COLUMN
顧客管理システムとは?機能・メリット・デメリット・導入費用を解説
「顧客管理システムってなに?」
「顧客管理システムはなにができる?」
顧客管理システムとは、企業が顧客とよい関係を築き、継続することを目的としたツールです。
顧客管理システムを利用することで、顧客の連絡先や担当者名などの情報をまとめて管理できるだけでなく、メール配信やキャンペーン管理など、マーケティングに役立つ機能を活用することができます。
顧客管理システムを導入して失敗したり、コストばかりかかってしまっているケースもありますが、失敗してしまうのは「入れただけで活用できていないから」がほとんどです。
顧客管理システムは、自社が持つ顧客との関係をよりよいものにし、企業として利益を最大限にするためにとても役立つものです。
そこで、この記事では、「入れただけ」で終わるのではなく、きちんと活用し、企業としての利益を最大限にするために、顧客管理システムについて知っておきたいことを詳しく解説します。
【この記事を読めばわかること】
◎顧客管理システムとは
◎顧客管理システムを導入するメリット
◎顧客管理システムを導入するデメリット
◎顧客管理システムを選ぶ際に重視すべきポイント
◎顧客管理システムおすすめのツール
この記事を読み、顧客管理システムについて深く理解することで、顧客管理システムを活用するために大切なポイントが理解できます。
そして自社に合った顧客管理システムを導入することで、作業効率や顧客満足度を上げ、企業として成長することに繋げることができるのです。
ぜひ最後までお読みください。
目次:
- 1.顧客管理システム(CRM)とは
- 1-1.顧客管理システムの目的
- 1-2.顧客管理システムの基本機能
- 1-3.顧客管理システムが注目される理由
- 1-4.顧客管理システム(CRM)と営業支援システム(SFA・MA)の違い
- 2.顧客管理システムを導入するメリット
- 2-1.業務効率の向上につながる
- 2-2.情報を共有しやすくなる
- 2-3.顧客満足度アップにつながる
- 3.顧客管理システムを導入するデメリット
- 3-1.初期費用や継続したコストが発生する
- 3-2.情報入力の習慣を社員に定着させる工夫が必要になる
- 3-3.短期的に成果を獲得することが難しい
- 4.顧客との関係を強化し生産性を向上したいなら顧客管理システムの導入がおすすめ
- 4-1.顧客管理は長期的に企業が利益を生み出すために必要不可欠
- 4-2.デメリットはきちんと活用すればカバーできる
- 5.顧客管理システムを選ぶ際に重視すべきは「費用」「操作性」!
- 5-1.顧客管理システムを選ぶ基準①費用
- 5-2.顧客管理システムを選ぶ基準②操作性
- 5-3.現場の声を聞いて自社に合った顧客管理システムを選ぶのが大切
- 6. 顧客管理システムをクラウド上で運用したいならNTT東日本にご相談ください
- 6-1. 課題解決を念頭に置いたサポート
- 6-2. 顧客管理システムの利用に適した環境構築
- 7.まとめ
1.顧客管理システム(CRM)とは
顧客管理システムとは、「企業が顧客とよい関係を築き、継続するためのシステム」のことです。
英語では「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」という言葉を略してCRMとも呼ばれます。
顧客ごとの担当者名や住所、連絡先と言った基本情報はもちろん、顧客とのコミュニケーションログや行動データを収集し、データ分析を行うことや、その結果に基づいてメール配信を行うなどの機能があります。
この章ではさらに顧客管理システムについて理解を深めるために、
◎顧客管理システムの目的
◎顧客管理システムの基本機能
◎顧客管理システムが注目される理由
◎顧客管理システム(CRM)と営業支援システム(SFA・MA)の違い
について解説します。
1-1.顧客管理システムの目的
顧客管理システムの目的は「顧客とよい関係を築き、関係を継続すること」です。
