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ディープラーニングを利用した翻訳を導入できるAmazon Translateを解説

Amazon Translateは、ディープラーニングに基づいた翻訳の仕組みを利用できるサービスです。通常の翻訳の他にもリアルタイム翻訳機能を備えており、外部APIも提供されているため、自社のWebサイトやアプリケーションなどへの活用が容易になっています。

Amazon Translateとは

Amazon Translateは、ディープラーニング技術を活用した翻訳サービスです。2020年12月現在、55の言語をサポートしていて、かつブランド名やタレントの名前など、さまざまなコンテンツに対応しています。外部のプログラムから呼び出せるAPIが実装されているので、誰でも簡単にプログラムの中でAmazon Translateを呼び出し、活用できます。

Amazon Translateのメリット

Amazon Translateは、ただの翻訳サービスではなく、さまざまなメリットを持っています。そのメリットを順番にみていきましょう。

短時間で大量の翻訳が可能

カスタマーレビューなどの動的に変化するコンテンツや、日々デプロイされるアプリケーションの文章でも素早く翻訳できるので、サービスのローカライズを手早く実施したい時に効果を発揮します。

ディープラーニングによる日々の改善

Amazon Translateは世界中にユーザーが存在し、ユーザーの使用による日々の学習で、翻訳の精度は改善を続けています。そのためさまざまな文章の形式に対応でき、高精度な翻訳を提供し続けています。

言語の種別を自動的に検出できる

ユーザー側で言語を指定しなくても、会話やテキストに使用されている言語を自動で読み取り、自動的に言語の種別を判断するため、効率的に翻訳を実施できます。

APIを利用したスムーズな連携

Amazon Translateは、プログラムからAPIを呼び出すだけで簡単に利用できます。プログラム内にAmazon Translateを組み込むことで、アプリケーションやWebサイトの翻訳を効率的に実施可能です。他にもMicrosoft Office製品その他、さまざまな形式の文書に対応しています。

翻訳の内容は独自にカスタマイズできる

自社のブランド名やキャラクター名など、固有名詞を使用する場合は、用語のカスタム機能を用いて対応できます。事前に固有名詞を登録すると翻訳内容の見直し作業が効率的になるのでおすすめです。この固有名詞を登録するリストを「カスタム用語リスト」と呼びます。

Amazon Translateの注意事項

Amazon Translateには、使用するうえでの注意事項が2つあります。それぞれみていきましょう。

カスタム用語は大文字と小文字の区別が必要

カスタム用語リストを作成する際には、大文字と小文字がそれぞれ区別されてしまいますので、必要に応じて大文字と小文字両方の登録をしましょう。

言語の自動検出機能を利用すると追加料金がかかる

翻訳前テキストの言語判定には、Amazon Comprehendが利用されています。言語の自動検出機能を利用すると、Amazon Comprehendも契約したとみなされ、料金が追加されるので注意が必要です。

Amazon Translateのユースケース

Amazon Translateの便利な翻訳機能は、さまざまな場所での活用を期待されています。

Webコンテンツやアプリケーションのローカライズ

ユーザーが日々生成するコンテンツや、チームによって構築されるアプリケーションに手動で翻訳を実施していくことは現実的ではありません。そこで、Amazon Translateを使えば、翻訳ボタンをクリックするだけで、短時間で翻訳が完了します。ローカライズなどの作業もスムーズに進むでしょう。

顧客などとの会話を分析しサービスを改善

文章の中には、さまざまな人間の感情が隠されています。このような感情をマーケティング用語で「インサイト」と呼びます。Amazon Comprehendなどの自然言語処理サービスの前にAmazon Translateを使用することで、多種多様な言語で実施される会話をテキストデータに変換し、インサイトを分析できるようになります。

問い合わせ窓口などで会話を同時翻訳

リアルタイム翻訳機能を追加することで、単一の言語しか話せない担当者でも、顧客によってさまざまな言語でなされる問い合わせに対応できます。例えば、Amazon ConnectのチャットをAmazon Translateでリアルタイムに翻訳することで、同時翻訳チャットを実現可能です。

