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【すぐにわかる】データ活用とは|事例を用いて基礎知識の全てを解説

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「データ活用って何をどうするの?」

「自社にもデータ活用が必要?」

データ活用について、このような疑問をお持ちではありませんか?

データ活用とは、「データをビジネスに役立てること」をいいます。社内外にあるさまざまなデータを収集し、その意味するところを分析して、得られた結果を基に業務改善や事業の発展を目指す取り組みです。

デジタルシフトが進む現代では、インターネットを介して多種多様なデータが集められています。例えば、ECサイトでの行動履歴や動画視聴ログなどは、人々のニーズを色濃く反映するデータです。

このようなデータを、ビジネスに活用しない手はありません。それどころか、データ活用なくしてこれからの時代を生き抜くことは難しいと言っても過言ではないのです。

そこでこの記事では、以下について詳しく解説します。

  • ▼データ活用と何か
  • ▼データ活用に使用するデータの種類
  • ▼データ活用のメリットと課題
  • ▼データ活用の実際例
  • ▼データ活用の重要性が高い企業
  • ▼データ活用の手順
  • ▼データ活用の成果を上げるためのポイント

この記事を読むことで、データ活用に関する基礎知識を一通り得られます。そして、自社でも取り組むべきかどうかという判断ができるようになるはずです。

自社の課題を解決し業績を伸ばしていくための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。

目次:

1. データ活用とは
1-1. データをビジネスに役立てること
1-2. 多くの企業がデータ活用に取り組み、効果を実感している
1-3. データ活用とデータ分析の違い
1-4. データ活用の具体例
2. データ活用に使用するデータの種類
2-1. データ活用に使用するデータの主な種類
2-2. データ活用において企業によく使用されるデータ
2-3.【目的別】活用するデータ例
3. データ活用のメリット
3-1. 現状把握の精度が上がる
3-2. 根拠に基づいて素早く意思決定できる
3-3. ビジネスチャンスを発見しやすくなる
4. データ活用における課題
4-1. プライバシーを侵害する恐れがある
4-2. スキル不足だと十分な成果が得られない
4-3. ある程度の手間とコストが必要になる
5.【業種別】データ活用の実際例
5-1.【製造業】 世界130箇所の工場データを一元管理(デンソー)
5-2.【小売業】購買行動の特徴を把握して売上アップ(ヤクルト)
5-3.【サービス業】観光客の動向をマーケティングに活用(島根県 松江市 観光文化課)
5-4.【金融業】Twitterで景況感指数の調査を高速化(野村証券)
6. こんな目標をもつ企業にとってデータ活用は非常に重要!
6-1. 業務の効率化やコストカットを実現したい
6-2. DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したい
6-3. 的確なマーケティング戦略を打ち出したい
6-4. 新しいビジネスモデルを構築したい
7. データ活用の手順
7-1. データ活用の目的を決める
7-2. データを収集する
7-3. データを加工する
7-4. データを分析する
7-5. アクションプランを策定する
7-6. プランの効果を検証する
8. データ活用の成果を上げるためのポイント
8-1. 目的を明確にする
8-2. 信頼できるデータを使用する
8-3. 専任担当者を育成する
8-4. BIツールやサポート企業を活用する
9. データ活用で成果を挙げたい方はNTT東日本にご相談ください
9-1. データ活用に不可欠な基盤の構築をサポート
9-2. データエンジニア×クラウドのプロが成功をリード
10. まとめ

1. データ活用とは

まずは、データ活用とは何かということが理解できるように、以下の内容について解説します。

  • データ活用という言葉の意味
  • 国内企業におけるデータ活用の現状
  • データ活用と類義語の違い
  • データ活用の具体例

この章を読むだけでも、データ活用の基本をおさえることができますよ。

1-1. データをビジネスに役立てること

データ活用とは、「データをビジネスに役立てること」をいいます。

企業の中には、業務データや顧客データなど、多くのデータが存在します。また、国や地方公共団体が発行するものやSNS上で閲覧できるものなど、企業の外にもさまざまなデータが溢れています。