企業にとって顧客とは、商品やサービスを購入してくれる相手です。顧客がいなければ、企業は利益を出すことはできません。
この顧客との関係をよいものにし、継続させることで、安定した利益を生み出していくことが顧客管理システムの目的です。
具体的には、
- 顧客の性質
- 顧客の要望
- 顧客ごとの過去の取引履歴
- 顧客のニーズ
を収集します。
そして、収集したデータに基づき、それぞれの顧客に最適な商品やサービスを分析し、アプローチして提案することで、顧客により満足してもらえる営業活動を行います。
顧客の満足度の高い営業活動を行うことで、顧客の信頼を得ることができ、顧客と良い関係を築いて継続していくことが顧客管理システムの目的なのです。
1-2.顧客管理システムの基本機能
顧客管理システムの基本機能は次の3つです。
- 顧客情報管理機能
- 蓄積されたデータの分析
- メールマガジンの配信
それぞれ詳しくみていきましょう。
1-2-1.顧客情報管理機能
顧客管理システムの機能1つめは、顧客情報管理機能です。
顧客の氏名や連絡先などの個人情報から、過去の取引履歴、商談内容などを収集し、一元管理して共有することができます。
例えば次のような情報です。
【顧客情報管理機能で管理できる情報】
◎顧客の氏名(担当者名)・住所・連絡先(電話番号・メールアドレス)
◎過去の取引履歴
◎顧客からの問い合わせ履歴
◎商談内容
◎クレーム・レビュー
名刺管理ツールでは、名刺に記載されている顧客担当者の氏名、会社の住所、電話番号、メールアドレスを主に管理しますが、顧客管理システムでは、さらに過去の取引履歴や問い合わせ履歴なども管理できるのです。
さらに、顧客に関する情報を入力し、収集しておくことで、次に紹介する「1-2-2.蓄積されたデータの分析」を可能とするのです。
1-2-2.蓄積されたデータの分析
顧客管理システムの2つめの機能は「蓄積されたデータの分析」です。
収集した顧客情報を元に、顧客の購買傾向などさまざまな分析を行うことができます。
それを元に、それぞれの顧客に適したアプローチを行ったり、新たな経営戦略を立てることが可能です。
分析結果をもとに、訴求すべき商品を変えたり、メールマガジンの配信内容を変えたりすることもできるのです。
1-2-3.メールマガジンの配信
顧客管理システムの3つめの機能は「メールマガジンの配信」です。
顧客管理システムでは、収集した顧客の情報をもとに、それぞれの顧客に対して最適なアプローチや商品提案を分析することができます。
この分析結果に基づいて顧客へアプローチするために、顧客管理システムでは顧客へメールマガジンを配信することができるのです。
それぞれの顧客に合ったキャンペーン情報を送ったり、イベント情報を送ることで、顧客との関係を築くことに繋がります。
メールを配信するだけでなく、配信後の開封率をチェックすることもできます。
1-3.顧客管理システムが注目される理由
顧客管理システムが注目される理由は、顧客を大切にすることは企業の利益を大きく左右するからです。
アメリカの米国経営コンサルタントのフレデリック・ライクヘルドは、新規顧客に商品を販売するために必要な時間や営業回数は、既存の顧客に販売する場合の5倍かかると「1:5の法則」で提唱しています。
これはつまり、新規顧客に商品を販売することは、既存顧客に販売することよりも5倍のコストがかかるということです。
また、同じくライクヘルドが提唱したマーケティングの法則として「5:25の法則」もあります。
こちらは顧客離れを5%改善すれば、利益が最低でも25%改善されるという法則です。
この2つのマーケティング法則からわかることは、既存顧客をいかに大切にするかということが、企業の利益を大きく左右するということです。
顧客管理システムは、既存の顧客の情報を集めて共有すること、そして情報を分析することで、顧客それぞれに合ったアプローチ方法や商品を見出すことができます。
ただ営業を行うのではなく、顧客それぞれに適した方法や商品を提案することは、顧客の信頼感をアップし、満足度を上げる、顧客を大切にする営業手法です。
