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Okta(オクタ)とは?特徴的な機能や導入するメリット・注意点を解説
Oktaについてのサービス紹介、その他のID管理サービスやデモのご相談などお気軽にNTT東日本までお問い合わせください。
Oktaとは、クラウド型IDaaSサービスのひとつです。様々なサービスに連携できるため、複数のクラウドサービスを利用していたとしても、ログインの度にIDやパスワードを入力する必要がありません。
本記事では、Oktaとはどういったサービスなのか、多くのIDaaSサービスがある中でなぜ注目されているのか、Oktaが持つ特徴的な機能について解説します。導入するメリットや注意点、事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次:
- 1.Okta(オクタ)とは
- 1-1.Okta社とは
- 1-2.Oktaが注目される背景
- 2.Oktaの特徴的な機能
- 2-1.シングルサインオン
- 2-2.ユニバーサルディレクトリ
- 2-3.多要素認証
- 2-4.ライフサイクルマネジメント
- 3.Oktaを導入するメリット
- 3-1.業務効率化向上
- 3-2.使いやすい
- 3-3.セキュリティの強化
- 3-4.様々なSaaSのサービスと連携できる
- 4.Oktaの導入が向いている企業
- 4-1.大企業
- 4-2.ベンチャー企業
- 5.Oktaを導入する際の注意点
- 5-1.他のサービスと連携できるかをあらかじめ確認しておく
- 5-2.ユーザー数・プランに対して費用対効果が合うかを確認する
- 5-3.セッションの保持時間が短い
- 6.Oktaの導入目的ごとの事例紹介
- 6-1.漏えいからデータを保護
- 6-2.クラウドへの移行
- 6-3.M&Aの俊敏性の向上
- 6-4.顧客エンゲージメントを強化
- 6-5.インフラストラクチャの最新化
- 6-6.デジタルプラットフォームへの変革
- 6-7.ユーザーの信頼育成
- 6-8.ゼロトラストセキュリティモデルの採用
- 7.Oktaを導入するならぜひご相談ください
- 8.まとめ
1.Okta(オクタ)とは
Okta(オクタ)とは、IDやパスワードの管理、認証をおこなうIDaaS(アイダース)サービスの一つです。IDaaSはIdentity as a Serviceの略で、複数のサービスのIDやパスワードを、クラウド上で一元的に管理できます。
近年様々なクラウドサービスが普及する中で、用途に応じて複数のサービスを利用している企業も少なくありません。しかし複数のクラウドサービスごとに、設定したIDやパスワードを入力する作業は、相当な負担となっているのではないでしょうか。
Oktaは、IDやパスワード管理の負担をなくそうと開発されたソリューションです。Oktaについて詳しく知るために、Oktaを提供するOkta社とはどういった会社なのか、Oktaが注目される背景について、詳しく見ていきましょう。
1-1.Okta社とは
Oktaを提供しているOkta社は、2009年に設立されたベンチャー企業です。サンフランシスコに本社があり、トッド・マッキン氏とフレデリック・ケレスト氏によって創業されました。
Okta社は2017年にNASDAQに上場し、現在はNASDAQ100と呼ばれる代表銘柄のみが選出される株価指数に入っています。またアメリカのICT調査や助言をおこなう企業であるガートナー社の、リサーチの集大成であるリポート「マジック・クアドラント」アクセス管理部門にてリーダーの一社として認められるなど、高い評価を得ています。
比較的新しい企業にも関わらず、IDaaS市場を引っ張るリーダー的存在として認知されているOkta社は、今後多くのクラウドサービスが生まれ、発展していく中で、ますます注目される企業となっていくでしょう。
1-2.Oktaが注目される背景
Oktaが注目される背景には、ゼロトラストネットワークの考え方が普及した点が挙げられます。本記事を読むみなさまもご存知の通り、新型コロナウイルスの流行により、人々の働き方はオフィスワークからリモートワークへと、大きく変わっていきました。
リモートワークが増えた結果、通勤時間ぶん自宅で寛ぐ時間が増えたり、子どもが学校から帰ってくる時間に家にいられたりと、従業員の満足度がアップしたケースは多くみられたでしょう。しかし同時に、働く場所がオフィスではなくなったため、社外と社内のネットワークの境目で安全性を保つ「境界型防御」の概念が崩れ始めました。
