COLUMN

【成功事例3選】攻めのITとは|攻めのITへの4ステップ

「攻めのITとは何だろう」

「攻めのITにするにはどうすればいいんだろう」

そうお考えではありませんか?

結論からお話しすると、攻めのITとは以下のようなことです。

「守りのIT」は、作業の効率化やコストカットのためにITを取り入れることなのに対して、「攻めのIT」はITを活用し新しいビジネスによる利益の拡大や新規顧客の獲得を指します。

実は経済産業省の発表では、2025年までに「攻めのIT」へと転換しないと、それ以降毎年最大で12兆円ずつの赤字が出ていくと発表されているのです。

世界的に攻めのIT化(DX化)が進んでいるため、今の現状を維持していては世界から置いて行かれてしまいます。

そうならないために、攻めのITとは何なのかを理解し、攻めのITへと変革していく必要があります。

この記事では、

◉攻めのITとは何か

◉攻めのIT投資の成功事例3選

◉攻めのITに転換する4つのステップ

◉攻めのITにするにはクラウドサービスがおすすめな理由

◉攻めのITに転換するためにおすすめなクラウドサービス3選

◉攻めのIT化ならサポート会社がおすすめ

について解説していきます。

この記事を最後まで読むと、攻めのITとは何なのか・攻めのITへ転換するにはどうすればよいかが分かります

攻めのITに興味がある方は最後までお読みになってくださいね。

目次:

1.攻めのITとは
1-1.攻めのITとは
1-2.守りのITとは
1-3.攻めのITに転換する必要性「2025年の壁」
2.攻めのIT投資の事例3選
2-1.【小売業】2022年DXグランプリ!7年連続で選ばれているニチガス「日本瓦斯株式会社」
2-2.【機械業】2020年DXグランプリ!過去6回選ばれている「株式会社小松製作所」
2-3.【事例】アサヒグループホールディングス
3.攻めのITに転換する4つのステップ
3-1.【STEP1】IT導入期
3-2.【STEP2】置き換えステージ
3-3.【STEP3】効率化ステージ|守りのIT
3-4.【STEP4】競争力強化ステージ|攻めのIT
4.攻めのITを積極的に行っていくべき企業
4-1.世界進出している・世界進出を考えている企業
4-2.大企業・上場企業
4-3.新しい商品やサービスなど新たな価値創出をしたい企業
5.攻めのITにするためにクラウドサービスがおすすめな理由
6.攻めのITに転換するためにおすすめなクラウドサービス
6-1.AWS
6-2.Microsoft Azure
6-3.Google Cloud
7.攻めのIT化ならサポート体制バツグンなパートナー会社への相談がおすすめ
7-1.パートナー会社とは
8.攻めのITへの転換なら導入実績が豊富でサポート体制抜群なNTT東日本「クラウドソリューション」へ
8-1.AWS・Azure認定のプロが中立的に提案・ご支援
8-2.150社以上の導入実績を持つ安心・信頼のおけるサポート
9.まとめ

1.攻めのITとは

ITへの投資は「攻め」と「守り」に分類されます。

ここでは「攻めのIT」とは何か、どんなことが攻めのITに入るのか、守りのITと比較しながら解説していきます。

1-1.攻めのITとは

攻めのITとは、ITを活用することで今までのビジネスの在り方を変え、新しいビジネスによる利益拡大販売力アップ、新規顧客の獲得を目標とすることです。

    【攻めのITの具体例】

    • ECサイトなどの運営によるオムニチャネル化
    • ビックデータを元に消費行動を分析し、新規顧客を開拓するためのアイデア計画
    • IoTの利用
    • AI導入で対人コミュニケーションをオートメーション化

このように、ITを利用して新しいビジネスモデルへ変換していくことを「攻めのIT」といいます。

1-2.守りのITとは

一方で、守りのITとは、今あるビジネスモデルを変えずに、ITによる作業の効率化コスト削減を目指すことです。

    【守りのITの具体例】

    • ITインフラをクラウド化すること
    • データ管理、統合
    • セキュリティシステムの定期メンテナンス
    • 生産や販売を管理し業務システムを自動化する
    • 業務プロセスを見える化し、自動化ツールを開発する
    • EPRシステムによる情報の一元管理

