COLUMN
AI導入のために知っておくべき基礎知識から成功の秘訣まで徹底解説
「そろそろ自社にAIを導入したいけど、なかなか踏み出せない…」
「そもそも本当にAIは導入した方が良いのだろうか?」
自社へのAI導入について、このようにお悩みではありませんか。
AIという未知の技術に対して、関心や漠然とした必要性を感じながらも、いざ導入するとなると不安に感じられることも多いかと思います。
新しく未知なものであるからこそ、具体的にAIをどう使えば良いのか、導入によって一定の効果を得られるのか、など疑問も絶えないですよね。
ただ実は、AIはすでにさまざまな企業で活用されていて、今後もどんどん導入する企業が増えることが予想されます。
そのため、あなたの会社で導入を迷っている間にも、競合他社が次々とAI導入によって成果を上げていく可能性もあるのです。そうなれば、AIを導入した他社の成長スピードに追いつけず、事業において遅れをとってしまいます。
そのような事態を回避するためには、AIについて理解し、自社の課題を解決する手段として適切にAIを導入することが重要になってきます。
そこでこの記事では、以下のような内容をお伝えします。
本記事の内容 |
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AIがビジネスにおいてどのように活用されていて、導入を成功させるためにはどうすればよいかが分かる内容となっています。
ぜひ最後までお読みいただき、AI導入のための一歩を踏み出しましょう。
1. 自社にAIを導入する前に知っておくべきこと
AIを自社に導入したいと考えていても、AIがどのようなものか分からないままでは身動きが取りづらいですし、見切り発車になってしまう可能性も高いです。
導入に向けて動き出す前に、まずはAIの概要を知っておきたいところです。
また、実際にAIがどれくらいの企業で活用されているのかも導入に踏み切る前に知っておきたいですよね。
ここではそういった、AI導入前に知っておくべき基本情報をお伝えします。
1-1. AIとは
AIとは、Artificial Intelligenceの頭文字を取った言葉で、日本語では人工知能と訳されます。
AI=人工知能について、大まかに説明すると「人間の知能を人工的に再現し、さまざまな判断や振る舞いを可能にするシステム」のことです。
1-1-1. AIにできること
「人間の知能を再現する」と言っても、人間のように多くのことを考え、幅広く行動できるAIは今のところ実現されていません。
現在AIにできることは、「特定のタスクのみを行う」ことであり、一つのAIには一つの機能しか備わっていないと認識しておきましょう。
とはいえ、AIの機能には色々な種類があり、機能ごとの活用方法もさまざまです。
AIの代表的な機能と、その活用方法の一例をまとめたのが次の表です。
AIの機能 | 活用例 |
---|---|
画像認識 |
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文章理解 |
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音声認識 |
|
予測 |
|
機械制御 |
|
このように、それぞれの機能に対して、多くの活用方法があることが分かりますね。
AIを導入する際は、まずこういったAIの機能を自社の事業や業務にどのように活用していくかを検討することが重要です。
1-1-2. AIはデータによって学習する
AIが画像認識や文章理解の機能を持つためには、データによる学習が必要となります。
例えば、複数の同じ商品の中から不良品を検知するためには、その商品の画像データをAIにできるだけ多く読み込ませる必要があります。その多くの画像データからAI自ら商品の特徴を捉えることで、あるいはあらかじめ人間が基準を与えることで、不良品を見つけ出すことができるようになるのです。
AIが正しく判断を行うためには、「学習」プロセスが欠かせませんし、その教材となるデータも同様に欠かすことができません。
このことから、AIの活用方法によっては、AIに学習させるためのデータを自社で用意する必要があるということを覚えておいてください。
1-2. 日本企業におけるAI導入の現状とこれから
AIにはさまざまな機能や活用方法があり、さまざまな業種で導入が進みつつあります。
とはいえ、総務省の令和3年版情報通信白書によれば、AIのシステムやサービスを導入している企業は全体の24.3%と、現状ではまだまだ浸透しきっていないことも事実です。
一方で、経済産業省の調査報告書では国内企業のAI導入によって、2022年までに7兆円、2025年までに34兆円の経済効果がもたらされるとの推計が示されており、AIの導入やそれに伴う利益の拡大が示唆されています。
さらに同報告書では、AIの導入により従業員一人当たりの労働生産性は12〜14%向上するとも試算されています。
