COLUMN
ガバメントクラウドとは?意味や重要性、自治体が取り組むべきこと
ガバメントクラウドとは、国や地方自治体などすべての行政機関が、共通した仕様で行政サービスのシステムを整備できるクラウド基盤のことです。ガバメントクラウドを利用することによって、行政機関全体で主要な業務システムを標準化することができます。
▼ガバメントクラウド導入前の課題
これまで国や各自治体は、それぞれ独自の環境で、住民票や税などの各システムを構築していました。その結果、相互に連携が難しく、行政機関側・利用者側ともに労力が増え、システム維持の経費もかさんでいたのが実情です。
以上のような課題も、ガバメントクラウド導入によって以下のとおり改善が可能です。
▼ガバメントクラウド導入により期待できる効果
ガバメントクラウドを導入することで、行政サービスに使うデータやインフラを簡単に共有できるようになり、労力や費用に関するさまざまな課題を解決することができるようになります。
【具体例】
- 全自治体共通の基盤でデータ管理できるようになる
- セキュリティ対策をガバメントクラウド側で一括して行うのでコストを抑えて高いセキュリティを維持できるようになる
ただし、ガバメントクラウドにスムーズに移行するには、スケジュールや移行時の注意点などを把握しておく必要があるでしょう。ガバメントクラウドは、国によって移行時期の目安などが示されているので、これに間に合うように準備していかないと連携がスムーズにできなくなるからです。
また、ガバメントクラウドを利用する際は、行政側の管理責任の範囲などを確認しておかないと、セキュリティ対策がおろそかになりかねないからです。
以下の3つのポイントをおさえましょう。
この記事では、ガバメントクラウドの移行スケジュールといった基本事項や、注意すべきポイントなど、スムーズに移行するうえで欠かせない内容をご紹介します。
【この記事の内容】
- ガバメントクラウドとは
- ガバメントクラウドに移行するメリット
- ガバメントクラウドの先行事業とは
- ガバメントクラウドの移行スケジュール
- ガバメントクラウド移行をスムーズに進めるポイント
移行対象となる業務は、どれも行政サービスをするうえで重要なシステムばかりです。今回ご紹介するスケジュールのような基本事項や注意すべきポイントなどを確実に把握しておくことで、トラブルなく移行を進め、スムーズに業務効率化を実現することができるようになるでしょう。
目次:
- 1. ガバメントクラウドとは基幹業務システムの標準化
- 1-1. ガバメントクラウドが推進される背景
- 1-2. ガバメントクラウドの基本的な仕組み
- 1-3. ガバメントクラウドの移行対象は20業務
- 1-4. ガバメントクラウドで利用するクラウドサービス2つ
- 2. ガバメントクラウドに移行するメリット4つ
- 2-1. 業務効率化・行政サービス向上
- 2-2. コスト削減
- 2-3. セキュリティ強化
- 2-4. システム構築・拡張がスムーズになる
- 3. ガバメントクラウドを進める際には「先行事業」を参考にしよう
- 3-1. 先行事業とは?
- 3-2. 採択された8つの自治体
- 3-3. ガバメントクラウド先行事業のスケジュール
- 4. ガバメントクラウドに関する全体的なスケジュール
- 4-1. ガバメントクラウドの先行事業期(2021年度~2022年度)
- 4-2. ガバメントクラウドの本格移行期(2023年度~2025年度)
- 5. ガバメントクラウドをスムーズに進めるポイント
- 5-1. セキュリティポリシーを確認しておく
- 5-2. 「責任分界点」について理解しておく
- 5-3. 移行計画を作る
- 6.まとめ
1. ガバメントクラウドとは基幹業務システムの標準化
ガバメントクラウドとは、国や地方自治体など、すべての行政機関で同じクラウドサービスを利用してシステムを構築できる仕組みのことです。
ガバメントクラウドを利用して国や地方自治体の基幹業務システムを標準化させることで、行政機関の業務効率化・コスト削減と行政サービス利用者の利便性を向上させることができます。
◆標準化とは
- システムの仕様を統一し、相互の連携を簡単にすること
- 仕様が統一されると、異なるシステム間でもデータのやり取りなどが簡単に行える
例えば、住民票の登録に関するシステムやデータは、これまで各自治体で個別に管理していました。そのため、住民が他県に引っ越す場合は、煩雑なデータの移行手続きなどを行わないと、引越し先の自治体で住民のデータを参照できませんでした。
しかし、ガバメントクラウドでシステムを標準化すれば、面倒な手続き不要で、いつでもどの自治体でもデータを参照し行政サービスを提供することができるようになるのです。
