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CTIとは?コールセンターの業務効率を高めるシステムの機能やメリットを徹底解説

CTIとはコンピューターシステムを用い、電話やFAXなどを連動させ、電話応対業務の高度化を実現する技術のことです。着信時における顧客情報の表示や通話録音、自動応答など多様な機能を利用でき、コールセンターやコンタクトセンターの業務効率を高めるために欠かせないツールだといえるでしょう。

本記事では、CTIシステムの仕組みや標準機能、主な種類、コールセンターやコンタクトセンターで導入するメリットなどをわかりやすく紹介します。

※本記事において、「固定電話」とはNTT東日本の電話サービス「加入電話」「INSネット」「ひかり電話」などを指します。

この記事でわかること

  1. CTIの仕組み、種類、導入メリット
  2. コールセンターの業務効率化を実現するCTIシステム
  3. 「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」+ 「カイクラ」について

CTIとは

CTI(Computer Telephony Integration)とは、コンピューターと電話を統合する技術のことです。

CTIシステムの導入によって、パソコンを使った電話応対が可能になります。電話応対を行うコールセンターや、電話・チャット・メールなど複数の問い合わせ手段への対応を行うコンタクトセンターなどで、CTIシステムが導入されるケースも多く見られます。

また、CTIシステムは、顧客管理システムなど他のITツールと連携が可能です。たとえば、別のITツールに情報が登録されている顧客から電話がかかってくると、パソコンの画面上に顧客情報がポップアップで自動的に表示されます。オペレーターは、顧客の所属や対応履歴といった詳細情報を迅速に確認できるため、相手を待たせることなく的確な顧客対応が可能になるでしょう。

加えて、SV(スーパーバイザー)と呼ばれるコールセンターやコンタクトセンターの監督者も、管理画面からリアルタイムで対応状況を確認することが可能になります。

昨今、CTIシステムのニーズは企業規模の大小を問わず高まっているといわれています。

その背景として、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、多くの企業が業務を在宅勤務へ移行せざるを得ない状況に直面した点が挙げられます。クラウド型のCTIシステムを活用すると、コールセンターやコンタクトセンター業務をオフィスに限定せずとも取り組めるようになるため、注目されるようになりました。

また、CRMなどのシステムと連携し、顧客情報を確認しながら電話応対をすることで顧客満足度の向上につなげることができ、同時にコールセンターやコンタクトセンターの業務効率化に貢献できる点も、CTIシステムへの注目が高まっている要因の一つだと考えられます。

CTIとPBX(構内交換機)の関係

CTIシステムの仕組みを理解するためには、PBX(構内交換機)との関係を把握することもポイントとなります。

PBXとは、「Private Branch Exchange」の略称で、複数の電話機をつなぐ(あるいは連携させる)ことで外線と内線の接続制御や、内線同士の接続制御を行う機器のことです。

通常、1つの電話番号を使える電話機は1台のみです。しかし、PBXを導入することで複数の電話機に着信を効率的に振り分けたり、内線を転送したりできるようになります。

従来のPBXでは、建物内に専用機器を設置する必要がありました。しかし、最近ではインターネット回線を利用した「IP-PBX」、クラウド上に交換機の機能を設置した「クラウドPBX」もよく利用されています。

なお、CTIの名称「Computer Telephony Integration」の最後の「Integration」は、日本語で「統合」という意味です。これは、CTIが複数のシステムをまとめて使えるようにする技術であることを表しています。前述のPBXは、CTIに統合されるシステムの一つに含まれ、CTIはPBXと他のシステムを連携させながら、コールセンターやコンタクトセンターに必要な複数のコミュニケーション機能を提供します。

続いて、コールセンターやコンタクトセンターでCTIシステムの導入時に連携されることの多い、その他のシステムについて紹介します。

CTIシステムと連携できるコールセンター・コンタクトセンター向けシステム

CTIシステムと連携可能な、コールセンター・コンタクトセンター向けシステムの例は以下のとおりです。

CTIシステムと連携できるシステムの例
CRM(顧客管理システム) 顧客との応対を管理・分析するシステム

<連携のメリット>

  • オペレーターが顧客情報を素早く確認でき、スムーズかつ的確な対応が可能になり、顧客満足度の向上が期待できる
  • 通話履歴を蓄積し分析できる
SFA(営業支援ツール) 営業活動全般に関するデータを管理・分析するシステム

