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CDNとは?意味や仕組み、メリットをわかりやすく解説

CDN(Contents Delivery Network)とは、Webサイトのコンテンツを複製・保存し、最適な経路でエンドユーザーに配信するネットワークです。これにより、Webサイトの表示速度を早めたり、アクセスの集中を分散させることができます。

動画や画像といった容量の多いデータをWebサイトに表示させる場合や、大量のアクセスが見込まれる場合でもWebサイトの表示速度が遅延しません。また、CDNのサーバーを利用することで、Webサイトのウイルス対策も行えます。

この記事では、CDNの意味や用途、メリットやデメリットについて解説します。

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1.CDNとは?意味と用途について

CDNとは、Webサイトのコンテンツを複製・保存し、最適な経路でエンドユーザーに配信するネットワークです。簡単にいうと、「Webコンテンツの配信をスムーズに行うネットワーク」です。

CDNを活用することで、以下のような効果が得られます。

  • 大容量の動画・画像コンテンツの表示速度の向上
  • アクセス集中によるサーバーダウンの防止
  • 物理的に離れた場所からの安定したアクセス
  • コンテンツの高速表示による検索エンジンからの高評価

コンテンツが大容量化やインターネットを利用する人口が増えているため、アクセスが多い予約サイトや情報サイトではコンテンツのダウンロードに時間がかかります。そのため、Webサイト全体の表示速度が遅くなりがちです。

Webサイトの表示速度の遅延は、ユーザビリティや検索エンジンにとって悪影響を及ぼすため、サイト運用者が頭を抱えるポイントでもあります。

CDNを利用すれば、あらかじめWebサイトのコンテンツをキャッシュしておき、地理的に近いサーバーからコンテンツ表示・配信するため、ロードの遅延を発生させることはありません。

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2.CDNの仕組み

CDNを利用することでコンテンツの表示が速くなる仕組みについて解説します。

CDNの仕組みは、「オリジン(オリジナルのコンテンツ)」を「エッジロケーション(キャッシュサーバー)」に複製し、ユーザーからのアクセス要求に対してはエッジロケーションから表示・配信を行います。

CDNは世界各地にキャッシュを保存するサーバーを所有しており、ユーザーの最も近い位置にあるサーバーからコンテンツを表示するため、高速で表示・配信が可能です。

もちろんオリジンも稼働していますが、キャッシュサーバーを利用することでアクセスの集中を抑えることができるので、アクセス集中によるサーバーダウンの心配はありません。

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3.CDNを利用するメリット・デメリット

CDNはWebサイトやアプリケーションの表示速度を高める上で非常に有効な手段ですが、メリットばかりではありません。

ここからはCDNのメリット・デメリットを紹介します。

3-1.メリット

CDNのメリットは以下のとおりです。

  • Webサイトのレスポンスタイム短縮
  • Webサイトのホスティングコスト削減
  • Webサイトのセキュリティ向上
  • サーバーへの負荷軽減
  • サーバーの可用性向上

詳しく解説します。

3-1-1.Webサイトのレスポンスタイム短縮

CDNはWebサイトのレスポンスタイムを大幅に短縮します。レスポンスタイムとは、要求から応答・出力までにかかる時間のことです。

CDNは世界中に分散したサーバーにオリジンのキャッシュを保存しており、ユーザーがアクセスする際に最も近いサーバーからコンテンツを表示・配信します。たとえば、海外にいるユーザーが日本のサーバーに直接アクセスする代わりに、地理的に近い場所にあるCDNのサーバーからデータを送ることで、ロード時間を大幅に短縮することができます。

Webサイトの表示速度を高めることは、SEOやユーザビリティの向上が期待でき、検索結果の上位表示に起因したり、CV向上の足がかりになる可能性もあります。

3-1-2.Webサイトのホスティングコスト削減

CDNはWebサイトのホスティングコストの削減に貢献します。

大規模なキャンペーンやイベント時(限定商品の販売など)にサーバーに集中するトラフィックをCDNで分散することで、サーバーにかかる負荷を減らすことができます。トラフィックの分散により、オリジンのサーバーへの負荷が軽減されるため、ハイエンドのホスティングプランに依存することなく、コストを抑えた運用を実現できます。

3-1-3.Webサイトのセキュリティ向上

CDNはWebサイトのセキュリティを強化する役割を果たします。CDNはDDoS攻撃などのサイバー攻撃からWebサイトを保護する機能を備えており、攻撃を分散させることでその影響を最小限に抑えることができます。

サイバー攻撃が発生した場合、CDNは攻撃トラフィックをネットワーク全体に分散し、個々のサーバーへの影響を抑えることができます。

Webサイトの安全性を確保するためには、CDNを用いた情報セキュリティ対策が不可欠です。

3-1-4.サーバーへの負荷軽減

CDNの利用により、サーバーへの負荷が軽減されます。

CDNはWebサイトの静的コンテンツをキャッシュし、これによりオリジナルのサーバーへのリクエスト数が減少します。サイトの画像や動画などのコンテンツがCDNによってキャッシュされると、これらのリソースに対する直接のリクエストが減り、サーバーの負荷が軽減されます。

サーバーのパフォーマンスを最適化し、ダウンタイムを減らすためには、CDNの利用が効果的です。

3-1-5.サーバーの可用性向上

CDNはサーバーの可用性を高める効果があります。CDNは複数のサーバーを利用してコンテンツを配信するため、一部のサーバーがダウンしても他のサーバーがコンテンツの表示・配信を継続することができます。

