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Azure DevOpsとは?サービスの種類やメリット・料金プランを解説
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Azure DevOpsは、ソフトウェアやアプリケーション開発を円滑に進めるために欠かせないサービスです。開発側と運用側で必要な環境や進行管理ツールなどが網羅的に提供されているため、これからDevOpsの実現に取り組む企業には便利なプラットフォームといえるでしょう。
本記事では、Azure DevOpsの提供サービスや活用するメリット、料金プランなどを詳しく解説します。
目次:
- 1.Azure DevOpsとは?
- 2.Azure DevOpsのサービス一覧
- 2-1.Azure Pipeline
- 2-2.Azure Boards
- 2-3.Azure Repos
- 2-4.Azure Test Plans
- 2-5.Azure Artifacts
- 3.Azure DevOpsのメリット
- 4.Azure DevOpsの料金プラン
- 4-1.個別サービス
- 4-2.Basicプラン
- 4-3.Basic+Testプラン
- 5.Azure DevOpsのセットアップ・使い方
- 5-1.サインイン
- 5-2.プロジェクト作成
- 5-3.関係者の招待・アクセスレベルの変更
- 5-4.コードの編集
- 5-5.ビルド・デプロイの状況確認
- 6.Azure DevOpsの導入を検討するならぜひNTT東日本にご相談ください
- Azure DevOpsについてまとめ
1.Azure DevOpsとは?
Azure DevOpsは、Azure上でDevOpsを実現するために必要なツールや作業環境が整備された、Microsoft社が提供しているプラットフォームです。開発に必要なツール群やCI/CD 機能、プロジェクト進行管理ツールなどがすべて用意されているため、DevOpsにおける計画・開発・デリバリー・運用プロセスをワンストップで実現できます。
そもそもDevOps(デブオプス)とは、開発と運用を組み合わせた造語で、開発担当者と運用担当者が連携し継続的かつ迅速にエンドユーザーへサービスを届けるという概念です。DevOpsを実現することで、意見が衝突しやすい関係性である開発側と運用側の共同作業が容易になり、システムの問題点や改修点の早期発見につながるなどのメリットがあります。
2.Azure DevOpsのサービス一覧
Azure DevOpsで提供されている主なサービスは以下の通りです。
- Azure Pipeline
- Azure Boards
- Azure Repos
- Azure Test Plans
- Azure Artifacts
これらのサービスはすべて利用することも可能ですが、必要なサービスを単独で利用することもできます。すでに運用しているシステムのワークフローを補完するなどの用途にも活用できるでしょう。
それぞれのサービスについて以下で詳しく解説します。
2-1.Azure Pipeline
アプリケーション開発における各機能を自動化するCI/CD機能です。Azure Pipelineを用いることで、アプリケーションを顧客へ継続的に提供できるようになります。
対応言語はJava・PHP・Python・Ruby・C++・C・.NET・Node.jsで、Android・iOS アプリでも利用可能です。また、OSはLinux・macOS・Windowsに対応しており、継続的インテグレーションと継続的デリバリーを並列で実行できます。
2-2.Azure Boards
Azure Boardsは、ソフトウェアやアプリケーションの開発プロセスを管理できるツールです。所属するチームや部署に関わらず、プロジェクトメンバー全員が利用できるため、計画・作業状況の確認などに必要だった管理コストを削減できます。さらに、Azure Boards内で開発途中に生じた問題やバグに関する議論・相談も可能です。
主なサポート機能は、スクラムやかんばんなどのアジャイル手法や、ダッシュボード・通知・レポートがあり、それぞれの項目はプロジェクトに合わせてカスタマイズできます。
2-3.Azure Repos
コードを管理する際に利用するバージョンコントロールシステムです。Azure Reposでは、コード編集時にAzure Repos内にスナップショットを保存するよう指示ができ、そのデータが永続的に保存されるため、後からコードを戻したい時などに活用できます。