既存顧客を大切にし、企業の利益をアップするために効果的なツールとして、顧客管理システムは注目されているのです。
参考:日本経営士会 中部支部通信 ビジネス理論かんたん解説 1:5の法則
1-4.顧客管理システム(CRM)と営業支援システム(SFA・MA)の違い
顧客管理システム(CRM)と営業支援システム(SFA・MA)の違いは次の通りです。
顧客管理システム | 営業支援システム | マーケティングの自動化 | |
---|---|---|---|
略称 | CRM | SFA | MA |
目的 | 顧客とのコミュニケーションを管理して売上を増やす | 営業活動を効率化する | マーケティングを効率化する |
担当する業務 | 顧客との取引最大化 | 営業活動・商談 | 見込み客獲得 |
機能 |
|
|
|
おすすめの人 |
|
|
|
顧客管理システムと営業支援システムは共通することも多いのですが、大きな違いは顧客管理システムが既存顧客と良好な関係を築くことが目的なのに対して、営業支援システムは営業活動を支援することを主な目的としている点です。
MAはマーケティングを効率化するためのツールで、これから顧客となる可能性がある人に対して、自社の商品やサービスを知ってもらうために利用します。
それぞれ少しずつ役割が違いますから、ツールを連携させつつ、使い分けていくとよいでしょう。
2.顧客管理システムを導入するメリット
顧客管理システムを企業が導入するメリットは、次のようなものが上げられます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
2-1.業務効率の向上につながる
顧客管理システムを導入するメリットの1つめは、「業務効率の向上につながる」ことです。
顧客管理システムでは、収集した情報を元に、さまざまなデータ分析を行うことができます。
これらの分析結果は今後の営業戦略や経営戦略を立てるために必要な分析ですから、顧客管理システムを導入していなくても、分析を行い、グラフなどの資料を作成する必要があります。
これらの情報収集や分析、グラフ作成にExcelを使うことが多くありますが、Excelを利用するよりも顧客管理システムを利用してレポート作成を行った方が短時間で行うことが可能です。
あらかじめ各担当者が顧客管理システムに入力を済ませておけば、レポート作成を自動で行うことができるからです。
また、Excelではバラバラで管理していた顧客からの問い合わせ履歴や、取引履歴なども一括管理されているため、データを確認する手間も大幅に削減できます。
このように様々な業務を効率化することができるのが顧客管理システムを導入するメリットなのです。
【顧客管理システムで業務を効率化した事例】
企業名:株式会社螢雪会
業種:学習塾
課題:紙管理文化からデジタル管理文化へ移行したかった
導入の効果:様々なデータをシステム管理することで塾の運営をよりスムーズにできた
これまでに様々なデータを紙で管理しており、紙で情報を管理する文化を一新したいという考えがありました。
例えば、生徒さんの授業報告書を授業ごとに記録するために、同じフォーマットの用紙を量産して使っていました。
業界柄当たり前だった文化から様々な企業からの提案があり、CRMに舵を切る判断をいたしました。
F-RevoCRMでは、CRM内のデータベースを元に、システム側で保持している情報を顧客に開示するカスタマーポータル構築をしています。
導入した結果として、以下のことが解決されました。
- 生徒と講師のマッチング作業
- お問い合わせの窓口対応簡略化
- 快適な授業運営の実現
- 給与振り込み等の経理業務の円滑化
これまでにCRM導入で不安な点がありましたが導入してみると、明らかに運営が円滑になり依頼してよかったと感じています。
参考:【塾運営のDX事例】紙で情報を管理する文化を一新。その方法とは・・・
2-2.情報を共有しやすくなる
顧客管理システムを導入するメリットの2つめは、「情報を共有しやすくなる」ことです。
顧客管理システムを導入していない場合、顧客の氏名や連絡先などの情報は各営業担当者がバラバラに管理していることが多いのではないでしょうか。
