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Amazon FSx for Windows File Serverとは?特徴やメリット、料金について徹底解説
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AWSではさまざまなストレージサービスを提供していますが、その中でも特にWindowsとの親和性が高いのが「Amazon FSx for Windows File Server」です。既存のオンプレミスからAWSへファイルサーバーの移行を検討している場合は、Amazon FSx for Windows File Serverが適切なケースが多いです。
ここでは、Amazon FSx for Windows File Serverについて、その特徴や利用するメリット、移行する際の注意点などを詳しく解説します。
目次:
- 1.Amazon FSx for Windows File Serverとは
- 2.Amazon FSx for Windows File Serverの主な特徴
- 2-1.Windowsとネイティブな互換性がある
- 2-2.Windowsのファイルサーバー関連の機能を利用できる
- 2-3.セキュリティが担保されている
- 3.Amazon FSx for Windows File Serverのメリット
- 3-1.導入に手間がかからない
- 3-2.コストを抑えることができる
- 4.Amazon FSx for Windows File Serverの料金プラン
- 5.Amazon FSx for Windows File Serverの利用ケース
- 5-1.データ分析
- 5-2.ファイルシステム上の権限設定
- 6.オンプレミスからデータ移行時に注意すべき項目
- 6-1.移行期間中のストレージタイプ
- 6-2.運用中のストレージタイプ
- 6-3.移行前の既存サーバーの権限確認
- 7.Amazon FSx for Windows File Serverの導入ならぜひNTT東日本にご相談ください
- 8.Amazon FSx for Windows File Serverについてまとめ
1.Amazon FSx for Windows File Serverとは
Amazon FSx for Windows File Serverとは、Amazonが提供するAWSストレージサービスのひとつです。
このサービスではサーバーの保守や運用システムも備わっているため、自社でOSを管理・運用する必要がなく、業務負担の軽減に繋がります。
大きな特徴は、AWSのサービスでありながら、構築基盤にMicrosoft Windowsファイルシステムを採用していることで、Windowsとの親和性が非常に高いという点です。また、対応しているサーバーOSはWindows Server2008以降で、クライアントOSはWindows7以降です。
2.Amazon FSx for Windows File Serverの主な特徴
Amazon FSx for Windows File Serverの主な特徴は以下の3点です。
- Windowsとネイティブな互換性がある
- Windowsのファイルサーバー関連の機能を利用できる
- セキュリティが担保されている
ここではその特徴について、それぞれ詳しく解説します。
2-1.Windowsとネイティブな互換性がある
Amazon FSx for Windows File Serverは、以下の要素を採用することで、Windowsとネイティブな互換性を持つことができています。
- Windows NTの標準ファイルシステムであるNT File Systemを採用している
- ファイル共有プロトコルにMicrosoft独自の通信プロトコルであるServer Message Blockを採用している
- 認証や認可の基盤にWindows Serverの機能であるActive Directoryを採用している
上記の通り、ファイルサーバーにおける重要なシステムにMicrosoftのものを使用していることで、Windows Serverが提供している機能とシームレスに連携できます。
2-2.Windowsのファイルサーバー関連の機能を利用できる
Amazon FSx for Windows File Serverでは、Windows Serverで提供しているボリュームシャドウコピーサービスや、ストレージクォータ、データ重複排除などのファイルサーバー機能が利用可能です。
既存のシステムでWindowsのこれらの機能を利用していても、問題なく移行できる点は大きなメリットでしょう。
2-3.セキュリティが担保されている
Amazon FSx for Windows File Serverでは、Active Directoryを用いてユーザーのファイルアクセス制御が可能です。さらに、データの転送中・保管中は暗号化することで、セキュリティを強化しています。
他にも、Amazon VPCのセキュリティグループによるアクセス制御や、AWS IAMを利用した管理APIアクセス制御、AWS CloudTrailと連携してAPIコールの記録やWindowsの監査・ログ機能なども利用できます。
3.Amazon FSx for Windows File Serverのメリット
Amazon FSx for Windows File Serverのメリットは以下の通りです。
3-1.導入に手間がかからない
Amazon FSx for Windows File Serverはマネージド型といって、OSのインストール作業やサーバー・ファイルシステムなどはAWS側で自動設定されるため、構築作業が必要ありません。
さらに、AZ間のレプリケーションや別リージョンへのバックアップにも対応しているため、これまでオンプレミス型でファイル管理をおこなっている企業がクラウドへ移行する場合でも、スムーズな導入が可能です。
3-2.コストを抑えることができる
Amazon FSx for Windows File Serverは、利用したストレージやバックアップ容量に応じて料金が発生する従量課金制です。基本料金や初期費用が発生しないため、コストが抑えられる点がメリットです。
さらに、従量課金で請求される費用の中にOSのライセンス料金なども含まれているため、ライセンス使用料などの基本料金や初期設定費用も必要ありません。
Amazon FSx for Windows File Serverの詳しい料金プランは次章で解説します。
4.Amazon FSx for Windows File Serverの料金プラン
Amazon FSx for Windows File Serverは、使用したリソースの料金だけを支払う従量課金制です。時間単位で比例配分され、1ヶ月の平均使用量が月ごとに請求される仕組みです。
