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クラウドマイグレーションとは?実施するメリットと移行手順

クラウドマイグレーションとは、オンプレミスにある既存のシステムをクラウド基盤に移行することを指します。

コロナ禍でテレワークが普及し、クラウドマイグレーションを実施する企業も増加しています。一方、クラウド基盤への移行を検討しているものの、具体的なメリットや移行手順がわからず踏み出せない方もいるでしょう。

そこで本記事では、クラウドマイグレーションの概要やクラウドのメリットを解説します。移行手順も解説していますので、クラウドマイグレーションを検討中の方はぜひ参考にしてください。

クラウド移行を検討しているが、何から始めたらよいかわからない、移行戦略を描けていないなどありましたら、NTT東日本のクラウドエンジニアにて無料オンライン相談できますので、ぜひお気軽にお問いあわせください。

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1.クラウドマイグレーションとは?

クラウドマイグレーションとは、オンプレミスにある既存のシステムをクラウド基盤に移行することです。

クラウドマイグレーションを実施する企業は年々増えています。総務省の令和2年情報通信白書によると、クラウドを利用している企業は2015年で44.6%に留まっていましたが、2019年には64.7%にまで増加しました。

既存システムからクラウド基盤に移行すれば、コストは利用した分のみなのでわかりやすく、既存システムに比べ管理の手間も削減できることがあります。また人件費や、サーバーを保持するスペースの削減も期待できます。

2.オンプレミスと比較したクラウドのメリット

オンプレミスの場合、自社でサーバーを含むインフラ機器を保持・管理します。そのため機器の購入や、導入までの設置・構築・設定に時間も費用もかかります。

クラウドは自社ではサーバーを保有せず、Amazon Web Service(AWS)やMicrosoft Azureなどのクラウドサービスが提供している仮想サーバーを利用するため、インターネット環境さえあればすぐに利用可能です。

具体的な特徴や違いは、次のとおりです。

オンプレミスとクラウドの特徴
オンプレミス クラウド
費用

サーバーなどの機器やソフトウェアを購入するため、初期費用が高額

導入後は、保守管理の人件費や機器を稼働させる電気代などが発生

機器などを購入しないので初期費用はリーズナブル

基盤に関しては、保守管理の人件費や機器を稼働させるコストは発生しないが、利用内容に応じたサービス利用料が発生

運用開始までにかかる時間 機器やソフトウェアを購入し、自力で設置や設定をするので時間がかかる クラウドサービスを契約するだけで運用開始できるので、時間がかからない
カスタマイズの自由度 選べる範囲に制約がないので、自由度は非常に高い クラウドサービスの範囲内という制約はあるが、自由度は高い
連携のしやすさ 社内にシステムを構築するので、非常に連携しやすい インターネットを経由して接続するので、連携できない場合もある
情報セキュリティ対策 情報セキュリティ対策を万全にすれば非常に高い 基本的には情報セキュリティ対策のレベルは高いが、程度はクラウドサービス提供事業者による
保守・管理 すべて自社で対応する必要があるので、手間がかかる 基盤に関しては、基本的にクラウドサービス提供事業者が担当するので、手間がかからない

上表のようにオンプレミスはコストや運用の手間が発生し、運用開始までに時間がかかるものの、カスタマイズしやすいのが特徴です。

一方クラウドの場合、オンプレミスに比べれば柔軟なカスタマイズができないこともありますが、すぐに運用を開始できて無駄なコストも削減でき、保守の手間も減らせます。

クラウドが向いているケースとしては、テレワークや出張先などでも社内システムを利用したいとき、コストやサーバー保守の負担を減らしたいときが挙げられます。

オンプレミスとクラウドがどのように違うのか、より詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

関連記事:オンプレミスとクラウドの比較|移行・併用のポイントや選び方

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3.クラウドマイグレーションの手順

この章では、クラウドマイグレーションの手順を解説します。手順を十分に理解していなければ、移行までに時間がかかり人的リソースも割かれてしまいます。具体的な手順をしっかり理解し、移行する際に役立ててください。

