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ナレッジマネジメントをゼロから解説|実践に必要な3つの要素とは

ナレッジマネジメントとは、企業や個人の持つ知識を活用したり、新たな知識を創造することで価値を創出する経営手法のことです。

ナレッジマネジメントをきちんと理解し取り組むことで、以下のようなことが期待できます。

今後企業が生き残っていくために、こういった効果が期待できるナレッジマネジメントへの取り組みは非常に重要です。

とはいえ、具体的にナレッジマネジメントがどのようなもので、どうすれば効果が得られるのかはイメージしづらいですよね。

そこでこの記事では、以下の内容を説明します。

本記事の内容
  • ナレッジマネジメントの基礎知識
  • 企業にとってナレッジマネジメントが重要な理由
  • ナレッジマネジメントの導入で期待できること
  • ナレッジマネジメントの取り組み事例
  • ナレッジマネジメントに取り組む方法
  • ナレッジマネジメントの効果を高めるためのポイント

最後までお読みいただければ、ナレッジマネジメントがどういうもので、なぜ重要なのかが分かり、必要に応じてあなたの会社にも導入することができるようになるはずです。

早速読み進めてみてくださいね。

目次:

1. ナレッジマネジメントとは
1-1. ナレッジマネジメントの意味
1-2. ナレッジマネジメントで行うこと
1-3. ナレッジマネジメントの目的
1-4. ナレッジマネジメントの4つのタイプ
2. ナレッジマネジメントに欠かせない三大要素
2-1. 知識資産
2-2. SECIプロセス
2-3. 場
3. 企業においてナレッジマネジメントが重要な理由
3-1. 知識の継承が難しくなっている
3-2. 属人的な業務を回避するための手段になる
3-3. DXに必要な要素の一つである
4. ナレッジマネジメントの導入により期待できること
4-1. 生産性の向上
4-2. 新商品/サービスの開発
4-3. 効率的な人材育成
4-4. 顧客満足度の向上
5. ナレッジマネジメントに取り組む企業の事例
5-1. 【磨き屋シンジケート】ー金属研磨業の衰退を阻止
5-2. 【花王株式会社】ー「顧客の声」という知識を核に商品開発
5-3. 【エーザイ株式会社】ー製品利用者と経験を共有して暗黙知を獲得
6. ナレッジ共有や展開の仕組みが無い企業はナレッジマネジメントに取り組むべき
7. ナレッジマネジメントに取り組む方法2つ
7-1. 「場」を整備する
7-2. ツール・システムを利用する
8. ナレッジマネジメントの効果を高めるためのポイント3つ
8-1. ナレッジマネジメントの目的やタイプを明確にしておく
8-2. 積極的に知識を共有できる工夫をする
8-3. クラウドを活用する
9. クラウドを活用してナレッジマネジメントに取り組むならNTT東日本にご相談ください
9-1. クラウド×ネットワークをトータルでサポート
9-2. 150社以上の実績に裏付けられた課題解決力
9-3. 長期的なコストパフォーマンスの高さを重視したご提案
10. まとめ

1. ナレッジマネジメントとは

冒頭でもお伝えした通り、ナレッジマネジメントとは企業や個人の持つ知識を活用したり、新たな知識を創造することで価値を創出する経営手法のことを言います。

このことをより明確に理解していただくため、ここでは以下のことをご紹介します。

    • ナレッジマネジメントの意味
    • ナレッジマネジメントで行うこと
    • ナレッジマネジメントの目的
    • ナレッジマネジメントの4つのタイプ

一つずつお話ししていきますね。

1-1. ナレッジマネジメントの意味

まずはナレッジマネジメントを正しく理解しやすくするため、その言葉の意味を解説します。

ナレッジマネジメントは、英語では「Knowledge Management」と表記されます。直訳すると「知識管理」という意味になりますが、実際のところは「知識創造に基づいた経営」と訳した方がナレッジマネジメントの実情には即しています

そもそもナレッジマネジメントという言葉は、実は日本人経営学者による『知識創造企業』※という書籍に端を発するものです。

※原著は英語で出版

その内容は、1980〜90年頃の日本企業の成功を読み解くもので、著者はその鍵となったのが「組織的な知識創造に基づいた経営」であったと論じています。

これをもとに「ナレッジマネジメント」が欧米でブームとなり、日本でも逆輸入的に広まることになりました。

つまり、ナレッジマネジメントの本来の日本語訳は『知識創造企業』の中で論じられた「(組織的な)知識創造に基づいた経営」であると言えるのです。

直訳のままナレッジマネジメントをイメージするより、この「知識創造に基づいた経営」という訳で捉えておく方がこの後の説明も理解しやすくなるはずなので、ぜひ覚えておきましょう。

1-2. ナレッジマネジメントで行うこと

ナレッジマネジメントにおいて行われるのは、「企業や個人の持つ知識を活用したり、新たな知識を創造することで価値を創出する」ことです。

これは以下の2つに分解することができます。

  • 既存の知識を活用して価値を創出する
  • 新たな知識を創造して価値を創出する

これらが具体的にどういうことなのか、それぞれ見てみましょう。

1-2-1. 既存の知識を活用して価値を創出する

ナレッジマネジメントにおいて行うことの一つは、「既存の知識を活用して価値を創出すること」です。

これはつまり、あなたの会社が既に保持しているノウハウや技術などを使って、新たな商品・サービスを開発したり、生産性を向上させたりするということです。

例を挙げれば次のような取り組みがこれに当たります。

    • 飲食店が人気メニューのレシピや接客ノウハウを活かしたテイクアウト専門店を新たに運営する
    • A支社で売上向上に効果のあった販促施策をB支社でも実施する

