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Azureのコストを削減するには?今すぐできるコスト最適化アプローチを解説

Azureの利用料を安くしたい、コストを最適化したいなどクラウドの料金に関するお悩みや課題などありましたらNTT東日本のクラウドエンジニアにて、お客さまの環境を確認させていただき、最適な構成をご提案させていただきます。無料でご相談できますので、お気軽にお問い合わせください。

Azureは2023年4月1日から、円安の影響により価格改定を行いました。価格改定によりAzureのサービスは、15%値上げされます。今後Azureを活用していくにあたり、コスト削減を検討しなければならないけれど、どのようにコストを見直せばよいのか分からない方もいるでしょう。

そこで本記事では、Azureのコストを削減する方法を解説します。割引サービスもまとめていますので、ぜひ自社に合ったコスト削減を行ってみてください。

1.Azureのコスト削減の重要性が高まる背景

Azureを活用している方やこれから利用される予定の方は、コスト削減の検討が重要です。

Azureは継続している円安が原因で、2023年4月1日から値上げしたからです。

今までと同様のサービスを利用していても、支払う金額が高くなればその分事業の負担になりかねません。さらにAzureを基盤としてサービス提供している企業の場合は、サービスの価格も値上げしなくてはならなくなる可能性もあるでしょう。今後、安定的に事業を継続させるためにも、コスト削減をより重要視していく必要があるといえます。

1-1.Azureの価格改定による値上げ(2023/4/1)

2023年4月1日からAzureの価格は、15%値上げされています。Azureは米ドルを水準としているため円安が続く現状で、日本での価格調整が必要になったためです。

契約の内容によって、2023年4月1日からすぐに切り替わる場合もあれば、更新時に価格改定後の金額に切り替わる場合もあります。

エンタープライズ契約やエンタープライズサブスクリプション契約などの契約をされている方は、契約更新時に新価格に切り替わります。一方従量課金のサブスクリプションを利用している方は、すでに値上げされるため注意が必要です。

また同様に、2023年4月1日以降に新規で契約した場合は新価格が適用されます。

Azureの利用料を安くしたい、コストを最適化したいなどクラウドの料金に関するお悩みや課題などありましたらNTT東日本のクラウドエンジニアにて、お客さまの環境を確認させていただき、最適な構成をご提案させていただきます。無料でご相談できますので、お気軽にお問い合わせください。

2.Azureのコスト最適化に向けたステップ

Azureのコストを最適化させるためには、以下のステップを踏むとスムーズです。

1.コストの可視化
  • 不要なリソースの削除
  • リソースの強制タグ付けをする
  • コストアラートを設定する
2.リソースタイプの見直し
  • VM(仮想マシン)のスペックが最適か
  • Blob Storageのアクセス層を調整する
3.割引オプションの活用
  • Azure予約の検討
  • Azure節約プランの検討
4.アーキテクチャの見直し
  • IaaSからPaaSへの変更を検討
  • リージョンの価格を検討後、必要であれば変更

上表のステップを踏むことで、より不要なリソースを除外し最適なコストに近づけることが可能です。

本記事では、上表のステップのうち、コストの可視化から割引オプションの活用までを解説します。

Azureの利用料を安くしたい、コストを最適化したいなどクラウドの料金に関するお悩みや課題などありましたらNTT東日本のクラウドエンジニアにて、お客さまの環境を確認させていただき、最適な構成をご提案させていただきます。無料でご相談できますので、お気軽にお問い合わせください。

3.今すぐできるAzureコスト最適化アプローチ

3-1.コストの可視化・管理

現状のAzureリソースを知るためにも、コストの可視化と管理が必要です。本章ではコストの可視化や管理をどのように行うのか解説します。

3-1-1.Azureにおけるリソースの管理階層とタグ

コストの管理や可視化を行うためには、先にAzureにおけるリソースの関係を管理階層で知っておきましょう。

下図は、Azureにおけるリソースの管理階層です。

管理グループは複数のサブスクリプションのポリシーなどを、まとめて管理できるグループのことです。任意のサービスなため、複数のサブスクリプションを使用していない場合は使わなくても問題ありません。

続いてサブスクリプションは、複数のリソースの制限を管理できます。チームや部署ごとにリソースを割り当てる場合にサブスクリプションで割り当てることも可能です。

リソースグループは、複数のリソースを管理できます。リソースグループにリソースをまとめることで、不要なリソースがないか確認がしやすくなり、権限やポリシーなどをまとめて付与できるようになります。下層のリソースは仮想マシンやアプリケーション、SQLデータベースなどインスタンスを指します。

Azureではリソース管理にAzure Resource Managerを提供しており、タグ付けで整理することも可能です。タグをリソースに付けることで、コスト管理に役立ちます。共有のタグを付けたリソースの課金状況が、すぐに確認できるようになるためです。よりコストを適正なものにするためにも、リソース管理階層やタグについて知っておきましょう。

