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RDB(リレーショナルデータベース)とは|NoSQLとの違いやメリットを紹介
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「RDBっていったい何?」
「RDBってNoSQLと何が違うの?」
会社でさまざまなデータを管理する際に「RDB(Relational Database:リレーショナルデータベース)」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。
「RDB」とは、表形式の複数データを関連付けて使えるようにしたデータベースのことです。
【RDBのイメージ図】
RDBでは複数の表データから、「RDBMS(Relational Database Management System:リレーショナルデータベース管理システム)」という専用の管理システムを使って、必要なデータを組み合わせて引き出すことができます。顧客管理データベースを始めとして、多くの企業のデータベースで活用されています。
ただし、近年は、従来のRDBに代わるNoSQLというデータベースも注目されています。
NoSQLとはRDB以外のデータベースを指すものです。NoSQLは従来のRDBでは扱いきれないビッグデータや音声データや画像データといったデータを扱うことができるデータベースです。
この記事では、RDBとNoSQLの違いについても解説します。
【RDBとNoSQLの違い】
RDB | NoSQL | |
---|---|---|
データ構造 | 関連付けられた表形式の複数データ | さまざまな形式がある |
処理速度 | 大容量データになると遅くなる | 大容量データでも処理速度は早い |
分散性 | 原則として1台のサーバーでの管理 | サーバーの水平分散が可能 |
拡張性 | 拡張性は低い | 拡張性は高い |
一貫性 | データに一貫性がある | 常に間違ったデータを出さない |
検索精度 | 高度な検索が可能 | 高度な検索に弱い場合がある |
向いているケース | 高度な検索・集計処理をしたい場合 | 大容量データを扱いたい場合 |
RDBとNoSQLの違いや利用がおすすめなケースについて分かるため、自社にどちらの形式が向いているかといった判断ができるようになります。
▼この記事で分かること
- RDBとは
- RDBとNoSQLの違い
- RDBで運用するメリット
- RDBで運用するデメリット
- RDBがおすすめなケース
- NoSQLがおすすめなケース
最後まで読むことで、RDBの特性がしっかりと把握でき、データベースを適切に運用するうえで必要な基礎知識が身に付きます。システム環境が目まぐるしく変化する中で、基礎を把握しておくことは変化に対応するためにも重要です。この記事でしっかりと把握しておくことがおすすめです。
目次:
- 1. RDB(Relational Database:リレーショナルデータベース)とは
- 1-1. RDBとは表形式の複数データを関連付けて扱うデータベース
- 1-2. RDBの大きな特徴3つ
- 2. RDBとNoSQLの違い7つ
- 2-1. NoSQLとはSQLを使わない新しい方式
- 2-2. RDBとNoSQLの違い7つ
- 3. RDBを利用するメリット3つ
- 3-1. データを正規化することができ、データの重複や不整合を防げる
- 3-2. データ処理の追加コストを安く抑えることができる
- 3-3. SQLにより複雑な検索や集計など高度な操作ができる
- 4. RDBを利用するデメリット3つ
- 4-1. データが大規模になると処理速度が遅くなる
- 4-2. データベースを拡張しにくい
- 4-3. 音声・画像・映像など多様なデータに対応できない
- 5. RDBをおすすめするケース、NoSQLをおすすめするケース
- 5-1. RDBはデータの一貫性を保ち、高度なデータ処理をしたい場合におすすめ
- 5-2. NoSQLは大容量データや多様なデータの高速処理にこだわる場合におすすめ
- 6. データベースの運用に迷ったらプロに相談することがおすすめ
- 7. クラウド上でのデータ運用でお悩みの場合はクラソルに相談
- 7-1. 「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」、「Microsoft Azure」の導入から運用までをサポート