データ活用では、これらのデータを集めてその意味するところを分析し、業務改善事業の発展につなげます。

とはいえ、データ活用をそれほど難しく考える必要はありません。例えば以下のようなこともデータ活用にあたるのですが、既に実施しているという企業が多いのではないでしょうか。

  • 社員の勤怠データから残業の傾向を把握し、業務を整理する
  • 売上データと在庫データに応じて入荷数を決める

ただし、データの数と種類が多く、分析の質が高いほど、データ活用の成果は大きくなります。そのため、ぜひこの機会にデータ活用についてより深く理解し、自社の現状について振り返っていただければと思います。

1-2. 多くの企業がデータ活用に取り組み、効果を実感している

データ活用の現状として、国内企業の多くは既に取り組んでおり、その効果を実感しています

以下のグラフは総務省による調査結果で、いずれかの領域でデータ活用をしている企業の割合を表しています。

出典:総務省

この調査結果によると、いずれかの領域でデータ活用を行っている企業の割合は、大企業で約9割・中小企業でも半数以上となっています。

また以下のグラフは、データ活用の効果の有無を表しています。

出典:総務省

「非常に」または「多少」データ活用の効果があったと回答した企業は、いずれの領域でも半数を超えています

これらのことから、データ活用は日本企業に概ね浸透しており、どのような領域でも一定の効果を上げることが期待できるものだといえます。

1-3. データ活用とデータ分析の違い

データ活用と似た言葉で、違いがよくわからないという方が多いのが、「データ分析」です。この2つの違いを確認しておきましょう。

データ分析とは、データ活用の手順のひとつです。

データ活用では、データを収集し、それらの意味するところを分析して、その分析結果をビジネスに活かします。

つまり、データ分析とはデータ活用を行う上で欠かせない作業であり、データ活用という取り組みの一部であるといえます。

【データ活用の関連用語】

「データ分析」以外にも、以下のようにデータ活用に関連深い言葉があります。それぞれの意味をご紹介しておきます。

  • データドリブン

KKD(勘・経験・度胸)だけに頼るのではなく、ビッグデータ(膨大かつさまざまな種類の情報)の分析結果をもとに、ビジネス上の意思決定を行うこと。

データ活用と同義で使用される場合もありますが、「分析対象がビッグデータ」「方法というよりは考え方」という点で、データ活用よりもスケールの大きな概念だといえます。

  • ビッグデータ

膨大かつさまざまな種類の情報。

以下3つのVの全て、あるいはいずれかの特徴をもつ情報のことをいいます。

  • ①Volume(量)
  • ②Variety(種類)
  • ③Velocity(速度)

データ活用に使用するデータはビッグデータに限りませんが、情報の量や種類が多いほど分析が深まり、成果が大きくなります。

  • IoT(アイオーティ)

モノがインターネットを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換をする仕組み。IoTによって、電子機器の操作やモニタリングなどを遠隔で行うことが可能になります。

IoTを整備すると、さまざまなモノからデータが集まるため、データ活用に使用するデータの量や種類を増やすことができます。

1-4. データ活用の具体例

データ活用を具体的にイメージできるように、実際の例をご紹介します。

ヤマハ株式会社では、工場内のデータを以下のように活用することによって、工数とコストの削減を実現しました

データ活用の内容
  • 作業日報データをもとに、作業計画の進捗率や不良品の発生率を可視化
  • 実装工程の作業で熟練の作業員が経験で判断していた条件をデータで可視化
  • 作業日報をペーパーレス化し、アプリでデータを管理
データ活用の成果
  • 日報管理作業にかかる工数を月130時間程度削減
  • 作業効率の向上と日報管理の工数削減によって、年間約1000万円のコスト削減

出典:日経XTECH

上記の成果は、作業員30人を対象としてデータ活用を行った結果であり、今後は対象者を80人まで拡大することで、年間約2000万円のコスト削減を試算しているということです。