その場合、いざ顧客情報を確認したいと思ったときには、営業担当者に問い合わせなくてはなりません。
また、顧客との取引履歴や問い合わせ履歴などは、部署ごと、内容ごとにバラバラにExcelなどで管理されており、違う部署の取引履歴や問い合わせ履歴を共有しにくくなってしまっています。
顧客管理システムを導入すれば、顧客の氏名や連絡先と言った個人情報から、取引履歴、問い合わせ履歴など、顧客に関係する情報が一元管理され、確認が簡単になります。
違う部署の入力した情報も共有されるため、スムーズに確認し、業務に活かすことができるのです。
担当者に問い合わせのメールやチャットを送る手間も削減できます。
情報共有がスムーズになることも、顧客管理システムを導入するメリットなのです。
【顧客管理システムで情報共有をしやすくした事例】
企業名:株式会社Z会ソリューションズ
業種:教育サービス
課題:部門移動を行った際の営業情報を残す仕組みが不足している
導入の効果:担当が代わっても検索すれば詳細がチェックできるため部門移動の不安がなくなった
教育サービスを提供する株式会社Z会ソリューションズでは、ジョブローテーションを取り入れており、部門移動が行われていますが、担当者が変わった際、営業情報を残す仕組みが不足しているのが課題でした。
そこで顧客管理システムを導入し、営業担当者が顧客の情報を入力し、残していくシステムを作りました。
顧客管理システムに案件や顧客の情報を入力し、残すことで、担当者が代わっても検索しただけでそれぞれの顧客の詳細な情報を確認できるようになり、部門移動の不安がなくなりました。
2-3.顧客満足度アップにつながる
顧客管理システムを導入するメリットの3つめは、「顧客満足度アップにつながる」ということです。
顧客管理システムを活用することで、顧客のニーズや購買傾向を分析し、より顧客それぞれに合った商品やサービスを提案することで、顧客満足度をアップさせることに繋がります。
また、顧客情報を管理することで、以前の問い合わせ内容や取引履歴を把握した上で、適切に対応することができ、相手からの信頼感を得ることにも繋がっていくのです。
既存顧客の満足度を上げてリピーターとなってもらうことは、「1-3.顧客管理システムが注目される理由」でも紹介したように、企業の利益を上げるためにとても効果的です。
顧客管理システムを導入し、顧客満足度をアップさせることは、企業が利益を生み出すためにとても大切なことなのです。
【顧客管理システムで情報共有をしやすくした事例】
企業名:ミズノ株式会社
業種:スポーツ用品の製造・販売
課題:メール会員のリストアップに時間が取られ、メール内容の検討にとれる時間が少ない
導入の効果:メール配信作業を自動化できたことで配信までにかかる時間を約半分に短縮
その分メール内容の検討に時間をかけたことでメルマガ経由の売上が161%に増加
スポーツ用品の製造・販売を行うミズノ株式会社では、ECサイト会員に向けて配信するメールマガジンの配布作業を行う際、特定の条件を満たした会員のリストアップに時間がかかってしまうのが課題でした。
該当会員のリストアップは手作業で行われており、それに時間が取られる分、メールの内容の検討に時間が掛けられない状態となってしまっていたのです。
そこで顧客管理システムを導入し、メール配信作業をほぼ自動化しました。
該当会員のリストアップといった単純作業がなくなったことで、メール配信までにかかる時間を約半分に短縮出来ました。
削減できた時間をメールマーケティングのシナリオ作成などに当てたことで、メールの内容が顧客のニーズに合ったものとなり、顧客満足度がアップしたことで、メルマガ経由の売上が161%に増加しました。
3.顧客管理システムを導入するデメリット
顧客管理システムにはメリットだけでなく、デメリットもあります。
顧客管理システムを導入するデメリットは次の通りです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
3-1.初期費用や継続したコストが発生する