従量課金に該当するのは、ストレージ容量・スループット容量・バックアップ・データ転送の4つです。さらにシングルAZ配置かマルチAZ配置かで料金が異なり、それぞれの金額は以下の通りです。
- シングルAZ配置の場合
データ重複排除を有効にした場合に想定されるコスト | 従来の料金 | |
---|---|---|
SSDストレージ容量 | 毎月のGBあたり$0.078 | 毎月のGBあたり$0.156 |
HDDストレージ容量 | 毎月のGBあたり$0.008 | 毎月のGBあたり$0.016 |
スループット キャパシティー |
毎月のMBpsあたり$2.530 | 毎月のMBpsあたり$2.530 |
バックアップ ストレージ |
毎月のGBあたり$0.025 | 毎月のGBあたり$0.050 |
- マルチAZ配置の場合
データ重複排除を有効にした場合に想定されるコスト | 従来の料金 | |
---|---|---|
SSDストレージ容量 | 毎月のGBあたり$0.138 | 毎月のGBあたり$0.276 |
HDDストレージ容量 | 毎月のGBあたり$0.015 | 毎月のGBあたり$0.03 |
スループット キャパシティー |
毎月のMBpsあたり$5.175 | 毎月のMBpsあたり$5.175 |
バックアップ ストレージ |
毎月のGBあたり$0.025 | 毎月のGBあたり$0.050 |
※いずれも2023年8月時点かつ、東京リージョンを選択した場合の料金です。
またデータ転送コストは、同じリージョン内のAZもしくはVPCピアリング接続を介して転送されるデータの場合、同じAWSリージョン内のデータ転送料金が適用されます。
マルチAZファイルシステム間でデータを複製するなどの際に発生するデータ転送料金は、スループット容量の料金に含まれます。
料金は選択するリージョンによっても異なるため、詳しくは公式サイトの料金ページを参照してください。
5.Amazon FSx for Windows File Serverの利用ケース
Amazon FSx for Windows File Serverはオンプレミスからの移行に最適なサービスですが、他にも以下の利用ケースを検討している企業にもおすすめです。
5-1.データ分析
Amazon FSx for Windows File Serverは、高いスループットと低いレイテンシーを備えているため、ビジネスインテリジェンスやデータ可視化アプリケーションなどのデータ集約型の分析作業を可能にします。
5-2.ファイルシステム上の権限設定
Amazon FSx for Windows File Serverでは、Active Directoryを活用してユーザーごとにファイルアクセス権限を制御できます。最大で数十万人のユーザーのファイル権限をシステムで管理できるため、従業員や関係会社が多いファイルやデータへのアクセス制限が求められる企業にも向いているでしょう。
6.オンプレミスからデータ移行時に注意すべき項目
オンプレミスのファイルサーバーからAmazon FSx for Windows File Serverに移行する場合、いくつかの注意点があります。運用時に正常に稼働させるために、以下の2点には特に注意が必要です。
6-1.移行期間中のストレージタイプ
FSx for Windows File Serverへ大量のデータをできるだけ早く移行したい場合は、SSD(ソリッドステートドライブ)ストレージで設定されたAmazon FSxファイルシステムを使用すると便利です。
HDD(ハードディスクドライブ)を選択すると、Amazon FSxのストレージ容量が大きい場合でもHDDのIOPSが少ないため、移行時間がかかってしまいます。SSDで移行が完了してからは、HDDストレージを使用してAmazon FSxファイルシステムにデータを移動できますので、最初の移行はSSDでおこないましょう。
6-2.運用中のストレージタイプ
FSx for Windows File Serverでは、SSDとHDDのいずれかからストレージタイプを選択できますが、ストレージ容量が2,000GiB以下だとHDDを選択することができません。
なお、SSDとHDDそれぞれの最大・最小ストレージ容量は以下の通りです。
ストレージキャパシティ | ||
---|---|---|
SSD | 最小 | 32GiB |
最大 | 65,536GiB | |
HDD | 最小 | 2,000GiB |
最大 | 65,536GiB |
6-3.移行前の既存サーバーの権限確認
FSx for Windows File Serverでは、ファイルシステム内のすべてのフォルダのアクセス権限をNTF SACL(New Technology File Systemのアクセス制限リスト)で管理しています。Systemアカウントにフルコントロールの権限を割り当てていないと、いくつかの機能が正常に稼働しない可能性があるため注意しましょう。
特に、フォルダ単位でSystemアカウントのNTF SACLアクセス権限を変更してしまうと、ファイル共有にアクセスできなくなったり、ファイルシステムのバックアップが使用できなくなるリスクがあります。
7.Amazon FSx for Windows File Serverの導入ならぜひNTT東日本にご相談ください
データの管理・運用をAmazon FSx for Windows File Serverに移行するなら、NTT東日本のクラウド導入・運用サービスをぜひご利用ください。AWSの有識者が移行期間から運用におけるまで、お客さまの要望を細かくお伺いし、適切な提案をいたします。
さらにNTT東日本では、Amazon FSx for Windows File Serverだけではなく、AWSの他サービスの運用サポートやシステム監視・保守対応も併せてのサポートが可能なため、社内リソースの軽減や業務効率化にも効果的です。
興味のある方は以下のページよりお問い合わせください。
8.Amazon FSx for Windows File Serverについてまとめ
Amazon FSx for Windows File ServerはAWSサービスでありながら、Windowsファイルシステムを採用しているストレージサービスです。その大きな特徴はWindowsとの親和性・互換性が非常に高く、これまでオンプレミスのWindows OSで管理しているシステムでもシームレスに移行できる点です。
移行する際には、NTFS ACLが適切な権限付与になっているかなどに注意しながら進めていきましょう。
また、Amazon FSx for Windows File Serverへ移行する際に、技術面や運用面で不安がある場合には、ぜひNTT東日本のクラウド導入・運用サービスをご検討ください。
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