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Azure Database for MySQLとは?主な機能や利用時の注意点を解説

Azur利用者が同サービスでもMySQLを利用したいと言う要望から生まれたのが、「Azure Database for MySQL」です。

システム管理を行う方にとって「サーバーの設定やバックアップなどのノンコア業務を効率化したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

マイクロソフトが管理するAzure Database for MySQLは、サーバーやバックアップ管理やパッチの更新を自動で行ってくれます。その分システム運用者は、データベースの設計やデータの管理に集中できるでしょう。

本記事では、Azure Database for MySQLの基本を解説するとともに、主な機能やメリットについて解説します。

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1.Azure Database for MySQLとは

Azure Database for MySQLは、マイクロソフトが提供するクラウドベースのデータベースサービスです。

MySQLデータベースをクラウド上で簡単に構築、管理、運用できるように設計されており、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションのバックエンドとして利用されることが多いです。

1-1.Azure Database for MySQLの概要

Azure Database for MySQLは、オープンソースのデータベース管理システムであるMySQLをベースにしています。

大きな特徴は、マイクロソフトのクラウドプラットフォームであるAzure上で動作することです。これにより、高い可用性、セキュリティ、スケーラビリティを提供し、企業や開発者が安心してデータベースを利用できます。

具体的には、Azure Database for MySQLは自動バックアップ、データ暗号化、地理的に分散した複数のデータセンターによる災害復旧機能など、企業レベルの要求に応える多くの機能を備えています。また、利用状況に応じてデータベースのパフォーマンスを柔軟に調整することも可能です。

このサービスは、Webサイトやアプリケーションの開発を行うエンジニアの業務効率化に効果的です。たとえば、eコマースサイトやコンテンツ管理システム(CMS)、顧客管理システム(CRM)など、MySQLを使用するさまざまなアプリケーションのバックエンドとして利用できます。

Azureのインフラストラクチャを活用することで、開発者はデータベースの運用や管理にかかる手間を減らし、アプリケーションの開発に集中できるようになります。

1-2.Azure Database for MySQLの主な機能

Azure Database for MySQLの主な機能は以下の通りです。

機能 特徴
データベースの監視機能
  • 使用率の追跡:CPUとストレージの使用率をリアルタイムで監視
  • ログオンと接続の監視:成功と失敗の数を含むログオンの詳細を追跡
  • データベース操作の分析:SQLクエリやトランザクション情報の監視により、障害分析やチューニングに役立つ
高可用性の確保
  • Azure Service Fabricの利用:データを地理的に分散した複数の場所に複製し、障害発生時でもサービスの継続を保証できる
  • オンラインによるデータベース移行:データのコピー、同期を行うことで最小限のダウンタイムで移行できる
パフォーマンスの最適化
  • AIによる分析: 過去のパフォーマンス改善事例を学習したAIが、サーバー間のワークロードを分析
  • Query Performance Insight: 実行時間が長いクエリや最適化の余地がある部分を特定し、チューニングを容易に行える

これらの機能がありますが、導入することにより設計・運用負担を削減できる点が、大きな利点になります。

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2.Azure Database for MySQLのデプロイモデルとは

Azure Database for MySQLは、以下の2つのデプロイモードを利用できます。

  • フレキシブルサーバー
  • シングルサーバー

これら2つのモードについて詳しく解説します。

2-1.フレキシブルサーバーの特徴

フレキシブルサーバーは、Azure Database for MySQLの最新デプロイモデルで、高度なカスタマイズ性と制御性を提供します。このモデルの主な特徴は以下の通りです。

  • カスタマイズ可能な設定: ユーザーは、メンテナンスのタイミングやバックアップのスケジュールなど、多くの設定を自由にカスタマイズできます。
  • スケーラビリティ: ビジネスの成長に合わせて、リソースの拡張や縮小が容易に行えます。
  • 高いパフォーマンス: 最新のインフラストラクチャを利用し、高速なデータ処理を実現します。

フレキシブルサーバーは、特にカスタマイズ性と拡張性を重視するビジネスに適しています。

参考:Microsoft Learn「フレキシブル サーバー デプロイ モデルの概要 – Azure Database for MySQL – Flexible Server」

