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  • 2023.6.02 (金)
    Posted by 北森 雅雄

電子署名の仕組みとは?タイムスタンプとの違いやPDFへの付与方法も解説!

「電子署名の仕組みとは?」

「タイムスタンプと電子署名は何が違うのか」

と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

電子署名は公開鍵暗号方式など3つの技術を利用して、電子文書の真正性を証明するために付与されます。一方でタイムスタンプは電子文書の存在証明をするために付与されますので、全く異なるものです。

当記事では、電子署名を付与する目的や仕組み、タイムスタンプとの違い、PDFに電子署名を付与する方法までご紹介します。

電子署名の仕組みやタイムスタンプとの違いがわかる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。

また、電子署名の基本を知りたい方は、こちらの記事を読む前に以下の記事もあわせてごらんください。

\あわせて読みたい/
電子署名とは何か 利用する際に知りたい法律などをわかりやすく解説!

.電子署名とは何か

電子署名は電子文書の真正性を証明するために付与されます。以下では、電子文書に電子署名を付与する必要性について順を追って解説します。

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電子文書を係争時の証拠として利用するためには真正性の証明が必要

文書を係争時の証拠として利用するためには、民事訴訟法228条1項にあるように真正性を証明する必要があります。

真正性とは、簡単にいうと”情報が本人の意思により表明された通り正確で、改ざんされていない状況”です。

この真正性に対して書面契約では押印することで証明していました。書面契約では本人の押印が付与されていれば、本人の意思によって押印され、真正に成立したと推定されているのです。

2
電子署名は真正性を証明する

では、電子文書ではどのように真正性を証明するかというと、電子署名を付与することで証明します。電子署名とは以下の2つの要件を満たした、電磁的な署名です。

  • ●本人の意思によって署名されたことが証明できること(本人性の証明)
  • ●署名後に改ざんされていないことが証明できること(非改ざん性の証明)

この電子署名が電子文書に付与されることで、真正性を証明できることが電子署名法3条に記載されています。したがって、電子文書を万が一の係争時に証拠として利用したい場合には電子署名の付与が推奨されているのです。

実際に電子署名付の契約書などが裁判時の証拠として利用されたケースもあるため、電子署名による真正性の確保は理論上も、実務上も可能であると判断してよいでしょう。

2.電子署名の仕組み

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電子署名法上で電子署名を実現するための技術的な要件は定められていません。これは、将来、より優れた技術が生まれた時に最新の技術で要件を満たせられるように配慮したものです。

とはいえ、現段階においては電子署名を実施する際によく利用される技術があります。現段階では以下の技術を利用して電子署名が付与される場合が多いようです。

  • ●公開鍵暗号
  • ●公開鍵暗号基盤(PKI)
  • ●ハッシュ関数


上述の技術を利用して、以下の流れで本人性と非改ざん性を証明する仕組みになっています。(簡略化して記載しています。)

  • 1,最初にやり取りをしたい電子文書のハッシュ値を取得します。ハッシュ値とは、ハッシュ関数を利用して取得されるランダムな文字列のことです。同じ 電子文書に対してハッシュ関数を利用すれば、同一のハッシュ値を取得できます。
  • 2,このハッシュ値に対して秘密鍵を利用して暗号化します。この秘密鍵で暗号化した電子文書は秘密鍵と対になった公開鍵のみで復号可能です。
  • 3,暗号化したハッシュ値と電子文書、電子証明書をセットで相手方に送付します。
  • 4,受領した電子証明書が適切な証明書である旨を認証局に問い合わせます。
  • 5,電子証明書が適切であると確認後、相手方は受領した暗号化されたハッシュ値に対して公開鍵を利用して復号します。復号したハッシュ値と受領した電子文書のハッシュ値を比較して同一であれば、改ざんされていないことを証明できるのです。


以上の流れにより、本人性と非改ざん性を証明しています。また、上記の3つの技術を利用して上記の流れで利用する電子署名を一般的にデジタル署名と呼ぶようです。

.タイムスタンプとは何か

電子署名とよく併用されるものとしてタイムスタンプがあります。タイムスタンプと電子署名は別物ですので、違いを理解しておきましょう。

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タイムスタンプは存在証明をする

電子署名を付与することで、「誰が」「何に」対して本人の意思によって署名し、署名後に改ざんされていないことを証明できます。しかし、「いつ」署名されたかを証明できません。

この時に利用されるのがタイムスタンプです。タイムスタンプを付与することで「いつ」署名されたか存在証明できます。したがって、電子署名と併用することで、「誰が」「何に」「いつ」署名したかの証明が可能になり、電子文書の完全性を証明できるのです。

2
タイムスタンプの使われ方

タイムスタンプと電子署名を併用することで、電子文書の完全性を証明できるだけでなく、以下の用途でタイムスタンプは利用されています。

使われ方①:電子署名の有効期限延長として利用される

電子署名は電子署名法施行規則6条で5年間の有効期限が定められています。

"四 電子証明書の有効期間は、五年を超えないものであること。"

出所:電子署名法6条

しかし、電子契約などの国税関係書類(電子取引の場合は国税関係書類以外の書類)は法人税法上で7年以上の保存が求められています。つまり、純粋に法人税法で求められる期間保存しようとすると、電子署名の有効期限が切れてしまうのです。

この点、電子署名とタイムスタンプを併用することで対応ができます。電子署名にタイムスタンプを併用することで電子署名の有効期限を延長できるのです。この手法を長期署名と呼んでいます。