- 7-2.AWS、Microsoft Azureに関するお問合せは日本語でサポート
- 7-3. 監視・保守、運用を任せられる
- まとめ
1. RDB(Relational Database:リレーショナルデータベース)とは
冒頭でも触れましたが、RDB(Relational Database:リレーショナルデータベース)とは、表形式の複数データを関連付けて使えるようにしたデータベースのことです。
RDBは、必要なデータを取り出しやすいというデータ操作性の高さから、大手企業の基幹系システムの約8割で利用されているといわれています。
メジャーなデータベースであるため、データ運用に関わる際にはぜひRDBの内容や特性についてしっかりと把握しておくようにしましょう。
以下で、RDBについて詳しく解説していきます。
1-1. RDBとは表形式の複数データを関連付けて扱うデータベース
RDBとは、(Relational Database:リレーショナルデータベース)の略語で、表形式の複数のデータを関連付けて使えるように管理されたデータベースのことです。
【RDBのイメージ図】
例えば顧客データベースを管理したい場合、
- 表1:顧客の属性データ(顧客ID・名前・住所・年齢など)
- 表2:顧客の注文データ(顧客ID・注文商品名・注文数・注文金額など)
- 表3:注文商品の詳細データ(注文商品名・価格・スペック)
などをそれぞれ表形式のデータで保有します。
そしてデータを取り出したいときは、RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)という専用のシステムで、必要なデータを引き出すことができます。
例えば「自分の担当顧客はどんな商品を買ったか」といった情報を知りたいときは、
- 表1:顧客の属性データ(顧客ID・名前・住所・年齢など)
- 表2:顧客の注文データ(顧客ID・注文商品名・注文数・注文金額など)
のデータから、RDBMSで「顧客ID」といった共通のIDで関連付けて、下記のようなデータを引き出します。
- 顧客の名前・注文した商品名
このようにRDBは、関連付けした表形式の複数のデータで成り立っており、必要な時にRDBMSを使って必要なデータを取り出すことができます。
1-2. RDBの大きな特徴3つ
RDBには次のような特徴があります。
- RDBの操作には専用のRDBMSというシステムが使われる
- RDBでは複雑な検索・集計といった高度なデータ処理ができる
- RDBではデータに一貫性がある
詳しくは次の通りです。
1-2-1. RDBの操作にはRDBMSという専用のシステムが使われる
RDBの操作にはRDBMS(Relational Database Management System:リレーショナルデータベース管理システム)という専用のシステムが使われる点が特徴といえます。
RDBとRDBMSは混同されるケースもありますが、RDBはあくまでデータベースの名称で、RDBMSはRDBを扱うシステムのことです。
RDBに関連して「Oracle」「MySQL」という言葉を耳にすることがありますが、これらはRDBMSの製品名のことです。RDBMSには下記のような製品があり、これらのシステムを使ってRDBを操作します。
【RDBMSの主な製品と特徴】
RDBMS製品名 | 特徴 |
---|---|
Oracle Database | 大規模なシステムでよく利用される。Oracle社の製品。 |
MySQL | Webシステムでよく使われる。オープンソース。 |
SQLServer | Windows上で動くシステムでよく利用される。Microsoft社の製品。 |
PostgreSQL | Webシステムでよく使われる。オープンソース。 |
RDBはこれらのRDBMSで運用されます。
1-2-2. 複雑な検索・集計といった高度なデータ処理ができる
RDBでは、複雑な検索・集計といった高度なデータ処理ができることが特徴です。
RDBのデータを操作するときは「SQL」というデータベース言語を使います。上で解説したRDBMSもSQLを使ったシステムです。このSQLでRDBを操作することによって、複雑な条件検索などが可能となります。
RDBでは、SQLを使うため、データベースの高度な処理が可能となります。
1-2-3. データに一貫性がある