こういったことから、企業におけるAIの導入が増加する可能性は非常に高く、導入した企業では生産性の向上が期待できると言えます。
2. 【業種・業務別】日本でのAI導入事例
ここまででAIの概要や、国内企業での導入状況については把握していただけたかと思います。
ただ、AIの具体的な活用方法についてはまだイメージがはっきりしませんよね。
そこでここでは、以下の業種別にAIの導入事例を紹介します。
- 物流
- 製造
- 小売
- サービス
- 建設
- 電話応対
- 受注業務
- 採用
- マーケティング
もしあなたの会社と全く同じ業種の事例ではなくても、実際の事例を知ることはAI導入の大きなヒントになるはずですので、ぜひ一つずつ目を通してみてくださいね。
2-1. 物流
まずは物流業界でのAIの導入事例を紹介します。
AIは倉庫での管理業務や、配送業務の効率化に大きく貢献しています。
倉庫での管理業務を効率化 |
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物流業の倉庫には、毎日膨大な数の荷物が入庫されます。 荷物が入庫されると、[何が入庫されたかを確認した上で、情報を倉庫管理システムに入力する]といった作業が発生します。 最近では、このような入庫作業で画像認識のできるAIが活用されていて、入庫された荷物を自動で判別し、仕分けすることが可能となっています。 人が目視やリーダーによる読み取りで行っていた荷物の判別をAIによって自動化することで、作業時間の短縮やヒューマンエラーの削減に繋がっています。 |
配送ルートの最適化 |
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配送においては、渋滞や配達先の不在などの要因もあり、ドライバーの長時間労働が課題となっています。 こうした問題を解決するためにAIが役立っています。 AIに過去の配送データ(何を、どこへ配送し、どれくらい時間を要したかなど)を学習させることで、最適な配車台数や配送ルートを自動で算出できるようになり、配車の手配や配送ルートの判断にかかっていた時間の短縮に貢献しています。 |
2-2. 製造
製造分野でもAIの導入が進んでいます。
その活用方法の一例を紹介します。
工場での不良品検知 |
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食品・機器・部品メーカーなど、さまざまな企業の工場で、不良品を検知するために画像認識が可能なAIの技術が活用されています。 またこういったAIをロボットアームと組み合わせれば、不良品を発見するだけでなく、不良品の除去も自動化することができます。 このような活用方法によって、人件費の削減はもちろん、長時間に渡る作業の継続も可能になります。 |
2-3. 小売
小売業界では、AIを導入した無人(省人)コンビニも誕生しています。
そのような身近な例も含めて小売業界でのAI導入事例を紹介します。
無人決済店舗 |
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数は多くありませんが、コンビニなどでAIを導入し、レジに店員を必要としない店舗を実現した例があります。 この事例では、天井のカメラや商品棚に設置されたセンサーで人や商品の動きを捉え、どの商品を手に取ったかAIが判断できる仕組みになっています。 購入のために商品を手に取ればAIがどの商品を持っているか判断してくれるので、レジで商品を出す必要もありません。 決済が完了しないと出口が開かないシステムと連携しているので、盗難の心配もありません。 |
店舗の売り上げ予測 |
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将来の売り上げ予測にAIが用いられている事例もあります。 こうしたケースでは、AIは過去の売り上げデータを学習し、その学習データに基づいて売り上げ予測を行います。 これにより、従業員の経験則などに頼る部分もあった売り上げの予測を定量的に、迅速に行うことが可能となるのです。 無駄な仕入れも発生しづらくなり、管理業務の負担軽減にも繋がっています。 |
2-4. サービス
サービス業の事例からは、人が引き続き行う業務とAIが行う業務の線引きの重要さがうかがえます。
簡単な顧客対応を自動化 |
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サービス業界では、簡単な顧客対応のために音声認識・文章理解を得意とするAIやチャットボットが取り入れられています。 サービス業では、人による細やかなサービスが求められる局面が多い反面、中にはトイレの場所や施設内のWi-Fiの接続方法など単純な質問をしたいだけという場合もあります。このような場合には、受付に並んでもらったり、店員が駆けつけるのを待ってもらうより、AIが素早く応答する方が適しているでしょう。 |