【自治体システムの標準化とは】
- 全自治体共通の標準仕様を定めるので、各自治体でのカスタマイズは不要
- 同じクラウド上のシステムを共同で利用する
- 対象となる業務は、住民基本台帳や税関係・年金関係などの全20業務
1-1. ガバメントクラウドが推進される背景
ガバメントクラウドが推進されることとなった背景には、国の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」があります。デジタル社会の実現に向けた重点計画とは、デジタル社会を実現するための包括的な計画です。その一環として行政サービスの使いやすさを向上させるために、行政機関のシステムのデジタル化などを推進しています。
これまでの行政サービスが利用しづらい原因には、
- 行政手続きに、書類の提出などアナログな作業が必要で、いちいち窓口に出向く必要がある
- システムやデータが各自治体で別々に管理されているので、手続きできる窓口に制限がある
などがありました。
こういった不便さも、行政機関をデジタル化しシステムやデータの一元管理が進めば、
- 手続きのオンライン化が実現
- すべての手続きをワンストップで対応できる
などの改善が見込まれるので、国はデジタル化を推進しているのです。
ただし、行政機関全体のデータは膨大で、制度や法律の改正に合わせて柔軟にシステムを改修できることが必要になります。そこで対応できるインフラとして選ばれたのが、多くのデータを取り扱え、システム内容を柔軟に変えられるクラウドなのです。
こうして、ガバメントクラウドが推進されることになりました。
※参考:デジタル庁「デジタル社会の実現に向けた重点計画」
1-2. ガバメントクラウドの基本的な仕組み
それでは、ガバメントクラウドの基本的な仕組みを確認してみましょう。ガバメントクラウドでは、以下のとおり、国主導で準備されたクラウド基盤と、そこで使えるアプリをすべての自治体が共同で利用することで、標準化を実現しています。
※画像引用:内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室「地⽅⾃治体によるガバメントクラウドの活⽤について」
具体的には、ガバメントクラウドでは、
- ①ガバメントクラウド上に複数のクラウドサービス提供事業者が標準仕様に基づく基幹業務システムのアプリを開発
- ②地方自治体は、ガバメントクラウド上で各自治体の状況に合ったアプリを選ぶ
- ③各自治体のデータは、ガバメントクラウド上でまとめて管理する
という仕組みで、自治体の基幹業務システムを標準化します。
なお、複数の事業者が基幹業務アプリの開発に参画できるようにしていることには、
- どのベンダーにもビジネスチャンスを確保する
- 自治体がそれぞれの規模や業務形態に合わせて最適なアプリを選べるようにする
といった狙いがあります。
1-3. ガバメントクラウドの移行対象は20業務
ガバメントクラウドへの移行対象となっているのは、以下の表に示す20業務です。
総務省によると、対象となる業務の選定理由として、次の3つが挙げられています。
- 住民の利便性向上につながる業務であること
- 各自治体で業務を処理する内容が共通していること
- 標準化することで地方自治体の業務効率化ができること
ガバメントクラウドの移行対象20業務 | |
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ジャンル | 業務名 |
住民基本台帳・戸籍関係 |
|
税関係 |
|
健康保険・年金関係 |
|
子育て関係 |
|
その他 |
|
以上のような業務をガバメントクラウドに移行することで、例えば、次のような住民の利便性向上につながります。
◆ガバメントクラウド移行で実現することの例
- 原則として行政サービスの各種手続きが、役所の窓口に行かずにオンラインで完結できるようになる
- 24時間どこからでもインターネット経由で手続きができるようになる
- 複数の手続きをする場合も、同じ情報は1回入力するだけで済むようになる
1-4. ガバメントクラウドで利用するクラウドサービス2つ
2021年時点で、ガバメントクラウドで利用するクラウドサービスとしてデジタル庁に選定されているのは、「Amazon Web Services(AWS)」と「Google Cloud Platform(GCP)」の2つのサービスです。
2つのクラウドサービスは、ガバメントクラウド先行事業などのマルチクラウド基盤となります。2022年度以降、2つのサービスに加えて新たなサービスも選定される予定です。
ただし、Amazon Web ServicesとGoogle Cloud Platformについては、今後もガバメントクラウドで利用できると考えられるため、今から移行について検討を始める場合は、2つのクラウドサービスを念頭に置いておくとよいでしょう。