境界型防御の代わりに取り入れられた概念が、2010年にフォレスターリサーチが提唱した「ゼロトラストセキュリティ」です。
ゼロトラストセキュリティは社外だけではなく、社内にも脅威が存在するとして、すべてのアクセスを信頼せず、アクセスのたびに認証をおこなう考え方を指します。ゼロトラストセキュリティの考え方は脅威を妨げるためには重要ですが、認証の工数が多ければ多いほど時間を取られ、業務の妨げになってしまう問題点がありました。
ゼロトラストセキュリティの問題点を解決しようと、複数のクラウドを利用していても、一度の認証で多くのサービスに同時にログインができるIDaaSに注目が集まっています。前述しましたが、IDaaSサービスが注目される中で、Oktaは「マジック・クアドラント」にて、6年連続でリーダーの1社として評価されている実績もあり、注目を集めている企業です。
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2.Oktaの特徴的な機能
Oktaの特徴的な機能には、以下の4点があります。
- シングルサインオン
- ユニバーサルディレクトリ
- 多要素認証
- ライフサイクルマネジメント
順番に見ていきましょう。
2-1.シングルサインオン
Oktaの特徴的な機能としてまず挙げられるのが、シングルサインオンです。シングルサインオンとは、一度の認証で複数のサービスへのアクセスが可能となる機能で、SSOと略される場合もあります。
通常複数のクラウドを利用している場合、それぞれのサービスごとにIDやパスワードを入力する必要がありますが、シングルサインオン機能を利用すれば、一度の認証で、連携されているサービスにワンクリックでログインが可能です。スムーズなサービスへのログインは、業務の円滑化に役立つだけでなく、サービスごとのIDやパスワードの管理、または管理の手間を省こうと、パスワードを覚えやすいものにしたり使いまわしたりして、情報漏えいに繋がるリスクの軽減にも役立つでしょう。
2-2.ユニバーサルディレクトリ
次に紹介するOktaの特徴的な機能は、ユニバーサルディレクトリです。ディレクトリとはあらゆる情報を管理するためのサービスで、多くのサービスのログインIDを一元管理できます。
Oktaのユニバーサルディレクトリは、オンプレミスのActive Directoryなど、人事管理ソフトウェアとの連携も可能であるだけでなく、認証やプロビジョニングなどの機能を追加する際、ディレクトリ項目を拡張して、利便性を向上させる機能を持っています。パスワードやアクセスログの監視や、ユーザー登録時に必要なワークフローも設定できるため、意図しないユーザーが誤って追加や削除されてしまうことも防げます。
2-3.多要素認証
多要素認証も、Oktaの特徴的な機能です。多要素認証とは、認証の三要素である「知識情報」と「所持情報」、「生体情報」のうち2つを組み合わせて認証する方法で、各認証要素の例には、以下のものがあります。
- 知識情報:パスワードやPINコード、秘密の質問など
- 所持情報:スマートフォンやトークン、ICカードなど
- 生体情報:指紋や声紋、静脈など
多要素認証は複数の要素を組み合わせて認証をおこなうため、セキュリティの強化に役立ちます。Oktaでは、社内ネットワークからの認証は登録メールアドレスとパスワード、社外ネットワークからはワンタイムパスワードとメールアドレスなど、状況に応じて使い分けることも可能です。
2-4.ライフサイクルマネジメント
最後に紹介するOktaの特徴的な機能は、ライフサイクルマネジメントです。ライフサイクルマネジメントとは、従業員IDの追加や修正、削除などの情報変更を、Oktaが自動でおこなってくれる機能です。
ライフサイクルマネジメントを導入していない企業では、従業員の入社や退職、部署異動等により、従業員IDの作成や変更、削除、権限の指定を管理者が行わなければいけません。もちろんIDの更新によって、連携するクラウドサービスへの登録もおこなう必要があるため、従業員が多ければ多いほど、異動や入退社が多ければ多いほど、業務は煩雑化していくでしょう。
Oktaには、従業員IDが自動で割り当てられ、連携しているクラウドサービスに自動で登録されるプロビジョニング機能が備わっています。プロビジョニング機能により管理者の業務負担が減るだけでなく、コア業務への集中も期待できるでしょう。
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3.Oktaを導入するメリット
