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Azure Machine Learningとは?自動機械学習の方法やメリットを解説
Azure Machine Learningの導入を検討しているけれど、内容や操作が分からない方もいるでしょう。Azure Machine Learningは、Microsoft社が提供している機械学習サービスで自動機械学習にも対応しています。
本記事では、Azure Machine Learningの特徴やMicrosoft Azureの機械学習サービスツールの紹介・自動機械学習の方法・メリット・競合サービスとの比較などを紹介します。
Azure Machine Learningについて学び、運営に役立ててください。
目次:
- 1.Azure Machine Learningとは?
- 1-1.自動機械学習とは?
- 2.Microsoft Azureのその他の機械学習系サービス
- 2-1.AI apps and agents
- 2-2.Knowledge Mining
- 3.Azure Machine Learningのメリット
- 3-1.スピーディーなモデル開発で時間短縮
- 3-2.プログラム知識に不安がある方でも簡単操作で自動化可能
- 3-3.MLOpsを活用し大規模な運用を実現可能
- 4.Azure Machine Learningの使い方
- 4-1.ワークスペースを作成
- 4-2.コンピューティング クラスターを作成
- 4-3.データセットを作成
- 4-4.自動機械学習の実験を実行
- 4-5.最適なモデルを確認
- 4-6.サービスとしてデプロイ
- 4-7.デプロイされたサービスをテスト
- 5.Azure Machine Learningの料金
- 5-1.汎用
- 5-2.コンピューティングの最適化
- 5-3.メモリの最適化
- 5-4.GPU
- 5-5.ハイパフォーマンスコンピューティング
- 6.Google CloudやMicrosoft Azureの機械学習サービスとの違い
- 7.Microsoft Azureの導入事例
- 8.Azure Machine Learningの導入をご検討ならぜひNTT東日本にご相談ください
- 9.Azure Machine Learningについてまとめ
1.Azure Machine Learningとは?
Azure Machine Learning(アジュール マシンラーニング)とは、Microsoft社が提供している機械学習のツールです。クラウド上でおこなうためサーバーも不要で、どのようなサービスにも活用がしやすく、すぐに使用できるのが特徴です。
またサンプルデータがあるためサンプルの用意をしなくても使えます。もちろん独自のデータを用意してモデルを作ることもできるので、簡単なものから難しいものまで幅広くモデル構築ができます。アルゴリズムが用意されているため、難しい作業が不要なのも大きなポイントです。教師あり学習、教師なし学習のどちらにも対応していますので、より自由に設計が可能です。
さまざまな業種で活用されており、たとえば迷惑メールのフィルターやECサイトで表示される個別のおすすめ・売上需要の予測などで使用されています。
エンジニアにはワークフローの自動化ができるツールが備わっていたり、アプリ開発ではモデルをアプリケーションに統合させるツールなども備わっているため、幅広い活躍ができる機械学習ツールです。
1-1.自動機械学習とは?