2. ガバメントクラウドに移行するメリット4つ
地方自治体がガバメントクラウドに移行することの代表的なメリットは、次の4つです。
ガバメントクラウドに移行する主なメリット4つ |
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|
ガバメントクラウドへの移行が地方自治体などにどのような恩恵をもたらすのか、具体的に説明します。
2-1. 業務効率化・行政サービス向上
ガバメントクラウドに移行することで、地方自治体の業務効率化や住民サービスの向上につながります。
ガバメントクラウドでは、システムの仕様やデータの保存形式などを、すべての自治体で統一し共通のクラウド上に保管するため、データの連携が非常にスムーズになるからです。
これまでは、システムを変更したりデータを他の自治体に移したりするたびに、自治体の職員には移行のための煩雑な作業が発生し、住民側も手続きが必要でした。ガバメントクラウドに移行すれば、どの自治体のシステムからでもスムーズに同じデータを取り扱えるので、これらの手間を省くことが可能です。
◆移行前
- 住民が他の自治体の管轄に移動(他県に引越しなど)すると行政側はデータ移動処理や手続き対応で煩雑
- 住民側も窓口に出向き、面倒な手続きが必要
◆移行後
- 行政側は、面倒なデータのやり取りや窓口対応が不要になる
- 住民側は、窓口にいちいち出向かなくても引越し先でそのまま行政サービスを受けられる
2-2. コスト削減
ガバメントクラウドに移行すれば、システムの維持にかかっていた多くのコストを削減することができます。
クラウド上のシステムを利用することで、これまで必要だったサーバーなどの機器を購入・保守管理するコストや、OS・アプリといったソフトウェアを独自に保有するためのコストが不要になるからです。
また、使用するアプリも複数事業者が開発した中から自由に選べるので、事業者間で競争原理が働き、サービス利用価格が適正化されることも期待できます。
◆移行前
- 業務システムに使う機器やソフトウェアの調達費用がかさむ
- 保守管理業務の負担が大きい
- アップデートを忘れがちで心配
◆移行後
- 機器やソフトウェアを保有する必要がないので、調達費用がかからない
- クラウド基盤の保守管理は不要なので、業務の負担を格段に抑えられる
- アップデートは自動で処理されるので、漏れがなく安心
2-3. セキュリティ強化
ガバメントクラウドに移行すると、システムの監視やセキュリティの更新などはクラウド側で一括して行うので、どの自治体もセキュリティの水準を高く保つことができます。
これまではセキュリティ対策を自治体ごとに行っていたために、予算や人員の都合で最新のセキュリティを導入することが難しかったケースでも、全自治体一律の高いセキュリティのもとで、システムを利用できるようになるでしょう。
◆移行前
- 予算に限りがあるので、セキュリティ対策は最小限
◆移行後
- ガバメントクラウド側で一括してセキュリティ対策を行うので、常に最新の高いセキュリティ対策が受けられる
2-4. システム構築・拡張がスムーズになる
ガバメントクラウドに移行すると、新しいシステムの構築や拡張がスピーディーかつ柔軟にできるようになります。
システムの標準化によって開発基盤が統一化され、クラウド上には業務ごとに複数のアプリが準備されるので、必要に応じてアプリや機能を選び直すだけで、システムの構築や拡張が完了するからです。
従来は、新しい制度への対応などに伴い、長い時間をかけてシステムの改修やサーバーなどの入れ替えを行っていました。しかし、クラウド化すれば、時間をかけずに最新のシステムで住民サービスを提供できるようになるでしょう。
◆移行前
- システムの改修費用がかさむので、機能のバージョンアップなどは最低限しか行わない
- システムの入れ替えに時間がかかるので担当者の負担が大きい
◆移行後
- 費用や時間をかけずにシステムの改修ができる
- 常に最新の利便性が高いシステムを使える
3. ガバメントクラウドを進める際には「先行事業」を参考にしよう
「ガバメントクラウドに移行するにあたって、他都市の参考事例はないのだろうか」というときは、ガバメントクラウドの先行事業を活用しましょう。
ガバメントクラウド先行事業は、2021年6月に公募を開始しました。52の地方自治体が応募し、同年10月に8団体が採択され、11月からは検証事業の準備が始まっています。先進事例として、自分の自治体ではどのように役立てられるか把握するためにも、具体的にどのような事業なのかを把握しておきましょう。
3-1. 先行事業とは?
