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【機械学習入門】機械学習がAIを支える!学習の種類やワークロードから関連用語までをわかりやすく解説
「機械学習」と聞いてすぐに思い浮かぶのは「AI」ではないでしょうか。「機械学習=AI」だと認識している方も多いかもしれません。機械学習はAIに欠かせないものですが、その関係性を把握しておかなければ機械学習を理解することが途端に難しくなります。そこで本記事では、機械学習入門として、機械学習がAIにどのように影響するのかを確認しながら、機械学習の種類やワークロード、そして関連する用語についての概要をわかりやすく解説します。
機械学習がAIにもたらすもの
機械学習はAIを作るための重要な手段で、簡単にいえば機械に「目」「耳」「口」の機能を持たせる技術です。具体的にいうと、AIは機械学習によって「画像認識」「音声認識」「自然言語処理」ができるようになります。
画像認識ができれば、特定の対象物の認識が可能です。例えば、大量の写真の中から「猫」の特徴をもとに画像を認識して、「猫」が映っている写真だけをピックアップするといった行動ができるようになります。
音声認識ができれば、音声データをテキストデータに変換することが可能になります。例えば、会議などで人間が話す言葉の音声を音声データとして受け取り、音声データをテキスト化することで、議事録や映像の字幕などにも利用できるでしょう。
自然言語処理ができれば、人間が書いたり話したりするような自然な文章を理解して処理できるようになります。例えば、人間とAIが自然な会話ができるようになったり、意味合いを理解(文脈から橋と箸を区別するなど)しながら自然な文章が書けるようになったりします。
このように、機械学習はAIを支えるための技術であり、AIの頭脳の一部だといえるでしょう。1960年ごろに始まったAI研究は、機械学習を含めさらに発展しようとしています。機械学習やAIの歴史については「機械学習とは?3つの学習方法と利用例までをわかりやすく解説」でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
機械学習の種類
機械学習の主な学習方法は、大きく以下の3つの種類に分けられます。
- 教師あり学習
- 教師なし学習
- 強化学習
それでは、1つずつ見ていきましょう。
教師あり学習
教師あり学習は、まずは人間が正解のルールとパターンを教えていく学習方法です。
例えば、「人」や「猫」や「犬」などの画像を学習させる場合、それぞれの画像データに「人」「猫」「犬」といった正解を示すラベルを付与して学習させます。
これにより、教師あり学習を終えたAIは、正解を知っているデータに対しては正確に回答できるようになるのです。一方、正解を知らないデータに対しては答えを出すことができないため、多くの正解データを学習させる必要があります。
教師あり学習については「教師あり学習とは?覚えておきたい機械学習の学習手法概要」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
教師なし学習
教師なし学習は、正解を教えずにデータ判断を学習させる方法です。
正確な答えがわからない状態で学習していき、機械(AI)が自らパターンなどを学ぶことで「判断」を学習していきます。例えば、文章の特徴を学習すれば、メールのパターンを把握して自動的にグループ分けするなどの行動ができるようになります。
ただ、機械が教師なし学習で出した答えについては、「機械がどのように判断したのか」を人間が解釈する(機械の判断をトレースする)ことが難しい場合もあります。
教師なし学習については「教師なし学習とは?覚えておきたい機械学習の学習手法概要」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
強化学習
強化学習とは、機械学習における学習方法の1つです。機械学習の種類である「教師あり学習」「教師なし学習」に加えた3つ目の学習方法で、私たちがAIと聞いてイメージする行動の基礎となる学習方法だといえるでしょう。
強化学習では、目的に応じた結果に報酬(スコア)を付与します。機械はその報酬を最大化するための行動を学習していきます。イメージしやすい例えでは、囲碁の対戦に効率よく勝つにはどうしたらよいのかを考える、あるいはロボットの歩行距離をより伸ばすためにはどうしたらよいかを考えるといった具合です。
機械に対して、正しい答えに辿り着くための最も効率的な方法を考えさせる学習方法です。
機械学習の流れ(ワークロード)