自動機械学習とは、モデル設計や構築を自動でおこなえる機械学習のことです。
自動機械学習が開発される前は、データサイエンスの専門家がモデルを設計・構築しており莫大な時間を要していました。しかし、自動機械学習を使えば、専門家がいなくても短時間かつローコストで機械学習を導入できるようになったのです。
予測モデルの作成だけでなく機械学習モデルの検証をし、サービスに利用可能な状態まで作り上げてくれます。また学習は、目標値まで学習の成果を達成すると停止してくれるので、プログラミングの知識がなくても安心して機械学習を利用できます。
2.Microsoft Azureのその他の機械学習系サービス
Microsoft Azureには、Azure Machine Learning以外にも機械学習系のサービスを展開しています。サービスごとに使用できる用途や強みが異なりますので、貴社にあったサービスを導入しましょう。
今回は、Microsoft Azureで展開している主なサービスを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
2-1.AI apps and agents
AI apps and agentsはAzure Bot ServiceとAzure Cognitive Servicesに分けられます。
BingやMicrosoft365などの製品でも使用されている、最先端のAIを簡単に使用可能です。
Azure Bot Serviceは、カスタマイズすればサイト内やアプリでも利用できるため幅広い業種で活用されています。Azure Cognitive Servicesは、セキュリティなどに使用できるのはもちろんのこと、仕事を円滑に進ませるための役割としても最適です。
AIといってもそれぞれ役割が異なりますので、ここではサービス概要を解説します。
2-1-1.Azure Bot Service
Azure Bot Serviceは、BOTを簡単に作れるIDE(統合開発環境)です。
通常のテキストで答えるチャットボットだけでなく、他のMicrosoft Azureのサービスと組み合わせて音声を認識できるチャットボットも作れます。
また日本語や英語だけでなく、さまざまな言語の使用も可能なうえ、普段使っているLINEやAlexa・Slack・Facebookなど多様な他社チャネルと接続でき、使用用途も広がります。
通常BOTを作成するには、コーディングが必要なため設定が不安な方もいるでしょう。しかしAzure Bot Serviceであれば、Power Virtual Agentsと連携をさせることで、コーディングをしなくても会話型のAI BOTを作成できます。
日々、データを収集し自動的にアップデートしてくれるので、より最新の回答をできる仕組みになっているのもポイントです。他にも会話や言語を理解させれば、BOTを利用した人の会話から全体的な意図を読み取れます。重要な箇所を抽出し、正しい回答に結びつけられるのです。
2-1-2.Azure Cognitive Services
Azure Cognitive Servicesは、人の視覚や音声・言語・決定などの認知機能をAIで分析ができるサービスです。
学習済みのAIを使用するので、機械学習への深い理解がなくてもすぐに使えるのが魅力的なポイントです。
実際の使い方としては、いわゆる人の認知機能「視覚・音声・言語・決定」をAIで分析できます。たとえば女性か男性かを判断するのはもちろん、表情の読み取りなども可能です。音声を聞き取って文字起こしをしたり、文字を読み取って音声に切り替えたりといった作業を素早く実行できます。
2-2.Knowledge Mining
Knowledge Miningとは、人工知能(AI)を活用した検索機能サービスのことです。
大きな特徴として、どのようなデータであっても抽出が可能なことが挙げられるでしょう。テキストはもちろん、画像であっても抽出できます。具体的な使い方としては、必要なデータを検索すると関連するデータのみを抽出します。
ほとんどの企業は、膨大なデータを保管しています。しかし、そのデータを必要なときにすぐに抽出するのは至難の業です。検索しても検索キーワードが入っているデータを全て抽出してしまったり、画像などのデータであればうまく抽出できなかったりするでしょう。
しかし、Knowledge Miningを使えば、埋もれたデータをすぐに探し出し、関連度順や新しい順にしてくれます。またその膨大な情報から学習し、より関連性が高い情報を抽出してくれるようになっていきます。
ファイル検索に割いていた時間をほかの時間として使えるだけではありません。今まで使いきれていなかったデータを探し出して、企業にとってプラスになりそうな内容を分析してくれるのです。
2-2-1.Azure Cognitive Search
Azure Cognitive Searchは、アプリの中に検索機能を取り込めるサービスです。
