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Amazon EC2とは?初心者向けに基本情報やメリット・料金体系を解説
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Amazon EC2はAWS上で構築できる仮想サーバーで、構築が手軽であることやスペックの増強を簡単におこなえることから、多くのWebサービスで採用されています。
本記事では、Amazon EC2の概要やインスタンスタイプの詳細、導入するメリット、料金体系などを詳しく解説します。
目次:
- 1.Amazon EC2とは?基本情報を紹介
- 2.EC2インスタンスとは?
- 3.インスタンスタイプ
- 3-1. インスタンスファミリー
- 3-2.インスタンス世代
- 3-3.追加機能
- 3-4.インスタンスサイズ
- 4.EC2インスタンスの構築に必要なAMI(Amazon Machine Images)とは
- 5.Amazon EC2のメリット
- 5-1.サーバー構築時間が削減できる
- 5-2.利用状況に合わせてスペックの変更ができる
- 5-3.コストを抑えて利用できる
- 6.Amazon EC2の料金体系
- 6-1.オンデマンドインスタンス
- 6-2.リザーブドインスタンス
- 6-3.スポットインスタンス
- 7.Amazon EC2の構築ならぜひNTT東日本にご相談ください
- 8.Amazon EC2についてまとめ
1.Amazon EC2とは?基本情報を紹介
Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)はAmazonが提供しているサービスで、AWS上に構築できる仮想サーバーの一つです。
AWS上で構築できる仮想サーバーにはさまざまなものがありますが、Amazon EC2は世界中のリージョンを選択できたり、構築にかかる時間が短時間で済んだりといった特徴があり、大規模なWebサービスや企業のコーポレートサイトに多く採用されています。また、Amazon EC2は従量課金制で3つの料金体系があります。稼働状況に合わせて柔軟に支払いプランを選べる点もオンプレミス型にはない特徴の一つでしょう。
2.EC2インスタンスとは?
Amazon EC2で構築したサーバーはEC2インスタンスを一つの単位として考えます。EC2インスタンスはAWSマネジメントコンソール(GUI)やAPIを使用し、コマンドやプログラム経由での作成が可能です。
また、EC2インスタンスは複数作成ができます。そのため、同じリージョン内でも別のアベイラビリティーゾーンに複数のEC2インスタンスを作成しておけば、ひとつのロケーション(アベイラビリティーゾーン)で障害が発生しても、他のロケーションにその障害の影響が発生しないような設計が実現可能です。
Amazon EC2は、EC2インスタンスを複数作成することを想定した設計になっているため、各Amazon EC2リージョンにおける可用性が高い点も特徴の一つでしょう。
3.インスタンスタイプ
インスタンスタイプとはサーバーのスペックタイプのことを指し、利用用途やインスタンスサイズによってさまざまな種類があります。
インスタンスタイプは、インスタンスファミリー・インスタンス世代・追加機能・インスタンスサイズの4つの要素で構成されており、以下のようにインスタンスタイプの名称でそれぞれの要素を判別できるようになっています。
それぞれの要素について以下で詳しく紹介します。
3-1. インスタンスファミリー
インスタンスファミリーは、メモリ重視やCPU重視などの要素に応じて分類されています。
主なインスタンスファミリーは以下の通りです。
ファミリー | 特徴 | 概要 |
---|---|---|
M/T | 汎用タイプ | 汎用性が高く一般用途向け |
C | コンピューティング最適化 | 高性能のCPUが搭載されており、CPU負荷が高いワークロード向け |
R | メモリ最適化 | 汎用タイプと比較して搭載メモリサイズが大きく、メモリ容量を大きく必要とする作業向け |
I | ストレージ最適化 | 大量のオンライントランザクション処理でも低いレイテンシーで利用可能 |
Hpc | HPC最適化 | ハイパフォーマンスコンピューティングでの作業を大規模に実行することが可能 |
M系・T系のファミリーは、汎用性が高くCPU・メモリ・ネットワークなどのリソースバランスが取れた一般用途向けのタイプです。また、T系はコストも安価な点が特徴ですが、CPU負荷が大きい作業には向いていません。
C系ファミリーは汎用タイプと比較した際に、より高性能なCPUが搭載されている点が特徴で、CPU負担が高くなりがちなバッチ処理や広告サーバーエンジンなどに向いています。ただし、搭載メモリサイズは下がるため、メモリ容量が必要な作業には不向きといえるでしょう。
R系ファミリーは、汎用タイプと比較して搭載されているメモリ容量が増加しているため、オープンソースデータベースやリアルタイムビッグデータ分析など、メモリ集約型の作業に適しています。
I系ファミリーは、ローカルストレージ上の大規模データセットへの大量のシーケンシャル読み取りと、書き込みアクセスを必要とするワークロード向けに設計されたものです。大量のオンライントランザクション処理でも低いレイテンシーで利用できる点が特徴です。
Hpc系ファミリーは、AWS上でハイパフォーマンスコンピューターを用いた大規模な分析や作業に向いています。具体的には、天気予報や分子動力学などの計算負荷の高いものや、有限要素解析などに活用が可能です。
3-2.インスタンス世代
インスタンス世代は数字で表現されている要素で、数字が大きいほど新しい世代であることがわかります。
世代が新しい方が高性能かつ料金パフォーマンスに優れているため、新しく導入する際はなるべく世代が新しいものを選択するとよいでしょう。
3-3.追加機能
インスタンスタイプの中には、追加機能が搭載されているものもあります。追加機能が搭載されているかどうかは、世代の数字の右隣に以下のアルファベットがあるかで判別ができます。
機能 | 特徴 |
---|---|
a | AMD CPUを搭載している |
b | EBSパフォーマンスが高い |
d | 内蔵ストレージ(インスタンスストア)を付加している |