このように、今あるビジネスモデルを変えずにコストカットや作業の効率化をすることを「守りのIT」といいます。

1-3.攻めのITに転換する必要性「2025年の壁」

「攻めのIT」と「守りのIT」の意味がお分かりいただけたかと思いますが、日本企業も攻めのITに転換していく必要があります。

攻めのITに転換する必要がある理由としては、今のままでは日本企業は世界に置いて行かれてしまうからです。

経済産業省が設置した研究会が2018年にまとめた「DXレポート」によると、2025年までにDX推進(IT化)が進まないと、2025年移行に毎年12兆円(2018年の3倍)の経済損失が出る可能性があると述べています。

これを「2025年の壁」と呼んでいます。

このようになってしまっている原因として、今の日本の多くの企業のレガシーシステム(老朽化・複雑化したシステム)が攻めのITに転換する足かせになっているのです。

出典:経済産業省

この老朽化・複雑化した現在のシステム構築を見直し、攻めのITへと変換していく必要があるのです。

2.攻めのIT投資の事例3選

前章では、攻めのITとはどういうものか解説しました。

しかし、攻めのITの概要が分かっても、具体的には企業でどういうことが取り入れられているのか、自社ではどういうことを取り入れていけば攻めのITになるのかが、いまいちピンときませんよね。

ここでは、攻めのIT投資の成功事例を3つ紹介します。

攻めのITとは具体的にどういうことを取り入れていくのか参考にしてみてくださいね。

2-1.【小売業】2022年DXグランプリ!7年連続で選ばれているニチガス「日本瓦斯株式会社」

日本瓦斯株式会社(ニチガス)は、総合エネルギー会社です。

ニチガスは2016年~2021年の7年間連続でDX銘柄に選ばれ、2022年はDX銘柄のグランプリになりました。総合エネルギー会社として先進的でユニークなIT化に取り組んでいます。

ニチガスの攻めのITへの取り組みとして、以下の2つのことが挙げられます。

ニチガスの攻めのITへの取り組み
  • ①IoTでLPガスの容器交換を変革「スペース蛍」
  • ②収集したデータをAIによって分析し物流を効率化したLPG託送「夢の絆」

それぞれ解説していきますね。

出典:DXの取り組みで目指すストーリー

2-1-1.取り組み その1「IoTでLPガスの容器交換を変革:スペース蛍」

スペース蛍」は、ガスメーターをオンライン化するIoT機器のことです。

スペース蛍でできること
  • ガスの自動検針

  • ガスメーターの開閉を遠隔操作できる
  • ガスボンベの内容量を1時間ごとに自動検知し、データ管理が可能に
  • リチウムイオン電池1本で10年自動稼働
  • 2分で装着完了!導入・運用コストが低い
  • 最適なデータサービスの提供
  • 他のインフラ(水道や電気など)への汎用性
  • スマホアプリ「マイニチガス」と併用で検針票の発行が不要に
スペース蛍を導入して変わったこと
  • 自動検針ができるので、検診業務のコスト削減
  • 実際のガスの使用量が正確に把握でき、これまで予測で行っていたガスの製造のムダを削減

スペース蛍をガスメーターに取り付け、オンライン化したことで検診業務のコストカットや、正確なデータ取得による安定したガスの製造・供給が可能になりました。

2-1-2.取り組み その2「LPG託送 夢の絆」

LPG託送」とは、ガスの検診~ガスの製造・充填までの一連のサイクルで集めたデータをAIのディープラーニングによって分析・処理し物流の効率をアップするLPガス配送の仕組みです。

ニチガスはLPG託送の拠点として「夢の絆」と呼ばれる世界最大規模のLPガスハブ充填基地を建設しました。ここで、充填基地・スペース蛍・デポステーション・業務管理システム「雲の宇宙船」を連動して即時にデータを連携し、配送の効率化を図っています。

LPG託送「夢の絆」でできること
  • 「スペース蛍」のガスの使用情報と、ボンベの在庫実績データを元にAI解析し最適な製造計画を作成
  • 自動認証ゲートを設置し、ボンベに貼られたバーコードを感知しボンベのトレーサビリティが実現
  • ボンベの容器検査やレーン分け
LPG託送「夢の絆」を導入して変わったこと
  • ガスの補充などのスケジュールが組みやすくなり効率よくガスの配給ができるようになった

2-2.【機械業】2020年DXグランプリ!過去6回選ばれている「株式会社小松製作所」

株式会社小松製作所は「コマツ」という名前で知られており、パワーショベルやバックホーなど建設機械を製造する会社です。

コマツは創業100年を超える老舗の製造会社ですが、デジタル化においても製造業界を先導しています。これまで6回もDX銘柄として選ばれ、2020年にはグランプリになりました。