このように、企業・従業員が既に持ち合わせている業務知識や成功のためのノウハウを活用して価値を創出することが、ナレッジマネジメントにおいて行うことなのです。

1-2-2. 新たな知識を創造して価値を創出する

ナレッジマネジメントで行うことのもう一つは、「新たな知識を創造して価値を創出すること」です。

「新たな知識を創造する」とは、「各従業員が持つ知識や社内外の知識を材料に、新たな知識を創る」ということであり、新たに創られた知識は価値を創出するために活用されます。

この一連の流れを例を使って説明しますね。

  • A社は営業成績の優秀なBさんに、更なる飛躍のため「相手の信用を得るために効果的な言動」について心理学者の講演会で学んでくるよう指示しました。
  • その結果、この講演で得た知識とBさんの持ち前の営業スキルを組み合わせることで、Bさんは一層優秀な成績をあげることができたのです。

  • そこでA社はBさんに営業マニュアルの作成や新人研修を任せ、全社的な営業力向上に繋げることができました。

この例では、Bさんが自身のスキルと講演会の内容をもとに作成した営業マニュアルや新人研修の内容が「新たな知識」と言えます。またその新たな知識を活用して創出した価値は「全社的な営業力の向上」に当たるでしょう。

このように、新たに知識を創造してそこから価値を創出するということも、ナレッジマネジメントにおいて行うべきことなのです。

1-3. ナレッジマネジメントの目的

ナレッジマネジメントの目的は、「企業の成長を促し競争力を向上させること」にあります。

これは現代の企業にとっては特に重要視すべきことです。

人材の流動が激しくなりつつある現代では、従業員間で知識が継承されづらく、何も対策を打たなければ企業が保有する知識量や知識の質が縮小していくからです。

そのような状況が、企業の成長の妨げになることはお分かりかと思います。

そうなれば、成長を続ける競合他社に遅れを取り、その分競争力が低下することにもなります。

こうした流れを回避することがナレッジマネジメントの目的です。

つまり、現代のように知識が継承されづらい状況において、意識的に知識から価値を創出することで成長を促し、競争力の向上に繋げることがナレッジマネジメントの狙いなのです。

1-4. ナレッジマネジメントの4つのタイプ

ナレッジマネジメントは、4つのタイプに分類されます。

それぞれのタイプを一つずつ見てみましょう。

ベストプラクティス共有型

◆具体例

  • A工場で生産性が向上したオペレーションをB工場でも行う
  • 営業成績優秀者のノウハウをマニュアル化する

◆効果が見込まれる分野

  • 業務効率、コスト効率、生産性、品質の向上

◆労力…小さめ〜中程度

  • ベストプラクティスを発見する業務分析
  • ベストプラクティスを共有する仕組みづくり(社内SNS、ビジネスチャットなど)

◆コスト…小さめ

  • 社内SNSやビジネスチャットなど共有の仕組みにかかるコスト

◆説明

日々の業務の中で、上手くいったことや効果的だったことに関するノウハウや知見を共有し、参考にすることで現状の改善を目指すタイプです。

「工場の生産性が上がったオペレーション」「短期間で契約を獲得するコツ」など、いわゆる成功事例を社内で集約・共有することで、業務効率の向上やコスト削減、品質向上などを図ります。

専門知ネット型

◆具体例

  • 環境問題への取り組み強化のため、社外の環境問題専門家と社内の意思決定者が連携を取る
  • よくある質問と専門知識を持つ人の回答をFAQシステムや社内wikiに取りまとめる

◆効果が見込まれる分野

  • 意思決定や課題解決の効率化、高品質化

◆労力…中程度〜大きめ

  • 社内外の知識の持ち主と意思決定者が連携しやすい仕組みづくり(ビジネスチャット、会議のセッティングなど)
  • よくある質問・専門知識を持つ人の回答の集約、それを活用するシステムの導入(FAQシステム、社内Wiki)

◆コスト…中程度〜大きめ

  • 社外の専門家への報酬(状況に応じて)
  • ビジネスチャットやオンライン会議ツールなど連携のための仕組みにかかるコスト
  • FAQシステムや社内Wikiにかかるコスト

◆説明

社内外の専門知識を持つ人や意思決定権を持つ人をネットワークで結び、課題の解決や意思決定に役立てるタイプです。

このタイプではその名の通り、専門知識(の持ち主)をネットワークで結集し、必要な時にその専門知識を活用できるようにすることが要となります。

知的資本型

◆具体例

  • 自社で使うために独自開発した業務システムを他社向けに売り出す
  • 経営するレストランの人気メニューを商品としたテイクアウト専門店を運営する

◆効果が見込まれる分野

  • 収益の向上

◆労力…大きめ

  • 自社の知的資本(経済的価値に変換しやすい知識)を発見する事業・業務分析
  • 知的資本を経済的価値に変換するための仕組みづくり(販路開拓、事業計画等)