RDBでは、データに一貫性があることも特徴です。
データに一貫性があるというのは、データの重複や欠落がなくデータの整合性が保たれた状態ことです。
例えば、同じ時期に同じデータを利用する場合、データ利用者によって内容が異なったり、古い情報が表示されたりするという不具合は生じません。誰が利用しても、常に最新の同じデータベースに準じた内容が表示されます。
RDBのデータに一貫性があるのは、一貫性を維持するようにRDBMSによって運用されているからです。
RDBMSは、RDBのデータの一貫性を維持するためにACIDという特性を持って運用を行うことになっています。
参考までに、ACID特性とは下記のようなことです。
【RDBMSのACID特性とは】
特性 | 内容 |
---|---|
Atomicity (原子性/不可分性) |
データ操作(トランザクション)は「全て実行されるか」「全て実行されないか」のどちらかしかない。 |
Consistency (一貫性/整合性) |
データ操作(トランザクション)の前後では、データの整合性が保たれる |
Isolation (独立性/隔離性) |
データ操作(トランザクション)の処理過程は、他に閲覧されることなく、他の処理に影響を与えることもない。 |
Durability (耐久性/永続性) |
データ操作(トランザクション)が完了すれば、その結果が記録される。 |
RDBMSではこれらの特性を持って運用するため、RDBではデータの一貫性を保つことができます。データベース内のデータで相互に矛盾などは生じません。
2. RDBとNoSQLの違い7つ
RDBの内容や特徴について紹介しました。RDBは非常に多くの企業で利用されているデータベースですが、もともとひとつのサーバーで稼働することを前提にしており、システムが大規模になったりクラウドシステムで稼働させたりすると処理速度が遅くなるといった欠点があります。
近年は、このRDBの欠点を補いRDBに代わるデータベースとしてNoSQLが注目されています。
NoSQLとは、「Not Only SQL」の略で、SQLを使わないデータベースのことです。
RDBとNoSQLはよく比較されるため、ここでは両者の違いを紹介します。
【RDBとNoSQLの違い】
RDB | NoSQL | |
---|---|---|
データ構造 | 関連付けられた表形式の複数データ | さまざまな形式がある |
データ処理速度 | 大容量データになると遅くなる | 大容量データでも処理速度は早い |
データの分散性 | 原則として1台のサーバーでの管理 | サーバーの水平分散が可能 |
データの拡張性 | 拡張性は低い | 拡張性は高い |
データの一貫性 | データに一貫性がある | 常に間違ったデータを出さない |
データの検索精度 | 高度な検索が可能 | 高度な検索に弱い場合がある |
向いているケース | 高度な検索・集計処理をしたい場合 | 大容量データを扱いたい場合 |
RDBの特性をよく理解するためにもNoSQLの違いをよく把握するようにしましょう。
2-1. NoSQLとはSQLを使わない新しい方式
先ほども述べた通り、「NoSQL」とは「Not Only SQL」の略で、SQLを使わないデータベース、つまりRDBでないデータベースの総称のことです。
NoSQLはRDBのようにテーブル構造を表形式に固定することなく、さまざまな形式でデータを格納できることが特徴です。
RDBの表形式のデータ構造に対して、NoSQLで利用できるデータ構造としてよく挙げられる例は次の3つです。
2-1-1. 「キー・バリュー型」は最もシンプルな構造のデータベース
キー・バリュー型は、「キー」と「バリュー」の2つの要素を組み合わせて構築するデータベースのことです。バリューの内容は、データごとに異なります。テーブル間の関連付けもありません。
キー・バリュー型は構造がシンプルなため、高速に処理でき、容量も少なくてすみます。ただし、複雑な検索はできません。
キャッシュサーバーやログの蓄積に向いています。
2-1-2. カラム指向型は大規模データの高速処理が可能
カラム指向型は、「キー・バリュー型」にカラム(列)を加えたデータベース型のことです。列方向に名前と値の集合体を作ります。
カラム指向型のデータベースは、列方向の操作が容易にできる点が特徴です。例えば、列の合計を算出したい場合など、他の列を参照する必要がないため、高速処理が可能となります。