2-2.シングルサーバー(単一サーバー)の特徴

シングルサーバーは、Azure Database for MySQLの従来のデプロイモデルで、以下の特徴があります。

  • シンプルな設定: 初期設定が簡単で、迅速にデプロイが可能です。
  • 管理の容易さ: サーバー管理が比較的シンプルで、初心者にも扱いやすいです。

ただし、シングルサーバーモデルは将来的に廃止される予定であり、新しいプロジェクトや長期的な計画には不向きです。

既存のシングルサーバーを使用しているユーザーは、将来的な移行計画を考慮する必要があります。

参考: Microsoft Learn「フレキシブル サーバー デプロイ モデルの概要 – Azure Database for MySQL – Flexible Server」

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3.Azure Database for MySQLのバックアップ

Azure Database for MySQLのフレキシブルサーバーでは、データの安全性と復旧能力を高めるために、効率的で信頼性の高いバックアップ機能が提供されています。この機能により、万が一のデータ損失や障害発生時にも迅速に対応できます。

フレキシブルサーバーのバックアップ機能は、主に自動バックアップと手動バックアップの2種類です。自動バックアップは、システムが定期的にデータベースのスナップショットを取得し、これを保管します。この自動バックアップはデフォルトで毎日行われ、最大35日間保持されます。この期間内であれば、任意の時点のデータに復元することが可能です。

一方、手動バックアップはユーザーが任意のタイミングでバックアップを実行できる機能です。特定のイベント前や重要なデータ更新後など、ユーザーが必要と判断した時点でデータベースの状態を保存できます。

これらのバックアップ機能により、Azure Database for MySQLのフレキシブルサーバーは、データの安全性を確保しつつ、ビジネスの継続性を高める重要な役割を果たします。データベースの運用においては、これらのバックアップ機能を適切に活用することが安心してサービスを提供するための鍵になるでしょう。

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4.他のAzureのデータベースサービスとの違い

Azureは、さまざまなデータベースサービスを提供しており、それぞれが異なる特性と機能を持っています。

ここからは、以下のデータベースとの違いを解説します。

  • Azure SQL Database
  • Azure Database for PostgreSQL
  • Azure Cosmos DB

それでは詳しく解説します。

4-1.Azure SQL Database

Azure SQL Databaseは、データベース管理システムであるMicrosoftの「SQL Server」のクラウドサービスです。Azure Database for MySQLやAzure SQL Databaseと同様に、Azure上で提供されるフルマネージドサービスであることに違いはありませんが、対象となるデータベースが異なります。

「Azure Database for MySQL」はMySQLが対象ですが、「Azure SQL Database」はSQLを対象としたものです。

4-2.Azure Database for PostgreSQL

Azure Database for PostgreSQLは、オープンソースのPostgreSQLをベースにしたマネージドサービスです。このサービスは、PostgreSQLの豊富な機能と拡張性をクラウド環境で提供し、自動バックアップやスケーリングなどを行えるメリットがあります。

Azure Database for MySQLと比較して、PostgreSQLはより複雑なデータモデリングや大規模なデータベース操作に適しています。

4-3.Azure Cosmos DB

Azure Cosmos DBは、グローバル分散型のマルチモデルデータベースサービスです。

このサービスは、ドキュメント、キー/値、グラフ、列ファミリーなど複数のデータモデルをサポートし、世界中の任意の地域にデータを分散させることができます。

Azure Database for MySQLとの大きな違いは、非リレーショナルデータや大規模分散データベースに対応している点です。低レイテンシや高スループットが求められるグローバルスケールのアプリケーションに適しています。

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5.Azure Database for MySQLを利用するメリット

Azure Database for MySQLを利用するメリットは以下の通りです。

  • 各種アップデートや管理作業が不要
  • 情報セキュリティレベルの向上が期待できる
  • オンライン移行でダウンタイムを最小限にできる

5-1.各種アップデートや管理作業が不要

Azure Database for MySQLはフルマネージドサービスであるため、OSのアップデートやデータベースの情報セキュリティパッチ適用などの管理作業が不要です。これにより、管理者の対応負荷が軽減され、より重要な業務に集中できます。