◆コスト…中程度〜大きめ

  • 知的資本を経済的価値に変換するための仕組みにかかるコスト(販促費、店舗運営費等)

◆説明

このタイプで目指すのは、より経済的価値に変換しやすい知識(特許・ライセンス・著作権・ブランド・技術・ノウハウなど)を整備・活用し、収益に結びつけることです。

社内にどのような知識があるかを洗い出し、各企業活動においてどのような収益を生み出せるか慎重に検討することが必要です。

顧客知共有型

◆具体例

  • 顧客に商品に関するアンケートを行い、それを元に改善、あるいは新商品を開発する
  • 自社サービスの導入事例を共有し、顧客の関心・ニーズに基づいて提案を行う

◆効果が見込まれる分野

  • 品質改善、収益の向上

◆労力…中程度〜大きめ

  • 顧客と知識を共有する仕組みづくり(アンケート、インタビュー、SNS運用、訪問)
  • 共有した知識を元にした商品やサービスの改善・開発・提案

◆コスト…小さめ〜大きめ

  • アンケートやインタビューの謝礼(状況に応じて)
  • 商品やサービスの改善・開発費用

◆説明

このタイプでは、相互の知識共有を通して顧客と強く結び付くことで、顧客維持・事業安定といった成長基盤を整えます。

具体的には、商品やサービスを媒介として顧客の知識(商品・サービスに対する印象や感想、使用状況など)を共有する、あるいは自社の知識(商品・サービスの活用方法や事例など)を顧客に提供することで、顧客のニーズや新たな提案のヒントをつかんで収益の足掛かりとします。

実際にナレッジマネジメントに取り組む際には、自社の目標とそれぞれの「効果が見込まれる分野」を照らし合わせてタイプを選択すると、その後の方向性が見えやすくなるので参考にしてみてくださいね。

参考:野中郁次郎・竹内弘高、『知識創造企業』、東洋経済新報社、1996年

    野中郁次郎・紺野登、『知識経営のすすめーナレッジマネジメントとその時代』、筑摩書房、1999年

2. ナレッジマネジメントに欠かせない三大要素

ここまででナレッジマネジメントの概要はお分かりいただけたでしょうか?

こうしたナレッジマネジメントには、その実践に欠かせない要素が大きく3つあります。以下をご覧ください。

    • 知識資産
    • SECI(セキ)プロセス

ナレッジマネジメントの基礎知識として、この3つの要素について理解しておくことは重要です。

そこでここでは、それぞれの要素がどういうものか説明します。

2-1. 知識資産

知識資産とは、業務上の技術・ノウハウ・従業員が個人的に習得した知識・人脈など企業で活用できる幅広い知識のことで、これ無くしてはナレッジマネジメントは始まりません。

お伝えしている通り、ナレッジマネジメントとは「企業や個人の持つ知識を活用したり、新たな知識を創造することで価値を創出する経営手法」だからです。

つまり知識資産は、価値を創出するための材料に当たります。

この知識資産には、既に獲得しているノウハウや理念、技術といった既存の知識はもちろん、ナレッジマネジメントの過程において創造された新たな知識も含まれます

既存の知識と新たな知識の両方が、知識資産としてナレッジマネジメントの核を担っているのです。

2-2. SECIプロセス

SECI(セキ)プロセスは、新たな知識(資産)を創造する際のプロセスのことです。

新しく知識が生まれる際には暗黙知と形式知の転換が相互に行われるとされ、その転換過程を各フェーズの頭文字を取ってSECIと呼んでいます。

形式知

▶︎言葉や図表、数式などで表現され、客観的な理解が可能な知識

例)手順書、企業理念、売上管理表


暗黙知

▶︎言葉や図表、数式などにアウトプットされていない、所有者の主観的な知識

例)勘、経験則、職人技

ナレッジマネジメントにより企業が競争力を高めるためには、既存の知識だけでなく新たな知識を創造し、活用することも必要です。そのためにはSECIプロセスを意識的に繰り返すことが欠かせません

そのSECIプロセスは以下の4つの段階から成っています。

SECIプロセス

共同化
(Socialization)
  • 経験を共にすることで暗黙知を獲得・共有する段階。

  • ▼例
  • 顧客との会話で感触をつかむ、OJTで技能やコツを感覚的に教わる
表出化
(Externalization)
  • 個人の内部にある暗黙知を言語化・図表化などによって形式知化する段階。

  • ▼例
  • 顧客の反応をメールで報告する、OJTで得た技能・コツをマニュアルにまとめる
結合化
(Combination)
  • 獲得した形式知と、他の部署・組織が持つ形式知を結合させて新たな形式知を生み出す。

  • ▼例
  • 顧客に刺さりそうな提案書を他部署のサービス説明書類も参考にしつつ作成する、ノウハウ本から得た知識をマニュアルに追記する
内面化
(Internalization)
  • 新たな形式知をシミュレーションや実践を通して自身の内面に落とし込み、暗黙知化する。