3-1-2.コストの可視化・分析

コストを可視化・分析するためにも、Azure Cost Managementを活用しましょう。Azure Cost Managementは、Azureの費用を可視化し監視・分析ができるサービスです。

Azure Cost Managementのフィルタリング機能を使えば、集計したい特定の範囲に絞ってコストを表示できます。さらにグループ分けしたリソースのみを表示することもできるので、細かくコストの分析が可能です。3ヶ月単位や1日単位で細かく表示指定ができるのはもちろん、リソースごとの金額もリストで確認できるので、Azure Cost Managementを活用してコストが最適かしっかり分析をしましょう。

3-1-3.リソースの強制タグ付け

コスト分析をしやすくするためにも、リソースの強制タグ付けをしましょう。タグを付与するには、Azure Policyを設定する必要があります。

事前にタグの付与を強制するポリシーを設定しておくことで、対象のサブスクリプションにタグを割り当てられるようになります。

3-1-4.不要なリソースの削除

分析をしていった中で、不要なリソースを削除していきましょう。削除する際は、タグが設定されておらず使用していないものや、念のため残しておいて利用していないものを積極的に削除します。

削除しても問題ない例は、以下の2つです。

  • 仮想マシンを削除したときに残しやすい、ディスクやPublic IP・NIC
  • 念のため残して起きがちな、スナップショットやバックアップ

削除し忘れているリソースがないかの確認は、Azure Advisorを活用するとよいでしょう。Azure AdvisorはAzure Portalから利用できるサービスで、不要なリソースを確認・削除できます。Azure Advisorを活用して、不要なリソースを減らすことでコスト削減も可能です。

3-1-5.コストアラートの設定

Azure Cost Managementでは、コストアラートを設定できます。コストアラートの設定をしておけば、しきい値以上になると管理者にメールで知らせてくれます。

アラートは個別で設定が可能です。予算額に対して50%や70%など割合を細かく設定できるため、最適なしきい値を設定しましょう。

通知がくれば、気付いたときには高額になっていたなどの事態には陥らず、その場で対策ができるので安心です。

3-2.リソースタイプ等の見直し

コストの管理ができたら、リソースタイプの見直しをします。確認すべき内容はVM(仮想マシン)のリソースとBlob Storageの最適なアクセス層の選択です。

順番に見ていきましょう。

3-2-1.VM(仮想マシン)稼働率の最適化

VM(仮想マシン)の稼働率を確認し、最適なリソースタイプに見直していきましょう。自社の運用状況に適したスペックに変更するだけでも、コストの削減につながるからです。

Azure PortalやAzure Advisorにて、VM(仮想マシン)のCPU使用率を確認します。使わない仮想マシンは、削除対象です。一方、今は使用していなくても今後使用する可能性があれば、小さいサイズにして利用するときに適正サイズに戻すといった選択もよいでしょう。

特定の時間のみ使用するVM(仮想マシン)であれば、利用していない時間はシャットダウンするのもコスト削減の方法のひとつです。「Start/Stop VMs」というMicrosoft公式のVM(仮想マシン)を自動停止・自動開始する機能を活用すれば、毎回手動で停止する必要もなくなります。

利用していないものは削除、利用しているリソースは適正か判断、利用していない時間はシャットダウンをするなどの細かい設定をすることで、大きなコスト削減が見込めます。

3-2-2.Blob Storageのアクセス層の調整

続いてBlob Storageのアクセス層の変更もしましょう。

Blob Storageは下図のように、ホットアクセス層からアーカイブアクセス層まで4層に分かれています。

Blob Storageは、ストレージ量とアクセス頻度に応じて金額が変更される従量課金です。そのため読み取り回数に応じたアクセス層を選択することで、コスト削減をめざせます。

ライフサイクル管理ポリシーを利用すれば、最適なアクセス層に自動で変更してくれたり、前のスナップショットなどを削除してくれたりします。ライフサイクル管理ポリシーを活用して、適切なアクセス層への変更を行いましょう。

3-3.利用方法に合わせた割引オプションの活用

利用方法に合わせた割引オプションを選択すれば、最大90%の割引が可能です。Azureでは4種類の割引オプションを提供しており、それぞれ適用対象やコミットメントが異なります。

そこで本章では、各割引オプションの概要を解説します。自社でのクラウド利用に合わせた割引オプションを選択するのに役立ててください。

3-3-1.Azure予約(Azure Reservation)

Azureを長期にわたって一定のリソースを使用する場合は、Azure予約がおすすめです。

Azure予約とは、1年または3年などの長期間特定のリソースとリージョンを利用することで最大80%も割引されるサービスです。

もちろん、3年のほうが割引率は高いため、今後確実に使用するリソースであれば3年で予約するとよいでしょう。

またAzure予約は一括ではなく、毎月の支払いも可能です。どちらでも割引金額は変わらないため、好きな支払い方法を選んでください。

3-3-2.Azure節約プラン(Azure Savings plan)

