COLUMN

NTT東日本「AWS Cloud Express Roadshow 2019 in 札幌」レポート

本日は、2019年8月30日に開催された、NTT東日本「AWS Cloud Express Roadshow 2019 in 札幌」の、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下、AWSジャパン)およびNTT東日本のセッション模様をレポートさせていただきます。当日にお聞きいただけなかった方のご参考となれば幸いです。また、開催から2か月程度が経ち、もう一度詳細を聞きたい、当日には聞けなかったより深い話を聞きたいなどのお声を頂戴することもございます。そのようなご要望がございましたら、個別相談会へのご登録やお問い合わせをいただければと思います。

NTT東日本「AWS Cloud Express Roadshow 2019 in 札幌」

NTT東日本は2019年6月12日-14日に幕張メッセで開催された「AWS Summit Tokyo 2019」にブース出展とセッション開催を行い、大変多くの方に足をお運びいただきました。本記事でご紹介するNTT東日本「AWS Cloud Express Roadshow 2019 in 札幌」は、AWS Summit ではお伝えしきれなかったAWSに関する情報やソリューションのより深い情報をお伝えるために開催させていただいたものです。

初の地方開催で、実際にどのぐらいご来場いただけるのかドキドキしていましたが、当日の会場は満員ではじめは少し暑いぐらいでした。クラウドやAWSについてのご興味は東京だけのものではないことを、あらためて感じました。

今回は、AWSの登壇者によるセッションとNTT東日本の登壇者による2セッションの、3部構成で行わせていただきました。

AWS:クラウドって何?クラウドで変わるこれからのIT ~これから始めるアマゾン ウェブ サービス~

最初に、基調講演として、 AWSジャパンの亀田 治伸(かめだ はるのぶ)さまから「クラウドって何?クラウドで変わるこれからのIT ~これから始めるアマゾン ウェブ サービス~」というテーマでご講演をいただきました。

最近の企業システムのクラウド化動向

従来は、インターネットに接続することを前提としたAWS上の仮想サーバーなどでの利用が多かったが、最近では、AWS内のお客さま専用の仮想専用ネットワークや、AWSクラウドへの専用接続を活用したクローズドな環境が必要なシステムでの利用も増えているとのことです。
AWSのグローバルマーケットシェアは51.8%とクラウド利用者の2人に1人が、AWSを選択いただいています。なお、AWSが最初にクラウドをリリースしたこともあって企業の基幹システム(Windows OSを利用したシステム)での利用も多いとご説明がありました。

システムのクラウド化には、ビジネス属性により、大きく2つのタイプがあると言います。
一つは基幹システムで、システムの安定性とデータの完全性が求められ、なるべくシステムアーキテクチャを変えずにクラウドに上げる、Lift & Shift。
もう一つはサービス系システムで、UIの強化と最新技術の採用が求められ、エンドユーザーにサービスが面白いと思ってもらいビジネスを成長させる必要がある、Innovation。
さまざまなシステムのクラウド化を支援するためにAWSは、22のリージョン、69のアベイラビリティゾーン、1つのローカルリージョン(大阪)、4つの建設中リージョン、150以上のエッジロケーションのインフラで、165を超える主要なAWSサービスを準備しているとのことです。

企業トレンドとクラウドが選ばれる理由

企業が注視すべきトレンドや、課題には次の2つが含まれると言います。

一つは、アメリカでのビジネスや産業構造の変化。アメリカの企業の平均存続年数(米国Fortune500)が、1965年時点では67年だったものが、2015年では15年にまで縮まっているというデータがあり、過去の日本のIT業界を考えると、アメリカのITビジネスの傾向が数年後に日本でも発生すると想定されます。また、インターネットのトラフィック量の推移をみると、ソーシャルなどの登場により引き続き急激に増えている実態がある。ITの利用やトレンドは変化し続けており、この変化に対応しないとビジネスの存続が困難になってきていると言います。
二つ目は、2030年までに約60万人のIT人材が不足するといわれている、日本のエンジニア不足。
アプリケーションの開発手法を再構築するなどして、限られたエンジニアリソースを有効活用する必要があることを挙げられました。

そのような背景などから、あらためてクラウドが選ばれる理由を3つ挙げられました。

ビジネスの俊敏性

オンプレミスシステムでは、ハードウェアの納品、設置、OS・ミドルウェアインストールなどのために数カ月かかるが、クラウドでは数分でできます。また、最近のシステム構築では「Building Block」という考え方があり、それぞれが独立したパーツを自由に組み合わせ、いつでも変更可能な柔軟性を持たせるというものです。AWSはサービスとしてそのようなパーツを多くそろえています。

コスト削減

サービスの従量課金にインフラ関連の費用も含まれており、CAPEX(建物や設備などの経費)の削減が期待できます。
自動・手動でのシステムの稼働ピーク時の対応により、必要な時に必要なだけ瞬時に調達ができるため、余剰なシステムキャパシティによる必要ない投資や、システムリソース不足による機会損失を防ぐことが可能と言います。

運用負担軽減

クラウド化すると、データセンター、仮想基盤、ネットワーク、ハードウェアなどがAWS側の運用範囲になるため、これらに関わる直接・間接的な負担軽減が期待できることも大きいと言います。TCO削減によるROI改善、人的リソース捻出による新たな取り組み、時間の捻出による質向上が期待できると語られました。また、セキュリティ意識が高い企業などで、オンプレミスでは自社で行う必要があったサーバー側の監査は、AWSが実施することもメリットと語られました。

クラウド化におけるTips

最後に、クラウド化におけるTipsとして、ワークロードに適したデータベース選択が重要との説明がありました。
オンプレミスシステムの設計において、アプリケーション毎に緻密なデータベース設計(インフラ選定を含む。)を行うことは非常に難しいものでした。AWSではさまざまなデータベースが準備されており、ワークロードに適したデータベースを選択が可能なため、設計効率の大幅な効率化が期待できます。

クラウドに接続する最適なネットワーク選びとは?