  • ▼例
  • 作成した提案書を元にプレゼンを行い顧客の反応を体感する、マニュアルをもとに業務を行い新たな気づきを得る

この一連の流れを繰り返すことが、ナレッジマネジメントに欠かせない新たな知識資産の創造に繋がります

このことから、SECIプロセスもナレッジマネジメントには必要な要素と言うことができます。

2-3. 場

ナレッジマネジメントには、そのプラットフォームとなる「場」も欠かせません。

この「場」とは、知識資産の創造・共有・活用が行われるための関係性や空間、環境(仮想的なものも含む)のことです。

具体的な例としては次のようなものが挙げられます。

    • 顧客との対話の場(オンラインを含む)
    • 社内ミーティング(オンラインを含む)
    • 業務を行う現場
    • プレゼンテーション
    • グループウェア内の掲示板
    • 社内SNS

こうした場は、新たな知識を創造したり知識資産を効果的に活用するための基盤であり、ひいてはナレッジマネジメントのプラットフォームでもあると言えるでしょう。

参考:野中郁次郎・紺野登、『知識経営のすすめーナレッジマネジメントとその時代』、筑摩書房、1999年

3. 企業においてナレッジマネジメントが重要な理由

お話ししてきた通り知識を中核とするナレッジマネジメントですが、そもそもは90年代に提唱された経営手法です。

しかしながら、ナレッジマネジメントは現代の企業にとっても重要なものです。

その理由は以下の3点にあります。

    • 知識の継承が難しくなっている
    • 属人的な業務を回避するための手段になる
    • DXに必要な要素の一つである

それぞれの理由について、もう少し詳しくご紹介しますね。

3-1. 知識の継承が難しくなっている

近年の企業では、長年の業務を通して自然と知識が継承されることが難しくなってきています。

転職者が増加傾向にあり、就業形態も多様化したことで、従業員が一つの企業にとどまることが当たり前ではなくなってきたからです。

かつてはベテラン社員のノウハウや技術が後輩に受け継がれるのは自然なことでしたが、現代の企業ではそのように人を介した知識継承がどんどん困難な状況になりつつあります。

そのため、意識的にナレッジマネジメントに取り組んで、企業の持つ知識資産の量や質を効率的に高めていくことが、現代の企業においては重要なのです。

3-2. 属人的な業務を回避するための手段になる

ナレッジマネジメントは属人的な業務を回避するための手段の一つです。

中でも専門知ネット型のナレッジマネジメントは、特に有効と言えるでしょう。

既にお伝えした通り、専門知ネット型のナレッジマネジメントでは、専門知識(の持ち主)をネットワークで結集し、必要な時にその専門知識を活用できるようにします。

つまり、専門的な知識がFAQシステムや社内Wikiなどによって集約され、誰もがその知識を活用して適切な判断が行いやすくなるのです。

これによって、例えばベテラン社員が経験則に頼って行ってきた業務や、エンジニアに任せきりだった(けれど案外簡単な)作業を標準化することが可能となります

このように、一般的に好ましくないとされる属人的業務を回避する手段となる点は、企業にとってナレッジマネジメントが重要な理由の一つに当たります。

3-3. DXに必要な要素の一つである

昨今、声高に必要性が叫ばれているDX(デジタルトランスフォーメーション)ですが、ナレッジマネジメントはDXに取り組むために必要な要素の一つでもあります

DXとは、シンプルな言い方をすれば「デジタル技術を活用した事業や企業そのものの変革」です。

しかし一言にデジタル技術と言っても、自社の変革にどのような技術やシステムが必要かは、社内の業務手順や現場のオペレーション・状況などが可視化(形式知化)されていなければ判断が難しいはずです。

自社がどのような課題を抱え、どう変革すべきかを検討する際にも同様のことが言えます。

そこで、ナレッジマネジメントにより社内の知識を集約・共有し、DX推進の関係者において活用されることが必要となってくるのです。

4. ナレッジマネジメントの導入により期待できること

ナレッジマネジメントが、現代の企業においても重要である理由を説明しました。

ここで次に気になってくるのが、「ナレッジマネジメントによって具体的にどのような効果が期待できるのか」ということではないでしょうか?

