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AWS App Runnerとは?特徴とFargateとの違い、料金について解説

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AWSが提供するサービスの一つであるAWS App Runnerとは、コンテナ化されたWebアプリケーションやAPIを、開発者が簡単にデプロイできるフルマネージドサービスです。

本記事では、AWS App Runnerの概要や、混同しやすいサービスであるAWS Fargateについて、4つの観点からの違いを解説します。AWS App Runnerの料金体系についても述べているため、本記事を読めば、AWS App Runnerについて理解できるでしょう。

1.AWS App Runnerとは?

AWS App Runner(アプリランナー)とは、AWS(Amazon Web Services)が提供するフルマネージドサービスで、コンテナ化されたWebアプリケーションやAPIを、開発者が簡単かつ迅速にデプロイできる特徴を持っています。

コンテナ化とは、アプリケーションを「コンテナ」と呼ばれる環境にパッケージ化し、コンテナエンジン上で動かす仮想化技術のひとつで、貨物列車や船に積まれ、貨物を輸送するための入れ物を想像してもらうとよいかもしれません。

コンテナ化は、VMなどのサーバー仮想化と異なりホストOSを共有するため、アプリケーションを高速かつ軽量に起動することが可能です。また、コンテナエンジンがインストールされた環境であれば同じ動きをするため、場所を選ぶことなくアプリケーションを起動できます。

コンテナ化の導入により、開発者はアプリケーションを迅速かつ安全に、作成およびデプロイが可能です。アプリケーションを一度作成すればどこでも実行できるコンテナ化は、障害の分離や管理のしやすさ、情報セキュリティ対策の簡素化など、多くのメリットが見込まれるでしょう。

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2.AWS App RunnerとAWS Fargateの違い

AWSが提供するAWS App Runnerの概要について解説しましたが、同じくAWSのサービスである「AWS Fargate(ファーゲート)」と混同してしまう方もいるのではないでしょうか。AWS Fargateとは、AWS Elastic Container Service(ECS)とAWS Elastic Kubernetes Service(EKS)で動作する、ホストマシンを意識せずにコンテナを実行する環境のことです。

AWS Fargateを利用すれば、「コンテナ」と「コンテナの実行環境」それぞれを管理する必要がなくなるため、コンテナ向けのサーバーレスコンピューティングといえるでしょう。AWS App RunnerとAWS Fargateとの違いは、以下の観点から解説します。

  • インフラストラクチャの観点
  • デプロイの観点
  • スケーリングの観点
  • コストの観点

4つの観点について、順番に見ていきましょう。

2-1.インフラストラクチャの観点

AWS App RunnerとAWS Fargateの違いとしてはまず、インフラストラクチャの観点が挙げられます。インフラストラクチャはインフラとも略され、組織内でソフトウェアアプリケーションを構築、および実行するために必要な構成要素を組み合わせたものです。

AWS App Runnerはコンテナイメージの構築やデプロイ、システムの性能や処理能力を、要求される処理能力に合わせて調節するスケーリングを行えるため、インフラストラクチャの詳細な設定を行う必要はありません。一方でAWS Fargateは、コンテナイメージのビルドやタスク定義の作成、クラスタの設定をはじめ、より多くのインフラの設定を行う必要があります。

AWS Fargateはインフラストラクチャの細かい設定をすることで、よりきめ細やかな制御が可能です。しかし簡易的なWebサービスを迅速に構築したい場合は、AWS App Runnerを活用する選択肢もあるため、用途によって使い分けるとよいでしょう。

2-2.デプロイの観点

次にAWS App RunnerとAWS Fargateとの違いとして挙げられるのが、デプロイの観点です。AWS APP Runnerはコードをリポジトリに接続し、ソースコードからコンテナイメージを構築してデプロイを行います。

リポジトリとは貯蔵庫や倉庫などを表す言葉で、設計や開発に関する情報を一時的に保存する場所です。代表的なものにGitHubやBitbucket、AWS CodeCommitなどがあり、システム開発やプロジェクト管理で使われることが多く、適切に情報を管理できます。

AWS App Runnerの場合、コードをリポジトリに接続してからデプロイを行うまでのプロセスが非常に簡略化されているため、手動操作を最小限に抑えることが可能です。一方でAWS Fargateの場合は、コンテナイメージをDockerイメージとして提供しなければなりません。

またタスク定義の作成を行い、サービスとタスクを実行するための基盤であるECSクラスタにデプロイするため、手動でより細かい設定を行うことが必要です。

2-3.スケーリングの観点

スケーリングの観点も、AWS App RunnerとAWS Fargateの違いとして挙げられるポイントです。上記でも触れましたが、スケーリングとはシステムの性能や処理能力を、要求される処理能力に合わせて調節することを指します。

AWS App Runnerは自動スケーリングを採用しているため、トラフィックに応じて、アプリケーションを自動的にスケーリング可能です。スケーリングポリシーや、境界線となる値であるしきい値の設定も、容易に行えます。