ガバメントクラウド先行事業とは、本番の移行時にスムーズに安心して作業を進めることができるよう、事前にテスト環境で、どのような課題があるのかをチェックする事業です。
先行事業では、検証に協力を希望する自治体を公募し、現在使っている既存のシステムはそのまま稼働させた状態で、ガバメントクラウド上で希望するアプリを実際に使ってみて検証を行います。検証する主な内容は、次のとおりです。
【先行事業の主な検証ポイント】
- 機能以外の部分(セキュリティや性能面・運用保守の内容など)である標準非機能要件
- 現在のシステムからガバメントクラウドへの移行方法に関すること
- 投資に対してどの程度の効率化などの効果が得られるのか、現行システムと比較
なお、先行事業のためにガバメントクラウドのテスト環境へ移行するための費用は、補助金の対象となっています。
3-2. 採択された8つの自治体
先行事業の対象自治体として、応募した52件から最終的に選ばれた8件は、次のとおりです。各自治体の規模・システム構成や特徴を把握し、自分の自治体で参考にできそうなケースを見極める参考にしてみてください。
先行事業の採択団体8件 | |
---|---|
神戸市 【規模:20万人以上】 ※指定都市 |
【システムの構成】マルチベンダー |
【特徴】
| |
倉敷市 (高松市、松山市と共同提案) 【規模:20万人以上】 |
【システムの構成】マルチベンダー |
【特徴】
| |
盛岡市 【規模:20万人以上】 |
【システムの構成】オールインワンパッケージ |
【特徴】
| |
佐倉市 【規模:5万人以上20万人未満】 |
【システムの構成】マルチベンダー |
【特徴】
| |
宇和島市 【規模:5万人以上20万人未満】 |
【システムの構成】オールインワンパッケージ |
【特徴】
| |
須坂市 【規模:5万人以上20万人未満】 |
【システムの構成】オールインワンパッケージ |
【特徴】
| |
美里町 (川島町と共同提案) 【規模:5万人未満】 |
【システムの構成】オールインワンパッケージ |
【特徴】
| |
笠置町 【規模:5万人未満】 |
【システムの構成】マルチベンダー |
【特徴】
|
8件の採択団体についてより詳しくは、デジタル庁の「ガバメントクラウド先行事業の採択結果について」をご確認ください。
3-3. ガバメントクラウド先行事業のスケジュール
ガバメントクラウド先行事業は、以下のとおり、2021年度から2022年度にかけて行われます。
具体的には、先行事業において対象となる地方公共団体は、
- ①ネットワーク接続とガバメントクラウド環境の検証
- ②データをガバメントクラウド環境に同期させ、そのデータで検証
- ③ガバメントクラウド環境を本格運用・保守
という流れで検証を進めます。
なお、先行事業に参加していない地方自治体については2023年度からの本格移行期に、具体的な移行に向けての取り組みを行うことになります。詳しくは、次章をご確認ください。
4. ガバメントクラウドに関する全体的なスケジュール
ガバメントクラウドへ移行する全体的なスケジュールは、先ほど説明した先行事業期(2021年度~2022年度)と本格移行期(2023年度~2025年度)の2段階に分かれます。
4-1. ガバメントクラウドの先行事業期(2021年度~2022年度)
先行事業期(2021年度~2022年度)は、本格移行前にテスト環境で、実際に自治体のデータをガバメントクラウド上に移して運用してみることで、課題や最適な移行・運用方法を確認する期間です。
また、2021年度~2022年度の期間に、ガバメントクラウドで利用するアプリの標準仕様が確定し、各ベンダーはアプリ作成に取り掛かる予定になっています。現段階では、2022年度夏ごろには標準仕様を確定させ、2022年度末にはアプリ完成を目指すという計画です。
対象自治体として選ばれた自治体以外の地方公共団体は、先行事業の時期は基本的に何の作業も発生しません。ただし2025年度末までには、すべての自治体がガバメントクラウドに移行完了している計画なので、以下の点に着手しておきましょう。
◆先行事業期にやるべきこと
- 移行に向けた情報収集
- 各業務システムで必要な機能などの把握
- セキュリティポリシーの確認(詳しくは「5-1. セキュリティポリシーを確認しておく」で解説します)
情報収集にあたっては、デジタル庁や総務省のホームページで最新情報を確認するほか、先行事業の実績について各地方公共団体に照会したり情報交換したりするなどの方法があります。
4-2. ガバメントクラウドの本格移行期(2023年度~2025年度)