結論から言うと、ナレッジマネジメントを導入することで以下のようなことが期待できます。

    • 生産性の向上
    • 新商品/サービスの開発
    • 効率的な人材育成
    • 顧客満足度の向上

どういうことか順番に説明します。

4-1. 生産性の向上

ナレッジマネジメントに取り組むことで、生産性の向上が期待できます。

社内の既存の知識資産を活用することで、時間コストの削減ができるからです。

時間コストが削減できるということは、削減できた時間の分だけ多くの業務をこなせるということであり、これは生産性の向上に直結すると言えます。

そのための知識の活用方法としては、以下のようなものがあります。

新商品の生産工程に類似商品の工程を取り入れる、参考にする

▶︎ゼロから生産工程を検討する時間コストの削減


生産性の向上に成功した現場のノウハウを他の現場にも適用する

▶︎生産性向上のための施策をゼロから検討する時間コストの削減


業務遂行に必要なマニュアルや過去事例、資料を適宜入手できるようにする

▶︎手順や事例を知る人を探して教えてもらう、資料を持つ人を探して共有してもらう、資料をゼロから作成する時間コストの削減

このように、知識資産の活用方法によっては、時間コストを削減し生産性向上に繋げることが可能となります。

4-2. 新商品/サービスの開発

ナレッジマネジメントに取り組むことは、新商品やサービスの開発を促進します。

そもそも新たに商品やサービスを開発する際には、自ずとナレッジマネジメントのような動きがあるからです。

例えば、どのような商品/サービスを開発するか判断するには、営業部の顧客ニーズに関する知識やマーケティング部の市場ニーズに関する知識が必要です。

また、そうしたニーズに関する知識と、開発を担う部署の技術・ノウハウ面の知識を連携させることで、社内で現実的に開発可能な商品/サービス形態が定まってくるでしょう。

さらに、新商品においては生産部門の知識も活用されるはずです。

ナレッジマネジメントに普段から意識的に取り組んでいれば、こうした知識の連携(による新たな知識の創造)や活用を、よりスムーズに行いやすくなります

その結果、元来知識の創造や活用の上に成り立つ新商品・新サービスの開発も促進されるのです。

4-3. 効率的な人材育成

ナレッジマネジメントは、人材育成においても効果を発揮します。

ベテラン従業員や優秀な人材の知識が活用しやすい形にまとまっていることで、後任者・新入社員は効率良くそれらを吸収できるからです。

このことは、長い期間が必要になりがちな「背中を見て学ぶ」ような育成体制の脱却に繋がります。

また、育成する側である知識の持ち主も、全てをつきっきりで教える必要はなくなり、本来の業務にも時間を割きやすくなります。

つまり、ナレッジマネジメントに取り組む企業では、

◎育成期間の短縮

◎育成に必要な人的コストの削減

といったことが可能となり、人材育成の効率化が期待できるのです。

4-4. 顧客満足度の向上

ナレッジマネジメントにおいて、顧客に関する知識を活用することで、顧客満足度の向上が期待できます。

顧客自身や顧客対応関連の知識を素早く引き出せる形で集約しておくことが、対応の標準化・高品質化に繋がるためです。

これは特に、接客・カスタマーサポート・営業を担当する部署では重要視するべきことです。

以下は、顧客満足度の向上に効果的な顧客知識の活用方法の一例です。

接客
  • 顧客から高く評価される従業員の対応事例や接客ノウハウを踏襲する
カスタマー
サポート

    FAQシステムを利用して、顧客の求める回答を素早く提供する

営業
  • 担当営業が不在でも、代理の従業員がこれまでの文脈を把握した上で対応する

このような形で顧客知識が活用されている場合とそうでない場合で、顧客満足度に差が出るであろうことは容易に想像できますよね。

5. ナレッジマネジメントに取り組む企業の事例

導入することで企業のプラスとなる効果が期待できるナレッジマネジメントですが、実際のところ、どのような取り組みが行われ、どんな成果が得られるのでしょうか?

そのあたりをよりイメージしやすくするため、ここではナレッジマネジメントに取り組む企業や組織の実例をご紹介します。

5-1. 【磨き屋シンジケート】ー金属研磨業の衰退を阻止

まずは金属研磨のスペシャリスト企業集団である磨き屋シンジケートでの事例をご紹介します。

◆ナレッジマネジメントとして行ったこと

  • 各社・各人の知識を連携し、共同受注のためのマニュアル作成
  • 各社の技術を連携させた技術革新

◆成果

  • 従来取引の無かった分野からも発注が相次いだ

金属洋食器の製造を地場産業とする新潟県燕市では、中国がシェアを伸ばしてきたことなどにより、関連事業である「金属研磨業」が衰退傾向にありました。

こうした状況を改善すべく、各社のノウハウを活かして共同受注を行うために生まれたのが、金属研磨のスペシャリスト企業集団である「磨き屋シンジケート」です。

磨き屋シンジケートで行われたナレッジマネジメントの詳細は以下の通りです。

背景・目的
  • 縮小する一方の金属研磨業を地域を挙げて再生することを目指した。
具体的な取り組み
  • ◆30以上の金属研磨の中小企業の経営者・商工会議所の代表・コンサルタントが集結し、議論を通じて共同受注のマニュアルを作成

  • ◆職人を集め、それぞれの持つ技術を表出化・結合化しながら、研磨技術を革新
成果
  • 家電外観部品、半導体製造装置、液晶製造装置、医療機器、自動車部品など、従来取引のなかった成長産業からの発注が相次いだ。

具体的な取り組みにおいては、各企業の経営者と技術者・商工会議所・コンサルタントの知識を連携させ、盛んに新たな知識(=共同受注のためのマニュアル、革新的な研磨技術)が創造されていることが分かります。

この結果、金属洋食器以外の産業でも研磨技術を適用させることができ、燕市の金属研磨業は衰退傾向を脱却することができました。

参考:中小企業のためのナレッジ・マネジメント事例集(アジア生産性機構)

5-2. 【花王株式会社】ー「顧客の声」という知識を核に商品開発

続いてご紹介するのは、大手消費財メーカーである花王株式会社の事例です。

    ◆ナレッジマネジメントとして行ったこと

    • 顧客の声(顧客知)の共有・蓄積
    • 顧客の声に基づいた課題抽出、意思決定

    ◆成果

    • 既存商品の改善、新商品の開発

花王株式会社では、基本的価値観の一つに「よきモノづくり」を掲げ、これを実現するために顧客の声を核としたナレッジマネジメントに取り組んでいます。

より具体的な取り組みや成果については、以下の表をご覧ください。

背景・目的
  • 顧客の声を出発点とした「よきモノづくり」を実現することを目的とした。
具体的な取り組み
  • ◆消費者相談室に寄せられた顧客の声を独自システムに入力し蓄積

