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【初心者向け】Amazon EventBridgeとは?基本を解説
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AWSのサービスの中に、Amazon EventBridgeというものがあります。このサービスは、AWS内外のさまざまなイベントソースから発生するイベントを受け取り、ルールに基づいてターゲットに送信することができるサービスです。
この記事では、Amazon EventBridgeの基本的な仕組みや使い方について解説します。
目次:
- 1.Amazon EventBridgeとは?
- 2.Amazon CloudWatch Eventsから何が変わった?違いについて
- 3.Amazon EventBridgeの構成要素
- 3-1.イベントバス(Event Bus)
- 3-2.イベントソース(Event Source)
- 3-3.ルール(Rules)
- 3-4.ターゲット(Target)
- 4.Amazon EventBridgeの基本的な使い方
- 4-1.イベントパターンの作成
- 4-2.ターゲットの指定
- 5.Amazon EventBridgeの料金体系
- 6.AWSの導入ならぜひNTT東日本にご相談ください
- Amazon EventBridgeについてまとめ
1.Amazon EventBridgeとは?
Amazon EventBridgeは、コードを作成せずに、AWS のサービスや独自のアプリケーション、SaaSのデータへリアルタイムにアクセスできるサービスです。
Amazon EventBridgeはAWSが提供しているサービス以外にも独自のアプリケーション、他のSaaSなどとも組み合わせて利用できます。
それにより、既存のシステムや SaaS アプリケーションなどの大規模な更改・構築が容易になります。
2.Amazon CloudWatch Eventsから何が変わった?違いについて
Amazon EventBridgeは、2019年7月に発表されたサービスですが、実はそれ以前にも、AWS内のイベントをトリガーにして他のサービスと連携するサービスがありました。
それが、Amazon CloudWatch Eventsです。
名称が変わったことによる主な変更点を2つ紹介します。
- 連携するサービスが増えた
CloudWatch Eventsは、AWS内のイベントやcron機能による定時イベントのみ、取り扱うことが可能でした。
しかしAmazon EventBridgeは、AWS以外のSaaSサービスで発生したイベントについても、取り扱えるようになりました。たとえば、AWSと連携が可能なシステム監視サービスであるDatadogやNewRelicといったサードパーティ製品との連携が可能です。
- イベントの集約が可能になった
リージョン間イベント転送のサポートにより、同一アカウント内でのリージョンをまたいだイベントの集約が可能になりました。これにより、イベント駆動アーキテクチャを採用したシステムのイベント統合管理も可能になり、実用性が高まりました。
なお、Amazon EventBridgeでは同じCloudWatch Events APIを使用するため、乗り換えをする必要はなく、そのままEventBridgeを利用できます。
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3.Amazon EventBridgeの構成要素
Amazon EventBridgeの構成要素には、イベントバス、イベントソース、ルール、ターゲットの4つがあります。それぞれの概要と役割について説明します。
3-1.イベントバス(Event Bus)
Amazon EventBridgeイベントバスはイベントを受信するルーターであり、ゼロ個以上の送信先やターゲットに配信します。
イベントバスは、イベントをさまざまなソースから多数のターゲットにルーティングするのに適しており、オプションでターゲットに配信する前にイベントを変換できます。
Amazon EventBridgeイベントバスは、以下のような3種類のイベントバスが存在します。
Default Event Bus
AWSのサービス同士をAmazon EventBridgeで連携する場合に利用します。
Custom Event Bus
独自のアプリケーションのイベントを作成したい場合に利用します。自分で自由に作成できます。
Partner Event Bus
AWS以外のSaaSアプリケーションのイベントを作成したい場合に利用するものです。SaaSサービス側による登録がなければ基本的に利用することはできません。
3-2.イベントソース(Event Source)
Amazon EventBridgeイベントソースは、イベントの送信元となるサービスやアプリケーションのことを指します。
イベントソースは、以下の3種類があります。
SaaSアプリケーション
Amazon EventBridgeと連携しているSaaS アプリケーションで、イベントとして設定する際のコードを一から書く必要がありません。
たとえば、Zendesk、Datadog、PagerDutyなどのサービスが挙げられます。
カスタムアプリケーション
Python、Node.js、Java、Goなどを含む開発言語で作られたアプリケーションです。
AWSのアプリケーション
AWS Lambda、Amazon SQS、Amazon SNS、AWS Step Functions、Amazon Kinesis Data StreamsなどのAWSサービスです。
3-3.ルール(Rules)
Amazon EventBridgeルールとは、一定の間隔ごとに実行する「イベントパターン」や特定の時間に実行する「スケジュール」に基づいて作成、実行する機能です。
たとえば、20分間隔などで実行できるようにイベントパターンを作成したり、毎月第一月曜日の太平洋標準時午前8:00時など特定の日時に実行できるようにスケジュールを作成したりします。
3-4.ターゲット(Target)
Amazon EventBridgeターゲットは、EventBridgeがイベントを送信する先のリソースまたはエンドポイントのことを指します。