コマツの攻めのITへの取り組みとしては、大きく以下のことが挙げられます。

コマツの攻めのITへの取り組み
  • ①建設機械をIoT化し、稼働管理ができる「コムトラックス」
  • ②「スマートコンストラクション」

それぞれ解説していきますね。

出典:株式会社小松製作所

2-2-1.コマツの攻めのITへの取り組み その1「コムトラックス」

コムトラックスとは、コマツが開発した機械の情報を遠隔管理するためのシステムのことです。機械の稼働情報や警告情報を収集し、稼働管理やメンテナンス管理のサポートを行います。

具体的には、このようなことができます。

コムトラックスでできること
  • 稼働掲示板:保有機械の稼働状況が一覧表示し、事務所にいても工場や遠隔地の稼働状況が分かる
  • 稼働管理:稼働データを時系列にグラフ表示し稼働状況と生産数の推移が分かる
  • 品番管理:品番ごとの生産実績を集計する。品番別の生産数、稼働時間、段取り時間などが分かる
  • 日報作成:1日の生産結果をコムトラックスが報告。正確な稼働時間と生産情報を集約した日報をレポート形式で出力できる
  • 保守管理:保守部品のライフサイクルを管理する。新品の部品へ交換する適切なタイミングが分かる。
  • 警告・エラー:機械の異常、警告の内容を記憶する。コマツが遠隔から確認できるのでサポート面も安心。

このように、コマツがコムトラックスというシステムを導入し、建設機械が初めてIT化したことで、機械の稼働状況が見える化し、作業効率が向上し、機械のメンテナンスがスムーズに行われるようになりました。

2-2-2.コマツの攻めのITへの取り組み その2「建設現場のDX スマートコンストラクション」

スマートコンストラクションとは、コマツが開発した建設現場のソリューションサービスです。

スマートコンストラクションでできること
  • ✓人が行っていた建設現場の測量・調査をドローンが行うことでスピーディかつ正確な測量が可能
  • ✓ドローンで得た情報を元に、設計図・施工計画書の3Dデータ作成
  • ✓建設機械(ショベルカーなど)にICT建機が装着され、オペレートをスムーズ・安全に

【スマートコンストラクションの商品】

  • ドローンを使った三次元測量
  • これまで手作業で行ってきた測量をドローンで測量できる

ステレオカメラ搭載PC200i(ショベルカー)

  • ワンタッチ操作でショベルカー前方の地形を計測でき、オペレーションをスムーズにする。掘削した土の重量を確認できる。

トラックビジョン

  • クラウドシステムでトラックの運行管理ができ、安全管理ができる。
2-2-3.攻めのITにした(DX化した)ことでどのように変わったか

攻めのITを取り入れたことで、このような変化がありました。

  • すべての現場の稼働状況がリアルタイムで把握できる
  • 稼働状況を確認できるので、作業の効率化が図れる
  • 建設機械のメンテナンスのタイミングが分かる
  • 測量を手作業で行っていた時より大幅な時間短縮&正確な測量が可能になった
  • 建設機械のオペレーションはベテランと慣れていない人で作業のクオリティーにバラつきがあったが、画面で操作を教えてくれるので慣れていない人も操作が簡単になった
  • 人と機械の接触事故が多かったが、危険を察知し事前に警告したり、操作がストップしたりすることにより事故が減った
  • 掘削した土の量を測量でき、トラックの土積裁量も把握できるので、最大限載せられ、過積載防止にもなる

このように、建設機器を製造する株式会社小松製作所では、建設機械に攻めのITを取り入れることで、建設現場で作業効率アップ・安全性アップ・正確性アップにつながる機械の製作を実現させています。

2-3.【事例】アサヒグループホールディングス

次の事例はビールやジュースなどの飲料水メーカーとして有名なアサヒグループホールディングスです。

アサヒグループはデジタル社会に向け、DX化促進のために2019年にグループ理念「Asahi Group Philosophy(AGP)」を制定し、「VC室(Value Creation室)」を設けました。