2-5. 建設
建設業界の代表的な事例は、建造物の点検にAIを用いることでしょう。
以下の例をご覧ください。
劣化や損傷した場所を検出 |
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建設業界では、建造物のひび割れなどの検出にAIの画像認識が活用されています。 AIに対象の建造物の表面を撮影した画像データを学習させ、ひび割れの検出を可能にしているのです。 こうした活用方法においては、多くの場合、作業員が目視で行うより正確にひび割れを検出することができます。また、作業員の経験や知識に結果が左右されることも少なくなります。 |
2-6. 電話応対
ここからは、特定の業務においてAIが導入されている事例についてご紹介します。
まずは、電話応対業務でのAIの活用方法を見てみましょう。
オペレーターに適切な回答を提示 |
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コールセンターやカスタマーサポートの電話応対では、音声認識AIが役立っています。 AIが電話口の問い合わせ内容を自動的にテキスト化し、FAQツールなどから最適な回答を検索するという方法でオペレーターを支援しているのです。 オペレーターの端末画面にはAIがリアルタイムで検索してくれた回答や、回答に役立つWebページなどが表示され、問い合わせに対してスムーズに応対することが可能となります。 また、こうしたプロセスをAIがリアルタイムで自動的に行うため、オペレーターの経験の多寡に関わらず均一的な回答を行うことができるのです。 |
2-7. 受注業務
受注業務においては、AIとOCR(文字認識)を組み合わせたツールが活用され、従業員の業務負担の軽減に貢献しています。
FAXやハガキに記載された注文内容のデータ化 |
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AI OCRを活用することで、FAXやハガキに手書きで記載された注文内容や文字列もかなり正確に読み取り、データ化できるようになります。 その結果、注文内容を確認し、システムに入力するといった一連の作業にかかる時間を短縮することが可能となるのです。 元々受注業務でOCRの技術を利用することは珍しくありませんでしたが、そこにAIを組み込むことで従来より柔軟かつ正確な読み取りができるようになってきています。 |
2-8. 採用
採用業務でも部分的にAIが活用される例が出てきています。
履歴書やエントリーシートの評価 |
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大規模な採用を行う企業では、履歴書やエントリーシートによる書類選考にAIを活用しているケースがあります。 まず、過去の選考において面接官が評価を行った選考書類のデータをAIに学習させることで、AIはその企業の採用基準を学びます。学習した採用基準に従って、AIは選考書類を評価することができるようになります。 このことで、採用担当者が選考書類を1点ずつ確認する時間を短縮しているのです。 |
2-9. マーケティング
マーケティングでは、AIを搭載したソフトウェアやツールも増えてきており、さまざまな形でAIが活用されています。
今回はその一例をご紹介します。
購入見込みの高い顧客を予測 |
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ECサイトでは、購入見込みの高い顧客を予測するAIが売り上げ向上に貢献しています。 AIは、顧客の閲覧ページや滞在時間などのデータから、顧客がどの商品に興味を示しているか(どの商品に購入見込みがあるか)予測することができます。 予測結果に基づいて顧客が興味を持っている商品のクーポンを配信することにより、購入に至る可能性を高めることが可能となります。 |
3. 企業が生き残るためにはAIは早めに導入すべき
さまざまな業種におけるAIの導入事例を見ていただいたことで、AIの活用シーンがイメージしやすくなり、AIの導入に向けてより前向きに検討しやすくなったのではないでしょうか?
ただ、国内ではまだまだAIの活用が一般的と言える状況ではなく、
「導入するのはもっと後でも良いのでは?」
と感じる側面もありますよね。
しかし、社内に効率化したい業務やムダが多いと感じる事業があるなら、AIの導入を早急に検討することをおすすめします。
すでにお伝えした通り、経済産業省の調査報告書では、AIの導入によって従業員一人当たりの労働生産性は12〜14%向上するという試算が示されています。
もし同業他社がこの推計の通り、AIを導入して生産性を10%以上も向上させたら、あなたの会社は危機を感じることになるのではないでしょうか?