次に、NTT東日本の大八木俊が「クラウドに接続する最適なネットワーク選びとは?」と題して、登壇いたしました。

はじめに、NTT東日本がお客さまからクラウド化のご相談をいただくときには、「クラウドの利用を検討するとき、接続するネットワークのことは考えられていますか?」という質問をさせていただくことがあり、かなり後工程で検討されることが多いと感じていると言います。
しかしながら、大八木は、接続ネットワークの検討が後手になってしまうとクラウド利用自体が失敗してしまう可能性もある、と言います。
本セッションでは、接続ネットワークとしては、インターネット接続と非インターネット接続の区分があり、インターネット接続、インターネットVPN接続、閉域ネットワーク接続、専用線接続の4つを示し、それぞれの特性について説明を行いました。

内容については、接続ネットワークの種類や特徴についてまとめた資料を作成しておりますので、ダウンロードいただき、ご参照ください。

テレワークの最新動向

最後に、クラウド活用例の一つであるテレワークについて、「テレワークの最新動向 ~テレワークをとりまく状況とその活用~」と題して、NTT東日本の田辺弘実が登壇いたしました。

日本の人口×生産性

はじめに、生産性に関する、日本の現状への認識を示させていただきました。
一般的に、経済の豊かさは、「人口」×「生産性」で測られます。
経済の豊かさを左右する一つ目の「人口」に関してですが、日本の人口は減少傾向にあり、なかでも働き手の中心である20歳~64歳の人口は、過去20年間で830万人減少しており、加えて、0歳~19歳の若年層はさらに減っているため、企業による採用が困難になってきています。
次に、二つ目の「生産性」についてですが、2000年以降の日本の労働生産性はOECD(経済協力開発機構)に属する国々と比較しても決してたかいとは言えない状況です。
二つの要素それぞれに懸念がある状況ですが、人口は簡単には増やせません。そのため、生産性を向上することが重要であり、働き方改革はこの一環であると、田辺は言います。

テレワークとは

この働き方改革の一つとして「テレワーク」が挙げられます。次にテレワークの位置づけや日本における現状についての認識を説明させていただきました。

さまざまな定義づけがありますが、NTT東日本では働き方改革のキーワードを3つ挙げます。「人材確保」、「業務効率化・自動化」、「業績向上」の3つです。制度やICTなど、それぞれを支援する方法がありますが、3つすべてに共通して支援できるICTツール(ソリューション)がテレワークであると、田辺は話します。

実際に、テレワークの導入や検討を行う企業は着実に増えており、また、テレワークに適した仕事などが分かり始めています。企業にはさまざまな業務がありますが、自己完結する業務や成果が見えやすい業務が適していると思われます。

テレワークを支援するICTツール

それでは、テレワークを支援するICTツールやソリューションには何があるのでしょうか?

テレワークには、いわゆるノマドワークという、ノートパソコンを持ち歩き好きな場所でパソコンを使うスタイルが従来からあります。しかしながら、そこには、紛失、盗難、不正な持ち出しなどの落とし穴があることを忘れてはなりません。

それらの懸念を払しょくする方法の一つが、リモートデスクトップです。オフィスパソコンに外出先からアクセスして、実際のデータではなく、アクセスしている間だけオフィスパソコンの画面を手元のPC画面に転送するものです。
セキュリティリスクの軽減が期待できる方法ですが、オフィスパソコンと持ち出すパソコン両方の管理が必要という手間の問題がありました。
そこで、サーバーに各パソコンを仮想化して集約することで、サーバー側の管理のみにすることができる、仮想デスクトップの手法が生まれました。

仮想デスクトップは、オンプレミスシステム(オンプレミス型VDI)で実現する方法もありますが、そこにはオンプレミスシステム特有の課題(上画像)もあります。 これらの課題をクリアし解決できるのがクラウドを活用した仮想デスクトップ(クラウド型VDI)です。
しかしながら、 実際にクラウド型VDIを構築・運用する検討では、下画像にあるような疑問もお聞きします。

AWSやクラウドへ企業のシステムを移行しようと思っても、企業さまによっては意外と期間と手間がかかるという声もあり、AWSの活用方法の一つとして、“お手軽に、”オフィスのパソコン(デスクトップ画面)環境をクラウドに移行することを目的に開発されたサービスです。クライアントパソコンの運用などを効率的にでき、かつ、セキュリティの観点で有用な仮想デスクトップソリューションを、AWSはAmazon Workspacesというサービスで提供しております。このAWSのサービスの導入をより簡単にするための、Amazon Workspacesに関する設定や運用管理をNTT東日本は支援しております。

最後に、「おまかせクラウドVDI」のデモンストレーションを行い、セッションは終了いたしました。

以上の3つのセッションで、NTT東日本「AWS Cloud Express Roadshow 2019 in 札幌」は終了いたしました。

おわりに

NTT東日本では、自社でクラウド導入をご検討されている企業さま、クラウドを活用したビジネスでのパートナーをお探しの企業さま、すべての企業さまからのお問い合わせや個別ご相談を随時お受けいたしております。些細な疑問でも是非一度お問い合わせください。個別相談会では、あらかじめお客さまとの日時を調整させていただきますので、御社固有の課題に関するディスカッションなども可能です。

Amazon Web Services(AWS)、Amazon WorkSpacesは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。

おまかせクラウドVDIは、2024年3月31日をもってサービスを終了しました。

クラウドVDIについては、クラウド導入・運用サービスにて同様のサービスを提供します。

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