3-1.要件の評価と計画

まず、要件の評価と計画から着手しましょう。クラウドに移行することで解決する課題や、移行の目的を明確にします。

さらに現在使用しているシステムやアプリケーションの評価をし、クラウドへ移行するべき対象があるか選定します。

選定をするためには、既存システムやアプリケーションの精査が必要です。システムの重要度はもちろん、拡張が必要か、情報セキュリティ対策のレベルはどのくらいかなど細かく確認し、クラウドへの移行で得られる効果を把握しましょう。

クラウドに移行するにあたり、オンプレミスとの比較も必要です。災害対策や可用性、情報セキュリティ対策、発生するコスト、ポリシーやコンプライアンスの適合性などを確認します。

現状と移行後の環境をしっかり比較しておくことで、移行後に余計な手間やコストが発生することを防げます。

クラウドへの移行対象や目標、目的を把握したら、どのような手法でクラウドマイグレーションを実施するか検討しましょう。

主なクラウドマイグレーションの手法は、以下の3つです。

手法 内容
リフト アンド シフト
  • 最も簡単な移行方法
  • 業務システムをそのままクラウドへ移行(リフト)
  • 移行後、改修し最適化(シフト)
  • コストを抑えられる半面、クラウドのメリットを十分に得られない可能性がある
リプラットフォーム
  • アプリケーションのアーキテクチャは変更しないで移行する方法
  • OSなどのバージョンアップをして、一部のサービスをクラウドサービスに移行する
  • 移行の切り替え戦略は難しいものの低リスク
リファクタリング
  • クラウドサービスを利用し、既存システムをすべて再構築する移行方法
  • アーキテクチャも変更し、既存システムの流用はしない
  • 負荷コストはかかるものの、クラウドのメリットを十分に発揮できる

技術レベルなどによっても適した方法は異なるため、どの手法を選ぶかは十分に検討してください。

3-2.クラウドの選定

クラウド化に伴う目標を達成でき、必要とするシステムの要件を満たしたクラウドサービスを選定します。

ここでは、大手クラウドサービスである3社の特徴を解説します。クラウドサービスによって特徴や強みは異なり、機能もさまざまです。自社の求める要件を満たすクラウドサービスを選定しましょう。

3-2-1.Amazon Web Service(AWS)

Amazon Web Service(AWS)は、Amazonが提供しているクラウドサービスです。調査会社であるSynergy Research GroupCanalysの調査によると、2023年第1四半期時点には世界トップのシェア率全体の32%がAWSを利用しています。

AWSの主な特徴は、最新のサービスが展開されていることでしょう。2023年現在には241種類ものサービスを展開しています。

最新技術により、他のクラウドサービスに比べてさまざまな用途で使用可能です。実績が豊富で日本語サポートもあるため、初心者でも扱いやすいサービスといえます。

Amazon Web Service(AWS)の詳しい特徴については、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:AWSとは?初心者にもわかりやすく特徴・概要をまとめました

3-2-2.Google Cloud

Google Cloudは、Google社が提供しているクラウドサービスです。ビッグデータ解析ツールのBigQueryや機械学習のTensorFlowなどが有名で、AI技術やビッグデータを含むデータ分析を目的としている場合に最適です。

またインフラの安定性が高く、データ処理速度が速いといったメリットもあります。

Googleのサービスと連携しやすいのはもちろん、Anthosというコンテナプラットフォームを使用すれば、オンプレミスやその他のパブリッククラウドとも簡単に連携ができます。

Google Cloudの詳しい特徴や、利用に向いているケースを知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

関連記事:Google Cloudとは|特徴・サービス比較、向いているケースをまとめて解説!