このため大規模データの処理に向いています。また、ログの蓄積や分析にも向いています。
2-1-3. ドキュメント指向型は複雑なデータをそのまま扱える
ドキュメント指向型は、XMLやJSONなどのドキュメント形式でデータを持つデータベース型のことです。
スキーマレス(データ構造の定義を持たないということ)で複雑なデータ設計が不要な点が特徴といえます。
複雑なデータをそのまま扱えるうえ、データ形式の変更がしやすい点がメリットです。Webシステムやオンラインゲーム、ログ分析などで活用されています。
2-2. RDBとNoSQLの違い7つ
「2-1. NoSQLとはSQLを使わない新しい方式」で紹介した通り、RDBとNoSQLはデータ構造が全く異なることから運用上の特徴もかなり異なります。
RDBとNoSQLの運用上の異なる点をまとめると次の通りです。
【RDBとNoSQLの違い】
RDB | NoSQL | |
---|---|---|
データ構造 | 関連付けられた表形式の複数データ | さまざまな形式がある |
データ処理速度 | 大容量データになると遅くなる | 大容量データでも処理速度は早い |
データの分散性 | 原則として1台のサーバーでの管理 | サーバーの水平分散が可能 |
データの拡張性 | 拡張性は低い | 拡張性は高い |
データの一貫性 | データに一貫性がある | 常に間違ったデータを出さない |
データの検索精度 | 高度な検索・集計が可能 | 高度な検索に弱い場合がある |
向いているケース | 高度な検索・集計処理をしたい場合 | 大容量データを扱いたい場合 |
詳しく見ていきましょう。
2-2-1. RDBは表形式の複数データ、NoSQLは多種多様なデータ構造
RDBは表形式の複数データ、NoSQLは多種多様なデータ構造です。
RDBはデータの構造が、関連付けられた表形式のデータと定義づけられているため、自由なデータの持ち方ができません。例えば、この定義に当てはまらない画像データや音声データといったデータを持つことは不可能です。
一方のNoSQLは、音声データや画像データを含め、多種多様なデータを取り扱うことが可能です。
2-2-2. RDBは大容量データの処理が遅く、NoSQLは大容量データの処理速度は早い
RDBは大容量データの処理が遅く、NoSQLは大容量データの処理速度は早い点で大きく異なります。
RDBは複数のデータを参照し、テーブル間の整合性を維持しながら処理を行うため、大容量データとなると処理速度が著しく低下します。一方のNoSQLはシンプルな構造で、複数のデータを参照したりテーブル間の整合性を取ることもないため、高速で処理することが可能です。
そもそもNoSQLはRDBの「処理速度が遅い」という問題を解決する方法として注目されるようになったものです。RDBとNoSQLの大きな違いは処理速度の違いといえます。
2-2-3. RDBはデータサーバーの分散ができず、NoSQLは水平分散ができる
RDBはサーバーの分散性ができない一方で、NoSQLはサーバーの水平分散ができます。
RDBは、もともとサーバー1台で実行するように設計されている仕組みで、複数のサーバーに分散することは困難です。RDBでは、仮に複数サーバーで運用する際には、デ―タの整合性を保つためにデータの書き込みを複数サーバーで同時に行わなければなりません。それが現実的に難しい作業となるからです。
一方のNoSQLは、データの整合性を保つことは放棄しているため、複数サーバーへの水平分散が可能です。(水平分散とは複数台のコンピューターで同じ業務を分け合うことです)
RDBはデータの分散性に乏しく、NoSQLは水平分散が可能で分散性が高いことが特徴です。
2-2-4. RDBはデータの拡張性が低く、NoSQLは自由に拡張できる
RDBはデータの拡張性が低く、NoSQLは自由にデータを拡張できる点も異なります。
データの拡張性とは、仕組みの中核部分に大きな変更を伴わずに、機能を追加したり向上させたりすることです。RDBでは、先ほど触れた通り、サーバーの分散ができないなど、システム上の機能の拡張が難しいといえます。
一方のNoSQLは、サーバーの水平分散ができたり、複数デバイスでの協業が容易にできたりと、自由に拡張ができます。
RDBは拡張性が低く、NoSQLは拡張性が高いといった点でも両者は大きく異なります。
2-2-5. RDBはデータの一貫性があり、NoSQLはデータの一貫性は保証されていない