検索できるデータは、WordやExcel、PDFだけでなくドキュメント内の画像データさえも取り込みが可能です。
Azure Cognitive Searchは通常の検索方法とは異なり、インデックス検索を採用しています。
取り入れた情報を学習しインデックスを作り上げるので、あいまいな検索であっても関連するコンテンツを素早く検索できます。またデータは、暗号化保管されているのでセキュリティ対策も安心です。
3.Azure Machine Learningのメリット
Azure Machine Learningは簡単な操作で使えるだけではなく、他にもメリットがあります。今回はAzure Machine Learningのメリットを3つに分けて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
3-1.スピーディーなモデル開発で時間短縮
Azure Machine Learningは、自動機械学習が組み込まれているため正確なモデルをすぐに作成が可能です。
通常モデル作成をする過程として、データ収集・アルゴリズムの選定・前処理・モデルトレーニング・モデル評価と数多くの工程があります。しかし、自動機械学習が組み込まれているため、この工程を自動でおこなうことが可能です。
結果、今までデータサイエンスの専門家が時間をかけて作業していましたが、Azure Machine Learningを採用すれば人的リソースだけでなくコストパフォーマンスも上がるでしょう。
Azure Machine Learningの自動機械学習はより精度が高く、テキストはもちろん画像や表形式も自動学習してくれるといったメリットもあります。
3-2.プログラム知識に不安がある方でも簡単操作で自動化可能
機械学習といえば、プログラミングの知識が必要でアルゴリズムなど難しいイメージをお持ちの方が多いでしょう。しかし、Azure Machine Learningであればプログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップに対応したGUIが搭載されているため安心して操作が可能です。
コーディングの経験がない方でも簡単に使えるよう、エントリポイントも準備されています。またGUI上でユニットを変更すれば、テスト結果を可視化してくれる機能があります。操作に慣れていない方でも分かりやすい画面仕様になっているのもメリットのひとつです。
3-3.MLOpsを活用し大規模な運用を実現可能
MLOpsとは、機械学習と運用を掛け合わせた造語です。機械学習のモデル構築から運用・環境の構築・迅速なデプロイを可能にしており、MLOpsを活用すればより円滑に大規模な運用を実現可能にできます。
また、MLOpsをよりスムーズにする環境が整っているため、運用後も監視をおこないデータドリフトを見つけ再トレーニングをしてくれます。機械学習をしておわりではなく、実装してからも機械学習のパフォーマンスが向上するのも大きなメリットでしょう。
4.Azure Machine Learningの使い方
この章では、Azure Machine Learningの使い方を紹介します。
手順さえ間違えなければ、すぐにAzure Machine Learningを使用できます。
ワークスペースの作成からデプロイされたサービスのテストまで順を追って紹介しますので、参考にしてください。
4-1.ワークスペースを作成
始めに、ワークスペースを作成します。
Azure portal にサインインしたら、左上にある[+ リソースの作成] をクリックしましょう。ここでAzure Machine Learningを検索し、ダッシュボードに入ります。左上の作成と出てくるのでクリックして、以下の必要事項を記入してください。
サブスクリプション:利用するAzureサブスクリプション
リソースグループ:新規で作成または、既存のグループを選択
ワークスペース名:識別しやすいワークスペース名を入力
リージョン:データリソースと使用者にいちばん近いAzureリソースを選択
入力し終わったら【確認と作成】をクリックしましょう。数分待てばワークスペースが完成します。ワークスペースで概要の中の、Azure Machine Learningを選択しサインインすればMachine Learningスタジオに入れます。
4-2.コンピューティング クラスターを作成
続いて、コンピューティングクラスターを作成します。
ワークスペース内左側にあるコンピューティングをクリックし、コンピューティングクラスターを選びます。設定画面では、以下の順で設定をしていってください。
場所:ワークスペースと同様のものを選択(なければ一番近いものを選択)
仮想マシンレベル:専用
仮想マシンサイズ:すべてのオプションを選択し、利用するサイズを選ぶ
最小ノード数と最大ノード数:最小は0にし、最大ノードはジョブが多いときの最大ノード数を入力