e | CPUやメモリ搭載量が異なる |
g | AWS Gravitonプロセッサを搭載している |
n | ネットワークスループットが高い |
z | 高周波なコアを搭載している |
これらの追加機能は、搭載されているインスタンスタイプとされていないものがあるため、注意しましょう。
3-4.インスタンスサイズ
インスタンスサイズはCPU・メモリ・ネットワーク帯域を表す要素です。サイズが小さい順にnano・micro・small・medium・large・xlarge・metalなどに分類されます。
また、インスタンスによっては選択できないサイズもある点には注意が必要です。
4.EC2インスタンスの構築に必要なAMI(Amazon Machine Images)とは
AMIとは、Amazon Machine Imagesの略称で、EC2インスタンスを構築するための情報が入っているイメージのことで、EC2インスタンスを起動する時は必ず選択が必要なものです。
また、同じ設定で複数のインスタンスを起動させる場合は1つのAMIで実行が可能ですが、設定が異なるインスタンスが必要な場合にはそれぞれ別のAMIを用意する必要があります。
AMIが対応しているOSは以下の通りです。
- Amazon Linux
- CentOS
- Red Hat Enterprise Linux
- Windows Server
5.Amazon EC2のメリット
ここからは、Amazon EC2のメリットについて紹介します。
5-1.サーバー構築時間が削減できる
Amazon EC2では、AWS上ですぐにLinixやWindowsのサーバーを構築できるため、業務の効率化に繋がります。さらに、オンプレミス型のようにサーバーを自社で準備する必要がない分、監視や保守などの運用に必要だった人的なコストも削減が可能です。既存のオンプレミスサーバーを複数拠点に設置していた場合、それらの管理をAmazon EC2による仮想サーバーに移行することで、構築や運用にかかっていた大幅な時間的・人的コストの削減が見込めるでしょう。
5-2.利用状況に合わせてスペックの変更ができる
Amazon EC2では、利用状況に合わせて自由にCPUやメモリの増設が可能です。特にAmazon EC2はバーストパフォーマンスインスタンスを備えたインスタンスタイプが用意されており、特定の条件を満たしていれば追加料金を支払わずとも一時的にCPUパフォーマンスを向上させることもできます。
たとえば、ウェブサーバーや開発環境・小規模なデータベースなどは、常に多くのCPUを必要としないケースがほとんどです。そのため、必要なときだけCPUパフォーマンスを利用できるのは大きなメリットでしょう。
5-3.コストを抑えて利用できる
Amazon EC2はAWSと同様に従量課金制のため、ストレージやCPUなどの利用量に応じて課金されます。また、新たに構築する際にも初期費用などは必要ないため、オンプレミス型などに比べてコストが安く抑えられるのもメリットです。
さらに、Amazon EC2には無料トライアル期間が用意されており、サインアップから1年間は一定の条件を満たせば無料で利用できます。
6.Amazon EC2の料金体系
Amazon EC2には、以下の3種類の料金体系があります。
- オンデマンドインスタンス
- リザーブドインスタンス
- スポットインスタンス
ここでは、それぞれの料金体系について詳しく紹介します。
6-1.オンデマンドインスタンス
オンデマンドインスタンスは、サーバーを立ち上げている時間に応じて料金が発生するものです。
サーバーが稼働していない時間は料金が発生しないため、ハードウェアのプランニングや維持に伴うコストや手間が省け、高額になりやすい運用コストを安価に抑えることが可能です。そのため、週に数回の利用や短時間で利用する場合におすすめの料金体系といえるでしょう。
6-2.リザーブドインスタンス
リザーブドインスタンスは、あらかじめ使用するサーバーのキャパシティを長期契約することで、オンデマンドインスタンスよりも安い料金でサーバーを使用できる料金体系です。
サーバーの使用量が多かったり、長期間稼働したりする場合にはリザーブドインスタンスでの利用が向いているでしょう。
また、リザーブドインスタンスには、Saving Planというプランもあります。Saving Planは1年もしくは3年単位で一定量のコンピューティング使用量を契約することで、Amazon EC2、AWS Lambda、AWS Fargateがすベて低額に利用できるプランです。Amazon EC2だけではなく、これらを併用する場合にはおすすめです。
6-3.スポットインスタンス
スポットインスタンスは、AWS上にある使われていないリソースを利用するため、非常に安い料金でサーバーを利用することができます。ただし、スポットインスタンスは使われていないリソースに対してオークション形式で落札するため、指定した金額よりも安く購入できるリソースがない場合はサーバーが停止してしまうリスクがあります。
7.Amazon EC2の構築ならぜひNTT東日本にご相談ください
Amazon EC2はスペックの増減の自由度が高く、リージョンを跨いだ構築にも対応しているため、さまざまな用途に合わせて柔軟なサーバー構築が可能です。一方、仮想サーバーの導入や移行を検討しているものの、人材不足や育成不足により仮想サーバーの導入や構築がなかなか進まない企業もあるでしょう。
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8.Amazon EC2についてまとめ
Amazon EC2はAWS上で構築できる仮想サーバーです。従量課金制のため、オンプレミス型のように初期費用や設定費用がかからず、コストを削減できる点が魅力の一つです。さらに、リソースを自由に増強できたり、複数のリージョンをまたいだ構築を想定したシステムになっていたりと、幅広いシーンで活用できるサービスになっています。
オンプレミス型からのクラウド移行や、アプリケーションの開発などで仮想サーバー構築を検討しているなら、Amazon EC2をぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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