このVC室は、新しい価値の創出を目的として設立されました。

新しい価値を創出するためにはDXは必要不可欠。なぜなら、デジタル技術なしでも新しい価値が生み出せればそれでいい。

しかし、趣味嗜好が多様化するデジタル社会で、新しい価値創出を行うにはデジタルやデータを中心とした新しい技術の活用は不可欠であると考えているから。

アサヒグループの攻めのITへの取り組み
  • ①AIとVR技術の連動による商品デザインパッケージの作成「AIクリエーターシステム」
  • ②顧客データ分析による新しい価値の創造

それぞれ解説していきますね。

出典:アサヒグループホールディングス

2-3-1.取り組み その1 商品デザインパッケージの作成「AIクリエーターシステム」

アサヒグループではAIの技術を商品パッケージのデザイン作成に活用しています。

AIクリエーターシステムでできること
  • ✓トレンドを取り入れた新しいデザイン案の作成「デザイン生成システム」
  • ✓作成されたデザイン案を評価し点数をつける「デザイン評価システム」
  • ✓作成されたデザインをVRで実際に見ることができる
AIクリエータ―システムを導入して変わったこと
  • ✓お客さまの目に留まるトレンドをキャッチしたデザインを素早く作成できる
  • ✓人間では思いつくのが難しいアイデアを生み出すことができる
  • ✓作成したデザインが本当に良いものなのかデザインを揉む時点で知れる
  • ✓デザインパッケージを実際に商品化せずにVRですぐに確認できるようになった

「AIクリエーターシステム」を活用することで、常に移り変わる世の中のトレンドを素早くキャッチし、お客さまの心に響くようなパッケージデザインを商品化できるようになりました。

2-3-2.取り組み その2 データ分析「Digital Experience Platform」

次にデータ分析をする「Digital Experience Platform」です。

アサヒグループは酒類の製造をはじめ、飲料水の製造、食品事業などさまざまな事業を展開しています。そんな特色を活かし、それぞれの会社が持っている膨大な顧客データを合わせて分析することで、消費者の生活に寄り添った新しい価値提供のために使用しています。

3.攻めのITに転換する4つのステップ

ここでは、「攻めのIT」に転換する4つのステップについて詳しく解説していきます。

攻めのITへ転換するためには以下の4つのステップがあります。

    STEP1:IT導入期

    STEP2:置き換えステージ

    STEP3:効率化ステージ

    STEP4:競争力強化ステージ

それぞれ解説していきますね。

3-1.【STEP1】IT導入期

ITを導入する前の、業務のすべてをアナログで行っている段階です。

例えば、以下のような状況です。

    • 帳簿や伝票などはすべて紙の書類
    • 経理の処理も帳簿
    • 情報伝達は電話、手紙、面談
    • 分からないことを調べる時は、誰かに聞く、紙の書類から記録を探す

すべての管理をアナログで行っているため、書類の管理が重要になってしまい、書類がない場所だと作業ができない・書類をなくしてしまうと一大事になるということになります。

また会社内の連絡伝達も遅く、全員に伝わっているかも確認が難しく、クレーム処理も時間がかかります。

3-2.【STEP2】置き換えステージ

「置き換えステージ」は、事務処理などにパソコンを導入するなど、少しITを取り入れ始めた段階です。

例えば、以下のような状況です。

    • 連絡手段をメールにして、社内全員に一斉に連絡可能。
    • 経理処理を会計ソフトやエクセルで行う
    • 資料も手書きではなく、ワードで作成

このように、業務にパソコンが使用されるようになった頃が置き換えステージとなります。

3-3.【STEP3】効率化ステージ|守りのIT

「効率化ステージ」は、業務の多くにITを取り入れる段階です。生産性の向上をテーマとし、効率化・自動化を目指し、業務フロー全体をITへ置き換えていきます。

例えば、以下のような状況です。

    • 業務フローのデジタル化
    • 営業分析にITを利用する
    • 公式サイトの作成
    • データ管理、統合
    • セキュリティシステムの定期メンテナンス
    • 生産や販売を管理し業務システムを自動化する
    • 業務プロセスを見える化し、自動化ツールを開発する
    • EPRシステムによる情報の一元管理

このように、「効率化ステージ」では業務フローにITが組み込まれ、効率的に作業できるようになっています。

ここは、冒頭でお話しした「守りのIT」の段階で、日本企業の多くがこの段階です。ここから「攻めのIT」へと一歩踏み出して次のステップへと移ることが求められています。

3-4.【STEP4】競争力強化ステージ|攻めのIT

「競争力強化ステージ」は、業務を効率化し生産性をアップするためのIT導入を終え、ITを利用し新しいビジネスモデルの構築と販売力アップ・新規顧客獲得をテーマとしています。