スケールダウンする前のアイドル時間:120秒(設定した時間アイドル時間が続くノード数が最小までスケールダウンする)
上記項目を選択し、作成すれば数分で完成します。
今回解説した設定方法は、選んだ仮想マシンのサイズによっては同じように出ない場合もあります。もし出てこなくても、近いものを選ぶようにしましょう。
どの仮想マシンサイズを選んでも、最小ノード数は初めは0にしておきます。最小ノード数を1以上にすると、利用しなくてもそこで課金されますので十分注意してください。
4-3.データセットを作成
次にデータセットを作成します。
ワークスペース内のデータをクリック、Webファイルから選択し以下の設定をおこないます。
基本情報:WebURL・名前・データセットの種類・説明を入力(データ検証のスキップは選択しない)
Settings and preview:ファイル形式・区切り記号・エンコード・列ヘッダー・行のスキップ(データセットに複数行のデータが含まれていますは選択しない)
スキーマ:パス以外はすべて埋めて、自動で検出された型を確認
詳細の確認:作成後にデータセットをプロファイリングはしない
入力が終われば、データセットの作成が完了です。
4-4.自動機械学習の実験を実行
データセットが完了したら、自動機械学習の実験を実行しましょう。
もともとAzure Machine Learningには、教師あり機械学習モデルがサポートされています。自動機械学習を使えば教師あり機械学習モデルをトレーニングできるのでやってみましょう。
ワークスペースにて、自動機械学習のページを開き以下の設定を行います。
データセットの選択:登録したデータセットを選択
実行の構成:新しい実験名・ターゲット列(予測したい列名)・コンピュータークラスターの選択(作成したコンピュータークラスターを選択)
タスクの選択:回帰または分類どちらかを選ぶ
追加の構成・特徴量化設定・オプション:必要であれば入力
上記入力が終わると自動で実験が実行されます。画面が実行中に変わったら、モデルタブを表示し評価を待ちましょう。場合によっては10分程度かかるときもあります。
4-5.最適なモデルを確認
実験が終われば、最適なモデルを確認できます。
実行後、説明タブを開くと最良モデルのアルゴリズム名が表示されます。
実験内容によって精度や正規化された二重平均平方根誤差などが細かく表示されるのでチェックしましょう。細かく確認する場合はメトリック値をクリックすれば詳細画面に移りますので、最適モデルになっているかを確認してください。
4-6.サービスとしてデプロイ
最適モデルの作成が完了したら、サービスとしてデプロイしましょう。
自動機械学習のページを開き、詳細タブの最良モデルの概要に表示されているアルゴリズム名を選択します。モデルタブでデプロイを選択したら、以下の内容を設定するだけで完了です。
Webサービスの配置:名前・説明・コンピューターの種類・認証を有効にする
上記を入力するとデプロイが開始されますが、完了を確認するには、モデル概要の中にあるデプロイ状態を見ます。成功となれば完了ですので、時間はかかりますが待ちましょう。
4-7.デプロイされたサービスをテスト
デプロイができれば、あとはテストを実行するだけです。
エンドポイントのページでテストをしたい名前のリアルタイムエンドポイントを選択します。
入力データ画面で、以下のテンプレートJSONを貼り付けます。
{
""Inputs"": {
""data"": [
{
""day"": 1,
""mnth"": 1,
""year"": 2022,
""season"": 2,
""holiday"": 0,
""weekday"": 1,
""workingday"": 1,
""weathersit"": 2,
""temp"": 0.3,
""atemp"": 0.3,
""hum"": 0.3,
""windspeed"": 0.3
}
]
},
""GlobalParameters"": 1.0
}
貼り付け終わったら、テストを押せば完了です。
5.Azure Machine Learningの料金
Azure Machine Learningの料金は、基本無料です。プラスで料金がかかるのは、ワークスペースで作成したVM(仮想マシン)の料金やそのほかのMicrosoft Azureサービスを利用した分だけです。料金体系は5種類あり、どの程度の性能が欲しいかによって価格体系を決めていきます。
Azure Machine Learningをどのように利用していくのか、メインにするものを検討しないと、リソース不足に陥ったりコストがかかったりします。
この章では、料金体系ごとに概要を解説しますので導入の検討に役立ててください。
5-1.汎用
テストと開発のみ等、中小データベースに最適な汎用プランです。
バランスのとれたCPU対メモリ比が特徴で、比較的負荷の少ない処理向けのプランといえるでしょう。
