AWSへ移行する手順は?
移行するメリットや注意点も紹介

AWSは世界トップシェアのクラウドサービスです。オンプレミスからの移行を検討している方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回はAWSへ移行する際の手順やメリット、注意点について解説します。

AWS移行の手順

AWSに移行する際には以下の手順に留意して進めていきましょう。

1.目的を明確にする

開発環境もしくはオンプレミスで稼働しているシステムからAWSに漠然と移行を決めるのではなく、どのような目的で移行を行うのかポリシーを明確にしましょう。クラウドで実現したいと思っているシステムの改善点や到達すべきゴール、KPIなどについてまとめておきます。

2.現行システムの構成と機能を洗い出す

現行システムがどのような構成になっているのか、また機能はどのように実現されているのか、仕様と構成の整理を行います。現行のシステムを十分に理解しないで移行を進めると、あとから思いもよらなかったトラブルが発生することにもなりかねませんので、これも大事な作業です。

3.対象サービスをオンプレミスよりAWSクラウドで運用することの優位点を明確にする

言うまでもなくすべてのシステムがAWSに向いているわけではありません。サービスによっては、オンプレミスで運用した方が適切なものもありますので、どんなときにもクラウドサービスが最善とは考えないで検討を行うことも重要です。
移行する場合にはメリットだけではなく一時的には課題や負荷が増える可能性もあります。その点も考慮したうえで、AWSに移行することの優位点が存在していることを確認して明確にしましょう。

4.AWS移行で改善したいポイントを明確化する

現状のシステムにおける機能や、セキュリティ、パフォーマンスなどが、AWSでどのように改善されることが期待されるか、詳細に検討して明確にしましょう。

5.移行後のサービス構成を決める

AWSには120以上の多くのサービスが存在します。移行しようとするシステムにおける、必須の機能や、特に強化したい機能などを念頭に移行後のサービス構成を検討しましょう。あとになって変更することもできますが運用途中で変更するには多くの負荷がかかり、データの一時クリアのようなことが必要な場合もありますので、移行当初のサービス構成方針は極めて重要です。

6.費用について検証する

言うまでもなく非常に重要なポイントです。現行のシステムをAWSに移行した場合に、ランニングコストはどのように変わるかシミュレーションしましょう。AWSには、安価で一定期間利用できるリザーブドインスタンスや、スポットインスタンスのような常時稼働していなくても構わないサービス等もありますので、料金体系をよく調べることが肝要です。

7.移行作業を開始する

利用するサービスの構成が決まったら、サンプルデータなどを用いてサービスインスタンスなどを立ち上げ、AWS上で期待通りの機能が正常に稼働するかどうかのテスト運用を行います。問題がないようであればデータの移行を行います。
AWSのクラウドストレージへの移行を行うには、rsyncやS3 コマンドラインインターフェイスなど、通常のアンマネージド型クラウドデータ移行ツールのほか、AWSならではのAWS マネージド型クラウドデータ移行ツールなどが整備されています。
データベースの場合にはAWS Database Migration Serviceを使えば、短期間で安全にAWS に移行できます。移行中でもソースデータベースは完全に利用可能な状態に保たれ、データベースを利用するアプリケーションのダウンタイムを最小限に抑えられます。これらを使ってデータを移行し、慎重なチェックのあとに本稼働を開始します。

AWS移行のメリット

AWSへ移行するメリットについて説明します。

運用コストの削減による組織価値の向上

AWS移行により、従来かけていた多大な手間と時間、初期費用などのリスクから解放され、常に最新のテクノロジーをスピーディーに導入できるというメリットがあります。サーバー運用業務に伴う無駄なコストや時間から解放され、新事業創出の流れを加速させ、組織価値を向上させていくことができるというメリットがあります。

スタッフの生産性向上と戦略的施策の導入

AWSの提供する豊富なフルマネージドサービスを利用することにより、開発スタッフはビルドテストにかける時間を節減でき、ハードウェアに依存するメンテナンスや運用維持の時間、開発手法や学習負荷から解放され、開発の生産性が向上します。そこで生まれた時間余力をサービスの本質的な機能改善に結びつけ、ワンステップ進化した開発施策が実行できます。

ダウンタイムの減少

システムのダウンタイムは企業に計り知れないダメージを与えます。損失は金銭ばかりではなく、信頼の失墜、将来的な利益機会の損失などの重大事態につながります。
AWSに配置したWebサーバーであれば、ロードバランサーの利用も困難ではありません。複数サーバーを適切に配置することにより、障害サーバーを切断することで被害の拡大を防ぐことができます。データベースの場合、マルチAZ配置を利用することにより、インフラストラクチャ障害が発生した場合、Amazon RDSは自動的にフェイルオーバーし、フェイルオーバーが完了するとすぐにデータベースを再開できます。

信頼性とパフォーマンス性の向上

AWSは最高レベルの可用性を持ち、各国の認証や証明、セキュリティ基準、フレームワーク等を保証していますので、信頼性の高い運用環境を容易に実現できます。また簡単にサーバーのアップグレードを図ることができますので、オンプレミスの環境と比べて、優れたパフォーマンスを短時間で実現できます。

AWSに移行する際の注意点

AWSへ移行するに当たってはどのようなことに注意が必要でしょうか。

オンプレミスとの違いを意識する

これまで見てきたように、オンプレミスで運用してきたシステムを、短期間にそのまま無計画にAWSに移行させてしまうとリスクを伴う場合もあります。AWSには多くのサービスとメリットがあると同時に、運用にはクラウド特有の前提が必要になるものもあります。本当にそのシステムはAWSに移行させても良いか。させるべきか。検討を重ねたうえで、慎重に移行計画を立てましょう。

コスト管理は入念に行う

移行してしまえばコスト管理は終わりではありません。常に稼働状況と合わせてコストを管理して、最善のコストパフォーマンスを発揮できるように継続的に注意を払いましょう。そのためにはAWSに用意されているコストエクスプローラーのようなツールが役に立ちます。

AWSの新サービスを利用する際は慎重に

AWSには最新の魅力的なサービスが次々と導入されていますので、積極的に導入していきたいところですが、稼働実績がまだ少ないものもありますし、また現状のデータに影響を与える場合もあります。導入に当たっては本番環境とは別に構築したテスト環境で、十分に試験を行ってから導入することが肝要です。

まとめ

オンプレミスで運用しているシステムをAWSに移行することで、多くのメリットが期待できますが、一方で、オンプレミスとは異なったクラウド特有のノウハウが必要な場面もあります。また現在稼働しているシステムの機能や目的が本当にAWS上での運用に適しているのか検討することも必要です。移行計画は慎重に進めることが重要です。AWSには移行のために用意されているツールも多くあるので、それらを積極的に利用することも考えましょう。

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コラムをお読みいただきありがとうございます。

実際にクラウド移行を進めるとなると検討は大変です。特にこれまでクラウド移行を行ってこなかった企業さまからは、どのシステムからクラウド化を行うべきかというご質問をよくいただきます。

NTT東日本は、AWSへの移行は緊急度の高いもの、移行難易度の低いものからはじめるべきと考えます。

まず、緊急度では、

  • データ消失がビジネスリスクにつながるか
  • ハードウェア/OS/ソフトウェアサポート切れが近いか

移行難易度では、

  • 並行運用が可能か
  • 夜間等に一時的に止めても大丈夫か
  • データ移行手段が複数あるか
  • 業務プロセスに影響が少ないか

という観点を検討対象システムごとに点数化します。

具体的には、以下の図のようになります。

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