例えば、以下のような状況です。

    • ECサイトなどの運営によるオムニチャネル化
    • ビックデータを元に消費行動を分析し、新規顧客を開拓するためのアイデア計画
    • IoTの利用
    • クラウドサービスを導入し新しい管理システムを構築
    • AI導入で対人コミュニケーションをオートメーション化

このように、ITを利用することで新しいビジネスモデルの構築や、新規顧客の獲得や販売力アップを目指すのが「競争力強化ステージ」であり、ここが政府の目指す「攻めのIT」の段階となります。

現在日本企業は守りのITの段階が多いです。攻めのITへと転換するためには、業務の多くをシステム化し、業務に必要な情報をデータベース化する必要があります。

その上で、ITを新しい商品やサービス、ビジネスモデルの開発、競争力の強化に活用していくのです。

4.攻めのITを積極的に行っていくべき企業

経済産業省が2025年までにDX化(攻めのIT化)を推奨していますが、ここでは、「攻めのIT」を特に積極的に行っていくべき企業についてお話ししています。

攻めのITを特に積極的に行っていくべき企業の特徴は次の3つです。

それぞれ解説していきます。

4-1.世界進出している・世界進出を考えている企業

世界進出している・世界進出を考えている企業は攻めのIT化を積極的に取り組んでいきましょう。

その理由は、IT化は世界的に進んでいるからです。現に、1章の「2025年の壁」でもお話ししたように、このままIT化が進まないと日本企業は世界に取り残されてしまうと経済産業省も危惧しています。

それは、世界的な企業の方が日本企業よりIT化が進んでいるということなのです。

2章でお話しした攻めのIT成功事例の企業を見ても、「小松製作所」は建設機器メーカーとして世界で上位シェアを持っています。逆を言えば、建設機器にいち早くITを取り入れ建設現場の問題解決・作業効率化を図ったからこそ、現在も世界で活躍できているのです。

したがって、特に世界進出している・世界進出を目指している企業は、攻めのITを積極的に取り組む必要があります。

4-2.大企業・上場企業

大企業をはじめ、店舗数や従業員数が多い企業も積極的に攻めのITに取り組む必要があります。

なぜなら、大企業ほど作業工程や管理が複雑で、改革すべきところが見えづらくなっているからです。

実際に経済産業省が提唱するDX企業も、東京取引証券所に上場している企業から選定されており、大企業ほど攻めのITへ転換する必要があることが分かります。

こちらは2021年に、DX企業として選ばれた企業名と業種の一覧です。

企業名
  • 株式会社日立製作所(電気機器)
  • SREホールディングス株式会社(不動産業)
  • 清水建設株式会社(建設業)
  • アサヒグループホールディングス株式会社(食料品)
  • 旭化成株式会社(化学)
  • 中外製薬株式会社(医薬品)
  • 出光興産株式会社(石油・石炭製品)
  • 株式会社ブリヂストン(ゴム製品)
  • JFEホールディングス株式会社(鉄鋼)
  • 株式会社小松製作所(機械)
  • 日本電気株式会社(電気機器)
  • ヤマハ発動機株式会社(輸送用機器)
  • 株式会社トプコン(精密機器)
  • 凸版印刷株式会社(その他製品)
  • 東日本旅客鉄道株式会社(陸運業)
  • SGホールディングス株式会社(陸運業)
  • 日本郵船株式会社(海運業)
  • 日本航空株式会社(空運業)
  • ソフトバンク株式会社(情報・通信業)
  • トラスコ中山株式会社(卸売業)
  • 株式会社セブン&アイ・ホールディングス(小売業)
  • 日本瓦斯株式会社(小売業
  • 株式会社りそなホールディングス(銀行業)
  • 東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社(証券、商品先物取引業)
  • MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社(保険業)
  • 東京センチュリー株式会社(その他金融業)
  • 株式会社GA technologies(不動産業)
  • 株式会社ベネッセホールディングス(サービス業)

出典:経済産業省「DX銘柄2022」

このように、業種関係なく、店舗数や従業員数が多い大企業、上場企業は特に攻めのITを取り入れていく必要があります。

4-3.新しい商品やサービスなど新たな価値創出をしたい企業

新しい商品やサービスなど新たな価値創出をしたい企業も、積極的に攻めのITに取り組む必要があります。

なぜなら、現代は趣味嗜好が多様化するデジタル社会になっており、新しい価値創出を行うにはデジタルやデータを中心とした新しい技術の活用は不可欠であるからです。

ITを使わなくても、新しい価値の創出ができれば問題ありませんが、周りがIT化して新しく変革していく中で、人間の経験や勘を元にしたアイデアだけで立ち向かっていくのは難しくなっているのです。

