- プラントの工事現場でもBIMソフトウェアを活用したい
- 高額な導入コストをかけて導入しても活用できない可能性があった
- BIMソフトウェアを扱える人材が少なく、教育には時間がかかる
CASE STUDY
場所を選ばず、3次元モデルを閲覧、編集できるハイスペック環境を。クラウドVDIで実現する工事現場のクラウド化
クラウド移行で失敗しないためのお役立ち導入事例8選
~150以上の導入を支援したNTT東日本が紹介!~
資料はこちらよりダウンロードできますので、併せてご確認ください。
山九株式会社
業種 | 総合工事業、運輸業、専門・技術サービス業 |
---|---|
従業員数 | 12,235名[連結30,672名](2024年3月現在) |
本社所在地 | 東京都中央区 |
主な事業内容 | ロジスティクスソリューション、プラントエンジニアリング、オペレーションサポートなど |
ホームページ | https://www.sankyu.co.jp |
導入サービス | |
クラウド利用サービス | Amazon Web Services(AWS) |
サービス導入時期 | 2024年1月~ |
ご担当者さま | E&M第1事業部 E&M第1事業統括部 総務・企画グループ 糸数 美佐さま |
- 初めてのクラウド化でも理解しやすい説明だった
- クラウド化を実現するための真摯な取り組み
- 短期間でクラウド環境を構築できた
- クラウドVDIでどこでもBIMソフトウェアを活用できること
- 3次元モデルのような重いデータをどこでも使用できること
- 現場でトラブルが起きてもデータの破損を防げること
- 仮想デスクトップでBIMソフトウェアを活用できる環境を実現
- 最低限のコストで、BIMソフトウェアの教育体制を構築
- 通信環境の悪い工事現場でもBIMソフトウェアを活用できるように
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世界各地に拠点を置き、プラント建設や操業支援・メンテナンス、物流まで一貫したトータルサポートを手掛ける山九株式会社。国内有数の工業地帯として知られる北九州市戸畑区に拠点を置くE&M(Engineering & Maintenance)第1事業部の統括部では、事業部のDXを推進する一環として工事現場のデジタル化に取り組んでいます。工事現場でも3次元モデルを閲覧、編集できるハイスペック環境を求め、今回選定いただいたのが、クラウド環境で利用できる仮想のデスクトップ「クラウドVDI Amazon WorkSpaces」です。クラウド化の背景にあった課題やAmazon WorkSpaces、NTT東日本を選定いただいた理由と得られた成果について、E&M第1事業統括部 総務・企画グループの糸数さまにお話を伺いました。
1. ご相談前の課題と背景
3次元モデルを作成、閲覧などが可能なBIMソフトウェアを工事現場でも活用できる環境を求めていた
今回のNTT東日本さまとの取り組みを、社内では「クラウドVDI環境構築」と呼称していました。この「クラウドVDI環境構築」の対象となった部門は、私たちと同じ事業部のプラント工事部で、日本全国のさまざまなお客さまの現場で計画-施工-管理を担っています。
プラント工事部では、現場の作業効率化のため、計画-施工-管理まで一貫して工事が行えるように、BIMソフトウェアの導入を模索していました。この「BIM」とはビルディング インフォメーション モデリングの略称で、コンピューター上に建物の3次元モデルを作成、閲覧、属性情報を追加ができる機能などが備わっています。簡単な例を挙げると、建設機材の搬入ルートや工程を3次元モデル上で検討、計画することができるソフトウェアです。
従来のCADソフトウェアが対応しているのは主に2次元モデルまでですので、BIMソフトウェアのほうが現場の監督業務を大きく効率化できる反面、ソフトウェアの導入にはメモリ容量が大きいハイスペックパソコンの新規導入が必要でした。
別領域の工事現場で業務に取り組む大手ゼネコンでは、すでにハイスペックパソコンの導入とBIMソフトウェアの導入、そして社員への浸透も完了している状態であり、かつ国土交通省でも「建築BIM加速化事業」を推進するほど業界ではスタンダード化しているため、プラント工事部でもBIMソフトウェアの導入は急務だったのです。