ある地域のサーバーが天災や障害で機能しなくなった場合でも、他の地域のサーバーが代わりにコンテンツを表示・配信することで、サイトの可用性が保たれます。

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3-2.デメリット

CDNを利用するデメリットは以下のとおりです。

  • Webサイトの変更がすぐに反映されない
  • アクセスログが取得できない場合がある
  • キャッシュ事故が起こる可能性がある
3-2-1.Webサイトの変更がすぐに反映されない

CDNを利用すると、Webサイトの変更がすぐに反映されないことがあります。CDNはコンテンツをキャッシュするため、新しい更新が行われても、古いコンテンツが一定期間キャッシュされたままの状態になります。これにより、最新の情報がすぐにユーザーに届かない可能性があります。

たとえば、プロモーション情報やニュース記事を更新した場合、CDNを通じてこれらの新しい内容がすぐには表示されないことがあります。CDNを利用する場合は、Webサイトの更新がすぐに反映されないことを理解し、適切なキャッシュ設定や更新設定を検討する必要があります。

3-2-2.アクセスログが取得できない場合がある

CDNの利用により、アクセスログが正確に取得できない場合があります。

CDNは分散したサーバーを通じてコンテンツを提供するため、元のサーバーでは全てのアクセスデータを収集できないことがあります。これにより、トラフィックの分析やユーザー行動の把握が難しくなる可能性があります。

CDNを介してコンテンツが配信されると、そのアクセス情報は元のサーバーではなく、CDNのサーバーに記録されるため、総合的なアクセスデータの把握が困難になります。

CDNを利用する際は、アクセスログが完全には取得できないことを理解し、必要に応じてログ収集の方法を工夫する必要があります。CDNの中にはログファイルを提供してもらえる機能もあるので、アクセス解析等に活用したい場合は、必要な機能があるか見極めましょう。

3-2-3.キャッシュ事故が起こる可能性がある

キャッシュ事故のリスクが伴う点にも注意が必要です。CDNはサーバーに保存されたコンテンツを複製してキャッシュに保存しますが、この作業中に誤ったコンテンツがキャッシュされることがあります。これが原因で、ユーザーに間違った情報が表示される可能性があります。

更新したはずのページが古い状態で表示される、または全く異なるコンテンツが表示されるなどの事故が起こり得ます。

CDNの利用を検討する際は、キャッシュの管理方法やエラー発生時の対応プランを慎重に検討する必要があります。

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4.CDNの代表的サービス例

実際にCDNでシェア率の高い3つのサービスを紹介します。

  • Amazon CloudFront
  • Akamai
  • CloudFlare

詳しく解説します。

4-1.Amazon CloudFront

Amazon CloudFrontは、AWSが提供するCDNサービスです。

このサービスの最大の特徴は、世界中に広がるAWSのデータセンターネットワークを活用している点にあります。これにより、高速で安定したコンテンツ配信が可能になっています。

国内シェアでは後ほど説明する大手CDNのベンダー「Akamai」と拮抗しており、現在の国内シェアはほぼ同等です。

関連記事:世界規模のネットワークを通じてウェブコンテンツ配信を高速化する「Amazon CloudFront」とは

4-2.Akamai

AkamaiはCDNサービスの先駆者的存在であり、そのシェア率は非常に高いです。Akamaiの特徴は、グローバルに分散されたサーバーネットワークを通じて、Webコンテンツやアプリケーションの高速配信を実現している点です。

さらに、セキュリティ機能も充実しており、大規模な企業や高いトラフィックが予想されるWebサイトに適しています。料金はWebサイトの規模や利用目的によって異なるため、問い合わせが必要です。

また、現在Akamaiは世界のCDN市場のトップのシェアを誇っており、実績重視でCDNを選びたい方におすすめです。

4-3.CloudFlare

CloudFlareは、セキュリティとパフォーマンスの最適化に特化したCDNサービスです。

特にDDoS攻撃への防御機能が高く評価されており、セキュリティを重視するユーザーに選ばれています。

基本的な料金プランは無料・有料に分かれており、基本的な機能のみを搭載しているプランは無料で利用できます。そのため、初期投資を抑えたい小規模なWebサイトやスタートアップ企業におすすめです。

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5.CDNの導入ならぜひNTT東日本にご相談ください

CDNの導入は、Webサイトやアプリケーションのパフォーマンスを向上させるだけでなく、セキュリティ強化やコスト削減にも繋がります。しかし、多様なサービスの中から自社にあったサービスを選ぶのは簡単ではありません。

NTT東日本では、お客さまのビジネス特性や要求を深く理解し、最適なCDNソリューションの設計、導入、運用までをサポートします。

また、CDNに限らず、クラウド関連のサポートをワンストップで支援しています。IT活用によるDX推進や、それに伴うセキュリティの向上をめざす企業はぜひ一度、NTT東日本にご相談ください。

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CDNについてまとめ

CDN(Contents Delivery Network)とは、Webサイトの表示速度を高速化するネットワークですWebサイトの表示・配信が可能です。利用することでインターネット上での表時速度を高めるだけでなく、セキュリティの向上やオリジンサーバーへの負荷軽減も期待できます。

CDNは「Amazon CloudFront」「Akamai」「CloudFlare」の3つのサービスが市場の89%以上を占めており、それぞれの料金や機能を見ながら自社に合ったサービスを選びましょう。

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