インスタンスは豊富にそろえてあり、一番低価格でvCPU1/メモリ3.5GiBで1カ月あたり74.46ドル。ハイスペックの場合は、vCPU64/メモリ256GiBで1カ月あたり3,410.56ドルと価格にもスペックにも幅があります。
5-2.コンピューティングの最適化
コンピューティングの最適化は、メモリに対してCPUが高いプランです。
トラフィックが中程度のWebサーバーに向いており、アプリケーションのサーバーやセキュリティの高いサーバーを作りたい企業に向いています。
価格はvCPU2/メモリ4GiBで1カ月あたり78.11ドル〜vCPU72/メモリ144GiBで1カ月あたり2,811.96ドルで、7種類から選べます。
5-3.メモリの最適化
メモリの最適化は、コンピューティングの最適化とは逆にCPUに対してメモリの比率が高いプランです。
大きいメモリサイズを要求するものや、キャッシュを使用する処理が大きいサーバーに向いています。
価格はD-seriesシリーズのvCPU1/メモリ3.5GiBが最安で80.30ドル/1カ月。
大きいサイズでは、MシリーズのvCPU128/メモリ3,800GiBで28,249.54ドル/1カ月となります。
5-4.GPU
GPUプランは、単一だけでなく複数のGPUが使用できます。
おもな利用用途としては、負荷が大きい動画編集やレンダリング・ディープラーニングで使用するトレーニングとNDなどが挙げられます。
9シリーズ展開しており、価格はNCas T4 v3シリーズのvCPU4/メモリ28GiB/GPU1×T4で518.30ドル/1カ月。大きいサイズのNCsv3シリーズではvCPU24/メモリ448GiB/GPU4×V100で13,471.42ドル/1カ月です。
5-5.ハイパフォーマンスコンピューティング
料金設定の中でも一番高スペックなプランであるハイパフォーマンスコンピューティングは、高速なCPUを使用しているので、より大きなサーバーや負荷の高い処理を多くする場合に適しています。
プラン最安でも、Hシリーズの8コア/メモリ56GiBで835.85ドル/1カ月。一番高額のプランはHBv2 シリーズで120コア/456GiBで1カ月あたり3,810.60ドルです。
6.Google CloudやMicrosoft Azureの機械学習サービスとの違い
Microsoft Azureと同様Google CloudではVertex AI、AWSではAmazon SageMakerという機械学習サービスがあります。同じ機械学習でも、どのように違うのか比較していきましょう。
Azure Machine Learning | Vertex AI | Amazon SageMaker | |
---|---|---|---|
データ加工 | ○ | × | × |
AotoML |
○ 表形式・データ |
◎ 表形式・テキスト 画像・動画データ |
△ 表形式 |
API | ○ | ○ | ○ |
デプロイ | ○ | ○ | ○ |
マニュアル | 分かりやすい | 分かりにくい(英語) | 分かりにくい |
上表を見てみると、Azure Machine Learningはどの項目もできますが、機械学習の設定などは知識ゼロでは難しい点があります。とはいえ、操作は簡略化されているので、プログラミングはできないけれど知識は多少あるという方なら使いこなせるでしょう。またマニュアルが充実しているため、問題が起きたときに自身で解決しやすい点やMicrosoft社が提供しているため自社がMicrosoft Officeなどを利用していると取り入れやすいといった点もポイントです。
Vertex AIのいちばんの特徴は、プログラミングが不要な点です。知識がほぼなくとも直感的に操作が可能なのは大きなメリットでしょう。一方、知識がある方にとっては細かな調整をしにくいなどのデメリットも出てきますので、使う方のレベルが高ければ向いていない可能性もあります。
シェア率が高いAmazon SageMakerですが、プログラミングができる方でないとなかなか操作が難しいでしょう。一方で、機械学習ツールは数多く展開され無料のものも多いので幅広く展開したい場合はおすすめです。
7.Microsoft Azureの導入事例
Microsoft Azureは、AWSに続いて2番目の占有率です。そのため、さまざまな業種で導入され活用されています。
とはいえ、どのように導入されているのか分からない方もいるでしょう。そこで、実際のMicrosoft Azure導入事例を2つ紹介します。事例を読んで、実際貴社で導入した場合のイメージを膨らましてください。
ベネッセスタイルジャパン
ベネッセスタイルジャパンは全国347カ所で高齢者ホームを展開していますが、現在AI / ML(人工知能/機械学習)を活用し認知症ケアの支援に取り組んでいます。
ベテラン介護職員の介護ノウハウをAzure Machine Learningに学習させ、誰もが介護のノウハウを実践できるスキルが上昇するシステムを構築中です。