Oktaの持つ様々な機能について見ていきましたが、Oktaを導入する具体的なメリットとしては、以下のものがあります。
- 業務効率化向上に繋がる
- 使いやすい
- セキュリティが強化できる
- 様々なSaaSサービスと連携できる
順番に見ていきましょう。
3-1.業務効率化向上
Oktaを導入するメリットとして、業務効率化の向上が挙げられます。特徴的な機能でも前述しましたが、Oktaはシングルサインオン機能を持っているため、連携するサービスに一度にログインができ、都度IDやパスワードを入力する手間がかかりません。
企業によっては、用途ごとに複数のクラウドサービスを利用していることも珍しくはないため、Oktaを導入して、クラウドやアプリの管理やアクセスが容易になれば、集中力を切らさず作業に移れます。スムーズな業務の開始は作業の効率化に繋がるため、効率化によってできた時間を自分のものにして有効活用したり、別の業務に当てたりと、様々な時間の使い方ができる点も、大きなメリットといえるでしょう。
3-2.使いやすい
使いやすいサービスであることも、Oktaを導入するメリットです。いくらIDやパスワード管理ができる便利なサービスでも、使いやすくなければ、管理者や社員はストレスを感じてしまうでしょう。
Oktaはまず管理画面に入ると、ダッシュボードやディレクトリ、カスタマイズなど、メニューが表示されます。ダッシュボードを開くと、ユーザーの数やシングルサインオン連携済みアプリの数、グループの数などが表示されるなど、直感的に操作しやすい画面となっている点も特徴です。
日本語にも対応し、社員番号や企業コードなどの新たな属性の追加もスムーズにおこなえるOktaは、業務の効率化向上にも繋がるため、導入すれば大きなメリットと感じられるでしょう。
3-3.セキュリティの強化
Oktaを導入すれば、セキュリティの強化に役立ちます。OktaはIDaaSサービスの一つで、従来の境界型セキュリティではなく、ゼロトラストセキュリティを概念として、社内ネットワークの外からのアクセスを前提として設計、運用されているサービスです。
特徴的な機能で解説した多要素認証は、本人にしか知り得ない知識情報、本人のものでしかない生体情報、本人でしか瞬間的に確認できない所持情報の組み合わせによって成り立っています。複数要素を組み合わせる多要素認証は、パスワードのみでは守りきれない個人情報や企業情報、顧客情報のセキュリティを高め、様々な脅威から守れるでしょう。
3-4.様々なSaaSのサービスと連携できる
Oktaは様々なSaaSサービスと連携できる点もメリットです。2023年7月現在で、Oktaがシングルサインオンに対応できるクラウドサービス数は、AWSやSalesforce、office365、Zoomをはじめ非常に多く、約7,000種にも登ります。
対応サービス数は随時更新され、ディレクトリの拡張なども可能なため、クラウドサービスを積極的に利用していきたいと考える企業にぴったりのメリットといえるのではないでしょうか。
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4.Oktaの導入が向いている企業
Oktaは様々なタイプの企業への導入に適しています。ここでは、大企業とベンチャー企業に向け、それぞれのOktaの導入メリットを解説します。
4-1.大企業
Oktaの導入が向いている企業に、大企業があります。大企業は資本金や従業員の数が中小企業より多い場合を指し、大企業としての定義はないものの、資本金が1億以上で従業員が100人以上が目安です。
大企業ではグループ会社ごとに独自のユーザー認証基盤を保持しているケースが多く、いかに統合して管理を行っていくかが課題となっていました。セキュリティガバナンスやユーザーの利便性向上のため、もしグループ会社ごとの認証基盤を統合しようとすると、大掛かりなサーバーの再構築やデータ移行が必要となるため、工数や期間、コストがネックとなったのです。
上記の課題を抱える大企業であっても、Oktaを導入すれば、シングルディレクトリおよびユニバーサルディレクトリ機能により、クラウド上で既存のユーザー認証基盤を連携させることができます。しかもスピーディかつ低コストであるため、Oktaはこれから更に多くのグループ会社を設立し、成長を続ける大企業に適したソリューションであるといえるのではないでしょうか。
4-2.ベンチャー企業