そこで、AIなどデジタル技術を使用することで、これまでの収集したデータ結果を元に新しいビジネスチャンスや製品の提案をしてくれるのです。

現に、2章で紹介した「アサヒグループホールディングス」は、新しい価値を創出するにはデジタルが不可欠ということで、デジタル化に積極的に取り組んでいます。

このように、新しい商品やサービスなど新しい価値創出をしたい企業は、積極的に攻めのITに取り組む必要があります。

5.攻めのITにするためにクラウドサービスがおすすめな理由

攻めのITにするためにクラウドサービスがおすすめな理由として、ビジネスアジリティの向上に素早く対応できるからという理由があります。

【ビジネスアジリティとは】

ビジネスアジリティとは、ビジネスの環境変化に迅速に対応する能力のこと。

冒頭でお話ししたように、「攻めのIT」は新しい商品やサービスの開発など新しいビジネスモデルを取り入れていくことを指します。

現代は環境が目まぐるしく変化し、ビジネスにおいても未来の予測が困難な状況です。このように日々変化している世の中で生き残る企業になるにはビジネスアジリティの向上が非常に重要です。

そしてビジネスアジリティを向上には新しいアイデアを生み出し、素早く事業化する体制が欠かせません。その臨機応変に素早く事業化できる体制を作れるのがクラウドサービスなのです。

オンプレミスの場合は、新しいサービスなどを作る時に、必要な機能が備わっていない場合は、システムを導入して構築するのに時間がかかってしまい、迅速さに欠けます。

一方でクラウドサービスは拡張性が高く、必要なシステムを必要な分だけすぐに導入することができるので、すぐに事業化することができるのです。

現代は新しいアイデアをすぐに事業化することが需要なので、拡張性が高く迅速に対応できるクラウドサービスがおすすめなのです。

6.攻めのITに転換するためにおすすめなクラウドサービス

攻めのITへと転換するには、クラウドサービスの導入がおすすめだということがお分かりいただけたでしょうか?

ここでは、おすすめのクラウドサービスを3つ紹介します。ここで紹介するのは3大クラウドサービスと呼ばれる次の3つです。

    • Amazonが提供する「AWS」
    • マイクロソフトが提供する「Azure」
    • Googleが提供する「Google cloud」

それぞれ解説していきますね。

6-1.AWS

AWSは、ネット通販や動画配信サービスで有名な「Amazon」が提供するクラウドサービスです。

AWSは歴史が長く、豊富なサービスが売りです。先ほどの図で見ても分かるように、AWSはクラウドシェアの35%近くをとっており、世界で一番利用されているクラウドサービスです。

もともとはAmazon自身のインフラを整備するために作られた自社サービスですが、それを他社向けに展開しています。

AWSサービスの特徴
  • サービスが豊富(約200種類)
  • 最高レベルのセキュリティ
  • 最新のテクノロジーへ常にアップデート
  • 16年以上にわたり何百万社に利用されてきた運用実績
  • AWSを扱う技術者の数が多いので利用しやすい
  • AWSの解説が多くあるので困った場合の解決がしやすい

AWSの一番の特徴と言えば、他のどのクラウドサービスよりもサービスが豊富なことです。2022年時点のサービス数は220種類にもおよび、それぞれのサービスが豊富な機能を備えています。

AWSは、「想定できるあらゆるものを構築できる」と謳っています。こう断言できるのは、AWSを、アマゾンショッピングやアマゾンプライムなどの自社サービスで利用していることをはじめ、16年以上にわたり大企業や政府機関などへサービスを提供しているからです。

また、セキュリティも最高レベルで、軍隊や世界展開している銀行など高い機密性が求められる組織も利用しています。

AWSは常に最新テクノロジーの開発に努めており、革新させています。今後もその時代、その時代の最先端の技術を取り入れていくことが期待されるでしょう。

6-2.Microsoft Azure

AzureはWindowsを手がけるマイクロソフト社が提供するクラウドサービスです。

AWSやGoogle cloudと並び3大クラウドとサービスと呼ばれています。

コンピューティングやストレージ・セキュリティからデータ分析・AIまで多様なサービスを利用可能なAzureは、小売りサービス・製造業・金融サービスから医療・行政まで幅広い業界で活用されるクラウドサービスです。