<連携のメリット>

  • オペレーターが顧客との通話時に商談履歴を閲覧でき、効率的な電話応対が可能となる
チャットボット 顧客から寄せられる問い合わせにチャットで自動応答できるシステム

<連携のメリット>

  • チャットボットでの会話内容をオペレーターへ引き継げる
  • 24時間顧客対応が自動化され、省人化につながる

PBX(構内交換機)に加え、CRMやSFA、チャットボットなど、それぞれ独立して存在するシステムを統合し、コールセンターやコンタクトセンターの業務でまとめて効率的に利用できるようにするのがCTIの役割だといえます。

CTIシステムの標準機能

イメージ:CTIシステムの標準機能

ここからは、CTIシステムで利用できる標準的な機能について紹介します。

着信時のポップアップ

電話着信時に、顧客情報をパソコン画面にポップアップで自動表示する機能が挙げられます。

具体的には、着信電話番号をもとにCRMに蓄積された顧客情報が検索され、名前・住所・所属など情報の一部が現れる仕組みです。ポップアップをクリックすると、電話をかけてきた顧客に関する詳細画面が開きます。

電話応対前に誰からかかってきたかがわかるため、余裕を持って対応できる点がメリットだといえるでしょう。

メモ機能

メモ機能は、問い合わせ内容や発信時の内容を記録できる機能です。

メモに保存した内容は社内共有ができ、通話内容などを他の担当者に引き継ぐことができます。また、メモに残した内容はCTIシステムにキーワードを入力すると検索もできて、後ほど応対内容の確認を行いたい場合などに便利です。

通話録音

通話内容を録音し、テキストで保存できる機能もあります。

オペレーターによる記録ミスや聞き逃しがあった場合でも、録音内容を聞き返したりテキストを見返したりすることで「言った・言わない」のトラブルを避けられるでしょう。

また、近年、コールセンターやコンタクトセンターでは、オペレーターに対し過度な負担をかけようとするカスタマーハラスメントが増加している傾向にあります。カスタマーハラスメントに対しても、通話録音機能の活用でトラブルに備えて証拠を残すことが可能になります。

加えて、ベテランオペレーターの録音内容を教材としても活用でき、チーム全体で応対品質の向上を図ることにも役立つでしょう。

IVR(自動音声応答)

IVRは「Interactive Voice Response」の略称で、「自動音声応答」と訳されます。顧客から電話がかかってきたとき、オペレーターが対応する前に音声ガイダンスを流し、問い合わせ内容に応じて担当オペレーターへ振り分ける機能のことです。

たとえば、「新規ご契約については1を、登録変更手続きについては2を、その他のお問い合わせについては3を押してください」といった音声ガイダンスを自動で流すことが可能になります。

問い合わせの内容によっては、音声ガイダンスだけで顧客対応が完了する場合もあるため、オペレーターの大幅な業務負担軽減につながるでしょう。

ACD(着信呼自動分配装置)

ACDは「Automatic Call Distribution」の略称で、「着信呼自動分配装置」と呼ばれることもあります。ACDは、あらかじめ設定したルールに従って、オペレーターに着信を自動で振り分ける機能のことです。

振り分ける方法として、オペレーターのスキルや稼働状況、待機時間が長いオペレーターを優先するなどが挙げられます。ACDの活用により、業務負担が一部のオペレーターに偏らないよう配慮することが可能となります。