RDBはデータの一貫性があり、NoSQLはデータの一貫性は保証されていない点も異なります。
データの一貫性とは、正しく処理された場合にはその結果を表示し、正しく処理されなかった場合には処理前の状態を表示するなどといったことを指します。RDBでは、このデータの一貫性を維持するためにACIDという特性を持ったトランザクションを行います。
一方のNoSQLでは、サーバーを水平分散するため、データの一貫性の維持することは難しく、保証されません。
2-2-6. RDBはデータの高度な処理ができ、NoSQLは高度なデータ処理は難しい
RDBはデータの高度な処理ができ、NoSQLは高度なデータ処理は難しい点も異なります。
RDBでは、SQLを使うことにより、複数の条件を組み合わせた高度なデータ検索や集計が可能となります。一方のNoSQLはSQLを使わないため、高度なデータ検索や集計といった処理は困難です。
RDBは複雑で高度なデータ処理が可能ですが、NoSQLでは複雑で高度なデータ処理はできません。
2-2-7. RDBは高度な検索・集計処理をしたい場合、NoSQLは大容量データを扱いたい場合に向いている
RDBは高度な検索・集計処理をしたい場合、NoSQLは大容量データを扱いたい場合に向いています。
先にも触れましたが、RDBは高度な検索や集計処理といったことが得意なため、高度な検索や集計処理を必要とするケースに向いているといえます。顧客データ管理・分析や商品開発、研究など高度なデータ処理を必要とするシチュエーションに向いています。
一方で、大容量データを素早く処理することを得意とするNoSQLはビッグデータなどを扱うIoTシステムやオンラインゲームにおすすめです。
3. RDBを利用するメリット3つ
RDBとNoSQLの違いを解説しました。
RDB、NoSQLそれぞれに優れている点や劣っている点もありましたが、それでもRDBの方が多くの企業で利用されています。
ここでは、改めてNoSQLでなくRDBを利用するメリットについて紹介します。次に紹介するデメリットと合わせて、RDBを今後も適切に利用していくために把握しておきましょう。
RDBのメリットは次の3点です。
RDBを利用するメリット |
---|
データを正規化することができ、データの重複や不整合を防げる |
データ処理の追加コストが安い |
SQLにより複雑な検索や集計など高度な操作ができる |
詳しくは次の通りです。
3-1. データを正規化することができ、データの重複や不整合を防げる
RDBの運用では、データを正規化することができ、データの重複や不整合を防ぐことができます。
正規化とは、データの重複や欠落などをなくし、整合性のあるデータに整えることです。
RDBでは、データ内容や処理に矛盾が生じないように一貫性をもって運用するため、データに重複や不整合が起きることはありません。
例えば、同じ時期に同じデータを利用する場合、データ利用者によって内容が異なったり、古い情報が表示されたりするというデータ上の不具合は生じません。
RDBでは、データが正規化されるため、常に最新の整合性のある情報を確認することができます。
3-2. データ処理の追加コストを安く抑えることができる
RDBの運用では、データ処理の追加コストを安く抑えることができる点もメリットです。
RDBは、一度システムが出来上がると、追加処理については、複数のテーブルを追加することで処理コストを低減させることができます。テーブルの追加自体にはあまり費用がかからないため、追加・削除・更新といった処理にかかるコストを最小限に抑えることが可能です。
RDBではデータ処理の追加コストを抑えられる点が運用上の利点です。
3-3. SQLにより複雑な検索や集計など高度な操作ができる
RDBの運用では、SQLを使って複雑な検索や集計など高度な操作ができる点もメリットです。
RDBでは、SQLというISOで規格化されたデータベース言語を使って、データの登録から取得、削除といった一連の処理を行っています。SQLでは、複雑な条件を加えて処理をすることもできるため、高度なデータ処理の実行が可能となります。
RDBは、SQLを利用することによって、高度なデータ操作が可能です。
4. RDBを利用するデメリット3つ
RDBを利用するデメリットについても紹介します。RDBの特性をよく理解するためにもメリットと合わせて把握するようにしましょう。
RDBを利用するデメリットは次の3点です。
RDBを利用するデメリット |