本格移行期(2023年度~2025年度)に入ると、ガバメントクラウド上には、移行対象となる20業務それぞれについて複数のアプリが準備完了している想定です。
各地方自治体は、
- ①アプリの機能を確認して最適なものを選ぶ
- ②先行事業の結果を踏まえて、随時データを移行していく
という手順で、移行を行うことになるでしょう。
なお、2025年度末までにすべての地方自治体が移行完了するのは「原則」となっているので、国側のガバメントクラウド整備の進捗状況によっては、スケジュールがずれ込む可能性もあります。随時、最新情報を把握しておく必要があるでしょう。
5. ガバメントクラウドをスムーズに進めるポイント
ガバメントクラウドへの移行・運用をスムーズに進めるため、事前に押さえておきたいポイントが3つあります。
ガバメントクラウドをスムーズに進めるポイント3つ |
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業務に重大な影響が発生しないよう、事前に確認しておくことが大切です。
5-1. セキュリティポリシーを確認しておく
ガバメントクラウドを利用する際は、総務省の「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を踏まえて、運用する必要があります。
自分の自治体のセキュリティポリシーが、ガバメントクラウドを利用するのに適した内容になっているか、事前に確認しておきましょう。ガバメントクラウド運用開始前にセキュリティポリシーを整理し、共有できるよう、遅くとも運用開始の数ヶ月前までには確認を行っておくのがおすすめです。
特に、これまで業務システムでクラウドの利用がない場合は、セキュリティポリシーが不十分である可能性があります。
また、すでにクラウドを部分的に活用しているケースであっても、ガバメントクラウドは対象が20業務と格段に範囲が広がるので、セキュリティポリシーが適切か評価し見直しておくと安心でしょう。
せっかくのセキュリティポリシーが実効性のないものになり、情報漏えい事案などに発展してしまわないよう、この機会に必ずチェックを行ってください。
5-2. 「責任分界点」について理解しておく
ガバメントクラウドの利用を始める前に、クラウド上のシステムを利用する場合の責任分界点をきちんと把握しておきましょう。
システムの管理責任がどこまでなのかを把握しておかないと、うっかり設定ミスや操作ミスをしてデータが流出・消失したり、システムの運用に支障をきたしたりする危険性があるからです。
例えば、クラウドの共通基盤部分やサーバー・ルーターなど機器の管理などは、クラウドサービス提供事業者側が責任を負いますが、クラウド上に保存したデータやアプリの運用などについては、自治体の責任になるでしょう。
責任分界については、先行事業の結果を踏まえて本格移行までにデジタル庁などで整理すると考えられることから、最新情報を確実に把握することが必要です。
5-3. 移行計画を作る
ガバメントクラウドにスムーズに移行するには、早いうちから具体的な移行計画を作成しておくことをおすすめします。
ガバメントクラウドへの移行は、データの移動やテスト、本格運用・保守など多くの工程があるので、きちんと計画を立てておかないとスケジュールがずれ込む危険性が高いからです。
対象となる20業務をどのようなタイミングで移行するのか、繁忙期との調整や優先順位などを含めて検討しておく必要があるでしょう。
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6. まとめ
ガバメントクラウドとは、国や地方自治体の基幹業務システムを標準化させることで、行政機関の業務効率化・コスト削減と行政サービス利用者の利便性を向上させる取り組みです。
ガバメントクラウドに移行するメリットは、4つあります。
ガバメントクラウドに移行する主なメリット4つ |
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ガバメントクラウドの先行事業とは、本格移行前にテスト環境で、実際に自治体のデータをガバメントクラウド上に移して運用してみることで、課題や最適な移行・運用方法を確認する取り組みです。
ガバメントクラウドの移行スケジュールは、このような先行事業期(2021年度~2022年度)と本格移行期(2023年度~2025年度)の2段階に分かれます。
ガバメントクラウド移行をスムーズに進めるには、以下のポイントを押さえましょう。
ガバメントクラウドをスムーズに進めるポイント3つ |
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