に活用し、万が一の事態にも迅速に対応できる体制を整えることで、企業は高い信頼性を保ちつつ、安定した業務運営を続けることが可能です。BC/DR計画の策定には、リスクアセスメントや事業影響分析、具体的な復旧手順の作成とテストなど、多くの作業が必要ですが、その効果は長期的に見ても非常に大きなものです。今すぐにでも取り組みを開始し、将来のリスクに備えることを強くお勧めします。
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