  • ◆商品に関連する部門それぞれがシステムに集約された顧客の声を確認し、課題や改善策を検討

  • ◆商品に関連する部門の責任者が集まり、各部門の知識と顧客の声を鑑みた議論・意思決定を行う
成果
  • 顧客の生の声を反映させた商品の開発・改善が実現した。
  • 例)
  • 「細かい部分が洗いづらい」という顧客の声を元に、スプレーして流すだけで洗浄できる食器用洗剤を開発

このように、システムに集約される顧客の声を核として、各部署の知識を組み合わせながら商品開発・改善に有用な新たな知識を創造しているのです。

こうした取り組みを元に数多くの商品が生まれ、進化を続けています。

参考:お客さまの声を活かす取り組み(花王株式会社)

5-3. 【エーザイ株式会社】ー製品利用者と経験を共有して暗黙知を獲得

最後にご紹介するのは、製薬会社であるエーザイ株式会社の事例です。

    ◆ナレッジマネジメントとして行ったこと

    • 商品利用者との時間・経験の共有
    • 商品利用者の悩みへの対策案を検討

    ◆成果

    • 商品利用者の「悩みを取り除く」形で既存商品改善、新商品開発

エーザイ株式会社では、企業理念の実現のため、製品利用者である患者やその家族の「想い」を知ることを重要視し、次のようなナレッジマネジメントに取り組んでいます。

背景・目的
  • 「患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を考え そのベネフィット向上を第一義とし世界のヘルスケアの多様なニーズを充足する」という企業理念の実現のため、患者の目線で考え、想いを感じ取ることが重要であると考えた。
具体的な取り組み
  • ◆全社員に対して業務時間の1%を患者やその家族と過ごすことを推奨

  • ◆患者やその家族と過ごす中で得られた暗黙知を報告・議論する場を設ける

  • ◆患者の抱える憂慮への対策案を検討する場を設ける
成果
  • 患者の憂慮を取り除くために効果的な製品の開発・改善が実現した。
  • 例)
  • 認知症患者と共に過ごす中で、「嚥下のしづらさ」に気付き、液状だった認知症薬をより摂取しやすいゼリー状に改善

このように、患者やその家族と共に過ごすことで、インタビューやアンケートなどでは表面化しない暗黙知的な感情や想いを共有しているのです。

そうして得た暗黙知を社内に持ち帰って形式知化し、新たな商品の開発や改善に活用しています。

参考:エーザイ株式会社リサーチプロジェクト研究報告会レポート(日本マーケティング学会)

6. ナレッジ共有や展開の仕組みが無い企業はナレッジマネジメントに取り組むべき

ここまでお読みいただいて、もしかすると自社で既にナレッジマネジメントに取り組んでいることに気付かれたかもしれませんね。

確かにナレッジマネジメントは90年代に誕生した手法ですから、無意識的にナレッジマネジメントやそれに似た手法を実践しているという企業もあるでしょう。その場合はこれまでより「知識の創造・活用によって価値を創出する」ことを意識し、ぜひ今後も取り組みを継続してください

ただ、自社のあり方を省みても、そういった知識を創造・共有・展開・活用するような仕組みに心当たりが無いのであれば、ナレッジマネジメントを導入すべきです。

既にお話ししましたが、現代の企業においてもナレッジマネジメントは重要な取り組みだからです。

中でも、以下のような課題を抱えている場合にはぜひナレッジマネジメントを導入してみていただきたいです。

大まかな職種別の課題
  • ◆全職種共通
    • 属人化している業務がある
    • 人材育成に時間と労力がかかりすぎる

  • ◆技術・研究職
    • ベテランの退職などによりノウハウ・技術が失われる恐れがある
    • 優秀な技術者・研究者の知識を十分に活用できていない

  • ◆営業・企画・サービス職
    • 顧客のニーズの満たし方が分からないことがある
    • アイデアや企画力に不足を感じる

  • ◆事務・管理職
    • 似たような業務が至る所で行われ、重複が発生している
    • 必要な情報・データ・資料・文書などの所在が分からない、有無が分からない

各従業員や社内外の知識を参照できる形で集約し、それをもとに新たな知識を創造したり、業務・経営を行うことで、こうした課題の解決の糸口が見えてくるはずですよ。

7. ナレッジマネジメントに取り組む方法2つ

自社にナレッジマネジメントを導入すべきだということが分かっても、

「実際に取り組むのは大変そう…」

と不安に思われているかもしれませんね。

しかし、その方法は意外とシンプルで、次の2つのことを行えばひとまずナレッジマネジメントに取り組めるようになります。

    • 「場」を整備する
    • ツール・システムを利用する

それぞれ詳しく説明しますね。

7-1. 「場」を整備する

ナレッジマネジメントを実践する際には、まず新たな知識を創造したり、知識資産を効果的に活用するための基盤となる「場」を整備する必要があります

自社の課題を解決するためにはどのような「場」が必要かを検討し、準備や調整を行いましょう。

例えば、アイデアや企画力を高めるために外部から知識を獲得する場合に整えるべき場として、

◎外部の講師による講習会

◎提携企業との情報交換、顧客とのコミュニケーション

◎社外で催されるセミナー

などが考えられます。

また、外部で獲得した知識を発展・活用するためには、

◎会議(オンラインを含む)

