クラウドを利用した災害復旧・事業継続プラン

NTT東日本でクラウドサービスを担当しております。パブリッククラウドおよびクラウドゲートウェイの技術検証、営業支援、提案書の作成をメインで担当しております。最近は以前から気に入っていた aws docker serverspec に加え、azure にハマっています。
私たちが暮らす日本列島は自然が豊かな島国ですが、それゆえに地震や落雷・火災、洪水・豪雨による河川の氾濫、浸水などにより、常に人命のみならず企業の資産である情報システムやデータ消失の危機とも隣り合わせです。
今回、クラウドを利用したデータ消失への防御と災害時の復旧についてシステム構成をプランニングしてみました。クラウド全般で可能な手法ですが、画像はawsベースで説明いたします。他のクラウドをご利用の場合は、サービス名などを読み替えてご検討下さい。
サンプルですので、実際にはもっといろいろな組み合わせや工夫ができるかと思いますが、スタンダードなやり方なので、BCPやDRの設計を検討中の方は参考にして頂ければと思います。
プランA データのみS3へバックアップ

こちらは手元の重要データをクラウドのストレージにバックアップするプランです。データロストからの防御ですので、災害時の事業の無停止稼動は考慮しておりませんが、構成がシンプルで安価に始めることができます。
昨今では、クラウドへのアップロード・バックアップ機能を標準搭載したNASがリリースされておりますので、手軽にクラウドへバックアップすることができます。
万が一、パソコンやサーバが損壊してもデータさえ残っていれば、システム復旧後はこれまで通り営業できますので、クラウドでのデータ保管が安価に利用できるようになった昨今、最低限やっておきたい復旧プランだと思います。
プランB オンプレxクラウドのハイブリッド型

次のプランですが、オンプレのシステムとデータをクラウドで復元できるようにしたプランです。この場合、もし災害等でオンプレ環境が損壊した場合、クラウドでシステムを立ち上げます。
クラウドでVDIを起動し、日時でバックアップしたデータから業務を再開します。サーバもDNSの切り替えなどでクラウドへ切り替えを行います。プランBではオンプレのシステムが損壊したという前提なので、遠隔地にオフィスがあるか、オフィス以外の場所でシンクライアント端末やモバイル回線、電源などが利用できることが前提となっておりますので注意が必要です。
サーバの切り替えなどは、クラウドのサーバレスアーキテクチャなどを利用してオンプレダウン時に自動で切り替えるようなファンクションを動かしておくと良いかと思います。
プランC クラウド・マルチAZ型

クラウドオンリーのシステムで最もシンプルなシステム冗長プランとなります。図ではawsでの例となりますが、同一リージョン内でマルチAZ (Availability Zone) で構成しています。AZとは同一リージョン内の物理的に離れた場所にあるデータセンターで、awsでは2019年現在、東京都内に3箇所(厳密には4箇所)のAZが用意されており、3箇所の物理的に離れたデータセンターで冗長構成をとることが可能です。
図の例ではhttpdですが二台で分散しているアクセスが1台に集中しますので、オートスケーリングの設定を投入しておくと負荷増に応じて自動でスケールしてくれますので安心です。
プランD クラウド・マルチリージョン型

クラウドならではですが、海外サイトを簡単に利用・構築できる特徴を利用して、国内リージョンと海外リージョンでシステム冗長化を行います。リージョン同士が物理的に距離が離れているため大規模災害でも無停止稼動が期待できます。海外リージョン以外にawsでは大阪リージョン、azureでは西日本リージョンを利用して冗長構成をとることも可能です。awsの大阪リージョンはAmazonに申請し、審査をPASSしないと利用できませんので導入の際は注意が必要です。
プランE クラウド・マルチリージョン・マルチAZ型

プランEはプランCとプランDを組み合わせ、2つのリージョン、計4つのデータセンター(AZ)を利用してシステムを構成しています。ミッションクリティカルなシステムではこのような構成も検討すると良いかと思います。
以上、BPC・DRのサンプルプランをいくつかご紹介しました。この例以外でもいろいろな手法、またこれらを組み合わせてもっと面白いプランも構成できるかと思いますので、プロジェクトの要件や予算等を加味して最適なプランを設計してみて下さい。
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