Azure Databaseとは?Azure SQL Databaseの機能や特徴、メリットを解説

データベースはあらゆるシステムの基盤として欠かせない技術の一つです。Azureでは利用者の環境にあわせて複数のデータベースが利用でき、クラウドサービスならではの特徴とあわせて、Azure Database独自の強みも持っています。
今回は、Azure Databaseの概要から、特に、Azure SQL Databaseの機能や特徴、Azure SQL Databaseを利用するメリットを紹介します。

Azure Databaseで利用できるDBの種類

Azure Databaseは、Azureサービス上で利用できるフルマネージドでインテリジェントなクラウドデータベースサービスの総称です。Azure Databaseではいくつかのデータベースエンジンからご利用の環境にあわせて選択できます。ここでは、代表的な5つのデータベースエンジンを見ていきましょう。

Azure SQL Database

Microsoft社が開発・提供しているSQL Serverのクラウド版。サーバーレス、ハイパースケールストレージ、AIなどを使用した自動機能を備えた最新のリレーショナルデータベース。

Azure Database for PostgreSQL

オープンソースのリレーショナルデータベースであるPostgreSQLを、フルマネージドなクラウド環境上で利用するサービス。ハイパースケールを使用した高パフォーマンス水平スケーリング機能に対応。Azure Database for PostgresSQLについては、「Microsoftプラットフォームで力を発揮する『Azure PostgreSQL』の魅力と特徴」を参照してください。

Azure Database for MySQL

オープンソースのリレーショナルデータベースであるMySQLを、フルマネージドなクラウド環境上で利用するサービス。簡単にセットアップ、スケーリングが行え、MySQLの最新コミュニティエディションで構築可能。Azure Database for MySQLについては、「Azureの基盤上でMySQLを動かす!フルマネージドサービスの Azure Database for MySQLの特徴や注意点を解説」を参照してください。

Azure Database for MariaDB

オープンソースのリレーショナルデータベースであるMariaDBを、フルマネージドなクラウド環境上で利用するサービス。一般的なオープンソースフレームワークやプログラミング言語が使用でき、Azure Web Appsと強固に統合されている。

Azure Cosmos DB

Microsoft独自のグローバル分散マルチモデルデータベースサービス。NoSQLデータベースに分類され、高速な処理が特徴であり、1桁ミリ秒の応答時間と99.999%の可用性のSLAが適用されている。Azure Database for Cosmos DBについては、「ミッションクリティカルなシステムに対応できるAzure Cosmos DBの特徴や注意点を解説」を参照してください。

このほかにも、Azure Synapse AnalyticsAzure Cache for Redisなど、Azure Databaseが提供するサービスは存在しますが、そのなかでもフルマネージドのPaaSデータベースエンジンである「Azure SQL Database」について機能や特徴などを詳しく見ていきましょう。

Azure SQL Databaseの機能、特徴

Azure SQL Databaseの機能や特徴について、一つずつ紹介します。

自動的な更新プログラムの適用

オンプレミスのSQL Serverの更新プログラムは、製品のリリース後12か月までは毎月提供され、その後は隔月で提供されるサービスモデルとなっています。
一方、Azure SQL Databaseはフルマネージドのサービスであるため、更新プログラムの適用はAzure側で自動的に行われ、ユーザーによる手動での更新プログラム適用をしなくても、常に最新の状態で利用可能です。

最新バージョンのデータベースエンジンの利用

Azure SQL Databaseでは、更新プログラムの適用だけでなくSQL Serverのバージョンアップも自動的に行われます。そのため、ライフサイクルをユーザー側で意識しておく必要はありません。
オンプレミスのSQL Serverでは利用できる機能はインストールしたバージョンに依存するため利用しているバージョンが実装していない機能を使いたい場合にはユーザーが手動でバージョンアップする必要がありました。また、バージョンのライフサイクルもユーザー側での把握が必要で、利用しているバージョンのサポート終了までにバージョンアップなどをしておかなければなりませんでした。

99.9%の可用性

Azure SQL Databaseは、99.9%以上の時間における可用性がSLAによって保証されています。Azure SQL Databaseの構成やサービスレベルによって詳細は異なりますが、SLAが既定する可用性は99.9%を下回ることはありません。(2020年8月現在)Azure SQL Databaseでデータベースを作成すると、標準でデータベースの可用性が考慮された構成で作成可能です。

バックアップの自動的な取得

Azure SQL Databaseはサービスレベルにかかわらず、完全・差分・トランザクションログの自動バックアップを取得します。

バックアップの種類 バックアップ頻度
完全バックアップ 毎週
差分バックアップ 12~24時間ごと
トランザクションログバックアップ 5~10分ごと

自動取得するバックアップは、過去7日間のPITR(ポイント・イン・タイム・リカバリ:故障直前の状態、特定の時間の状態までのリカバリ)が可能な十分なバックアップが保持されます。