大企業だけではなく、独自のアイディアや技術で新しいサービスやビジネスに挑戦しているベンチャー企業も、Oktaの導入が向いています。Oktaの導入がベンチャー企業に向いている理由は、Oktaがクラウド上のサービスである点と、セキュリティに非常に強いサービスである点です。
大手の企業と比較して、資金が乏しい傾向にあるベンチャー企業では、オンプレミス環境でサーバーを構築し、システムを導入するために、資金繰りが必要になる場合があります。オンプレミス環境ではなく、クラウドサービスのシステムを取り入れれば、サーバーの構築や機器を揃える費用がなくなるため、資金繰りの問題が解決します。
更に多要素認証によってセキュリティが強化されているOktaであれば、複数クラウドサービスを利用しても、不正アクセスなどの脅威からの攻撃リスクも下げられます。既に認証基盤を設立した大企業だけでなく、これから様々な業務をおこなっていくベンチャー企業にとっても、Oktaは非常に導入のメリットがあるサービスといえるでしょう。
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5.Oktaを導入する際の注意点
多くの機能を持ち、導入することで多くのメリットがあるOktaですが、導入する際には以下の注意点も知っておかなければなりません。
- 他のサービスと連携できるかをあらかじめ確認しておく
- ユーザー数・プランに対して費用対効果が合うかを確認する
- セッションの保持時間が短い
順番に見ていきましょう。
5-1.他のサービスと連携できるかをあらかじめ確認しておく
2023年7月現在で約7,000種ものサービスと連携できるOktaですが、世界中すべてのクラウドサービスに連携できるわけではありません。Oktaを導入してから、一番連携したいシステムと連携できず、使いづらくなってしまったといった失敗を防ぐため、導入前には連携したいサービスを挙げ、連携できるかをあらかじめ確認しておくことが大切です。
またクラウドサービスだけでなく、自社で運用しているオンプレミス環境とも連携できるか確認しておくとよいでしょう。
5-2.ユーザー数・プランに対して費用対効果が合うかを確認する
Oktaを導入する際は、ユーザー数やプランに対して費用対効果が合うかを確認しておきましょう。Oktaの料金体系はユーザー数に対しての従量課金制で、前述した特徴的な機能であるシングルサインオンやユニバーサルディレクトリ、多要素認証、ライフサイクルマネジメントの4つの機能のうち、使用する機能に対して加算される仕組みとなっています。
標準版とオプション版でも費用が異なり、基本料金だけですべての機能が利用できるわけではないことを理解しておきましょう。正確なOktaの料金に関して、詳しくは見積もりや問い合わせなどが必要となりますが、費用をかけて導入するべきサービスであるのかを、導入前に徹底的に検討することが大切です。
5-3.セッションの保持時間が短い
セッションの保持時間が短い点も、Oktaを導入する際の注意点です。セッションの保持時間とは、一定時間システムが操作されなかった場合にアクセスを切断する機能で、情報保守のために役立ちます。
操作デバイスから離れた際に保持時間が長ければ、悪意を持った第三者に勝手に操作されてしまう場合もあるため、セッション保持時間が短い方がセキュリティ面では有効です。しかし一日のうちOktaへのログイン回数が増えると、億劫だと感じる人もいるでしょう。
セッションの保持時間が短い点は、Oktaを導入する際に知っておきたい注意点といえます。
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6.Oktaの導入目的ごとの事例紹介
ここからは、Oktaの導入目的ごとの事例を8つ紹介します。Oktaの導入を考えている方にとってぜひ参考にしていただきたい事例を集めましたので、ぜひ読んでみてください。
6-1.漏えいからデータを保護
1つ目の事例は、データ保護を目的としてOktaを導入したENGIE(エンジー)社です。ENGIE社はフランスに事業基盤を持つ大手のエネルギー供給事業社で、世界約70カ国に拠点を持っています。
ENGIE社がOktaを導入した目的は、情報漏えいからデータを保護するためでした。脱炭素世界への移行を先進的に引率していくENGIE社で利用するIDaaSサービスは、あらゆる場所から、あらゆるデバイスで、すべてのアプリケーションにシンプルかつ安全にアクセスできる必要があります。