プレディクティブコール

プレディクティブコールは、架電リストに一斉発信して、つながった電話のみをオペレーターへ接続する機能です。

オートコール機能と同様、オペレーターが架電リストを見ながら1件ずつ手動で電話をかける手間を省ける点がメリットだといえます。

トークスクリプト共有

トークスクリプト共有とは、オペレーターが顧客対応中に、トークスクリプトやマニュアルなどを閲覧できるようにする機能のことです。

具体的には、顧客の反応に応じてトークスクリプトの項目をクリックしていくと、話すべき内容が次々と表示される機能などが挙げられます。

トークスクリプトを共有することで、応対品質の均一化をめざせる点がメリットだといえるでしょう。

モニタリング

モニタリングは、SV(スーパーバイザー)と呼ばれるコールセンターなどの監督者が、通話内容、着信件数や応答率、オペレーターの稼働状況などを管理できる機能のことです。

コールセンター全体の動きをリアルタイムで把握でき、監督者の介入が必要となるような重大なクレームなどのトラブルが起きた場合にもスムーズに対応できると期待できます。

CTIシステムの主な種類

CTIシステムは、通話の方向性によってインバウンド型とアウトバウンド型の2種類に主に分けられます。

また、提供形態によってもオンプレミス型とクラウド型の2つに分類可能です。

ここでは、それぞれの概要について説明します。

インバウンド型・アウトバウンド型

企業の営業活動において、「インバウンド」「アウトバウンド」という言葉はそれぞれ以下のような意味を持ちます。

  • インバウンド:顧客から自社に対するアプローチ
  • アウトバウンド:企業から顧客に対するアプローチ

上記2点を踏まえると、インバウンド型CTIシステムの利用は、顧客からの問い合わせ対応や注文受付など、電話の受付業務に向いているといえます。

一方のアウトバウンド型CTIシステムは、テレアポやセールスのように、コールセンターから顧客へ発信する業務が多い場合に向いています。

それぞれで使用する一般的な機能は以下のとおりです。

種類 機能の例
インバウンド型
  • ポップアップ機能
  • IVR機能
  • ACD機能 など
アウトバウンド型
  • オートコール機能
  • プレディクティブコール機能
  • トークスクリプト共有機能 など

オンプレミス型・クラウド型

CTIシステムには、オンプレミス型とクラウド型があります。

オンプレミス型とは社内に物理的なサーバーを設置して利用するシステムで、自社のシステムに合わせ機能や関連システムとの連携などのカスタマイズしやすくセキュリティ性が高い一方、導入・運用にノウハウやコストが必要となる側面が挙げられます。

一方、クラウド型とは、インターネットを介して提供されるCTIシステムです。比較的容易かつ低コストで導入できる一方、カスタマイズが難しく、自社のセキュリティポリシーなどを完全に適用させることが難しいケースもあるといえるでしょう。

  • 横にスクロールします
オンプレミス型 クラウド型
概要 自社専用の物理的なサーバーを利用する方法 クラウド上に存在するサーバーを利用する方法
メリット
  • カスタマイズの自由度が高い
  • 既存システムと連携しやすい
  • セキュリティレベルが高い
  • 比較的低コストで導入できる
  • 導入から運用開始までの期間が短い
  • インターネット接続環境があれば、リモートでもパソコンやスマートフォンで対応できる
デメリット
  • 導入コストがかかる
  • 運用時もノウハウが必要
  • システムのカスタマイズが難しい
  • 自社のポリシーに準じたセキュリティ対策を講じにくい

CTIシステムをコールセンター・コンタクトセンターに導入するメリット

CTIシステムをコールセンター・コンタクトセンターに導入するメリットを紹介します。

オペレーターの業務効率化につながる

CTIシステムを導入することで、オペレーターの業務効率化につながることが期待できます。

CRMとの連携で顧客情報が着信と同時に表示されたり、キーワードで応対履歴を検索できたりするなど、業務負担が軽減するでしょう。

また、発信業務においても、オートコールやプレディクティブコール機能の活用で、1件ずつ手動で架電する手間が省かれます。加えて、IVR機能の活用でオペレーターの稼働時間が抑えられ、人件費の低減も実現すると考えられます。