また、作業履歴をチーム内で確認しながら編集したコードを調整する場合や、バグ修正や新機能開発の際に編集したコードを元の状態に戻す・整理するなどの作業にも役立つでしょう。
Azure Reposでは一般的に使用されている標準のGitのほかに、Team Foundationにも対応しています。
2-4.Azure Test Plans
Azure Test Plansは、開発したアプリケーションやソフトウェアをテストするためのツールです。テスト目標は自動テストだけではなく、手動テストや探索的テスト・テストの追跡・レポート分析にも対応しています。
さらに、Test Plans Webポータルを使用することで、サポートされているすべてのブラウザから手動テスト機能にアクセスできます。これにより、同じインターフェースでユーザーが利用する可能性があるすべてのブラウザをテストできるため、作業時間の削減につながるでしょう。
2-5.Azure Artifacts
Azure Artifactsはコードを共有できるツールで、管理者はすべてのパッケージを一か所から管理することが可能になります。パッケージの共有はチームや組織内などのプライベートに限定することもできますし、パブリック共有として不特定多数のユーザーへの公開も可能です。
Azure Arifiactsでは、NuGet・Npm・Maven・Python・Universal Packagesのパッケージを使用できます。
3.Azure DevOpsのメリット
DevOpsでは、作成したコードのテストやデプロイ作業を自動化できるため、小規模な開発を繰り返しやすくなり、サービスの変更やリリースに迅速に対応できます。また、同様の理由により、テストやデプロイ作業におけるヒューマンエラーを防止できる点もメリットです。
さらに、開発側と運用側で密接なコミュニケーションが取れるため、認識の齟齬などによる両チーム間の摩擦を軽減することにも繋がります。
また、Azure DevOpsはMicrosoft社が提供しているサービスのため、Windowsとの親和性が高く、オンプレミス環境がWindows系OSを利用している場合、スムーズに連携できる点もメリットになるでしょう。
4.Azure DevOpsの料金プラン
Azure DevOpsは個別サービスを利用するプランと、すべてのツールを利用するユーザーライセンスプランから選ぶことが可能です。また、ユーザーライセンスプランには2種類の料金体系が用意されているため、ここで詳しく紹介します。
なお、金額は2023年7月時点のAzure公式サイトの情報をもとに、1ドルあたり144.545円で換算しています。
4-1.個別サービス
Azure Pipelinesのみ使用する場合は、MicrosoftホステッドCI/CDと、セルフホステッドCI/CDが無料で利用できます。それに並列するMicrosoftホステッドジョブは料金が発生し、1個につき月額1,800円かかります。またセルフホステッドジョブは分数に制限なく1個であれば無料で利用できますが、2個以上の場合は1個につき月額2,168円の料金が発生します。
Azure Artifactsは2GiBまでは無料で利用できます。それ以降の利用については基本的に1GiBあたり289円ずつ課金されます。ただし、Azure Artifactsでは価格カードという割引が用意されており、利用料が多くなればなるほどお得に利用できるため、うまく活用するとよいでしょう。
価格カードは以下の通りです。
- 0〜2GiB:無料
- 2〜10GiB:GiBあたり289円
- 10〜100GiB:GiBあたり145円
- 100〜1,000GiB:GiBあたり72円
- 1,000GiB以上:GiBあたり36円
4-2.Basicプラン
ユーザーライセンスのBasicプランは5人まで無料でライセンスが発行でき、6人目からは1人につき月額867円のライセンス料がかかります。
Basicプランでは、Azure Pipelines・Azure Boards・Azure Repos・Azure Artifactsの4ツールが無料で利用できますが、Azure ArtifactsとAzure Pipelinesが無料で使える範囲は個別サービスと同様です。
また、BasicプランではAzure Test Plansが利用できないため注意しましょう。
4-3.Basic+Testプラン
Basic+Testプランは、無料で利用できるアカウントは付与されず、1ユーザーにつき月額7,516円の料金がかかります。
そのぶん利用できるツールがBasicプランに比べて多く、Azure Pipelines・Azure Boards・Azure Repos・Azure Artifactsの4ツールに加えて、Azure Test Plansも利用できます。