顧客管理システムを導入するデメリットの1つめは、初期費用や継続したコストが発生するという点です。
顧客管理システムを導入するには、導入のためのイニシャルコストや、継続して利用するためのランニングコストがかかります。
費用は利用するシステムや機能、利用規模によって異なります。
例えばシンキングリード株式会社の場合、オープンソフトウェア(OSS)のためコストを抑えて導入することができます。近年、中小企業ではシステム化も進んでいるので、短期間・低コストで実現できるサービスとしておすすめできます。
ただ、顧客管理システムを活用すればよいのですが、導入に失敗し、あまり使われないツールとなってしまうとコストが無駄になってしまいます。
コストをかけた分、しっかりと活用することが顧客管理システムには大切なのです。
3-2.情報入力の習慣を社員に定着させる工夫が必要になる
顧客管理システムを導入するデメリットの2つめは、情報入力の習慣を社員に定着させる工夫が必要になることです。
顧客管理システムのメリットを得るためには、まずは顧客情報や問い合わせ履歴など顧客に関する情報をしっかりとシステムに入力しなくてはいけません。
情報が入力されていなければ、情報を共有することはできませんし、データ分析を行ったとしても正しい結果を得ることができないからです。
しかし、新しいツールを導入しても、すぐにすべての社員が積極的に活用するわけではありません。
今までやっていない作業を覚えることは負担に感じますし、ツールの必要性がわからないと、つい面倒だと後回しにしてしまうことも多くあります。
そのままにしてしまえば、顧客管理システムは情報が欠けたままとなり、役に立たないツールとなってしまいます。
顧客の情報を持つ社員全員がシステムに入力する習慣を定着させなければ、顧客管理システムは力を発揮することができなくなってしまうことがあるのです。
顧客管理システムをきちんと活用するにはまず、社員全員に情報を入力する習慣を定着させるために、さまざまな工夫を行う必要があります。
例えば部署ごとに導入リーダーを置き、ツールの使い方などを質問しやすい環境を作る、導入しやすい入力画面や使えるモバイルを検討しておく、など様々な工夫が求められ、それだけ手間と時間がかかります。
顧客管理システムをきちんと活用するには、システムを定着させるまでのしっかりとした計画と、計画を遂行する業務が発生するというのがデメリットなのです。
3-3.短期的に成果を獲得することが難しい
顧客管理システムのデメリット3つめは、短期的に成果を獲得することが難しいという点です。
顧客管理システムは「顧客とのよい関係を築き、継続すること」が目的のツールです。
顧客との関係を築くには、時間がかかります。
そのため、顧客管理システムを導入したとしても、すぐに目に見える効果が出るという訳ではありません。
あくまで中長期的な目線で考えていかなくてはならないツールなのです。
- 顧客管理システムを導入したから売上が〇〇円上がった
- 顧客管理システムを導入したから無駄な業務を〇〇時間削減できた
といったわかりやすい費用対効果が出にくいため、効果を評価するのがなかなか難しいというのもデメリットです。
4.顧客との関係を強化し生産性を向上したいなら顧客管理システムの導入がおすすめ
顧客との関係を強化し、生産性を向上したいなら顧客管理システムの導入をおすすめします。
なぜなら、
からです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
4-1.顧客管理は長期的に企業が利益を生み出すために必要不可欠
顧客管理をきちんと行うことは、長期的に企業が利益を生み出すためには必要不可欠なものです。
現代の日本では、顧客のニーズや好みは多種多様化しています。
どのような商品やサービスを誰にアピールするのかは、企業が売上を伸ばし、利益を生み出すためにとても大切なことですが、新規顧客のニーズを掴むのはなかなか難しいものです。
しかし、既存顧客の情報を管理し、きちんと分析することで、それぞれの顧客のニーズや好み、購買行動の傾向などに基づいてアプローチすることが可能となります。