Amazon Translateの導入事例

海外の事例が中心になりますが、ここからはAmazon Translateの導入事例をみていきましょう。

従業員の意識調査に要する時間を短縮

とある世界的なシステム・ソリューション企業では、社内での従業員意識調査にAmazon Translateを活用しています。グローバルな37万人の従業員、50を超える言語が使用されていたため、従来は従業員意識調査を年一度しか実施できませんでした。しかし、Amazon Translateを利用することにより、翻訳作業にかかる時間が大幅に短縮され、従業員意識調査の処理にかかる時間を数カ月から2週間に短縮できています。また翻訳の際には、トピックごとに内容が自動でソートされるため、多忙な幹部社員でも整理と把握がしやすくなり、作業効率を上げる要素になりました。今後もAWSの機械学習機能を用いて調査の簡素化を進め、将来的には入力するテキストフィールドを一つにまとめ、更なる効率化を図ります。

Webサイトに蓄積される情報を瞬時に翻訳

とある大手オンライン宿泊予約サイトでは、90のローカライズWebサイトを41の言語で運営しています。日々蓄積していくカスタマーレビューや、その他のテキスト情報について、手動の翻訳だとローカライズが間に合いません。そこでAmazon Translateを活用して翻訳することにより、効率的なWebサイト管理を実現しています。同社には既に2千5百万件を超えるカスタマーレビューが蓄積されていましたが、そのローカライズもAmazon Translateを用いることで、非常に短時間で対応が完了しています。今後も同社はAmazon Translateを活用し、他の機械学習サービスとも連携させてレビューをパーソナライズおよびローカライズさせることに注力していく方針です。

顧客へ提供するサービスへAmazon Translateを活用

とあるリアルタイム通信プラットフォーム企業では、世界的にサービスを展開しているため、多言語での会話への需要が増加していました。そこでAmazon Polly、Amazon Comprehend、Amazon Lex、Amazon Translateなどを連携させたシステムで、多言語に対応させた自動翻訳チャットアプリを構築し、業務連絡やリモート打合せなどに活用しています。実際にチャットアプリを利用してみると、翻訳元の言語で記載された文章が、即座に翻訳先の文章へ変換されるのが見て取れます。このチャットアプリで多言語の対応に苦慮していたビジネスパーソンも、スムーズなコミュニケーションが可能になるでしょう。今後もAmazon Translateを活用したチャットアプリを用いて、ユーザーの国際的なビジネスが加速していくことを目指していきます。

Amazon Translateの料金

Amazon Translateの料金は、100万文字あたり15USDと非常にリーズナブルです。通常の翻訳だと文字単価5円~程度の相場であることを考えれば、気軽に利用できることは言うまでもないでしょう。なお、AWSに登録するとAmazon Translateで1カ月200万文字分の翻訳が12カ月間無料で使える「無料利用枠」も存在しますので、試しに使ってみたいという場合でも気軽に利用を開始できます。

Amazon Translateの料金の詳細は、公式サイトの料金表でご確認ください。

Amazon Translate の料金(AWS)別ウィンドウで開きます

既に述べた内容ですが、言語の自動検出機能を利用すると、Amazon Comprehendも契約したとみなされ、Amazon Comprehendの料金が追加でかかるため注意が必要です。

Amazon Comprehendの料金の詳細は公式サイトの料金表でご確認ください。

Amazon Comprehend の料金(AWS)別ウィンドウで開きます

Amazon Translateで効率のよい翻訳・ローカライズを

Amazon Translateは、ディープラーニング技術を活用した翻訳サービスで、55の言語の他、ブランド名やタレントの名前など、さまざまなコンテンツに対応できます。外部のプログラムから呼び出せるAPIが実装されていて、誰でも簡単に利用可能です。

自社サービスの翻訳・ローカライズをAmazon Translateで効率化し、ビジネスを加速させていきましょう。

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