Oktaの導入は、既存のインフラに干渉せず、様々なサービスにスムーズにログインできたり、ユニバーサルディレクトリの利用で、業務を非常にスムーズに進められたりと、満足のいく結果となりました。ENGIE社はOktaを導入したことで、新しいアプリケーションの統合や事業の競合、分社化、分散型ビジネスモデルへの劇的な移行などの面において、俊敏性と対応力を手に入れたといってよいでしょう。
6-2.クラウドへの移行
次に紹介する事例は、クラウドへの移行を目的にOktaを導入したナショナルジオグラフィック協会です。ナショナルジオグラフィック協会は、地理学の知識の向上と普及を目的に設立された団体で、アメリカ合衆国のワシントンD.C.に本部を置いています。
研究者やライター、写真家など、グローバルなネットワークを持つナショナルジオグラフィック協会の課題は、クラウドでした。数年前にオンプレミスのソフトウェアからクラウドアプリケーションへの移行を開始したのですが、多くのユーザーが旧式でのユーザー名とパスワードを利用したり、Macユーザーが多かったため、Microsoft Active Derectoryドメインに接続されていなかったりと、複雑な問題が発覚しました。
Oktaを導入した結果、IDやパスワードの管理などの課題が解決され、クラウドへの移行が成功しました。Oktaの導入で、自分勝手なITの利用防止や大幅なコストの削減ができ、生産性の向上にも繋がっています。
6-3.M&Aの俊敏性の向上
ドイツ・ボンに本社を置き、ヨーロッパや北米で移動体通信サービスを提供しているドイツテレコムの子会社、T-Mobile社も、Oktaを導入した企業です。T-Mobile社がOktaを導入しようとした目的は、M&Aの俊敏性の向上でした。
ワイヤレス業界の変革に乗り出したT-Mobileは、10万人以上の小売店やコールセンターのパートナーや従業員、数千人の従業員、ホールセールパートナー、プリペイド・ポストペイドの顧客などで構成された複雑なエコシステムとなっています。Oktaの導入で、小売店従業員の認証イベントを1日あたり60〜70件から7〜10件に削減したり、パスワード要求のヘルプチケットが激減したりと、様々な効果を発揮しています。
Oktaでスムーズなログインやパスワード管理ができるため、開発者は雑務に追われずコアビジネスに集中でき、安定性と信頼性も向上する結果となりました。
6-4.顧客エンゲージメントを強化
繋がった世界のためにインテリジェントな製品を設計し、構築するソリューションを提供するリーダー企業、Flex社も、Oktaを導入した企業です。Flex社がOktaを導入する目的は、顧客エンゲージメントの強化でした。
IoTの中心に位置する企業であるFlex社は、途方も無い規模と複雑さを兼ねたビジネスとなっています。世界30カ国以上にある100以上の工場やオフィスの従業員と、常に変化するサプライヤーなどが関わるダイナミックなFlex社のビジネスは、顧客データの保護やサプライヤーとのコミュニケーション、重要アプリケーションへの従業員のアクセス保護などの面で、大きな課題となっています。
Oktaを導入したことで、セキュリティに関わる問題が解決され、顧客エンゲージメントの強化に繋がる結果となりました。現在では、約20万人の従業員がOktaを利用し、情報の共有ができています。
6-5.インフラストラクチャの最新化
財務状況や数字をリアルタイムに把握できるオンライン会計ソフトウェアを提供するXero社も、Oktaを導入した企業です。Oktaを導入する前、Xero社では、様々な単独のシステムが至るところに配置された状態でした。
Oktaを導入したことで、新しいユーザーのプロビジョニングをする際や新しいアプリケーションを配置する際などにかかっていた時間が大幅に短縮され、本来の業務に集中できるITチームとなりました。成長を続けるXero社ですが、Oktaの機能や安全なセキュリティがなければ成長速度に対応できなかっただろうと述べているほどで、Oktaは業務の根底にしっかりと関わるサービスといえるでしょう。
6-6.デジタルプラットフォームへの変革
海外の企業だけではなく、大阪中央区に本社を置き、湾岸運送業や倉庫業、製造請負業などをおこなっている鴻池運輸も、Oktaを導入した企業です。鴻池運輸がOktaを導入しようとした目的は、デジタルプラットフォームへの変革でした。
鴻池運輸は世界のDX化に向けての動きや働き方の変化から、オンプレミス環境でのシステムからクラウドシステムに移行していく必要性を感じました。クラウドシステムであれば、オンプレミスのデメリットである初期費用や運用コストの不透明化といった課題が解決できます。