Azureサービスの特徴
  • Windowsをベースに構築されたサービスのため、Microsoft製品との親和性が高い
  • WindowsベースのITインフラを構築した企業にとって違和感なく利用できる
  • Office365や社員管理に使うActive DirectoryなどのMicrosoftツールとの連携がしやすい
  • オンプレミス環境との連携がしやすい

6-3.Google Cloud

Google cloudは、Googleが提供するクラウドサービスです。

Amazonが提供するAWS、マイクロソフトが提供するAzureとともに3大クラウドサービスと呼ばれています。

検索エンジンのGoogleや、ストレージのGoogleドライブなど、Googleが展開するさまざまなサービスに利用されているサーバー基盤・データサービスといったインフラや分析・AIの技術などを、クラウド上で手軽に利用することができます。

Google cloudサービスの特徴
  • AI開発、機械学習、ビッグデータの高速分析が得意
  • 世界中にGoogle専用のネットワークがあるので3大クラウドの中でもグローバル展開に強い
  • 分析やAIの初心者から簡単に使えるタイプから、本格的なタイプまで使う人のレベルやニーズに応じて適したツールを選ぶことができる。

7.攻めのIT化ならサポート体制バツグンなパートナー会社への相談がおすすめ

前章で、クラウドサービスを利用する際のおすすめ会社について紹介しました。

攻めのITへ転換するにはサポート体制がしっかりしているパートナー会社への相談がおすすめです。

ここでは、

  • パートナー会社とは何なのか?
  • おすすめのパートナー会社はどこがあるのか

について解説していきますね。

7-1.パートナー会社とは

パートナー会社とは、クラウドサービス事業者とパートナー契約を結び、クラウドサービス事業者のサービスを取り扱っている事業者のことです。

クラウドサービスを利用する場合、以下の2つの方法があります。

    【クラウドサービスを利用する方法】

    • クラウドサービス事業者と直接契約する方法
    • パートナー会社経由で契約する方法

前述した通り、クラウドサービスを利用するならパートナー会社への相談がおすすめです。その理由は、パートナー会社に依頼すると専門資格を持った方がしっかりとサポートしてくれるからです。

クラウド会社と直接契約する場合、「どのサービスを利用するか・どのシステムとどのシステムを組み合わせるか」といったシステムの構築を、自社にITに詳しい方がいないとできません。

しかし、パートナー会社に相談すると、専門資格を持ったITに詳しい方に相談ができます。

「こういったことをしていきたいのだけどどうすればいいか?」などと相談をすることで、「これを取り入れることで、こういったサービスができるようになりますよ」「こういうこともできますよ」といったアドバイスをもらえます。

専門業者に相談することで、予算や今後の展開などを相談しながらIT化を進められるのでおすすめです。

8.攻めのITへの転換なら導入実績が豊富でサポート体制抜群なNTT東日本「クラウドソリューション」へ

攻めのITへの転換をお考えなら、導入実績が豊富でサポート体制抜群なNTT東日本「クラウドソリューション」へご相談ください。

NTT東日本では、Amazonの「AWS」・マイクロソフトの「Azure」とパートナー契約を結んでおり、導入のサポートを致します。

NTT東日本を選ぶ理由は以下の2つです。

8-1.AWS・Azure認定のプロが中立的に提案・ご支援

NTT東日本には「AWS」「Azure」の認定を受けるクラウドのプロが多数在籍しています。

    • うちはオンプレとクラウド、どちらが向いているのかな?
    • うちに必要なサービスはAWS・Azureどちらがいいかな?また、ベストなサービスはどれかな?
    • 攻めのITへと転換していくために、どこから手を付けていけばいいかな?

このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひNTT東日本へご相談ください。

「攻めのIT」は特に、クラウド化の中でもハイレベルですので、クラウドのプロに相談するのがベストです。貴社のご要望をお聞きし、攻めのIT化へ向けた最適なサービスやプランの設計・導入・運営まで、中立的にしっかりサポートいたします。

8-2.150社以上の導入実績を持つ安心・信頼のおけるサポート

NTT東日本は、これまで150社以上の導入実績があります。150社以上の導入をしてきたからこそ、あなたにあった攻めのIT化の方法をご提案できます。

    • ECサイトなどの運営によるオムニチャネル化
    • ビックデータを元に消費行動を分析し、新規顧客を開拓するためのアイデア計画
    • IoTの利用
    • クラウドサービスを導入し新しい管理システムを構築
    • AI導入で対人コミュニケーションをオートメーション化

このように攻めのITへ転換する方法はもちろん、「どのようにクラウド化していけば良いか分からない」「クラウドのプロに相談しながら進めていきたい」という方も大歓迎です。

まずはぜひ、ご相談ください。

NTT東日本に相談する

  • Amazon Web Services(AWS)は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
  • Microsoft Azureは、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
  • Google Cloudは、Google LLC の商標または登録商標です。

9.まとめ

いかがでしたか?

攻めのITとは何か分かり、攻めのITにするにはどうすればよいか判断できたと思います。

最後にこの記事をまとめますと

◎攻めのITとは

◎攻めのITへ転換する4つのステップは

STEP1:IT導入期

STEP2:置き換えステージ

STEP3:効率化ステージ

STEP4:競争力強化ステージ

◎攻めのITへの転換にクラウドサービスがおすすめな理由は

  • 低コストだから
  • 導入までが早いから
  • 世界展開しやすいから
  • トラブル対応は事業者に任せられるから

◎攻めのITへの転換におすすめなクラウドサービスは

  • AWS
  • Azure
  • Google Cloud

この記事を元にあなたの攻めのIT化がうまくいくことを願っています。

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自社のクラウド導入に必要な知識、ポイントを
このに総まとめ!

あなたはクラウド化の
何の情報を知りたいですか?

  • そもそも自社は本当にクラウド化すべき?オンプレとクラウドの違いは?
  • 【AWS・Azure・Google Cloud】
    どれが自社に最もマッチするの?
  • 情シス担当者の負荷を減らしてコストを軽減するクラウド化のポイントは?
  • 自社のクラウド導入を実現するまでの具体的な流れ・検討する順番は?

初めての自社クラウド導入、
わからないことが多く困ってしまいますよね。

NTT東日本では
そんなあなたにクラウド導入に必要な情報を

1冊の冊子にまとめました!

クラウド化のポイントを知らずに導入を進めると、以下のような事になってしまうことも・・・

  • システムインフラの維持にかかるトータルコストがあまり変わらない。。
  • 情シス担当者の負担が減らない。。
  • セキュリティ性・速度など、クラウド期待する効果を十分に享受できない。。
理想的なクラウド環境を実現するためにも、
最低限の4つのポイントを
抑えておきたいところです。
  • そもそも”クラウド化”とは?
    その本質的なメリット・デメリット
  • 自社にとって
    最適なクラウド環境構築のポイント
  • コストを抑えるため
    具体的なコツ
  • 既存環境からスムーズにクラウド化
    実現するためのロードマップ

など、この1冊だけで自社のクラウド化のポイントが簡単に理解できます。
またNTT東日本でクラウド化を実現し
問題を解決した事例や、
導入サポートサービスも掲載しているので、
ぜひダウンロードして読んでみてください。

クラウドのわからない・
面倒でお困りのあなたへ

クラウドのご相談できます!
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NTT東日本なら貴社のクラウド導入設計から
ネットワーク環境構築・セキュリティ・運用まで
”ワンストップ支援”が可能です!

NTT東日本が選ばれる5つの理由

  • クラウド導入を
    0からワンストップでサポート可能!
  • 全体最適におけるコスト効率・業務効率の改善
    中立的にご提案
  • クラウド環境に問題がないか、
    第3者目線でチェック
    してもらいたい
  • 安心の24時間・365日の対応・保守
  • NTT東日本が保有する豊富なサービスの組み合わせで
    ”課題解決”と”コスト軽減”を両立

特に以下に当てはまる方はお気軽に
ご相談ください。

  • さまざまな種類やクラウド提供事業者があってどれが自社に適切かわからない
  • オンプレミスのままがよいのか、クラウド移行すべきなのか、迷っている
  • オンプレミスとクラウド移行した際のコスト比較を行いたい
  • AWSとAzure、どちらのクラウドが自社に適切かわからない
  • クラウド環境に問題がないか、第3者目線でチェックしてもらいたい
  • クラウド利用中、ネットワークの速度が遅くて業務に支障がでている

クラウドを熟知するプロが、クラウド導入におけるお客さまのLAN 環境や接続ネットワーク、
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