AWS Fargateにおいても、自動スケーリングをサポートしていますが、設定と管理がより詳細です。AWS Fargateの場合、ECSのタスクスケジューリングを使用し、スケーリングを制御する必要があります。

AWS FargateはAWS App Runnerと比較して、より高度なスケーリング制御が可能となりますが、設定に手間がかかる点は、違いとして知っておきたいポイントといえるでしょう。

2-4.コストの観点

最後にAWS App RunnerとAWS Fargateの違いとして挙げられるのは、コストの観点です。AWS App Runnerの詳しい料金体系については後述しますが、AWS App Runnerは、アプリケーションの実行時間に応じて課金されます。

一方でAWS Fargateの場合、タスクの実行時間やリソースの使用時間に対して課金される仕組みです。使用したCPUやメモリ、ネットワークトラフィックに応じて料金が発生します。

AWS App RunnerとAWS Fargateのさまざまな観点の違いについて見ていきましたが、AWS Fargateの詳しい概要や利用メリット、ユースケースなどは、以下の記事で詳しく解説しています。ECSの違いと関係性や、料金体系についても記載していますので、ぜひ読んでみてください。

AWS Fargateとは?Amazon ECSとの関係性やメリット・デメリットを解説

3.AWS App Runnerの料金

前述しましたが、AWS App Runnerは、アプリケーションで使用されるコンピューティングおよび、メモリリソースに対して課金される方式です。「コンテナインスタンス」が起動している時間と、割り当てられている「vCPU」、「メモリ」ぶんの料金が発生し、AWSのサービスで多く取り入れられている従量課金制ではないことは、注意しておきましょう。

公式ページの「AWS App Runnerの料金(AWS)」によると、2023年12月現在で設定されている東京リージョンの料金は、以下の通りです。

プロビジョニングされたコンテナインスタンス 0.009USD/GB時
アクティブなコンテナインスタンス

0.081USD/vCPU時

0.009USD/GB時

※2023年12月時点の料金です。

アプリケーションのデプロイ時には、プロビジョニングされたメモリに対して料金が発生します。

アプリケーションがリクエストを処理する際に、プロビジョニングされたコンテナインスタンスからアクティブなコンテナインスタンスに切り替わり、アクティブなコンテナインスタンスは、メモリリソースとコンピューティングリソースの両方を消費します。

プロビジョニングされたコンテナインスタンスによって、割り当てられたメモリを超えるコンピューティングおよび追加メモリの消費分の料金は、ユーザーの負担となりますが、アクティブなコンテナインスタンスの数に上限を設定することもできるため、予算を超えないように設定しておくとよいでしょう。

また、上記は東京リージョンの料金ですが、リージョンにより料金は異なります。公式ページには米国東部(バージニア北部)および米国東部(オハイオ)、米国西武(オレゴン)、欧州(アイルランド)リージョンの料金が大きく記載されているため、他リージョンを設定している場合は、間違えないようにしてください。

またデプロイにかかった時間単位の費用や、自動デプロイオプションなどの費用も発生します。料金は変わる可能性もあるため、AWS App Runnerを利用する際は、公式ページで利用時の費用を確認してから利用してください。

AWSなどクラウドに関するお役立ち情報やイベント情報などをNTT東日本のクラソルメールマガジンにて毎週配信しております。ぜひご登録いただき、今後のクラウド活用の参考にしていただければと思います。

4.AWS App Runnerを利用した開発ならぜひNTT東日本にご相談ください

コンテナベースのアプリケーションを素早くデプロイできる「AWS App Runner」は、2021年の5月に公開された、まだ新しいサービスです。App Runnerは同じくコンテナを実行できるサービスであるAWS Fargateと比較しても、操作や設定が簡単であるため、今後より多くの企業で取り入れられていくことが想定されます。

ただし、まだ新しいサービスであるため、いまいち使い方がわからず戸惑ってしまう場合もあるのではないでしょうか。そのような時はぜひ、NTT東日本のクラウドに関するご相談やお問い合わせフォームをご活用ください。

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AWS App Runnerについてまとめ

AWS App Runnerは、AWSが提供するサービスのひとつで、コンテナ化されたWebアプリケーションやAPIを、簡単かつ迅速にデプロイできるフルマネージドサービスです。一度アプリケーションを作成してしまえば、どの環境でも実行できるAWS App Runnerは、これから多くの企業で取り入れられていくことでしょう。

しかしまだ2021年と新たにリリースされたサービスであるため、未だ知識不足や活用方法について悩む方も少なくありません。AWS App Runnerについてお悩みがあれば、ぜひNTT東日本のクラウドに関するご相談・お問い合わせフォームをご利用ください。

お問い合わせをいただければ、クラウドについて知識豊富なクラウド担当者が、お悩みの解決に向けて徹底的にサポートします。下記ページよりお問い合わせを承っていますので、ぜひ一度ご覧ください。

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