Oktaのシングルサインオン機能やライフサイクルマネジメント機能の利用で、システム部は利用するアプリケーションのログインがスムーズになり、従業員の入退社や異動などの際もIDの変更を行わなくて済むため、負担がほぼない状態で作業できる結果となりました。日々加速していくDXの中で、早くからOktaを導入した自分たちの判断は、決して間違ったものではなかったと確信しているそうです。
6-7.ユーザーの信頼育成
アメリカのカリフォルニア州に本社を置き、世界170カ国以上の国で事業を展開して、パソコンのサーバーやプリンターなどのコンピュータ製品を主力としているITベンダー、ヒューレット・パッカード社も、Oktaを導入した企業です。ヒューレット・パッカード社がOktaを導入しようとした目的は、ユーザーの信頼育成のためです。
ヒューレット・パッカード社がDX推進をおこなう中で課題となったのは、顧客がハイブリッドな環境を構築することで生じるコストやコンプライアンスの問題でした。中でもコンプライアンスの課題は大きく、データの漏えいや脆弱性については毎日のようにニュースで見聞きする中で、Oktaのセキュリティ機能や満たすべきコンプライアンス要件は、非常に役立つものだと感じたそうです。
Oktaの導入によって、ヒューレット・パッカード社はすべてのユーザーに容易で直感的アイデンティティ管理ソリューションを提供したといえるでしょう。
6-8.ゼロトラストセキュリティモデルの採用
最後に紹介する事例は、電通イージス・ネットワーク社です。電通イージス・ネットワーク社は総合広告代理店である電通の子会社で、イギリスのロンドンに本社を置く多国籍企業です。
電通イージス・ネットワーク社がOktaを導入した目的は、ゼロトラストセキュリティモデルの採用のためでした。2020年前にITフレームワーク全体をクラウドに移行することを目的とした電通イージス・ネットワーク社ですが、クラウドへの移行プロセスを開始する前に、クラウドベースのアプリを集約するため、信頼できるアイデンティティパートナーの存在が必要だったのです。
数多くの従業員の安全性を維持するために、信頼できるポリシーベースの多要素認証を持っていたソリューションが、Oktaです。シングルサインオンとユニバーサルディレクトリ、多要素認証を全従業員に展開し、ライフサイクルマネジメントでプロビジョニングの自動化も行いました。
Oktaのシンプルで快適なワークフローは、従業員の操作性やセキュリティの面で、様々な効果をもたらしています。
Oktaについてのサービス紹介、その他のID管理サービスやデモのご相談などお気軽にNTT東日本までお問い合わせください。
7.Oktaを導入するならぜひご相談ください
Oktaについて機能や導入後のメリット、注意点などを解説しましたが、いざOktaを導入しようとしてもやり方が分からず不安だと思う方も多いのではないでしょうか。
NTT東日本では、様々なクラウドサービスの導入や運用を支援します。
- Oktaは自社に向いているのだろうか?
- どうやってオンプレミスからクラウドに移行すればよいかわからない
- コストについて詳しく知りたい
- 導入後の運用について知りたい
上記のお悩みについて、以下のお問い合わせから、ぜひお気軽にご相談ください。
8.まとめ
複数のクラウドサービスのIDやパスワードなどのログイン情報を一元的に管理できるOkta及びOkta社は、6年連続でIDaaS業界を引っ張るリーダーとして認知されるなど、非常に注目を集めている企業です。Oktaの特徴的な機能であるシングルサインオンやユニバーサルディレクトリ、多要素認証、ライフサイクルマネジメントは、多くの企業に業務効率化やセキュリティなど、様々なメリットをもたらします。
しかしサービスによっては連携できないものもあることや、費用対効果、セッションの保持時間が短い点は導入の際に考慮しなければならない問題です。更にOktaが自社にとって最適なIDaaSサービスであるのかと、悩む企業も少なくないでしょう。
Oktaについての疑問点や導入の際の不安について、ぜひNTT東日本にご相談ください。Oktaをはじめ多くのクラウドサービスの導入の運用や支援をおこなっているNTT東日本は、企業が抱える問題に対する解決策をスムーズに提案できるでしょう。
サービスについて気になる方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
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