しかし、プラント工事部にはBIMソフトウェアを扱える人材がおらず、ソフトウェアの扱い方を一から教育するにはまとまった時間を確保できないという課題がありました。BIMソフトウェアとハイスペックパソコンの導入費用はそれぞれ非常に高額であるため、せっかく導入しても使われないという状態になることは、費用対効果の面でどうしても避けたかったのです。(糸数さま)
2. クラウドを選んだ理由
仮想デスクトップ「クラウドVDI」でBIMソフトウェアを使用するためにクラウド化
クラウド環境の必要性を感じた背景には、コストの問題があります。BIMソフトウェアは一般的には買い切り型で、ひとつのアカウントだけでも500,000〜1,000,000円ほどの導入コストが発生します。さらにBIMソフトウェアをインストールし、安定して利用するためにはハイスペックパソコンが必要不可欠なのですが、その導入コストも1,000,000円以上はかかってしまうのです。
BIMソフトウェアの導入には高額なコストが必要となるため、プラント工事部のすべての社員に行き渡らせることは現実的ではありません。さらに少数のBIMソフトウェアを導入したとしても、活用ができなければ費用対効果が悪化します。
こうした背景から、BIMソフトウェアは少数の導入に留め、クラウド環境で利用できる仮想のデスクトップ、クラウドVDIからBIMソフトウェアを複数人が使用できる仕組みを考えました。クラウドVDIを活用する仕組みによって、インターネット環境と一般的なスペックのパソコンさえあれば、クラウド経由でBIMソフトウェアを活用することができます。
クラウド環境にはその他にもメリットがあります。たとえば、3次元モデルといった非常に重いデータをわざわざパソコンに入れて運ぶ必要がなくなり、勤務場所を選ばなくなります。さらに万が一ハードウェアが故障しても、データはクラウド上に保管されているため、データの破損を防ぐことができ、BCP対策の面からも高評価です。(糸数さま)
3. AWSを選んだ理由
VPN接続が不要、かつ低コストを理由にAmazon WorkSpacesの導入を決定
当初はシステムインテグレーションを手掛ける他社のご提案を受けており、Amazon WorkSpacesとは別のVDIの導入を検討していました。しかし検討を進めていくにつれ、社内ではすでにAWSが導入されており、Amazon WorkSpacesのほうが親和性が高かったこと、別のVDIを弊社の環境で使用するにはVPN接続が不可欠だったことが判明しました。特にVPN接続には社内からのセキュリティチェックがかなり厳しく、実現には高いハードルがあったのです。
最終的にAmazon WorkSpacesの導入を決断したのは、NTT東日本さまから提案いただいた環境が希望通りであったことですが、構築費がとても安かったことも社内で構築を進める上で有効でした。システムインテグレーションを手掛ける他社から提案いただいた金額と比べると、かなり抑えることができたのです。導入後の運用に関しても従量課金制のため、あまり使用しない時期も安心できます。またフルで利用する場合は月額定額制を月ごとに変更することができます。
3Dスキャナーで読み取ったデータを保管するためのファイルサーバーも構築いただきました。これによって、とても重いデータでもインターネット環境さえあればどこでも扱えるようになります。(糸数さま)
4. NTT東日本を選んだ理由
丁寧で明快な説明と、クラウド環境の構築に真摯な取り組みを高く評価
弊社とすでにお付き合いがあった他社さまからご紹介いただく形でNTT東日本さまをご紹介いただき、クラウド導入・運用サービスについてご提案いただきました。ご提案で印象的だったのは、クラウドに関する専門用語がほとんど分からない私でも理解できるように丁寧で明快にご説明いただいたことです。
また、当初社内からは「実現が難しいかも……」と反発があったのですが、NTT東日本さまの担当者の方には社内のシステム部や既存の協力会社さまと根気強くコミュニケーションしていただき「どうすれば実現できるか」と真摯に取り組んでいただけたことも好印象でした。
2023年12月中旬に正式な契約を結ばせていただき、1月中旬にはもうクラウド環境を構築いただけていましたので、構築期間はとても短かったと思います。構築期間で特に私が対応した特別な業務はなく、安心してお任せできました。(糸数さま)
5. クラウド・AWS導入後の成果
たとえ通信環境の悪い工事現場でも、ハイスペック環境を持ち込むことができるように
今回の「クラウドVDI環境構築」の取り組みでは、BIMソフトウェアをインストールしたパソコンを工事現場に導入することでしか実現できなかったハイスペック環境を、クラウドVDIによって実現するという当初の目的を達成することができました。事業部全体で「BIMソフトウェアを導入すべき」という方針に合致した取り組みであり、今後さらなる展開が期待されます。