1年または3年間、一定時間かならず利用する場合は、Azure節約プランがよいでしょう。Azure節約プランは一定の時間分を設定し、金額を払うことで最大65%の割引がうけられるプランです。リソースやリージョンに関係なく割引が受けられ、コンピュートリソースの時間が自動適用されます。

リソースに関係なく使えるAzure節約プランですが、注意点があります。

  • キャンセルや返金ができないこと
  • 支払う金額よりも利用時間が少なくても、契約分の金額を支払う必要があること

利用頻度が少なくなる可能性がある場合は、使っていなくても払わなければならずキャンセルもできないため、十分注意しましょう。

適用対象はVM(仮想マシン)やApp Service、Container Instances・Dedicated Host・Functionsです。これらを利用している方は、ぜひ検討してみてください。

3-3-3.Azureハイブリッド特典(Azure Hybrid Benefit)

Azureハイブリッド特典とは、Windows Serverなど既存のライセンスを使用し、Azureリソースを適用するとライセンス利用料を割引してくれる特典です。

対象となるライセンスはWindows Serverだけでなく、SQL ServerやRed Hat Enterprise Linux・SUSE Linux Enterprise Serverも含まれます。

すでにライセンスをお持ちの方は、ぜひAzureハイブリッド特典を適用させましょう。

3-3-4.Azure Spot Virtual Machines

Azure Spot Virtual Machinesは、Azure全体で余っているリソースを低価格で提供するサービスのことです。

利用されていない時に安く利用ができるAzure Spot Virtual Machinesですが、余剰リソースがデータセンター内で少なくなると仮想マシンは自動削除されるため注意が必要です。

通知を受けて30秒後には削除されてしまうだけでなく、SLAや可用性もありません。

そのためメインでは使えないと思っておいた方がよいでしょう。利用用途としては、テスト用や短時間のジョブ、開発などが最適です。

3-3-5.割引オプションの比較

本章で紹介した4つの割引サービスは、以下の通りです。

  • 横にスクロールします
Azure予約(Azure Reservation) Azure節約プラン(Azure Savings plan)

Azureハイブリッド特典

(Azure Hybrid Benefit)

Azure Spot Virtual Machines
割引率 最大80% 最大65% 最大85% 最大90%
適用対象
  • VM(仮想マシン)
  • App Service
  • Blob Storage
  • SQL Database
  • CosmosDB
  • VM(仮想マシン)
  • App Service
  • Functions
  • Container instances
  • Dedicated Host
  • VM(仮想マシン)
  • Azure Stock HCI
  • AKS
  • VM(仮想マシン)
コミットメント
  • 特定のリージョン
  • リソースサイズ
  • 数量
時間 既存のオンプレミスライセンス Azure全体の空きリソース
期間 1年または3年 1年または3年 従量課金 従量課金
支払方法
  • 一括(前払い)
  • 月払い
  • 一括(前払い)
  • 月払い
月払い 月払い
交換/払い戻し 可(制限あり) 不可 ライセンスがなくなった際は、Azure portalのリソースから特典を削除可能 不可
その他 これから12%のキャンセル料が発生する可能性あり 空きリソースがなくなるとVMは自動削除される

※2023年11月現在の情報です。

割引できる対象やコミットメントがそれぞれ異なります。よりコストの削減ができるよう、最適な割引オプションを適用させてください。

Azureの利用料を安くしたい、コストを最適化したいなどクラウドの料金に関するお悩みや課題などありましたらNTT東日本のクラウドエンジニアにて、お客さまの環境を確認させていただき、最適な構成をご提案させていただきます。無料でご相談できますので、お気軽にお問い合わせください。

4.Azureのコスト最適化ならぜひNTT東日本にご相談ください

Azureのコスト最適化を検討中の方は、ぜひNTT東日本にご相談ください。

NTT東日本のコスト最適化for AWS/Microsoft Azureでは、以下3つの技法を用いてコストの最適化を図ります。

  • タイマー機能実装
  • インスタンスタイプ見直し
  • リザーブドインスタンス

Azureの認定資格を持ったプロが担当者となり、お客さまのクラウドを確認・最適化を実現します。150以上の実績を持つNTT東日本の知見を十分に活かし、コストだけではなく、今後のクラウド運用やクラウド導入のお悩みも解決が可能です。クラウド関連でお悩みの方はよきパートナーとしてぜひNTT東日本にご相談ください。

NTT東日本のコスト最適化for AWS/Microsoft Azureについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

NTT東日本:コスト最適化for AWS/Microsoft Azure

Azureのコスト削減についてまとめ

Azureは2023年4月から円安の影響により値上げをしました。そのため、予算を超えてしまわないようコストの最適化が重要です。

コストを抑えるには、コスト管理やリソースタイプの見直し、割引オプションの適用、アーキテクチャの見直しなどをしていくと、より無駄なコストが削れます。

知見がなくコストの削減にお悩みの方は、ぜひNTT東日本にお問い合わせください。

NTT東日本:コスト最適化for AWS/Microsoft Azure

Microsoft Azureは、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。

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