もっと後でも良いと考えているうちに、周囲の企業が軒並みAIを導入しどんどん成長してしまう可能性もゼロではありません。
そのような事態になる前に、先手を打ってAIの導入に向けて動き始めた方が良いのです。
もちろん、AIはあくまでビジネスの課題を解決する手段なので、目的も設定しないまま闇雲に焦る必要はありません。
ただ、事業や業務で少しでも改善したいことがあるなら、その解決策としてAIの導入はぜひ選択肢に入れておいていただきたいのです。
4. AI導入によって見込める効果
ここからは、AIを導入することでビジネスにどのような効果がもたらされるのかをご紹介していきます。
自社の課題や目標とも照らし合わせながら、AIの導入を自分ごととして考えてみてくださいね。
4-1. 業務効率の向上
AIの導入によって、人力で行ってきた作業を自動化することができれば業務効率の向上が見込めます。
例えば、問い合わせに自動で応答できるチャットボットについて考えてみましょう。
ある製品について、どこで購入できるか教えて欲しいという内容の問い合わせがあったとします。
AIチャットボットが導入されていない場合は、メールやSNSのメッセージ機能などを使って、従業員自らお客さまに購入できる店舗の場所やECサイトのURLを伝える必要がありますよね。
その際に従業員は、文面を調整したり文章を入力する時間を割かなければいけません。
一方で、AIチャットボットを導入していれば、そういった作業をAIが代わりに行ってくれます。そうすると従業員は対応に時間を取られない分、他の業務に当たることができるようになります。
結果的に同じ時間内でこなせる業務量は、AIを導入している場合の方が多いはずです。
このように、従来人間が行っていた作業をAIに任せることで、労力が増えて業務効率の向上に繋がるのです。
4-2. 売り上げアップ
AIの導入によって売り上げアップも期待できます。
これは先ほどもお伝えしましたが、従業員が行ってきた作業をAIが代わりに行うことで、その分従業員は別の業務に当たることができるようになります。
例えば小売店であれば、集客のためのキャンペーンを企画したり、ディスプレイをより魅力的なものに変更したりと、売り上げに直結するような業務に人手を割けるようになります。
つまり、AIを導入することで、利益に直結する業務に人の労力を割り当てることができるようになるので、売り上げの改善が期待できるのです。
4-3. 労働力不足の解消
AIを導入し、従業員が行ってきた作業をAIが代わりに行うことで、労働力不足の解消につながります。
例えば以下のような作業をAIに行わせることで、人の労働力を削減することができます。
- 単純作業
- パターン化された作業
- データに基づいた予測や計算
単純作業やパターン化された作業は、人間にも容易にできることではありますが、それが長時間に及べば負担は大きくなりますし、交代要員も必要になってきます。
しかしAIなら、基本的に長時間作業を行っても作業効率を落とすことはありませんし、もちろん作業を交代させるために複数のAIシステムを用意する必要もありません。
データに基づいた予測や計算については、場合によっては人間が行うよりずっと早いスピードで行うことができます。
こういったことから、AIを上手く使えば不用意に人の労働力を割く必要がなくなり、労働力不足の解消に繋がることがお分かりですね。
4-4. コストの削減
AIを導入することで、効率の良い業務遂行が可能となり、事業や業務内容によっては大幅なコストカットが見込めます。
例えば次のような方法でムダを省くことができます。
- 人が行ってきた作業をAIが代行することによる人件費の削減
- 製品などの需要予測によるムダな在庫の削減
- 配送ルートの最適化によるムダな人件費や燃料の削減
- 機器類の故障予知による保守コストの削減
- 最適なリソース量やサイズの予測によるムダなリソースの削減
特に、どのような業種においても人件費の削減については、AI導入によって最も期待されるところです。
4-5. 顧客満足度の向上
特に接客やカスタマーサポートなどの領域では、AIを導入することで顧客満足度の向上が期待できます。
こういった分野で役立っているのが、音声認識機能を持つAIです。
音声で聞き取った問い合わせ内容をAIが認識し、オペレーターの使用する端末に最適な回答や、回答に役立つ情報を提示してくれるというシステムが実際に利用されています。