◎プレゼンテーション

◎社内SNS

といった場を設けて議論や意思決定を行う必要があります。

整えるべき場を判断する際には、

課題を解決するために、知識をどこで獲得し、どこで共有し、どこで発展・活用するのか

といった視点から検討してみてください。

7-2. ツール・システムを利用する

ナレッジマネジメントには、少なからずツールやシステムが必要となってきます。

知識の共有や活用の仕方に応じて、必要なツール・システムを利用するようにしましょう。

一般的にナレッジマネジメントに利用されるツールやシステムには次のようなものがあります。

知識の共有に利用されるツール
  • ビジネスチャット
  • 社内SNS
  • クラウドストレージやファイルサーバー
  • 社内Wiki
  • CRM(顧客情報の共有に利用されるツール)
知識の活用(参照・検索)に利用されるツール
  • エンタープライズサーチ(社内に保管されたデジタルデータを横断的に検索できる)
  • FAQシステム(よくある質問とその答えを検索できる)

この他、各ツールの機能が組み合わさったナレッジマネジメントに特化したツールも数多く存在します。

こうしたツールの中から、自社での知識の共有方法や活用方法に相応しいツールを利用するようにしてください。

8. ナレッジマネジメントの効果を高めるためのポイント3つ

先ほどお伝えした通り、ナレッジマネジメントを導入し取り組むこと自体はさほど難しいことではありません。

ただ、ナレッジマネジメントにおいて知識がダイナミックに創造・活用され、企業にとってプラスに働くためには、単に取り組むだけでは不十分な場合があります。

そこでここでは、ナレッジマネジメントの効果を高めるためのポイントを3つご紹介します。

8-1. ナレッジマネジメントの目的やタイプを明確にしておく

ナレッジマネジメントの効果を高めるためには、導入に際して目的とそれに応じたタイプを明確にしておきましょう。

どんな施策やプロジェクトも、始動する前に必ず目的を設定するはずです。これはナレッジマネジメントにおいても変わりません。

自社の抱える課題をもとに、「ナレッジマネジメントによって何を解決・実現するか」という目的はできるだけ明確に、そして具体的に定めておいてください

また既にお伝えした通り、ナレッジマネジメントには以下の4つのタイプがありましたね。

    • ベストプラクティス共有型
    • 専門知ネット型
    • 知的資本型
    • 顧客知共有型

この中からナレッジマネジメントの目的に応じて、実践していくタイプも決めておきましょう

タイプを決める際には、「1-4. ナレッジマネジメントの4つのタイプ」でお伝えした各タイプの「効果が見込まれる分野」の項目を参考にしてみてください。

このように目的とタイプをあらかじめ定めておくことで、選択や行動の指針が固まり、ナレッジマネジメントに取り組むための「場」の整備やツールの利用も適切に進めやすくなるはずです。

8-2. 積極的に知識を共有できる工夫をする

ナレッジマネジメントが効果を発揮するには、従業員の持つ知識を個人の中に留めることなく、社内で共有することが重要です。

共有された知識は企業全体で活用できるようになりますし、新たな知識を創造するための材料にもなるからです。

このために、各従業員が積極的に知識を共有してくれるような工夫が必要になってきます。

例えば、

    • 有用な知識を共有してくれた従業員にプラス評価を与える
    • 共有した知識量に応じてインセンティブ出す
    • 操作にストレスの無い知識共有のためのツールを採用する

といったことが考えられます。

8-3. クラウドを活用する

ナレッジマネジメントのためのツールやシステムは、クラウド上で使えるものを活用しましょう。

ナレッジマネジメントが効果的に作用するためには、知識の創造・活用を促進する「活発な知識共有」が欠かせません。また取り組みを継続させることも重要です。

実はクラウドの特性は、これらに大変役立つものなのです。

全社的に知識を集約しやすい
  • クラウドを活用することで、各拠点に分散していた知識を集約しやすくなります。
  • 異なる拠点からの同一ツール/システムへのアクセスが比較的容易だからです。

  • 例えばファイル共有のためのシステムをクラウド上に構築すれば、各拠点で作成された資料をシステム内にまとめることができます。クラウドストレージ等、クラウド上で提供されるサービスを利用しても同じことが可能です。
  • このように、クラウド上のツール/システムなら全社的に知識を集約しやすく、それはつまり全社を通したダイナミックな知識共有に繋がります
ツールを使う場所やタイミングを選ばない
  • クラウド上のツールやシステムは、クラウドに接続するためのネットワーク(インターネット等)があれば使う場所やタイミングを選ばないため、以下のような場面でも知識の共有が可能です。

    • 移動中(ツール/システムに入力して共有)
    • 訪問先(自社サービスの導入事例を顧客と共有)
    • オフィス外の現場(現場で得た知識をその場で全社に共有)

  • いつでもどこでもツール/システムが利用できることで、積極的な知識共有が期待できます
  • 結果的に社内により多くの知識が蓄積され、知識の創造や活用が促進されるはずです。
運用にかかる労力が小さい
  • クラウド上にツールやシステムがあることで、運用に必要な労力が小さくて済みます。