5.Azure DevOpsのセットアップ・使い方
ここからは、Azure DevOpsのセットアップと利用方法を紹介します。利用にはMicrosoftアカウントが必要なため、現在アカウントを取得していない人はあらかじめ新規アカウントを登録しておきましょう。
5-1.サインイン
まずは、Azure DevOpsのログインページからMicrosoftアカウントを使ってサインインします。なお、Microsoftアカウントを作成していない場合は、ログインページからでも作成することができます。
5-2.プロジェクト作成
Azure DevOpsへサインインできたら、リージョンを選択し、プロジェクト名称を入力します。
プロジェクト画面に移行したら、まずは開発言語とどのフレームワークを使用するかを選択しましょう。次に開発するアプリケーションのデプロイ先を選択します。デプロイ先は仮想マシンやWindows Web Appなど7種類から選択できるため、適切なものを選びましょう。
デプロイ先に応じてパラメーターを設定できたら、アプリケーション開発を進める準備が整います。
5-3.関係者の招待・アクセスレベルの変更
Azure DevOps上でアカウント招待やアクセス権限などを設定します。チームでプロジェクトを管理する場合は、複数名でAzure DevOpsを利用する必要がありますので、メンバーの役割に合わせて適切な権限を付与しましょう。
5-4.コードの編集
環境構築まで完了したら、選択したコードのテンプレートを利用しながらコードを編集しましょう。なお、この際にAzure Reposを利用すればコードの変更履歴をスナップショットとして保存できるため、バグが発生した際にコードを元に戻したり、開発途中のコードの書き換えなどに便利です。
5-5.ビルド・デプロイの状況確認
CI/CDパイプラインのビルドとデプロイは自動で実行されるため、それぞれの動作が正常に完了するかを確認しましょう。
Azure DevOpsのパイプライン画面からビルド・デプロイの状況を確認することができます。また、使用するリポジトリが正しいかはPipeline画面下部にある「Code」から確認が可能です。
なお、CIパイプラインが正常にビルドされれば、CDパイプラインが自動で実行される仕組みになっているので、基本的には画面上でそれぞれの動作のステータスを確認するだけで問題ありません。デプロイが完了したら、指定した環境でアプリケーションが正常に動作するかチェックしましょう。
6.Azure DevOpsの導入を検討するならぜひNTT東日本にご相談ください
Azure DevOpsを利用すると、これまで手動で実行していたビルド・デプロイ作業を自動化できるだけではなく、バグの追跡や複数のブラウザテストの効率が上がるメリットがあります。一方で、Azure DevOpsを利用するには、Microsoftアカウントの発行が必要なだけではなく外貨建てのため、社内承認やクレジットカードを使用するための手続きなどに時間がかかってしまうケースもあるでしょう。
NTT東日本のクラウド導入・運用サービスでは、社内手続きが煩雑になりがちなアカウントの発行やMicrosoft社への支払い代行から、Azure DevOpsの環境構築や運用サポートまでワンストップで支援しています。さらに、Azureの有資格者が中立的な視点でアドバイスもおこなうため、自社にとってより効率的で迅速なDevOpsの実現が可能です。
150社以上の実績を誇るNTT東日本だからこそできるサポート体制で、Azure DevOpsの活用を支援いたします。興味のある方は以下のページよりご相談ください。
Azure DevOpsについてまとめ
Azure DevOpsは、DevOpsを実現するうえで必要なツールが網羅的に提供されているMicrosoft社のプラットフォームです。プロジェクトの進行管理を一覧できるダッシュボード機能や、開発プロセスを関係者で共有できる機能なども備わっているため、開発担当者と運用担当者の意思の疎通が容易におこなわれ、迅速かつ安定した品質でユーザーに価値を提供できるようになります。
さらに、開発に必要なCI/CD機能やテストツールを用いることで、これまで手動で対応していたビルド・デプロイ作業やブラウザ単位でのテスト環境の構築の作業負担やヒューマンエラーが軽減され、担当者がアプリケーションの品質向上に時間を割けるようになる点も大きなメリットでしょう。
また、Azure DevOpsの導入を検討しているものの人材不足などでお困りの場合は、Azureの導入実績が豊富なNTT東日本のクラウド導入・運用サービスを利用するのもひとつの方法です。
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