ヤマハの事例は、データ活用はとても大きなベネフィットにつながり得るということをよく表しています。

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2. データ活用に使用するデータの種類

次に、データ活用に使用するデータとはどのようなものなのかということが理解できるように、以下の内容について解説します。

  • 活用するデータの主な種類
  • 日本企業でよく使用されるデータ
  • 目的別のデータ例

2-1. データ活用に使用するデータの主な種類

データ活用に使用するデータには、「社内データ」と「外部データ」の2種類があります。

それぞれの主な内容は以下の通りで、データ活用の成果を挙げるためにはどちらも収集していくことが大切です。

社内データ

企業内に蓄積されているデータ

  • 売上データ(売上高・販売数・原価・顧客単価など)
  • 顧客データ(属性・購入履歴・問い合わせ内容など)
  • 商談データ(件数・成約率など)
  • 広告データ(DM反応率・アクセスログ・クリック数など)
  • 製品データ(設計・部品・設備状況など)
  • 業務データ(内容・手順・所要時間・担当者の動きなど)
  • 人事データ(人員・労働状況・人件費など)
外部データ

企業の外、世の中に存在するデータ

  • オープンデータ(政府や地方公共団体から提供されるデータ、統計資料など)
  • インターネット検索データ
  • SNSデータ
  • 経済情勢データ
  • 気象データ
  • 位置・交通データなど

2-2. データ活用において企業によく使用されるデータ

ご紹介したデータのうち、実際にはどのようなものがよく活用されているのかということについては、総務省による調査結果が参考になります。以下のグラフは、企業がデータ活用に使用しているデータの種類を表しています。

出典:総務省

この調査結果によると、データ活用において企業でよく使用されるデータは以下のようなものになります。

  • 顧客データ
  • 電子メールデータ
  • アクセスログ
  • 経理データ
  • 業務データ
  • 販売記録データ

主に、顧客とのやりとり・社員の動向に関するデータが活用されているといえるでしょう。

また、現状ではまだあまり多くないものの、センサーデータやGPSデータなどもデータ活用の対象になるということがわかります。

2-3.【目的別】活用するデータ例

データ活用に使用するデータは「客観的な事実」であることと、目的に応じて選択することが大切です。

例えば、以下のような目的の場合にはどのようなデータが必要になるかを考えてみましょう。

売上を向上させる

売上向上という目的を達成するためには、「現状の売上とそれに影響する要因」を可視化するためのデータが必要になります。

  • 売上データ(売上高・変動率・商品単価・原価・顧客単価など)
  • 顧客データ(属性・リピート率など)
  • 広告データ(反応率・成約率など)
  • 競合・類似品の動向(販売状況・SNS上の反応など)
  • 景気状況(統計・相場・世論など)

業務を効率化する

業務の効率化という目的を達成するためには、「業務の実情と効率化のボトルネック」を明らかにするためのデータが必要になります。

  • 業務データ(内容・所要時間・担当者など)
  • 人事データ(残業時間・人件費など)
  • 設備データ(機械の稼働状況・トラブルの有無と頻度など)
  • 姉妹企業や同業他社の業務状況(統計・事例など)

マーケティングを最適化する

マーケティングの最適化という目的を達成するためには、「現在の施策効果と消費者ニーズ」を把握するためのデータが必要になります。

  • 売上データ(売上高・変動率・商品単価・原価・顧客単価など)
  • 在庫データ(適正数・回転率など)
  • 広告データ(反応率・成約率など)
  • 顧客データ(属性・購買履歴・リピート率など)
  • 商品・サービスの評判(問い合わせ内容・クレーム・SNSへの書き込みなど)
  • 消費者の思考・行動パターン(アンケート・インターネット検索やSNS上の流行など)