機械学習の概要がイメージできたところで、機械学習を実際に行うための大まかな流れを見ていきましょう。基本的には、目的を決定し、該当するデータを集めることから始まります。
手順としては、以下の8つのステップで機械学習の全体的なイメージをつかみましょう。
- 1. 利用するデータの検討:目的のために、どのようなデータを学習させるかを検討する
- 2. データの収集:あらかじめ決定したより多くの関連データを収集する
- 3. データのクレンジング:収集したデータの中から、不正確なモノや破損したデータなどの処理を行う
- 4. データの変換:機械学習に利用するデータが整った後、データを標準化する
- 5. モデルの構築・学習:学習用のアルゴリズムを構築して、データを学習させる
- 6. モデルの評価:予測の結果が期待する目標値や正確性に達しているかなどの評価を測定する
- 7. モデルのデプロイ:モデルが期待値に達していることを確認したら、本番環境へデプロイする
- 8. モデルの実行・監視:データは常に新しいものが出てくるので、実行しながらも常にデータの変化に対応してモデルの品質を監視する
機械学習は、このようなワークロードを経てAIという概念を成り立たせていくのです。
機械学習に使われる用語
機械学習を知るためには、AIの分野で使われる用語を理解しておく必要があります。
AIを支える技術には、機械学習のほかに「ニューラルネットワーク」や「ディープラーニング」などがあります。まずは、以下の関係性をイメージしてください。
【AI】>【機械学習】>【ニューラルネットワーク】>【ディープラーニング】
上記の関係性を念頭に、それぞれの用語を見ていきましょう。
AI
AIは日本語で「人工知能」のことで、人と同じように自律的な思考力を持ち、かつ人よりも高速で正確な答えを出せる概念です。
それは身近なデバイスや自動車、ロボットなどに搭載されることで、人とコミュニケーションを取りながら人間の生活や社会を便利にします。
機械学習
機械学習は、AIの「考える力」を支える技術の1つです。AIは、機械学習によって物事を覚えたり、答えを出すための判断基準を得たりします。
ニューラルネットワーク
ニューラルネットワークは、機械学習という技術を実現するための1つの技術です。人の脳が持っているニューロンとそのつながりを、数式モデルとしたものです。
ディープラーニング
ディープラーニングもまた機械学習を支える技術の1つで、多層構造のニューラルネットワークを利用した技術です。ディープラーニングはニューラルネットワークを用いた機械学習技術で、「深層学習」とも呼ばれます。
近年では、ニューラルネットワークよりも制度の高い機械学習としてディープラーニングが使われています。
AWSで提供されている機械学習の基本的なサービス
機械学習を始めるためには上述のようなステップで進めますが、何をどのように始めたらよいのかをイメージしておく必要があります。そこで利用したいのが、機械学習に使えるクラウドサービスです。
例えば、AWSでは、機械学習の基本的な作業を担うサービスが提供されています。ここでは、上述したワークロードの一部を実現できる4つのサービスをピックアップして紹介します。
- Amazon SageMaker Ground Truth:データ収集のステップで利用できる。フルマネージド型のデータラベル付けサービス
- Amazon SageMaker Processing:データのクレンジングやデータ変換に利用できる。AWS Glueを利用すれば、より複雑なデータ変換などが可能
- Amazon SageMaker Notebook Instances:モデルの構築に利用できる。あらかじめインストールされているライブラリの利用やGPUを搭載したインスタンス選択で、開発速度を向上できる
- Amazon SageMaker SDK:モデルの学習に利用できる。学習データや学習コードなどを指定することで、自動で学習が開始される。
このように、機械学習はクラウドサービスを利用すれば、基本的なワークロードを比較的容易に実行できる環境が整えられるのです。
まとめ
機械学習を学ぶためには、機械学習がAIを支える技術であることを理解しなければなりません。そして、機械学習の種類を知り、そのワークロードを把握しておくことも大切です。AI分野で使われる用語もしっかりと区別することで、機械学習やディープラーニングの関係性がわかり、「機械学習」が理解しやすくなるはずです。
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