きちんとニーズに合わせた商品やサービスを提供できることで、発注率が上がることは「2-3.顧客満足度アップにつながる」で紹介した成功事例からもわかります。
【顧客管理システムが売上アップにつながった例】
企業名 | ミズノ株式会社 |
---|---|
導入の効果 | メール内容の検討に時間をかけたことでメルマガ経由の売上が161%に増加 |
顧客管理システムを活用し、顧客の情報をしっかりと分析することは、企業が長期的に利益を生み出すためにはとても必要なものとなるのです。
4-2.デメリットはきちんと活用すればカバーできる
顧客管理システムには先ほど紹介したようにデメリットもあります。
しかし、デメリットの部分は顧客管理システムをきちんと入力し、活用することができればカバーすることが可能です。
デメリットとして挙げている、
- 初期費用や継続したコストがかかる
というのは、顧客管理システムを活用し、コスト以上の利益に繋げることができればよいのです。
- 情報入力の習慣を社員に定着させる工夫がある
という点は、一度習慣として定着してしまえば、後は問題なくなります。
顧客管理システムを活用することにデメリットがあるのではなく、あくまで「きちんと活用できない時」に生まれるデメリットなのです。
顧客管理システムを導入前に、自社に合ったシステムを選び、きちんと導入計画を立てて全社で活用できさえすれば、大きなメリットを生み出してくれます。
使いやすいシステムを選び、導入計画をきちんと立てていくことで、顧客管理システムを活用することが企業にとっては大切なのです。
5.顧客管理システムを選ぶ際に重視すべきは「費用」「操作性」!
顧客管理システムを選ぶ際は「費用」と「操作性」を重視して選ぶのがおすすめです。
顧客管理システムをきちんと活用し、メリットを得るためには、自社に合った顧客管理システムを選ぶことが大切となります。
なぜなら、自社に合わない顧客管理システムを導入してしまうと、コストばかりかかって得られる効果が少ないことや、操作性が悪く、結局活用できないまま無駄なツールと化してしまう可能性があるからです。
自社に合った顧客管理システムを選ぶためにポイントとなるのが、先ほど述べたように「費用」と「操作性」となります。
では、具体的に費用と操作性のどのような点に注意して選ぶのかを詳しくみていきましょう。
5-1顧客管理システムを選ぶ基準①費用
顧客管理システムを選ぶ基準の1つめは「費用」です。
顧客管理システムの費用は、
- 顧客管理システムの機能
- クラウド型かオンプレミス型か
によって異なります。
5-1-1.顧客管理システムの機能
顧客管理システムの機能が多ければ多いほど、基本的には費用は上がります。
例えばF-RevoCRMの場合は次のように機能によって費用が変わります。
プラン | Saasプラン | 標準プラン | SIプラン |
---|---|---|---|
月額利用料 |
1ヶ月目無料 2ヶ月目移行20,000円〜 |
問い合わせ | 問い合わせ |
機能 | すべての機能が使える | 案件情報や商談の登録以外の機能が使える | 顧客の基本情報とスケジュール管理のみ |
参考:F-RevoCRM
もちろん機能が多ければ便利ではありますが、自社には必要がなく使わないようであればコストが無駄になってしまいます。
顧客管理システムを選ぶ際は、コストと機能のバランスを考えて選ぶとよいでしょう。
5-1-2.クラウド型かオンプレミス型か
顧客管理システムの費用は、クラウド型かオンプレミス型かによっても変わります。
それぞれの費用や特徴は次の通りです。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
---|---|---|
特徴 |
|
|
おすすめの人 |
|
|
クラウド型は、導入費用がかからない、またはかかったとしても少額なことが特徴です。
基本的には月額利用料を支払う形となり、利用する機能や人数によって変わります。