このように、データを収集する際には、「目的に見合ったデータは何か?」という観点で検討・選択していくことが大切であり、それが効果的な施策の発見につながっていきます

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3. データ活用のメリット

データ活用は、「業務改善」や「事業の発展」を目的として行われますが、そこに至る過程の中では以下のようなメリットを得られます。

それぞれの内容について、解説していきます。

3-1. 現状把握の精度が上がる

データ活用を行うと、現状をより素早く、正確に把握することができます

なぜなら、自社の事業状況や課題などが、データという客観的な事実に基づいて可視化されるからです。

データ活用を行わない場合にも現状を把握することはできますが、勘や経験による主観的な判断になってしまったり、検証に時間がかかる可能性があります。

一方で、データ活用を行っていれば、例えば売り上げが落ち込んだとしても、販売状況や顧客ニーズの可視化によって、速やかに原因を究明することができるのです。

3-2. 根拠に基づいて素早く意思決定できる

データ活用を行っていると、ビジネス上の意思決定を根拠に基づいて素早く行うことができます

客観的な事実によって現状を正確に把握できるため、それを根拠に何が最善かという判断がしやすくなるのです。

また、データを基に議論できるため、関係者間でリアルタイムに共通認識が作れ、スピード感のある意思決定が可能になります。

例えば、関係者間で入荷する商品の数を検討するというときに、以下のどちらが信頼性の高い判断を短時間でできるでしょうか

  • 「なんとなくこの位は必要そうだけど、どう思う?」と話し合う
  • 「昨年同時期の売上数は〇個、現在の在庫回転率は〇%、事前告知ページ〇PVだから100個がベストだと試算できる、異議あり?」と意見を聞く

後者の方が意思決定しやすいのは明白ですよね。

3-3. ビジネスチャンスを発見しやすくなる

データ活用は、ビジネスチャンスの発見にも役立ちます。

現状の改善点や新たな戦略は、何もない状態から発見するのは難しいものです。そこでデータ活用を行うと、多種多様なデータを集めてさまざまな観点から分析するという過程で、ビジネスのヒントが見えてくるのです。

その結果、例えば以下のようなことが可能になります。

  • 生産性向上のボトルネックを特定してコストを削減する
  • 需要の将来予測に応じて新商品を開発する

データ活用によって課題やよりよいプランが示唆され、ビジネスチャンスにつながっていくのです。

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4. データ活用における課題

データ活用のメリットをご紹介しましたが、その一方で課題となる点があることも事実です。

データ活用における課題には、以下のようなものがあります。

それぞれの内容について、解説していきます。

4-1. プライバシーを侵害する恐れがある

データ活用で扱うデータの種類、または活用方法によっては、提供者のプライバシーを侵害する恐れがあります

取得するデータの数が多かったり、個人情報を含んでいると、提供者を特定できてしまうことがあるからです。また、個人を特定できないとしても、データ流出があれば企業イメージは大きく低下します。

そのため、データは個人が特定されない形式で保存し、セキュリティ対策もしっかりと行う必要があります。

【対策例】

  • 名前や電話番号などは一部非表示にしたり、他の文字列に置き換える
  • 必要以外のデータは速やかに削除する
  • データベースへのアクセス権を限定する

4-2. スキル不足だと十分な成果が得られない

データ活用に関するスキルが不足していると、十分な成果が得られないという難しさもあります

データサイエンティスト協会によると、効果的なデータ活用を行うための人材には、以下のようなスキルが必要です。

参考:データサイエンティスト協会

  • 情報科学について理解し、実行する力
  • ビジネス課題を解決する力
  • データ活用に基づく施策を運用する力

しかし、このようなスキルをもつ人材を確保できていないという企業も少なくありません。スキルが不足していると、データの意味を正しく捉えられなかったり、目的と施策にズレが生じる可能性があります。

そのため、適切な人材を雇用・育成していく必要があるのです。

【対策例】

  • データ活用を担う専任チームを作る
  • データ活用に必要なスキルを伸ばす研修を行う
  • データ活用に知見のある企業のサポートを受ける

4-3. ある程度の手間とコストが必要になる

データ活用を行うためには、ある程度の手間とコストが必要になります

手間としては、データを集め、その意味するところを分析し、施策に落とし込むという工程が不可欠です。

またコスト面では、以下のようなものが必要になります。

  • データ収集ツール
  • データ処理システム
  • 分析ソフトウエア

データの質や分析の深さ、自社で行うか外注するかなど、さまざまな要因によって金額は変動します。

そのため、手間とコストに見合った成果を得られるかどうかをよく検討した上で取り組むことが大切になります。

【対策例】

  • データ活用の目的に応じた方法を見極める
  • まずはスモールスタートで行ってみる
  • ツールや外注業者については複数を比較検討する

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5.【業種別】データ活用の実際例

データ活用とは何かがわかってきたところで、いくつかの実際例をご紹介します。

データ活用の効果や方法について、より具体的にイメージできるようになるはずですよ。

5-1.【製造業】 世界130箇所の工場データを一元管理(デンソー)