  • 社内のサーバーでツール/システムを運用する場合、サーバーの管理やリプレイスを自社で対応する必要があり、その負担は大きなものとなります。
  • しかし、クラウド上のツールやシステムなら、そういった作業はクラウドサービス提供事業者側で行ってくれます。

  • このことで、ナレッジマネジメントへの取り組みを継続しやすくなるはずです。

こういったクラウドの特性が、ナレッジマネジメントをより効果的なものにしてくれます。

ぜひクラウドツール/システムを採用するようにしましょう。

9. クラウドを活用してナレッジマネジメントに取り組むならNTT東日本にご相談ください

クラウド上で使えるツールやシステムを用いてナレッジマネジメントに取り組むなら、クラウド導入支援事業者であるNTT東日本にご相談ください。

あなたの会社でナレッジマネジメントがより効果的に作用するためのクラウド環境をご提案し、構築をお手伝いいたします。

ここでは、それを可能にする私たちの強みをご紹介します。

9-1. クラウド×ネットワークをトータルでサポート

NTT東日本では、<効果的なナレッジマネジメントのためのクラウドツール>に必要なクラウド環境に加えて、ネットワークについてもサポートが可能です。

クラウドにはネットワークを介して接続するので、ナレッジマネジメントのためにクラウドツールを使うには、クラウド環境はもちろん安全かつ快適に接続できるネットワークの設計も非常に重要です。

一般的なクラウド導入支援事業者では、ネットワークに関してはサービス対象外としている場合も多く、その場合ネットワークが「使いづらさ」の要因になる恐れもあります。

対してネットワーク事業者としてのキャリアも長いNTT東日本は、快適なクラウド利用のため、クラウドとネットワークをトータルでサポートいたします。

9-2. 150社以上の実績に裏付けられた課題解決力

NTT東日本のクラウドソリューションでは、クラウドを活用し、お客さま企業でのビジネス上の課題解決をリードしてきました。その数は実に150社以上に上ります。

こうした実績に裏付けられた課題解決力によって、あなたの会社のナレッジマネジメントに適したご提案が可能です。

まずは、ご要望をお気軽にお話しください。

    • 予算内でナレッジマネジメントのためのクラウド環境を構築したい
    • 自社のナレッジマネジメントに適したクラウドツール・システムを提案して欲しい
    • ナレッジマネジメントにクラウドを活用したいが、運用面でもサポートが必要

    etc.

幅広いニーズにお応えしてきた私たちが、ご要望に応じたご提案・サポートを行います。

9-3. 長期的なコストパフォーマンスの高さを重視したご提案

NTT東日本では、長期的なコストパフォーマンスの高さを重視したご提案・サポートを行います。

コストについては、クラウドやクラウドツール導入時にかかる初期コストだけではなく、運用開始後の見えづらいコストについても考慮し、長期的に見てコスト効率の良いクラウド活用をご提案します。

また、パフォーマンスについては、クラウドの有資格者が、お客さま企業に合わせて快適なクラウド環境の構築をサポート

これらにより、長期的に見て高い水準のコストパフォーマンスを目指します

このように、NTT東日本はあなたの会社のナレッジマネジメントにコミットしたサポートを行います

自社の課題解決に本当に役立つナレッジマネジメントに取り組みたいなら、ぜひ一度私たちにお話をお聞かせください。

NTT東日本に相談する

10. まとめ

ナレッジマネジメントがどのようなものか、ご理解いただけたでしょうか?

最後に今回の内容をおさらいしておきましょう。

ナレッジマネジメントとは、企業や個人の持つ知識を活用したり、新たな知識を創造することで価値を創出する経営手法のことです。

その目的は、「企業の成長を促し、競争力を向上させること」にあります。

ナレッジマネジメントには、以下の4つのタイプがあります。

  • ベストプラクティス共有型
  • 専門知ネット型
  • 知的資本型
  • 顧客知共有型

また取り組む際には、以下の3つの要素が欠かせません。

  • 知識資産
  • SECI(セキ)プロセス

ナレッジマネジメントは、以下の理由から企業にとって重要なものだと言えます。

  • 知識の継承が難しくなっている
  • 属人的な業務を回避するための手段になる
  • DXに必要な要素の一つである

取り組むことで、次のような効果が期待できます。

  • 生産性の向上
  • 新商品/サービスの開発
  • 効率的な人材育成
  • 顧客満足度の向上

実際に取り組んでいくためには、

  • 「場」を整備する
  • ツール・システムを利用する

といったことが必要で、より効果を高めるためのポイントとして以下の3つが挙げられます。

  • ナレッジマネジメントの目的やタイプを明確にしておく
  • 積極的に知識を共有できる工夫をする
  • クラウドを活用する

ナレッジマネジメントは現代の企業にとっても非常に重要な取り組みであり、社内に知識共有・展開の仕組みが無いのであればぜひ取り組むべきです。

その際、より効果的なナレッジマネジメントのためにクラウドを活用されるのであれば、NTT東日本がサポートさせていただきますのでぜひ一度ご相談くださいね。

今回の記事が、あなたの会社でのナレッジマネジメントの導入に役立てば幸いです。

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