月額利用料は例えばシンキングリード株式会社のF-RevoCRM(saasプラン)なら、ご利用人数1〜10人で月額20,000円から利用できます。
初期費用が抑えられ、導入が簡単なため、中小企業にはクラウド型がおすすめです。
オンプレミス型は、自社にサーバーを設置し、顧客管理システムのソフトをインストールして利用する形です。
自社サーバーの設置費用や、ソフトウェアのライセンス購入費用などが必要なため、初期費用がかかります。
また、月額利用料はかかりませんが、ランニングコストとしてサーバーやソフトウェアの保守費用がかかります。
【クラウド型の顧客管理システムの一例】
- F-RevoCRM(クラウド型)
5-2.顧客管理システムを選ぶ基準②操作性
顧客管理システムを選ぶ基準の1つめは「操作性」です。
基本的に、操作性は
- なるべく簡単
- 直感的に操作できる
ことが大切です。
なぜなら、操作が難しいツールだと、情報入力をしない社員が出てきてしまうことで、活用が難しくなってしまうからです。
顧客管理システムを活用できるかどうかはきちんと顧客情報を入力できるかにかかっており、情報入力をしない社員がいれば、それだけ分析も正確でなくなり、情報共有もできなくなってしまいます。
多くの社員にスムーズに入力を定着させるには、なるべく操作が簡単で、マニュアルを読み込まなくても直感的に操作できることが大切なのです。
5-2-1.操作性を確認するなら無料トライアルがあるものを選ぶ
操作がなるべく簡単で使いやすい顧客管理システムを選びたい場合は、無料トライアルがあるものから選ぶのがよいでしょう。
顧客管理システムの公式サイトを見て、操作画面のイメージをチェックしたとしても、実際の使いやすさを判断するのは難しいものです。
使いやすさを一番わかりやすくチェックできるのは、実際にツールを使ってみた時ですから、無料トライアルがある顧客管理システムの中から、よさそうなものをピックアップし、試してみることでより自社に合ったものを選ぶことができます。
操作性を重視して顧客管理システムを選ぶ場合は、ぜひ無料トライアルを活用してみてください。
【無料トライアルを実施している顧客管理システムの一例】
5-2-2.既存のシステムやツールと連携できるものを選ぶ
操作性で顧客管理システムを選ぶ際は、既存のシステムやツールと連携できるものを選ぶのも大切です。
導入後、スムーズに運用するには、現在自社で使っているシステムやツールと連携できなくてはいけません。
連携できない顧客管理システムを選んでしまった場合、顧客管理システムへ手入力で情報を入れる手間がかかったり、その後の運用も連携出来ず、それぞれ入力する手間が出てしまいます。
あらかじめ自社で使っているシステムやツールをリストアップしておき、顧客管理システムを選ぶ前にそれぞれのベンダーに連携が可能かどうかを問い合わせておくとよいでしょう。
5-3.現場の声を聞いて自社に合った顧客管理システムを選ぶのが大切
顧客管理システムを選ぶ際は、先ほど紹介した「価格」と「操作性」の2つを基準にした上で、現場の声を聞いて自社に合ったものを選びましょう。
「4-2.デメリットはきちんと活用すればカバーできる」で紹介したように、顧客管理システムを導入した場合に起こるデメリットは、「きちんと活用できない時」に生まれます。
きちんと活用できるというのは、現場で働くスタッフたちが毎日ちゃんと使うということです。
現場で働くスタッフの意見をきちんと聞くことで、自社に合った顧客管理システムを選ぶことができ、きちんと毎日入力して、活用することにつながります。
現場のスタッフに、
- どんな機能が必要か
- どんな入力画面ならわかりやすいか
- 実際に無料トライアルで顧客管理システムを使ってみた感想
などを聞いたうえで、顧客管理システムを選ぶようにしましょう。
自社に合った顧客管理システムを使い、現場のスタッフが毎日使うことで、大切な顧客との関係性をよいものにし、企業として利益を上げることにつながります。
まずは無料トライアルで使いやすさや機能を確かめてみるところから始めてみましょう。