製造業では、以下のような目的でデータ活用が行われます。

  • コスト削減
  • 業務の効率化・自動化
  • 品質の向上

自動車部品メーカーである株式会社デンソーは、世界にある130箇所の工場をひとつのプラットフォームでつなぎ、各工場のさまざまな機器から収集したデータを活用しています。

目的 生産体制の強化・効率化
活用したデータ 設備の稼働状況・作業員の動きなど
成果
  • 作業の自動化によるコスト削減
  • 各地の需要に合わせた臨機応変な生産
  • 設備異常の情報通知による早期対応など

出典:DENSO

IoT(アイオーティ:モノがインターネットを通じて相互に情報交換をする仕組み)によって多くのデータを収集し、業務やコストの最適化を実現したのです。

5-2.【小売業】購買行動の特徴を把握して売上アップ(ヤクルト)

小売業では、以下のような目的でデータ活用が行われます。

  • 顧客ニーズの明確化
  • 的確なマーケティング戦略の策定
  • 在庫管理の効率化

飲料メーカーである株式会社ヤクルトは、2000万に及ぶデータを分析し、顧客行動の可視化に取り組んでいます。

目的 売上内容(顧客層や落ち込みの原因など)の明確化
活用したデータ 購買データ・気象データ・Googleの検索結果・広告へのアクセス状況など
成果 売れやすい商品や売上が落ち込んだ原因が明らかになり、売上20%増

出典:ITmedia エンタープライズ

自社のデータだけでなく外部のデータも取り込み、総合的に分析することが的確なマーケティング戦略につながり、売上増を実現したのです。

5-3.【サービス業】観光客の動向をマーケティングに活用(島根県 松江市 観光文化課)

サービス業では、以下のような目的でデータ活用が行われます。

  • 顧客ニーズ・満足度の明確化
  • 的確なマーケティング戦略の策定
  • コスト削減
  • 業務の効率化

島根県松江市の観光文化課は、簡便で的確なマーケティングを目指して、観光マップアプリや観光施設からのデータを活用しています。

目的 マーケティングの適正化および効率化、施策の評価
活用したデータ 観光客の年代・性別・位置情報など
成果 観光客の行動パターンが明らかになり、それに応じたマーケティングを実現

出典:Data StaRt

顧客のデータを多角的に分析することによってニーズが明らかになり、マーケティング戦略が最適化されたのです。

5-4.【金融業】Twitterで景況感指数の調査を高速化(野村証券)

金融業では、以下のような目的でデータ活用が行われます。

  • 顧客行動の把握
  • 企業に対する融資の査定
  • 相場状況の解析

野村證券株式会社は、Twitterでのツイート内容をデータとして、景況感指数(現在の景気や今後の景気動向に対して消費者がもつ感覚)調査を行っています。

目的 景況感指数調査の効率化
活用したデータ Twitterでのツイート内容(テキストデータをAIに学習させて指数化)
成果 景況感指数調査のコスト削減と高速化

出典:NOMURA

外部データとAIを活用することで、大量のデータを取得して効率的に分析し、手間とコストを抑えることに成功したのです。

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6. こんな目標をもつ企業にとってデータ活用は非常に重要!