また、サーバー設定変更や障害対応などもサービスの管理元が実施するため、運用の手間が大幅に削減されます。

5-2.情報セキュリティレベルの向上が期待できる

Azure Database for MySQLを利用することで、Azureの高度な情報セキュリティ機能を活用できます。

これには、データの暗号化・アクセス制御・監査ログの提供などが含まれ、データの保護とセキュリティの強化が図れます。これにより、企業の重要なデータを安全に管理することが可能になります。

5-3.オンライン移行でダウンタイムを最小限にできる

Azure Database Migration Serviceの継続的同期機能を利用することで、データベースの移行時に発生するダウンタイムを最小限に抑えられます。

移行プロセスでは、まず移行元のサーバーからAzure Database for MySQLへのデータコピーを行い、その後新たに生じるデータの更新を継続的に同期します。これにより、データベースの移行をスムーズかつ迅速に行うことが可能です。

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6.Azure Database for MySQLの料金

Azure Database for MySQLの料金は、使用するリソースに応じて変動します。

料金体系は、選択するサーバーのスペック(CPU、メモリ、ストレージ)や、データベースのスケールに基づいています。

具体的な料金は、Azureの公式Webサイトで提供される料金計算ツールを使用して確認できます。

また、料金プランには、基本的な機能を備えたスタンダードプランから、より高度な機能を提供するプレミアムプランまで、さまざまなオプションが用意されています。

詳しい内容は以下の公式サイトをご確認ください。

参考: Microsoft Azure「フレキシブル サーバーの価格 – Azure Database for MySQL」

7.Azure Database for MySQLの利用で注意するポイント

Azure Database for MySQLを利用する際に注意するポイントは以下の通りです。

  • コントロールできない項目に注意
  • サーバーを削除すると復元できない

それでは詳しく解説します。

7-1.コントロールできない項目に注意

Azure Database for MySQLを利用する際には、フルマネージドサービスの特性上、オンプレミスやIaaS上でのMySQL Serverのような細かいチューニングができない点に注意が必要です。

特に、技術的に非常に細かな要件を持つシステムや、セキュリティ上の理由でクラウドシステムを利用できない場合、オンプレミスでのデータベース構築が必要になることがあります。

また、緊急メンテナンスが提供元の判断で実施されることがあり、事前にアナウンスがない場合もあるため、これらの点を事前に理解し、対応策を考えておくことが重要です。

7-2.サーバーを削除すると復元できない

Azure Database for MySQLでは、サーバーを削除すると、バックアップからのデータ復元が不可能になります。

バックアップは最大35日間保持されますが、サーバー削除後の復元はできないため、削除を行う前には慎重な検討が必要です。

データの安全性を確保するためには、定期的なバックアップの実施と、削除前の確認が不可欠です。これにより、万が一のデータ損失を防ぐことができます。

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8.クラウドの導入ならNTT東日本へご相談ください

Azure Database for MySQLは、マイクロソフトが提供するクラウドベースのデータベースサービスで、MySQLをベースにしたフルマネージドサービスです。Azure関連のサービスを利用することで、業務効率化やネットワークの構築に力を入れることができます。

ただし、Azureを利用したクラウド化は簡単ではありません。専門知識はもちろん、初期設定や運用など、専門家が必要な設定が多いです。

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Azure Database for MySQLについてまとめ

Azure Database for MySQLは、マイクロソフトが提供するクラウドベースのデータベースサービスで、MySQLをベースにしたフルマネージドサービスです。

このサービスは、特にWebアプリケーションやモバイルアプリケーションのバックエンドとして利用されることが多く、高い可用性、セキュリティ、スケーラビリティの高さが魅力のサービスです。

Azure Database for MySQLの利用には、各種アップデートや管理作業が不要であること、情報セキュリティレベルの向上、オンライン移行でのダウンタイムの最小化などのメリットがあります。

しかし、フルマネージドサービスのため、細かいチューニングができない点や、サーバーを削除するとデータの復元が不可能になる点に注意しましょう。

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