仮想サーバーを立てるなら検討したい「Amazon EC2」

AWSには120を超えるさまざまなサービスが存在します。AIやIoTといった最新技術への対応をはじめ、クラウド上でITインフラを構築するために必要な数多くのサービスがラインナップされています。そのなかでも最も基本的なサービスが「Amazon EC2」です。AWSの最初の一歩が、Amazon EC2とも言えるでしょう。今回は、Amazon EC2について解説します。

Amazon EC2とは

Amazon EC2とは、AWS上に仮想サーバー構築するためのサービスのことです。ほとんどのITシステムの構築にはサーバーが必要となります。AWSを使うユーザーの多くは、まずはAmazon EC2を使って仮想サーバーを構築することになります。

Amazon EC2の正式名称は、「Amazon Elastic Compute Cloud」です。「Elastic」には、「弾力のある、伸縮自在の」という意味があります。その名の通り、Amazon EC2は非常に高い柔軟性を持ちます。ユーザーのニーズに応じて、必要なときに必要なスペックで仮想サーバーを構築することができるのです。

クラウドサービスと聞くと、多くのユーザーはサービスが提供されるSaaS型のクラウドをイメージすることでしょう。クラウドサービスが生まれる前は社内にサーバーを構築してソフトウエアをインストールする必要がありましたが、こうした手間を省き、クラウド事業者と契約すれば、即座にソフトウエアの利用を開始することができます。初期費用を抑えるだけではなく、管理コストも抑えることができるため、爆発的に普及しました。

一方で、Amazon EC2は、ITインフラをサービスとして利用できるIaaS型クラウドの代表例であると言えます。SaaS型クラウドと異なり、必要なソフトウエアはAmazon EC2を使って立ち上げた仮想サーバー上にインストールしなければなりません。それでもAmazon EC2が注目されているのは、SaaS型クラウドとして提供されないソフトウエアや、自社で独自開発したシステムなどを、容易にクラウド型で提供できることにあります。サーバーやネットワークといった物理的なITインフラを自社に持つことなく、効果的にITサービスを提供できるようになりました。

数多くのSaaS型クラウドサービスが、Amazon EC2で仮想サーバーを立ち上げてサービス提供されています。実際に自社でクラウドサービスを事業化する場合、Amazon EC2は有力な選択肢になるでしょう。

Amazon EC2を使うことのメリット

IaaS型クラウドとして、ITシステムのクラウド化を強力にあと押しするAmazon EC2。従来は、自社の重要データを社外のサーバーに持ち出すことに抵抗のあった経営者も、Amazon EC2を使ったクラウド化に積極的になってきました。それでは、Amazon EC2は具体的にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。

サーバー調達にかかるリードタイムの短縮

通常、ハードウエアの調達には、納品までリードタイムが発生します。場合によっては、海の向こうから船便で納品されるケースもあり、こうした場合には納品まで数ヶ月を要します。納品が完了しても、セットアップを行い、必要な設定をしなければなりません。さらにネットワークの見直しが必要になることも考えられるため、ITインフラをオンプレミス型で構築する場合は、何ヶ月もかかることが普通なのです。

AWSを使うと、契約をすればWeb上の簡単な操作で、ものの数分でサーバーを立ち上げることができます。必要なネットワーク設定もすべてWebブラウザ上で完結します。サーバー調達にかかるリードタイムを大幅に短縮できることは、変化の早い経営環境のなかで競争優位を確保するために重要な意味を持ちます。

強固なセキュリティの実現

Amazon EC2で仮想サーバーを立ち上げるといっても、物理的なサーバーは必要です。仮想サーバーを立ち上げる際には、世界中の地理的リージョンのなかから選んで指定することになりますが、どのリージョンを選択しても、強固なデータセンターで万全のセキュリティのもとで管理されている、物理的なサーバーを利用することができます。

AWSのセキュリティは、安全性が高いだけではありません。稼働率が高いほか、リージョンをまたいだ冗長構成が簡単に実現できるといったように、可用性にも優れます。オンプレミス型では実現が難しい、安全性と可用性を兼ね備えた強固なセキュリティを実現できるのです。

コスト最適化

通常、オンプレミスでサーバーを構築する場合、ある程度サーバースペックに余裕を持たせて構築することがほとんどです。実際にサーバーのCPU稼働率をモニタリングしてみると、10%程度といったこともあるのではないでしょうか。

Amazon EC2は、必要なスペックのみをフレキシブルに契約することができます。仮想サーバーにより提供するサービスが、平日営業時間のみでよいのであれば、夜間や休日の稼働を止めることで、さらに安価に契約することも可能です。Amazon EC2を利用することで、サーバーを管理する情報システム部門の人件費といったものも削減することができます。TCOの視点から見ても、Amazon EC2は従来型のオンプレミス型と比較して、コストを最適化できると考えてよいでしょう。

Amazon EC2の金額

Amazon EC2には、4種類の契約方法が準備されており、それぞれ価格が異なります。具体的に見ていきましょう。

オンデマンドインスタンス

Amazon EC2上で構築した仮想サーバーの数に応じて料金が発生する、最も基本的なAmazon EC2の料金体系です。オンデマンドインスタンスでは、必要となるCPUやメモリ、ストレージに応じて「a1.medium」や「a1.large」といった仮想サーバーを選択します。各サーバーには、時間単位や秒単位で金額が設定されています。こうした金額に応じて、使った分だけ料金が発生するのです。

こうした仮想サーバーごとに定められた料金に加え、追加するストレージ容量や仮想サーバーからインターネットへのデータ転送量に応じた料金も必要になります。

リザーブドインスタンス

リザーブドインスタンスとは、使ったら使った分だけ支払うオンデマンドインスタンスとは異なり、あらかじめ1年分または3年分を支払うことで、割引を受けることができる料金体系です。オンデマンドインスタンスと比較し、最大で75%の割引を受けることができます。

スポットインスタンス

スポットインスタンスは、Amazon EC2上で使われていない仮想サーバーをオークション形式で入札し、低価格で利用することができる料金体系です。入札した価格より高い価格を提示したユーザーが出た場合などに利用できなくなりますが、オンデマンドインスタンスと比較し、最大90%の割引を受けることができます。

Dedicated Hosts

ここまで説明したAmazon EC2のライセンス形態は、あくまで対象は仮想サーバーでした。しかし、仮想サーバーとはいっても、物理的なサーバー上でほかのユーザーとハードウエアリソースを共有することになります。Dedicated Hostsは、物理的なサーバーを占有したいユーザー向けのライセンス形態です。強固なセキュリティや企業コンプライアンスが求められるユーザーは、Dedicated Hostsを選択して物理的なサーバーを占有してください。

AWSの最初の一歩はAmazon EC2から

ITサービスの導入は、多くの場合物理的なサーバーなくして始まりません。そのサーバーを自社で準備することなくクラウド上の仮想サーバーを使うことができるサービスが、Amazon EC2です。Amazon EC2は、非常に高い柔軟性を持ち、自社ではできない強固なセキュリティも実現できます。AWSの恩恵を受けるのであれば、まずはAmazon EC2を使って仮想サーバーを立ち上げることから始めましょう。

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