データ活用はどの企業にも必要なものですが、以下のような目標をもつ企業にとっては特に重要になります。

それぞれの内容について、解説していきます。

6-1. 業務の効率化やコストカットを実現したい

業務の効率化やコストカットを実現したいという企業にとって、データ活用はマストです。

なぜなら、業務の効率化やコストカットを実現するためには、何がボトルネックとなっているのかを明らかにする必要があり、それをデータ活用なくして行うのは無理だからです。

例えば、コストカットをしたい場合には、何にいくらコストがかかっているのかを可視化しなくてはなりません。そのためには、お金の流れにかかわるデータを収集・分析する必要があります。

業務の効率化やコストカットを実現したいのであれば、データ分析によって現状把握を!

6-2. DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したい

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したいという企業にとっても、データ活用は欠かせません

DXとは「デジタル技術による新たなビジネスモデルの創出」であり、その実現のためには老朽化したシステムから脱却し、消費者ニーズに即した価値を提供する必要があります。

そこで、データ活用によって業務や商品の内容を発展させていくことが不可欠なのです。

DXを推進したいのであれば、データ分析によって業務内容や顧客ニーズの見直しを!

6-3. 的確なマーケティング戦略を打ち出したい

的確なマーケティング戦略を打ち出したいという企業にとっては、データ活用が非常に強力なサポーターになります

データ活用によって以下のようなことが把握でき、「どのようなターゲットに何を行うべきか」が明確になるからです。

  • 顧客の属性
  • 顧客の購買行動
  • 商品の売れ方の特徴
  • 広告への反応

新たなマーケティング戦略を見出すだけではなく、現在の施策について評価するためにも、データ活用が役に立ちます。

的確なマーケティング戦略を打ち出したいのであれば、データ分析によってターゲットや商品価値の可視化を!

6-4. 新しいビジネスモデルを構築したい

新しいビジネスモデルを構築したいという企業にとっても、データ活用をおすすめします。

新しいビジネスモデルを見出すのに、何も土台がない状態から始めるのは非常に困難です。そして、闇雲に決定しても、需要がなく失敗に終わる危険性があるからです。

そこでデータ活用を行えば、自社のリソースや世の中のニーズに関する現状を把握し、しっかりと将来予測を立てた上で、それに応じたビジネスモデルを構築できます。

新しいビジネスモデルを構築したいのであれば、データ分析によって成功率の高い仮説立案を!

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7. データ活用の手順

データ活用に関心が湧いてきたという方のために、データ活用は実際どのように行うのかということをお伝えしておきます。

データ活用は、以下の手順で進めます。

7-1. データ活用の目的を決める

まずは、データ活用によって何を実現したいのかという目的を決めます

目的によって、必要となるデータや分析の視点が異なるためです。

例えば以下のように、明確な目的を文章化して、常に確認しながらこの後の手順を進めるようにしましょう。

  • 営業活動を効率化する
  • 生産コストを削減する
  • 売上を向上させる
  • 在庫を最適化する

加えて、「売上〇%向上」のように、できる限り数値を用いた具体的な表現にしておくと、データ活用の成果を評価しやすくなります。

7-2. データを収集する

次に、データ活用に必要なデータを収集します。

ここでは、データ活用の目的に応じて、どのようなデータが必要なのかを検討することが大切です。その際には、「2-3.【目的別】活用するデータ例」でご紹介した内容を参考にしていただければと思います。

また、社内に限らず外部データも積極的に入手しましょう。外部データは、誰でも自由にアクセスできるものもあれば、関連企業から購入するという方法もあります。

必要なデータに漏れがないというのはもちろんですが、データの数と種類が多いほど分析の質が上がるため、「これで十分か?」と繰り返し確認しながら収集することをおすすめします。

7-3. データを加工する

データを収集したら、その意味を理解しやすいように加工しましょう。具体的には、図表やグラフで表します

データそのものは文字や数字の羅列なので、ただ眺めていてもその意味するところが捉えられません。

図表やグラフという形にすることで初めて、誰が見ても理解できるようになり、議論や分析の材料として使えるのです。

7-4. データを分析する

データを加工したら、分析を行いますデータ分析とは、データの意味を読み取ることです

図表やグラフ化されたデータを注意深く観察し、以下のような観点に当てはまるものがないか探っていきます。

規則性 一定のルールで繰り返される事象はあるか
異常値 データ全体から突出する値はあるか
因果関係 特定の原因によってもたらされた結果はあるか
相関関係 条件と結果の間に密接なかかわりがあるか