このような仕組みがあれば、オペレーターは問い合わせに対してスムーズに回答することができ、利用者の待ち時間も削減することが可能です。
結果的に顧客満足度の向上にも繋がるでしょう。
5. AIの導入に必要なプロセス
AIを導入することで、さまざまな効果を得られることがお分かりいただけたかと思います。
では、実際に導入していくとなると、具体的にどのような手順を踏む必要があるのでしょうか。
実は、一言にAIを導入すると言っても、すぐに使えるソフトウェアやサービスを導入するのか、自社の課題に特化した言わばオリジナルのAIを導入するのかで必要なプロセスが変わってきます。
今回は、より工程数が多い後者の場合に、どのようなプロセスが必要になってくるかをご紹介します。
①課題の抽出 | 自社の事業や業務における課題を抽出し、整理する。 |
---|---|
例:小売チェーンでの現場管理職の業務負担を低減したい。 | |
②解決する課題の決定 |
AIの導入によって解決する課題を決める。 AIの機能(できること)を考慮し、各課題の解決にAIが必要かどうかを判断基準にすると良い。 |
例:各店舗における売り上げ予測とそれに基づく発注業務、販売計画の策定に時間がかかるのでAI導入によって効率化したい。 | |
③業務範囲の検討 |
②で決めた課題にまつわる業務の内、AIを活用する範囲と人が作業する範囲を明確にする。 事例を参考にしつつ、費用対効果も考慮する。 |
例:過去の売り上げデータに基づき、AIに売り上げ予測を行わせることにした。 | |
④学習用データの準備 |
AIの学習用データを収集し、学習に適した形式になるよう処理する。 AIの活用方法によっては、Web上で提供されているデータセットを利用したり、データの提供を外注することも可能。 |
例:過去5年分の売り上げデータをAIの学習データとして準備。 | |
⑤AIの選定 | 解決すべき課題に適したAIや関連サービスを選定する。 |
例:クラウド上で提供される状況予測が可能なAIを選定。 | |
⑥AIに学習させる | ④で準備したデータをAIに学習させる。 |
例:準備した過去の売り上げデータをクラウド上でAIに学習させる。 | |
⑦システムに組み込む | 必要に応じて学習が完了したAIを、プログラミングによってシステムに組み込む。 |
例:日付や天候などの条件を入力すれば、その日付の売り上げ予測が出力されるようにシステムを構築する。 | |
⑧試験導入 |
AI(を組み込んだシステム)を試験的に使用する。 実用性や効果、運用コストなど総合的に評価し、必要に応じて調整を行う。 |
例:AIによる売り上げ予測の精度を上げるため、特定商品の特売日などイベントも入力条件に追加した。 | |
⑨本格導入 |
必要な調整が終わったらAIの本格導入開始。 AI活用中に得たデータも学習させ、活用する中でさらに精度を高めていく。 |
自社でのみ活用できる独自のAIシステムを導入するとなると、このようなプロセスが必要となります。
AIに関する知識や技術を持ったエンジニアなど、AI関連の人材が在籍していない限り、社内でこういった工程をこなしていくのは困難ですよね。
そのため、多くの場合、AIについて知見のあるコンサルティング業者と協力してAIの導入を進めていくことになるでしょう。
6. AIを導入する際の課題・デメリット
AIの導入には、ご紹介したようなプロセスが必要となる他にも、導入のハードルを上げてしまうような課題やデメリットが存在します。
それが以下の3つです。
- AI導入による効果が不明瞭
- AI導入のためのコスト
- AIに精通する人材が居ない
このような課題を事前に把握しておき、あらかじめ対策を検討しておくことが重要です。
早速一つずつ詳しく見ていきましょう。
6-1. AI導入による効果が不明瞭
まずAI導入する上で課題となるのが、本当に効果があるのかはっきりしないという点です。
これはAIに限らず、新しい技術や初めて業務システムをする際にも感じることかもしれませんね。
AIをはじめとした新しい技術やシステムを導入する際に、その効果の不明瞭さが課題となるのは、
- 解決したい課題や導入の目的が明確になっていない
- 自社事業とAIの両方に精通した人が居ない
といったところに起因すると考えられます。
上記のような要因のため、改善のビジョンがなかなか見えてこないのです。