長期署名を利用することで理論上は何年であっても電子署名の有効期限を延長できますので、電子署名の有効期限切れを心配する必要がなくなるのです。

使われ方②:電子帳簿保存法対応で利用される

タイムスタンプは電子帳簿保存法の真実性要件を満たすためにも利用される場合があります。電子帳簿保存法とは、電子的に帳簿や書類を保存してもよいと認めた法律です。保存対象の電子文書の特性によって、保存要件が異なります。

この異なる4つの要件のうち、電子契約など相手方と電子的に電子文書をやりとりする電子取引が満たすべき要件では、真実性の要件があります。この真実性の要件では、要件を満たす一つの方法として、タイムスタンプの付与があるのです。

また、電子帳簿保存法電子取引要件の真実性を満たす手段としてタイムスタンプの付与は最も確実、かつ、容易であるので、多くの企業で法対応の手段としてタイムスタンプが利用されています。

3
電子署名とタイムスタンプは併用がおすすめ

タイムスタンプは電子文書の完全性を高めるだけでなく、電子署名の有効期限の延長や電子帳簿保存法対応に利用できるなど、幅広く利用可能です。したがって、法的にタイムスタンプの付与は必須ではないものの、電子署名との併用をするとよいでしょう。

4.PDFに電子署名を付与する方法

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電子署名をPDFに付与する際、多くの場合で電子署名サービスが利用されます。しかし、電子署名の付与は必ずしも、専用の電子署名サービスを利用する必要はありません。

以下では、すでにお持ちである場合の多いツールを利用してPDFに電子署名を付与する方法を解説します。

4AdobeAcrobatReaderを利用して無料で電子署名を付与可

エクセルやワード、AdobeAcrobatReaderなど既にお持ちのツールで電子署名を無料で付与可能です。今回はAdobeAcrobatReaderを利用して電子署名を付与する方法を解説します。

5電子署名を付与する2ステップ

電子署名を付与するステップは以下の2段階です。

  • ●ステップ①:デジタルIDを発行する
  • ●ステップ②:電子署名を付与する

ステップ①:デジタルIDを発行する

まず、AdobeAcrobatReaderを開いてください。以下を順に実施します。

  • ●「編集」を押す。
  • ●「環境設定」が出力される。「分類」上の「署名」を押す。
  • ●「IDと信頼済み証明書」にある「詳細」を押す。

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「デジタルIDと信頼済み証明書の設定」が出力される。左上の「+」を押す。

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「デジタルIDを追加」が出力される。「今すぐデジタルIDを新規作成」を選択し、次へ。

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「新しい~」を選択し、次へ。

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「名前」、「電子メールアドレス」を入力し、次へ。

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デジタルIDを格納する先を「参照」を押して選択。その後、「パスワード」、「パスワードの確認」を入力し、「完了」を押す。

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「デジタルIDと信頼済み証明書の設定」を確認すると、デジタルIDが発行されたことが確認可能に。

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ステップ②:電子署名を付与する

AdobeAcrobatReaderを開き、以下を実施します。

  • ●「ツール」を押す。
  • ●「証明書」を押す。

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画面中央上にある「デジタル署名」を押す。すると、「Acrobatreader」が出力されるので、「OK」を押す。

自身で作成したデジタルIDを選択し、「続行」を押す。

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デジタルIDに設定したパスワードを入力する。すると、「署名」がアクティブになるので、押す。

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すると、見える状態で電子署名が付与される。最後にPDFに名前を付けて保存すれば、電子署名完了。

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6無料で電子署名を付与できるが業務利用には不向きな場合も・・

AdobeAcrobatReaderを利用してPDFに電子署名を付与する場合、上述の流れをとります。実際に上述の流れで電子署名を付与してみると、想定以上に操作が多く煩雑であると感じる方が多いようです。

エクセルやワードなどを利用して電子署名を付与する場合であってもAdobeAcrobatReaderを利用する方法と同様に操作は多いでしょう。

したがって、業務上で電子署名を付与する電子文書が多数ある場合には、電子署名ツールを利用して、容易に電子署名を付与することをおすすめしています。

電子署名ツールであれば、容易に電子署名が付与できるだけでなく、例えば以下のメリットがありますので、十分にコストパフォーマンスを得られるのです。

  • ●契約業務にかかるコストの75%カット
  • ●取引のリードタイムを即日に短縮
  • ●電子帳簿保存法などの法対応の容易化 など

したがって、契約業務の効率化までを見据えるのであれば、なおさら電子署名サービスの利用がおすすめです。

5.まとめ 電子署名の仕組みを理解しよう!

電子署名に求められる要件は大きく2つであり、本人性と非改ざん性です。

この2つの要件を満たす手段は法的に定義されていないものの、一般的には公開鍵暗号方式やハッシュ関数、公開鍵暗号基盤が利用される場合が大多数ですので、まずは、この3つの手段を利用した電子署名の仕組みを理解するとよいでしょう。

業務上、必ずしも電子署名の仕組みを理解する必要性はないかもしれませんが、電子署名の仕組みを理解して利用することで、電子署名による真正性の確保について納得感が増すはずです。

また、電子署名とタイムスタンプは似て非なるものですが、併用することで電子文書の完全性を高められるため併用がおすすめです。ぜひ電子署名サービスを選択する際にはタイムスタンプが利用可能なサービスを選ぶようにしてください。

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この記事を書いた人

NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄

NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。

2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。

2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。

北森雅雄 masao kitamori

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    当記事では電子署名を付与する必要性や付与する方法、付与するメリット・注意点を解説します。なぜ電子署名が求められるのか体系的に理解できる内容になっています。

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