この作業によって、データのもつ特性が明らかになり、ビジネスにどう活かすかのヒントが得られます。

【データ分析ツールによる主な手法】

データ分析の基本的な考え方はご紹介した通りですが、実際にはExcelや統計ソフトを使用することが多いです。これらのツールによる主な手法には、以下のようなものがあります。

  • クロス集計

データを属性ごとに分け、その属性の傾向を把握する分析手法。

例えば、居住地や年齢・性別などの属性によって顧客ニーズがどのように違うかということを把握できます。

  • クラスター分析

ある集団の中から似た特徴のものを集め、グループを形成する分析手法。

例えば、アンケート結果や購買履歴に基づいて、顧客を「流行への関心が強いグループ」「高級志向のグループ」などに分類することができます。

  • アソシエーション分析

データ間にある相関関係を明らかにする分析手法。

例えば、「商品Aは商品Xと同時に購入されやすい」といった関係性を見出すことが可能です。

  • ロジスティック回帰分析

「ある事象の発生率」を判別する分析。

例えば、顧客が「DMに反応する確率」「購入する確率」などを予測することができます。

7-5. アクションプランを策定する

データ分析をしたら、それによって掴んだ現象や傾向を基に、目的を達成するためのアクションプランを策定します。

データ分析の結果に基づいて、何をどのようにすれば目的を達成できるのかを具体的に考えましょう。

7-6. プランの効果を検証する

アクションプランを策定して実践したら、その効果について検証します。

効果の検証なくしてアクションプランの成功はあり得ないからです。仮に最初の実践で成果を挙げたとしても、その理由や持続可能性を検証しなければ、まぐれ当たりで終わってしまうかもしれません。

最初に設定した目的をどの程度達成できたのか、これもまたデータに基づいて評価しましょう。

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8. データ活用の成果を上げるためのポイント

最後に、データ活用の成果を上げるにはどのようなことに配慮すればよいのかについて、お伝えしておきます。

データ活用の成果を上げるためには、以下のようなポイントをおさえることをおすすめします。

それぞれの内容について、解説していきます。

8-1. 目的を明確にする

データ活用の成果を上げるために欠かせないのは、目的を明確にするということです。

なぜなら、目的が不明確なままにデータ活用を行った場合、「一応一通りの手順を踏んではみたものの、本来必要なアクションプランを見出せない」ということになる可能性が高いからです。

それどころか、データ収集と分析の方向性が掴めずに、頓挫することさえあり得ます。

そのため、データ分析の最初の手順として、目的を定めて明文化し、それに照らしながら進めていくことが必要なのです。

8-2. 信頼できるデータを使用する

データ活用の際に必ず守るべきは、信頼できるデータを使用するということです。信頼できるデータとは、数値や単位に誤りがなく、事実を正確に表しているデータということです。

誤ったデータや事実に反するデータを使用すると、正しい分析結果が得られません。

そのため、データ活用に使用するデータは、事前にしっかりと正誤確認し、収集の際にバイアスがかかっていないものを吟味することが大切です。

8-3. 専任担当者を育成する

データ活用の専任担当者を育成するということも、とても重要です。

効果的なデータ活用を行うためには以下のようなスキルが必要ですが、これらを備えた人材が最初から社内にいるというケースは少ないでしょう。

  • 情報科学について理解し、実行する力
  • ビジネス課題を解決する力
  • データ活用に基づく施策を運用する力

また、本格的にデータ活用に取り組んで成果を上げていくためには、他の業務と兼任するというスタンスでは難しい場合があります。

そのため、データ活用にかかわるチームの中心となり、関連業務を全面的に担える人材を確保することが必要です。

8-4. BIツールやサポート企業を活用する

BIツールやサポート企業を活用するというのも、データ活用の成果を挙げるために効果的です。

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは、データの集計や分析を行うソフトウエアのことです。BIツールを使えば、専門的な知識がなくても簡単にデータの分析結果を参照することができます。