6. 顧客管理システムをクラウド上で運用したいならNTT東日本にご相談ください
移動中や外出先でも顧客管理システムを利用されたいという場合は、クラウド上での運用がおすすめです。
もしあなたの会社で顧客管理システムをクラウド上で運用することもご検討されているなら、お気軽にNTT東日本までご相談ください。
成果を得るための顧客管理システム導入から運用までを全力でサポートさせていただきます。
6-1. 課題解決を念頭に置いたサポート
NTT東日本には、AWS(Amazon Web Service)※の認定資格を持つクラウドのプロフェッショナルが多数在籍しています。私たちは、そのようなクラウドを熟知したプロによる「課題解決のためのサポート」をご提供します。
※グローバルシェア1位のクラウドサービス提供事業者
- 丁寧なヒアリングによる課題抽出・CRMの導入目的設定のお手伝い
- 課題解決に適したCRMツールのご提案
- クラウドでのCRM構築作業をサポートまたは代行
- 安全にCRMを活用するためのセキュリティ体制の構築
- 運用開始後の保守対応・お問い合わせ対応
こちらに挙げたサポートは一例に過ぎません。この他にも、ご要望に応じて柔軟に対応させていただきます。
また、クラウドのプロだからこそ、あなたの会社にとってクラウド上での顧客管理システムの運用がベストソリューションか否かというところを中立的に判断することも可能です。
オンプレミスでの顧客管理システムの運用とクラウドでの運用、どちらか決めかねているという場合もぜひお話をお聞かせください。
6-2. 顧客管理システムの利用に適した環境構築
NTT東日本は、長年ネットワーク事業者としても実績を積んできました。
そのため、クラウド運用する顧客管理システムを快適に使うためのネットワーク設計・構築についてもしっかりサポートさせていただきます。
一般的なクラウド導入支援事業者が顧客管理システムの導入をサポートする場合、サービス範囲がクラウドの構築に限られており、クラウドに接続するためのネットワークやお客さまのLAN環境に関しては知見が無いということも多いです。
クラウドとネットワークをそれぞれ別の企業が構築するといったこともよくあります。
対してネットワーク事業者でもあるNTT東日本では、クラウドとネットワーク両方において専門的な知見があり、どちらの設計・構築もまとめてサポートすることができます。
顧客管理システムは習慣的に活用するからこそ意味があるのであり、顧客管理システムを快適に使える環境が整備できていなければ成果を得るのは難しいです。
NTT東日本なら、顧客管理システムの導入・運用+顧客管理システムを快適に利用する環境の構築が一度にまとめて実現できるから、導入したCRMが存分にその効果を発揮できるのです。
顧客管理システムによって改善したい課題があるなら、ぜひお気軽にご相談くださいね。
7.まとめ
顧客管理システムについて解説しました。
顧客管理システムとは、顧客とよい関係を築き、継続するためのツールです。
- 顧客情報管理機能
- 蓄積されたデータの分析
- メールマガジンの配信
の3つの主な機能があります。
- 顧客の性質
- 顧客の要望
- 顧客ごとの過去の取引履歴
- 顧客のニーズ
など顧客に関する情報を収集し、一元管理することで、情報を共有しやすくすることができます。
さらに収集した情報をもとに、それぞれの顧客に最適な商品やサービスを分析し、アプローチして提案することで、顧客により満足してもらえる営業活動を行うことが顧客管理システムの目的です。
顧客管理システムを導入するメリットは次の通りです。
- 初期費用や継続したコストが発生する
- 情報入力の習慣を社員に定着させる工夫が必要になる
- 短期的に成果を獲得することが難しい
といったデメリットもありますが、きちんとシステムを活用することで、デメリットはカバーすることが可能です。
ぜひ、自社に合った顧客管理システムを選び、長期的に企業として利益を生み出すことに繋げてみてはいかがでしょうか。
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