現在はまず、事業部でBIMソフトウェアを扱える人材を育成するため、オフィス内の2台のパソコンからクラウドVDIを利用し、BIMソフトウェアを操作、習熟訓練をしています。一定期間、教育環境として活用し、ネットワークに問題がないことを再確認してから現場への導入も検討したいですね。
また、どこからでもどんな端末からでもBIMソフトウェアを操作できる環境を整えたことで、ハイスペックな端末を運びにくい通信環境の悪い場所での工事作業の効率化が期待できます。たとえば、風力発電所の設備は市街地から離れた山中に建設されており、メンテナンス作業のためにはインターネット環境すらない過酷な環境で作業する必要があります。そこで衛星インターネットアクセスサービスによってインターネット環境を確保できれば、スペックがあまり高くないパソコンからでもBIMソフトウェアを操作し、効率的に作業を進めることができるかもしれません。(糸数さま)
6. クラウドを導入し、今後挑戦していきたいこと
部署の垣根を越え、コストやセキュリティといったハードルも越え、業務効率化に貢献したい
弊社には大きく機工部門と物流部門があるのですが、今後は、部門の垣根を越えたデータ一元化やクラウド活用が進んでいくのではないでしょうか。そのためにはコスト面やセキュリティ面、技術面など、さまざまなハードルが存在しますが、それらを一つひとつ乗り越えていきたいですね。
そのためにも、短期的には私たちが得たノウハウや実績を社内に発信していくことにも力をいれていきたいです。今回の「クラウドVDI環境構築」のような成功事例を社内報などの形で共有し、全社的な業務効率化に貢献できれば嬉しいです。(糸数さま)
7. これから取り組む方へのアドバイス
ソフトウェアの導入で終わらず、その後も活用できる環境を構築していくことが重要
BIMソフトウェアに限らず、ハイスペックなソフトウェアやハードウェアは導入だけでなく、その後の活用のハードルも高いと思います。高い費用を捻出してせっかく導入しても活用できなければ意味がないだけでなく、会社にとって大きな負担です。だからこそクラウド環境を活用することで、ハイスペック環境をどこでもどんな端末でも実現できる施策はとても有効だと思います。
弊社の場合、導入、運用の費用を大きく抑えることができ、導入後のトラブルの解決も安心してお任せできました。今回の私のように初めてクラウド環境の構築に取り組む担当者の方は、ぜひ一度NTT東日本さまのような専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
8. おわりに
導入を検討されている方は、NTT東日本へご相談ください
山九株式会社さまでは、主にプラント工事の現場でより手軽に3次元モデルを閲覧、編集できる作業環境を目指し、Amazon WorkSpacesを導入されました。
データサイズが大きく、ソフトウェアから要求されるパソコンのスペックが高いことからなかなか工事現場へのBIMソフトウェアの導入が進まないことに悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
NTT東日本なら、クラウド環境で利用できる仮想のデスクトップ、クラウドVDIの導入に関するご相談だけでなくそもそもクラウド化するべきかのご相談もお受けしています。クラウド環境の構築から保守・管理だけでなく、事業の課題にあわせたサービス導入まで対応できるため、お客さまに最適なサービスをワンストップでご提供することもできます。
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- 文中記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、すべて2024年10月時点(インタビュー時点)のものです。
- 事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。
- Amazon Web Services(AWS)、 Amazon WorkSpaces、Amazon EC2 は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
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