また、データ活用をサポートしてくれる企業も存在します。データ活用の一部をスポットで代行してもらう、一連の手順をコンサルティングしてもらうなど、ニーズに合わせて利用することができます。

このように、BIツールやサポート企業を活用すると、効率的にデータ活用を進めることができます

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9. データ活用で成果を挙げたい方はNTT東日本にご相談ください

データ活用を本格的に始めたい、しっかりと成果を挙げたいという場合には、ぜひNTT東日本にご相談ください。

NTT東日本では、御社のデータ活用を成功させるための体制が整っております

その理由について、ご紹介いたします。

9-1. データ活用に不可欠な基盤の構築をサポート

NTT東日本では、以下のクラウドサービスの導入・運用をサポートしております。

  • Amazon Web Services(AWS)
  • Microsoft Azure
※Amazon Web Services(AWS)は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。 ※Microsoft Azureは、米国Microsoft Corporationおよびその関連会社の商標です。

データ活用には、大量のデータを保存し必要なときに取り出せる「基盤」というシステムの整備が欠かせません。そして、データ活用基盤にはデータを一元管理できるクラウドサービスが最適です。

NTT東日本では、150社以上の導入実績を誇る有資格者500名のエンジニアによるクラウド化サポートを行っております。

9-2. データエンジニア×クラウドのプロが成功をリード

NTT東日本では、基盤の構築に加えて、データ活用そのものについてもサポートさせていただきます。

Amazon Web Services(AWS)の認定資格をもつエンジニアが、データ収集・管理・分析×クラウドのプロフェッショナルとして、御社のデータ活用をワンストップでお手伝いいたします

※グローバルシェア1位のクラウドサービス提供事業者

クラウド移行からAI活用まで、ニーズに応じてデータ活用の成功をリードしますので、ぜひご要望をお聞かせください。

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10. まとめ

データ活用とは、「データをビジネスに役立てること」をいいます。社内外にあるさまざまなデータを収集し、その意味するところを分析して、得られた結果を基に業務改善や事業の発展を目指す取り組みです。

データ活用に使用するデータには、「社内データ」と「外部データ」の2種類があります。

それぞれの主な内容は以下の通りで、データ活用の成果を挙げるためには「目的に見合ったものを」どちらも収集していくことが大切です。

社内データ

企業内に蓄積されているデータ

  • 売上データ(売上高・販売数・原価・顧客単価など)
  • 顧客データ(属性・購入履歴・問い合わせ内容など)
  • 商談データ(件数・成約率など)
  • 広告データ(DM反応率・アクセスログ・クリック数など)
  • 製品データ(設計・部品・設備状況など)
  • 業務データ(内容・手順・所要時間・担当者の動きなど)
  • 人事データ(人員・労働状況・人件費など)
外部データ

企業の外、世の中に存在するデータ

  • オープンデータ(政府や地方公共団体から提供されるデータ、統計資料など)
  • インターネット検索データ
  • SNSデータ
  • 経済情勢データ
  • 気象データ
  • 位置・交通データなど

データ活用を行うと、以下のようなメリットを得られます。

一方で、データ活用の課題としては、以下のようなものが挙げられます。

データ活用は、どのような業種でも実践可能です。本文中では、以下の業種における実際例をご紹介しています。

  • 製造業(デンソー)
  • 小売業(ヤクルト)
  • サービス業(島根県 松江市 観光文化課)
  • 金融業(野村証券)

データ活用はどの企業にも必要なものですが、以下のような目標をもつ企業にとっては特に重要になります。

実際にデータ活用を行う際には、以下の手順で進めます。

データ活用の成果を上げるためには、以下のようなポイントをおさえることをおすすめします。

デジタルシフトが進み、顧客ニーズが多様化する現代を生き残るためには、データ活用が欠かせません。ぜひこの機会に、本格的な取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

データ活用の基盤としてクラウドを検討されている方は、
NTT東日本へお気軽にお問い合わせください。

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