3-2-3.Microsoft Azure

Microsoft Azureは、Windowsなどで知られるMicrosoft社が提供しているクラウドサービスです。調査会社であるSynergy Research GroupCanalysの調査によると、2023年第1四半期時点にはAWSに続きシェア率は2位で、全体の23%がMicrosoft Azureを利用しています。

大きな特徴は、Microsoft社製品との親和性が高い点です。オンプレミスサーバーのOSにWindowsを利用している場合、移行しやすいのがメリットでしょう。

一方でAWSに比べると実績が少ないため、専門知識がないと構築や運用をしにくい点もあります。

Microsoft Azureの詳しい特徴や、メリット・デメリットは以下の記事を参考にしてください。

関連記事:Azureを選択すべき企業とは?特徴、メリット・デメリット、事例

3-3.アーキテクチャの設計

クラウドへ移行するにあたって、クラウドアーキテクチャを設計しましょう。

インスタンスやデータベース、ネットワークなどの必要なリソースがどれくらいか予想しておくことが大切です。またクラウドアーキテクチャを設計するときは、クラウドサービスの情報セキュリティ対策や可用性、スケーラビリティなどの要件を考慮する必要があります。

これらアーキテクチャの設計は基本的にITアーキテクトが担当しますが、ITアーキテクトを自社に常駐させている企業はなかなかありません。そのため、移行支援をしている企業とパートナー契約を検討する必要も出てくるでしょう。もしパートナー契約をして移行支援を受けるとしても、外部のITアーキテクトによる設計が自社の課題を解決しているかは確認が必要です。

3-4.トライアル移行と検証

クラウドへの移行をする前に、本番時のトラブル回避のためトライアル移行と検証を実施しましょう。

トライアル移行の際はシステムの動きやパフォーマンスなどを検証し、問題点がないか確認します。トライアル移行で見つかった課題には対策をとっておくことで、本番でのスムーズな移行が可能です。

3-5.本番環境への移行

トライアル移行が成功した場合、本番環境への移行を計画します。

本番環境への移行時は、現行システムの停止をする場合もあります。業務に影響が出ないよう、担当者間でのコミュニケーションをより密にとりましょう。移行作業に関わる担当者の連絡先はもちろん、進捗状況なども逐一確認します。

万が一のため、データのバックアップもしておくべきです。トライアル検証はしたものの、トラブルが100%起きないとは言い切れません。不測の事態が起きた場合のためにも必ずバックアップを取っておいてください。

3-6.運用と改善

本番環境への移行後、アプリケーションのパフォーマンスや情報セキュリティ対策の状況をモニタリングします。

トライアル移行と異なる動きが見られた場合、原因を突き止めます。その際、調整や最適化が必要であれば適宜実施して、定期的なチェックを怠らないようにしましょう。

なお、課金対象の既存システムがあれば解約が必要です。クラウド環境に移行して問題なく運用できているのを確認してから、忘れないように解約手続きをしてください。

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4.クラウドマイグレーションを実施するならぜひNTT東日本にご相談ください

クラウドマイグレーションを検討してはいるものの、クラウドの技術を持つ社員がいなかったり、システムエンジニアのリソースが足りずなかなか踏み出せなかったりする方もいるでしょう。

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クラウドマイグレーションについてまとめ

クラウドマイグレーションとは、既存システムをオンプレミスからクラウド基盤へ移行することを指します。クラウドへ移行すれば、自社でサーバーを保持することなく、費用面でも運用面でもコストの削減が図れます。

クラウドマイグレーションを的確に実施するためには、計画的に手順を踏みましょう。目標や目的を把握した上で最適なクラウドを選定し、トライアル移行を経て本番環境へ移行します。

アーキテクチャの設計など技術が必要な手順もあるため、自社に技術者がいない場合や、最適な設計がわからないという方もいるでしょう。

クラウドマイグレーションを検討中でお悩みの方は、ぜひNTT東日本をご活用ください。

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