Amazon EventBridgeターゲットは、EventBridgeコンソールで指定可能で、EC2 Image BuilderやAmazon SNSトピック、API送信先などさまざまなターゲットを設定できます。
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4.Amazon EventBridgeの基本的な使い方
Amazon EventBridgeを使用するにはどのようにしたらよいでしょうか。ここでは、Amazon EventBridgeの基本的な使い方の基本的な使い方について紹介します。
4-1.イベントパターンの作成
イベントパターンの作成方法は以下の通りです。
1.イベントソースを選択します。
イベントソースは、イベントを生成するサービスやアプリケーションです。AWSのサービスやEventBridgeのパートナーイベントを選択できます。
2.イベントパターンをJSON形式で記述します。
イベントパターンは、イベントと同じ構造をしており、イベントのフィールドと値を指定します。イベントパターンに含まれないフィールドは無視されます。イベントパターンには、複数の値やコンテンツベースのフィルターを使用できます。
3.イベントパターンをテストします。
EventBridgeでは、サンプルイベントやカスタムイベントを使用して、イベントパターンが期待通りに動作するかどうかを確認できます。
4-2.ターゲットの指定
イベントパターンが決まったら、そのイベントをどのターゲットに送信するか決定します。
1つのルールにつき最大5つまでターゲットを指定できます。
ターゲットに使用可能な主なサービスは以下の通りです。
- Lambda関数
- EC2インスタンス
- Kinesis Data Streamsのストリーム
- Kinesis Data Firehoseの配信ストリーム
- CloudWatch Logsのロググループ
- ECSタスク
EventBridgeから各ターゲットへのアクセス制御には、IAMポリシーとリソースベースポリシーと2つの制御方法があります。
関連記事:【AWS】Amazon EventBridge SchedulerでEC2を定期的に停止・起動し料金を節約する方法
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5.Amazon EventBridgeの料金体系
AWS EventBridgeの料金は、一か月ごとの従量課金制で、最低料金や前払いはありません。
料金体系は以下の通りです。
- イベントバス
イベントバスに公開されたイベントの数に応じて課金されます。AWSのサービスからのイベントは無料ですが、カスタムイベントやサードパーティのイベントには料金がかかります。ペイロードのサイズは64KBごとにまとめて1件のイベントとして請求されます。クロスリージョンの呼び出しを行う際は、追加のデータ転送料金が発生する場合があります。
- パイプ
パイプはイベントプロデューサーとコンシューマー間のポイントツーポイント統合を作成する機能です。パイプの料金は、フィルタリング後のリクエストの数に応じて課金されます。ペイロードのサイズは64KBごとにまとめて1件のリクエストとして請求されます。
- スケジューラー
スケジューラーには、月間1400万回の呼び出しまでの無料利用枠があります。それを超える場合は、呼び出しの数に応じて課金されます。
- API Destinations
API Destinationsは、イベントバスから任意のWebベースのアプリケーションにイベントを送信する機能です。API Destinationsの料金は、送信されたイベントの数に応じて課金されます。ペイロードのサイズは64KBごとにまとめて1件のイベントとして請求されます。インターネットへのデータ送信には追加のデータ転送料金が発生する場合があります。
- イベントリプレイ
イベントリプレイは、過去のイベントを再送信する機能です。イベントリプレイには、アーカイブ処理、ストレージの料金がかかります。ストレージの料金は、アーカイブされたイベントのサイズに応じて課金されます。
- スキーマレジストリ
スキーマレジストリは、イベントのスキーマを管理する機能です。スキーマレジストリの使用は無料ですが、スキーマの検出機能には料金がかかります。スキーマの検出機能には、月間500万件の取り込まれたイベントまでの無料利用枠があります。それを超える場合は、取り込まれたイベントの数に応じて課金されます。
参考:Amazon EventBridge の料金(AWS)
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6.AWSの導入ならぜひNTT東日本にご相談ください
Amazon EventBridgeは、AWS のサービスや独自のアプリケーション、SaaSのデータへリアルタイムにアクセスできるサービスで、既存のシステムや SaaS アプリケーションなどを大規模に更改・構築が容易に実現できます。
しかし、利用するには、多くの知識や経験が必要です。AWSの認定パートナーであるNTT東日本は、AWSのサービスに関する豊富な知識と経験を持っています。
また、貴社でのニーズに合わせてAmazon EventBridgeを使用したアプリケーションの構築サポートやAWSのサービスや他のSaaSと組み合わせた設計や構築、運用や保守などのサポートが可能です。
不明点や気になる点がありましたら、以下「クラウドに関するご相談・お問い合わせフォーム」よりお問い合わせください。
Amazon EventBridgeについてまとめ
Amazon EventBridgeでは、AWS内外のさまざまなイベントソースから発生するイベントを受け取り、ルールに基づいてターゲットに送信できるサービスです。それにより、既存のシステムや SaaS アプリケーションなどを大規模に更改・構築が容易に実現できます。
Amazon EventBridgeについてお悩みのことがありましたら、ぜひNTT東日本へお気軽にご相談ください。
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