---|
データが大規模になると処理速度が遅くなる |
データベースを拡張しにくい |
音声・画像・映像など多様なデータに対応できない |
詳しくは次の通りです。
4-1. データが大規模になると処理速度が遅くなる
RDBのデメリットとしてよく挙げられる点は、データが大規模になると処理速度が遅くなることです。
RDBでは複雑な処理ができるためプログラムも複雑化し、膨大な量のデータを取り扱うときには処理速度が遅くなります。プログラムが複雑になればなるほど、データ量が大きくなればなるほど、処理速度は遅くなる傾向です。
RDBは高度なデータ処理ができる一方で、処理速度が遅くなることがデメリットです。
4-2. データベースを拡張しにくい
RDBでは、データベースを拡張しにくい点もデメリットです。
RDBは、データの整合性を維持するためサーバー1台で実行するように設計されているなど、システム上の機能の拡張が難しい傾向にあります。もし複数サーバーに拡張する場合には、高度な専門知識や時間、コストがかかります。
RDBの場合、サーバー1台の運用から、複数サーバーでの運用に変えたり、クラウドシステムへ移行させたりといったデータベースの拡張が難しいといえます。
4-3. 音声・画像・映像など多様なデータに対応できない
RDBでは、テキストデータ以外の音声・画像・映像などの多様なデータに対応できない点もデメリットです。
現在は、コンピュータの処理技術の向上に伴って、音声や映像などの多種多様なデータが多く存在しています。しかし、データを表形式にして取り扱うRDBでは、音声や映像といったデータを扱うことは非常に困難です。
RDBでは、テキストデータ以外の多種多様なデータに対応しにくい点が短所といえます。
5. RDBをおすすめするケース、NoSQLをおすすめするケース
先に紹介したRDBを利用するメリットとデメリットを踏まえて、次に、
- RDBをおすすめするケース
- NoSQLをおすすめするケース
について解説します。
自社で適切なデータ運用をするためにも、どちらのケースに近いか比較・検討してみましょう。
5-1. RDBはデータの一貫性を保ち、高度なデータ処理をしたい場合におすすめ
RDBはデータの一貫性を保ち、高度なデータ処理を行いたい場合におすすめです。
例えば顧客データの管理をしたい場合などは、データを利用する者同士で、最新の矛盾のない一貫性のあるデータベースを共有することできます。また複雑な条件を組み合わせてデータを検索することも可能なため、顧客を特性ごとに分けることも簡単に行えます。
RDBは、企業の規模に関わらずデータに一貫性を持たせて、高度なデータ処理が行いたい多くの企業で利用されています。
5-2. NoSQLは大容量データや多様なデータの高速処理にこだわる場合におすすめ
NoSQLは大容量データや多様なデータの高速処理にこだわる場合におすすめです。
例えば一台のサーバーには収容できないほど膨大なデータを扱い、将来的にデータの拡張も予想されるIoTシステムなどでの利用に向いています。またNoSQLは大容量の音声・映像データの処理も可能なため、オンラインゲームにも適しています。
NoSQLは大容量のデータや、多様なデータに高速かつ柔軟に対応したいケースでの利用がおすすめです。
6. データベースの運用に迷ったらプロに相談することがおすすめ
もしデータベースの運用に迷うようなことがあれば、プロに相談することをおすすめします。
データの大容量化と多様化が進んでいる現在では、RDBを選ぶかNoSQLを選ぶかといった判断をすることは年々難しくなっています。
また、データベースを利用する環境も、サーバーが自社内にある「オンプレミス」、インターネット上にある「クラウド」などさまざまです。
環境の変化が激しい中で、RDBやRDBMSに関する技術も目まぐるしく進化しています。普段の業務をこなしながら常に新しい情報をキャッチアップしていくのは大変です。
変化の激しい環境に対して最新のシステムでの対応を考えるためには、プロのアドバイスを受けることがおすすめです。最新の情報から将来的なことも見据えて、プロの視点で最適なプランを提案してもらうことができます。
7. クラウド上でのデータ運用でお悩みの場合はクラソルに相談
業務の効率化や在宅ワークを推進していくため、システムのクラウド化を進める企業は多くなっています。
もし、
- クラウド上でのデータベースの運用に悩んでいる