裏を返せば、この課題を乗り越えてAIを導入するには、「AI導入の目的を明確にした上で、自社事業にフォーカスしてくれる支援業者と連携すること」が重要になってきます。
6-2. AI導入のためのコスト
AI導入のためにかかる費用も、導入におけるデメリットと言えるでしょう。
特に、独自に開発したAIシステムやサービスを導入するとなると、仕様によっては大きな出費になってしまいます。
しかし、AIをうまく活用できれば人件費など業務上のコストを削減できる可能性も高いです。
コストの問題を克服するために重要なのは、そういった費用対効果を詳細に計算し、AIを活用する業務範囲を判断することなのです。
6-3. AIに精通する人材が居ない
社内でAIに詳しい人材を抱えていないことも、大きな課題の一つです。
まだ活用したことのない技術だからこそAIの専門知識を持った人物が導入を推し進める必要があるにも関わらず、そういった人材が居ないというのは難しい問題ですよね。
AIに精通した人が居ないために、なかなか導入に向けて動き出せないというケースは多いでしょう。
社内に居ないのであれば、やはり外部の支援業者と協力することが必要になってきます。
AIの専門知識を持った企業に相談するだけでも、何か糸口が掴めることもあるはずです。
もし人材の不在がネックになっているなら、次の一手としてAIに精通したコンサルティング会社に相談してみるのも良いでしょう。
7. AI導入を成功させるためのポイント3つ
AIを導入し、一定以上の効果を得てビジネス上の課題を解決に導くためにはポイントがあります。
実は先ほどご紹介した、「AIを導入する際の課題」をきちんと克服することが成功のための鍵となるのです。
具体的には以下の3つがそのポイントです。
- AIの導入目的を明確にする
- 費用対効果を考慮する
- 自社に合ったパートナー企業を選ぶ
それぞれ詳しく説明しますね。
7-1. AIの導入目的を明確にする
まず一つ目のポイントは、AIの導入目的を明確にすることです。
AIの導入によって何をどのように解決・改善したいのかという目的意識をはっきりさせておくことで、目的達成のための手段として適切な形でAIを導入しやすくなるからです。
もし目的が十分に具体化できていないままAIの導入に向けて動き出してしまうと、
- AIの導入自体が目的かのような動きになっていく
- AIでなくても解決できる課題に対してAIの導入を進めてしまう
- 導入に向けて動く中で生じた問題に気付けず軌道修正できない
といった状況に陥ることが予想され、これではAI導入の効果を十分に得ることはできないでしょう。
目的をできるだけ詳細にはっきりと定め、そこに向けて最適な形でAIを導入することは、AIの導入を成功させる上で欠かせないポイントなのです。
7-2. 費用対効果を考慮する
AIを導入した結果、どれくらい売り上げやコストカットが期待できるのか、費用対効果やROI(投資収益率)についても具体的に考慮するようにしましょう。
AIを導入すれば、「人件費が削減できる」、「売り上げアップに役立てる」ということが分かっているだけではAI導入を成功させるためには不十分です。
正確に数字を算出することは難しいかもしれませんが、目標値を設定するという意味でもAIにどれほどの予算を割いて、その結果どれくらいのリターンが見込めるのかということを、事前に試算することは重要です。
また利益やコストカットを試算する際には、AIによる直接的な効果だけでなく、「AIの導入で起こる従業員の働き方の変化」がどのような効果をもたらすのかも考えてみてください。
余裕のできた従業員に任せる業務によっても、AIの効果は変わってくるはずです。
7-3. 自社に合ったパートナー企業を選ぶ
自社独自のAIシステムやサービスを導入する場合には、AIの専門家の存在が欠かせません。
社内にそういった人材を抱えていないのであれば、自社に合ったパートナー企業を選んでAIの導入を支援してもらいましょう。
パートナーとして支援してくれる企業を選ぶ際には、以下のような点を判断基準にしてみてください。
- AIについての知見や実績がある
- 自社の事業や課題に真摯に向き合う姿勢が見られる
- AIに関わる領域についても知見がある(クラウドやシステム構築など)
こういった点をチェックして支援業者を選べば、あなたの会社にマッチした提案やサポートを受けられるはずですよ。
8. AI導入のパートナーをお探しならNTT東日本へご相談ください
