NTT東日本「クラウド活用による業務効率化セミナー」レポート

中堅・中小企業のクラウド導入推進に向けたセミナーを開催!

2020年2月、東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)東京事業部は、NTT品川TWINSビル1階セミナールームにて、「クラウド活用による業務効率化セミナーと無料相談会」を開催しました。

このセミナーは、業務システムでのクラウド活用を考え始めた中堅・中小企業の情報システム担当者さま向けに行われ、クラウドサービスを利用するメリットや活用事例、導入時に留意すべきネットワークの考え方や運用管理のポイントなどをお伝えしました。

第1部「クラウドとは何か」

NTTコミュニケーションズ株式会社
クラウド・エバンジェリスト
林 雅之さま

クラウド利用は、経営面でもメリットがある

セミナーの第1部では、NTTコミュニケーションズ株式会社のクラウド・エバンジェリスト林雅之さまが登壇、「クラウドとは何か」と題して講演を行いました。

林さまは、まず1980年代からのIT領域におけるトレンドを振り返りました。1980年代に大型汎用機でさまざまな処理を行うメインフレームの時代があり、その後クライアント/サーバーモデルが普及、そして2000年代からWebブラウザーを使って作業を行うWebアプリケーションが広まったと話します。そして「2010年頃からクラウドコンピューティング(以下、クラウド)というキーワードが広まった」と続けました。

業務システムでクラウドを利用するメリットは、運用保守コストや稼働の削減、サービスを導入すればすぐに利用できることです。林さまはさらに、経営的な側面でもメリットがあると語りました。

「システムを自社で構築すると、ライフサイクルを考える必要があるうえ、資産管理や監視を行わなければなりません。サーバールームの確保やセキュリティにも対応する必要があります。クラウドのメリットは、ユーザー企業がこうした一連の業務をクラウド事業者にアウトソーシングできることです。情報システム担当者のリソースを、自社のコアコンピタンスに向けることができれば、経営面でのメリットも生まれます」

一方、デメリットとして上げられたのはガバナンスの問題です。

「保守運用をクラウド事業者にアウトソーシングするということは、セキュリティリスクやガバナンスのコントロールを事業者側に委ねることになります。たとえばクラウド事業者が突然サービスを中止したり、事業者のデータセンターに障害が発生することで事業に大きな影響があるケースも考えられます。そういったリスクをどうコントロールするかは、クラウド導入時に気をつけなければならないポイントです」

続けて、クラウドの具体的な活用例も紹介しました。その1つが「Webサイトのインフラ」としてのクラウド利用です。たとえば、ECサイトや動画配信サイトなどを運営する企業では、自社のサイトがテレビなどのメディアに取り上げられるとアクセス数が短期間で急激に増加するケースがあります。そういった時、クラウドであれば「オートスケール」と呼ばれる機能を使い、設定した閾(しきい)値を超えるとリソースを増やすことできます。

災害対策や事業継続での「バックアップ用途」も、昨今増えているクラウドの利用形態です。たとえば東京にメインサーバーを設け、西日本側にクラウド環境でバックアップサイトを構築するといったケースです。

最後に林さまは、2018年9月に経済産業省が発表した「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」で指摘された「2025年の崖」について言及しました。経産省は、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムがデジタルトランスフォーメーション(DX)によって刷新されなければ、2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があるとし、そのリスクを「2025年の崖」と名付けて警告しています。

この2025年の崖を回避する上でもポイントとなるのが、クラウドの活用です。林さまは、「まず検討すべきは、既存システムのクラウド移行や、不要なシステムを捨てる判断です。それによってシステムをコンパクトにすることで、余分な保守運用コストを削減することができます。空いたリソースは、将来的な自社ビジネスの競争力につながるデジタル投資に振り向ける。これがデジタルトランスフォーメーションの1つの形です」と述べ、講演を締めくくりました。

第2部「クラウド導入事例と検討ポイント解説」

東日本電信電話株式会社
ビジネスイノベーション本部 プロダクトサービス部
太田 祐介

クラウド移行のメリットとは?事例を交えて紹介

第2部では「クラウド導入事例と検討ポイント解説」と題して、NTT東日本 ビジネスイノベーション本部 プロダクトサービス部の太田祐介が講演を行いました。

太田は、中堅・中小企業がクラウドを検討する背景には「省スペース化(業務環境の効率的な利用)」「ハードのお守りから保守・運用管理から解放されたい(稼働削減・業務効率化)」「セキュリティ対策」「BCP(事業継続計画)対策」「引っ越しを考えていてサーバー環境の移設が面倒(業務効率化、継続)」「資産を持ちたくない」「業務プロセスを見直したい(業務効率化)」などがあると説明、いくつかの事例を紹介しました。

その1つが、10箇所で保育園を運営する企業の「クラウド利用による、サーバー管理業務の効率化」です。その企業は、各園にサーバー(NAS)を設置しており、その管理に苦労していました。

「各園に点在していたサーバーのクラウド移行によって、機器のトラブルが発生したとき、情報システム担当者が現地に駆け付けて対応しなくてもよくなり、日々のハードウェアの管理からも解放されました。サーバーを集約し、園の活動日報などを一元的に保存できるようになり、社内での情報共有も円滑になりました」

次に紹介したのが、不動産企業が「事務所スペースを見直すクラウド化」の事例です。この企業では、事業拡大のために社員を増やすことになったものの、オフィスに十分なスペースがなかったため、所有サーバーをクラウド移行することで、オフィススペースを拡大しました。

太田は「ポイントになったのは、すべてのサーバーを一気にクラウド移行するのではなく、更改対象のサーバーから順次移行したことです。減価償却期間の残っているサーバーは後回しにすることでクラウド移行にともなう余計なコストが生じないようにしたわけです」

業務継続性向上(BCP)の観点からの事例も紹介されました。2箇所に工場を持つある製造企業は、生産管理システムを本社サーバーだけで運用していたため、システムに障害が発生すると、工場内の全業務が止まってしまうのが課題でした。

太田は、社内サーバーをクラウド移行したことによるメリットをこう説明します。

「この企業では、生産管理システムを本社サーバーだけでなく、クラウド基盤上の仮想サーバーに冗長化させました。それによって本社サーバーに障害が発生しても、クラウド側のサーバーで業務を継続し、ハードウェアの復旧にあたることができるようになりました。これにより生産管理システムの停止時間も短く抑えることが可能になりました。」

太田は、これら事例のように業務システムをクラウド移行する際の重要なポイントとして、「ネットワークセキュリティ」を挙げました。

「機密情報を扱う業務システムは、悪意ある第三者に盗聴や侵入をされない、クローズドなネットワーク回線によって、セキュリティを担保する必要があります。また、セキュリティ対策でクラウド事業者が担うのは、サーバーハードやセキュリティ機器、基盤へのアクセス制御といった範囲までです。ネットワークをはじめとするそれ以外のセキュリティ対策については、クラウド事業者任せにするのではなく、自社の責任で行うことも把握しておくべきです」と話しました。

最後に、NTT東日本で提供するクラウドサービスを紹介し、「クラウド移行にはセキュアなネットワークの検討が不可欠です。クラウドとネットワークをセットでご提供できることが私たちの強みです」と話し、セッションを終えました。

終わりに

NTT東日本では、自社でクラウド導入をご検討されている企業さま、クラウドを活用したビジネスでのパートナーをお探しの企業さま、すべての企業さまからのお問い合わせや個別のご相談を随時お受けいたしております。些細な疑問でも是非一度お問い合わせください。

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