柔軟なリソーススケールの変更

Azure SQL DatabaseではCPUやメモリなどのリソースを柔軟にスケールできます。標準で可用性が考慮された構成で作成されるためダウンタイムが最小化でき、また、オンラインでのスケール変更も可能です。Azure SQL Databaseは従量課金制ですが、「利用者が多い時間帯はスケールアップ」「利用者が少ない時間帯はスケールダウン」といった柔軟なリソーススケールの変更によって、コストを抑えることもできます。

Azure SQL Databaseを利用するメリット

Azure SQL Databaseを利用するメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

最大86%のコストカットが可能

Azure SQL DatabaseとAWS RDSを利用する際のコストを比較すると、Azure SQL Databaseでは最大86%のコストカットが可能という結果が出ています。コストパフォーマンスに関する調査は、2019年8月にMicrosoft社がGigaOm社に依頼して調査した結果をもとにしています。
この調査では、Azure/AWSの双方で3年間データベースサービスを利用する際のコストを1秒間のスループットあたりのトランザクション数で割った結果で比較していて、AWS RDSが$2,119.10/tpsであるのに対して、Azure SQL Databaseは$290.72/tpsと86%ものコストカットができることが明らかになっているのです。

選べるデプロイオプションによる高可用性・最適化を実現

Azure SQL Databaseでは、ご利用の環境にあわせて次の3つのデプロイオプションが用意されています。

単一データベース

データベースごとに専用のリソースを持つため、最も汎用性が高く一般的に利用されているデプロイオプション。専用のリソースを持ち、スケール変更が容易に行えるため、特定の時間帯にリクエスト数が増加するアプリケーションなどを支えるデータベースとして活用されるケースが多い。

エラスティックプール

複数のデータベースがリソースを共有し、単一データベースの集合体のようなイメージのデプロイオプション。単一データベースをプールへ追加したり、プールから単一データベースとして切り出したりできるため、各データベースのパフォーマンスに弾力性を提供しながらコスト効率を高めることが可能。

Managed Instance

オンプレミスのSQL Server環境をセキュアにクラウドへリフト&シフトする際に利用できるデプロイオプション。オンプレミスから手間を掛けずにAzure SQL Databaseに移行したいユーザー向け。

ご利用の環境にあわせて、3つのデプロイオプションから最適なものを選択することで、構成・コストの最適化と高可用性が実現できます。

自動パフォーマンス監視によるメンテナンスコストの削減

Azure SQL Databaseには「Query Performance Insights」と呼ばれる自動パフォーマンス監視機能が提供されています。データベースリソースの消費量情報や、実行回数での上位データベースクエリの詳細など、ダッシュボード形式でデータベースのパフォーマンスの監視が可能です。
また、AIと機械学習に基づく自動パフォーマンスチューニング機能も備わっており、自動チューニングが有効な状態で長時間稼働させることで、パフォーマンスを向上させることができます。一般的に、データベースのパフォーマンス監視・チューニングは非常に手間が掛かりますが、Azure SQL Databaseでは自動化できるためメンテナンスコストの削減が可能なのです。

Azure SQL Databaseの料金体系

Azure SQL Databaseの料金体系は「購入モデル」と「サービスレベル」からなります。購入モデルは「vCore」「DTU」から選択可能です。

vCore(仮想コア)モデル

Azure SQL Databaseの処理能力とストレージをそれぞれ選択できるモデルであり、ユーザー側で要件を個別に選択できる柔軟性がある。単一データベースのvCoreモデルのみ、サーバーレスのコンピューティングレベルを選択可能。

DTU(Database Transaction Unit)モデル

処理能力とストレージがセットとなったサイズの選択を行う。細かいリソースの指定は行わず、DTUという相対的な単位で性能が表示されるため、シンプルさを好むユーザー向け。

また、それぞれの購入モデルごとにサービスレベルが定義されており、それぞれを簡単にまとめると次のとおりです。

購入モデル サービスレベル 概要
vCore 汎用 予算重視でバランスの取れたスケーラブルなオプション
Business Critical 障害に対する最大の回復性をアプリケーションに提供するオプション
ハイパースケール 必要に応じてストレージの柔軟な自動拡張が可能。障害に対するより高い回復性を提供するオプション
DTU Basic 最大ストレージサイズ2GB、最大バックアップ保有期間7日間
Standard 最大ストレージサイズ1TB、最大バックアップ保有期間35日間
Premium 最大ストレージサイズ4TB、最大バックアップ保有期間35日間

購入モデル・サービスレベルの詳細や、価格については「Azure SQL Databaseの価格別ウィンドウで開きます」をご参照ください。

まとめ

Azure DatabaseはAzureサービス上で利用できるフルマネージドでインテリジェントなクラウドデータベースサービスの総称です。そのなかでも、本コラムではAzure SQL Databaseについて、機能や特徴、利用するメリットについて紹介しました。Azure SQL Databaseは最新バージョンのデータベースエンジンが利用でき、99.9%以上の可用性が保証されたフルマネージドのPaaSデータベースエンジンです。
Azure SQL Databaseは競合他社の製品と比較して最大86%のコストカットできる可能性があることや、自動パフォーマンス監視・チューニングなどのメリットがあります。

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