AIの導入に当たってサポートが必要であれば、ぜひNTT東日本のクラウドソリューションへご相談ください。
「クラウドとAIは関係あるの?」
と疑問に感じられるかもしれませんが、実は現在企業で活用されているAIの多くがクラウド上で学習や推論を行っており、クラウドとAI両方の領域をまたぐサポート実績も年々増えております。
クラウドにもAIにも知見のあるNTT東日本だからこそ、AIの導入について柔軟にご提案することができ、お客さまの課題を解決に導いてこれたのです。
ここではそのような、「課題を解決に導くAIの導入」を可能にする私たちの強みをご案内します。
8-1. AIの専門家×クラウドのプロによるワンストップのサポート
NTT東日本では、AIとクラウド、各分野の専門家がお客さまのクラウドAI導入をワンストップでサポートいたします。
具体的には以下のようなチームや人材が揃っています。
- AIの専門家集団であるデータサイエンティストチーム
- Amazon Web Service(AWS),Microsoft Azureの認定資格を持つ1,500人を超えるクラウドのプロフェッショナル※
上記のようなAIとクラウド、それぞれの領域のプロフェッショナルが協力してお客さまのAI導入をサポートするため、AIの動作環境であるクラウドからAIを組み込んだシステムの構築まで幅広いサポートが可能です。
弊社に在籍するAIの専門家とクラウドのプロのチカラを集結した一元的なサポートにより、お客さまの課題解決をサポートするAIの導入を目指します。
8-2. ニーズに応える圧倒的なコンサルティング力
150を超える実績で培った、柔軟なコンサルティング力も、あなたの企業でのAI導入を強力にサポートします。
例えばAIの導入に関して、必要に応じて以下のような対応を行います。
- 課題の抽出からお手伝い
- 課題解決を目的とした実現性の高いAI導入をご提案
- 手の届く価格に応じたご提案
- ご担当者さまの負担を最小限に抑えるサポート
- AIの運用開始後のサポート
など
もちろんこの他にもお客さまのご要望に可能な限り寄り添ったご支援をさせていただきます。
細かいご希望や疑問、不安に感じていることなどなんでもお話しくださいね。
AIの導入について、前向きに検討されている場合も、まだ導入を迷っていらっしゃる場合も、ぜひお気軽にご相談ください。
お客さまの課題解決に向けて、誠実に対応させていただきます。
9. まとめ
AIの導入事例やメリット・デメリットなどをお伝えしてきましたが、自社へのAI導入について前向きに動き出せそうでしょうか?
最後に今回の内容をまとめておきます。
AIとは、人工知能のことで、「人間の知能を人工的に再現し、さまざまな判断や振る舞いを可能にするシステム」という意味合いのものを指します。
AIはデータを学習することで、特徴や規則性、基準などを学び、正確な判断ができるようになります。
そのため、学習のプロセスや教材となるデータはAIには欠かせないものと言えます。
AIはすでにさまざまな企業で導入が進んでいて、今回はその中でも以下の業種・業務での導入事例をご紹介しています。
業種 | 業務 |
---|---|
|
|
今後も企業でのAIの導入はどんどん増えていくことが予想されます。
あなたの会社でも、競合他社に遅れをとることなく早めに導入することをおすすめします。
AIの導入によって、以下のような効果が期待できます。
- 業務効率の向上
- 売り上げアップ
- 労働力不足の解消
- コストの削減
- 顧客満足度の向上
AIの導入には次のようなプロセスが必要となり、社内にAI関連の人材を抱えていないなら、支援業者のサポートを受けると良いでしょう。
②解決する課題の決定
③業務範囲の検討
④学習用データの準備
⑤AIの選定
⑥AIに学習させる
⑦システムに組み込む
⑧試験導入
⑨本格導入
また導入にあたっては、次のような点が課題・デメリットとなります。
- AI導入による効果が不明瞭
- AI導入のためのコスト
- AIに精通する人材が居ない
AIの導入によって十分な効果を得て成功するためには、こういった課題を克服することがポイントとなってきます。
具体的には以下のようなことに気をつけてみてください。
- AIの導入目的を明確にする
- 費用対効果を考慮する
- 自社に合ったパートナー企業を選ぶ
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