介護の質を上げることで、入居者さまの日々の生活の質をあげ幸せな時間を過ごしてもらえます。そのために、日々の入居者さまの睡眠や食事などの記録をしており、学習させたノウハウと組み合わせ、より適切に対処をできるようになってきました。
Microsoft Azureを活用し始めてから「有意義な話し合いができるようになった」「スタッフの観察力があがった」など良い方向に動いています。これから全店舗で活用し、皆が介護のノウハウを使い入居者さまの生活の質をあげていくだけでなく、モニタリング・アセスメント業務を支援につなげていけるよう育てていく予定です。
セブン銀行
セブン銀行では、商業施設や空港など全国に26,000台のATMを設置しています。設置場所により人流は異なり、現金の管理は非常に困難を極めているのが課題です。そこでAIを活用した機械学習を取り入れ入金差額予測をとることとなりました。
セブン銀行では、Microsoft Azureのデータ分析を活用する際に「Data Hack」を利用しました。Data Hackとは、導入アセスメントからデータ準備、モデル作成と評価までを無償支援してくれるサービスです。他の支援サービスと異なる点は、代わりにモデルを作成してくれるわけではなく、顧客主導で支援をしてくれます。そのため、担当の人材育成にも役に立ちました。
正確な入出金差額予測をとるために、Azure Data Factoryでデータ統合や編集をおこない、Azure Machine Learningにて機械学習のモデルを実装します。Azure Machine Learningの自動機械学習機能を活用することで、さまざまな角度からモデルを試せたのも良い結果に繋がった理由のひとつでしょう。
このプロジェクトの検証が終わったのが、プロジェクト開始から約半年。結果、37カ所ある現金センターのうち29カ所が、今まで使っていた予測精度を上回る結果となりました。
Microsoft Azureでは「DataHack」などの支援サービスがあるため、機械学習に一歩踏み出せなかった企業でも、実際にAIに触れて知識を深められます。人材育成に悩んでいる企業にも、Microsoft Azureのデータ分析を含む機械学習は、最適なサービスと言えるでしょう。
8.Azure Machine Learningの導入をご検討ならぜひNTT東日本にご相談ください
Azure Machine Learningの導入を検討されている場合は、NTT東日本にご相談ください。NTT東日本では、Azure Machine Learningを含んだクラウドサービスであるAWSの導入・運用サービスを提供しています。
本サービスは、「AWS」「Microsoft Azure」のクラウドサービスの設計構築・ネットワーク構築・監視保守・運用代行を行い、セキュアなクラウド環境構築やIT業務効率化を可能とするトータルサポートサービスです。
社内に専門部署がない場合、適切なサービスの設計方法に不安があったり、故障発生時の対応に困ったりする可能性があるでしょう。また、AWSを導入するにあたり、自社に合ったサービスの選定やトータルコストの算出にも知識が必要です。NTT東日本ではこれらのお悩みごとに対してしっかりとサポートいたします。
NTT東日本を選ぶメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 環境設計の準備から導入後までワンストップで支援可能
- 長期的な運用を見据えてお客さまに合ったサポート内容を提案
- 迅速かつ正確な環境構築が可能
当サービスをご利用いただくことで、Azure Machine Learningはもちろん、併用することで企業活動をより良くするAWSサービスのご提案もさせていただきます。興味のある方は、ぜひ以下よりお問合せください。
9.Azure Machine Learningについてまとめ
Microsoft社が提供しているAzure Machine Learningの、機能や操作・料金・競合との比較などについて解説しました。
Azure Machine Learningは、プログラミングができなくともドラッグ&ドロップで簡単に操作できる機械学習ツールです。
また、他の機械学習と組み合わせることでサービス展開まで迅速に対応できるでしょう。MLOpsを活用し大規模な運用をしてみたいという企業は、ぜひ試してみてください。
- Amazon Web Services(AWS)は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
- Microsoft Azureは、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
- Google Cloud(GCP)は、Google LLC の商標または登録商標です。
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