- これからクラウド化を進めるが、データベースの移行に悩んでいる
といった場合には、NTT東日本の「クラソル」にご相談ください。
実際のところ、データベースのクラウドへの移行などは難易度の高い作業といえます。
NTT東日本の「クラソル」では、RDBもNoSQLも扱える「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」や「Microsoft Azure」の導入・運用支援を行っています。
クラウドのプロが課題解決の提案をしますので、お困りごとがある場合はぜひご相談ください。
7-1. 「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」、「Microsoft Azure」の導入から運用までをサポート
クラソルでは、「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」、「Microsoft Azure」の導入から運用までをサポートしています。
例えば「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」では
- Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)
- Amazon DynamoDB(NoSQL)Amazon DynamoD
というデータベースサービスが利用できます。RDBを利用したい場合には、Oracle、MySQL、SQLServerなどのRDBMSで利用できる「Amazon Relational Database Service」が使えます。NoSQLを利用したい場合は高速で柔軟な処理が可能な「Amazon DynamoDB」が利用可能です。
また「Microsoft Azure」でも、データベース系サービスとしては、
- Azure SQL Database(RDB)
- Azure Cosmos DB(NoSQL)
が利用できます。
RDBを利用したい場合には、SQL Serverのクラウド版である「Azure SQL Databas」が使え、NoSQLを利用したい場合は高速処理が可能な「Azure Cosmos DB」が利用可能です。
RDBを利用したい場合でもNoSQLを利用したい場合でもどちらでもクラウドの導入から運用までサポートが可能です。
7-2.AWS、Microsoft Azureに関するお問合せは日本語でサポート
AWS、Microsoft Azureに関するお問合せは、NTT東日本が窓口となり、日本語でサポートいたします。
翻訳にかかる手間や時間を省くことができ、スピーディに疑問や問題を解決していくことができます。
7-3. 監視・保守、運用を任せられる
AWS利用上の監視・保守・運用をお任せいただけます。
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また、CPU性能の変更、ストレージ拡張、セキュリティパッチの適用など、クラウド運用における面倒な作業を代行しますので、安心してご利用いただけます。
クラウド上でのデータベースの取り扱いなどクラウドでのお困りごとは、NTT東日本クラソルにお問い合わせください。
サービスについて詳しくはこちらのページをご確認ください。
まとめ
RDBについて解説をしました。RDBとは、表形式の複数データを関連付けて使えるようにしたデータベースのことです。
RDBは、SQLというデータベース言語を用いて、高度な検索や集計などのデータ処理を行うことができます。また、データ処理に一貫性があることも大きな利点で、多くの企業で長年利用されています。ただし、大容量データになると処理速度が遅くなる、多様なデータを取り扱えないといった欠点もあります。
RDBはNoSQLというデータベースとよく比較されます。NoSQLは、RDBの処理速度の遅さを補うべく台頭してきたデータベースで、大容量データを高速で処理できること、多様なデータに対応できることが特徴です。
RDBはデータの一貫性を保ち、高度な処理をしたい場合におすすめで、大容量データや多様なデータの高速処理にこだわる場合におすすめといえます。
データベースの持ち方を選ぶときには、プロの助言をもらいつつ最新の情報や最新の技術を確認しながら進めるとよいでしょう。
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