顧客情報を一元管理できる

CTIシステムによって、顧客情報を一元管理できる点もメリットの一つです。

近年、顧客接点が多様化し、電話だけでなくメールやチャットボットなども活用して連絡する企業も少なくないでしょう。さまざまなアプローチがとれる反面、会話の履歴が適切に管理されていなければ、どのようなやり取りがあったかがわからず、対応が遅れて顧客の不満につながる恐れもあります。

そこで、散逸していた顧客情報をCTIシステムに連携することで、一元管理が実現するでしょう。連絡手段や担当オペレーターが異なる場合でも、顧客ごとの対応状況を迅速に確認でき、顧客満足度アップにつながると期待できます。

クラウド型は柔軟な働き方が実現する

クラウド型のCTIシステムを導入することで、柔軟な働き方が実現すると考えられます。

クラウド型CTIシステムでは、インターネット接続環境が整っていれば、どこからでもコールセンター・コンタクトセンターとしての対応が可能になり、オペレーターの在宅勤務が実現するでしょう。

リモートワークでもACD機能を利用することで、オペレーターのスキルなどに応じて着信を振り分けることも可能になります。また、SV(スーパーバイザー)はモニタリング機能を活用して、遠隔でもオペレーターの稼働状況をリアルタイムでチェックできます。

コールセンター・コンタクトセンターのCTIシステムに「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」+「カイクラ」がおすすめ

コールセンターやコンタクトセンター向けのCTIシステムとして、「カイクラ」と「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」を組み合わせた活用方法がおすすめです。

それぞれの特長について紹介します。

「カイクラ」の特長

「カイクラ」は、顧客応対業務を一元管理できるクラウド型CTIシステムです。電話やSMS、メール、ビデオ通話など、複数のツールの管理が可能になります。

顧客情報の自動ポップアップや通話録音、対応履歴を残すメモなど、CTIシステムとしての基本的な機能はもちろん、音声認識AIが文字起こしを行うなど、便利な機能も搭載されている点が特長です。

AIが業界用語を学習するため、使えば使うほど文字起こしの精度は向上していきます。会話内容を自動要約し、感情の起伏を読み取って「喜び」「怒り」といったラベリングを行うなど、顧客情報管理・分析に役立つ機能も搭載されています。

「カイクラ」は、次に紹介する「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」と組み合わせることで、既存の固定電話の番号をそのまま利用できます。

関連リンク:「カイクラ」とは?料金や機能、便利な外部連携、使い方を徹底解説

「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」の特長

「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」は、Web会議アプリケーション「Webex」を利用した、会社の電話番号で発信・着信できるサービスです。

グループ着信や内線転送、保留、自動音声応答など、コールセンターやコンタクトセンターに必要な機能を備えています。また、直感的に操作できる管理画面で扱いやすい点も特長の一つです。

アプリケーションをインストールすることで、パソコンやスマートフォンなどの端末でコールセンターやコンタクトセンター業務を進められるようになるため、オペレーターの在宅勤務を実現する後押しになるでしょう。

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まとめ

本記事では、CTIシステムに関する基礎知識や活用メリットなどについて紹介しました。

コールセンター・コンタクトセンター向けのCTIシステムは、昨今のニーズの高まりから数多くの製品が存在しています。システムの導入・運用には少なからずコストがかかるため、自社に合った製品について十分に比較・検討するのがおすすめです。

本記事で紹介した「カイクラ」は、顧客とのコミュニケーションツールを一つにまとめられるだけでなく、AIを活用した機能や情報セキュリティ性にも優れており、コールセンター・コンタクトセンター業務の負担を低減します。

「カイクラ」と「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」を組み合わせて利用することで、パソコンやスマートフォンから会社の電話番号での発着信が可能になり、コールセンター・コンタクトセンター業務のリモートワーク化が実現すると期待できます。

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  • 「カイクラ」は株式会社シンカの商標登録です。
  • 「Webex by Cisco」、および「Webex」は、Cisco Systems,Inc.またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における商標登録または商標です。「Webex Calling」はCisco Systems, Inc.が提供するサービスの名称です。
  • 「Webex Calling」および「カイクラ」は、名称が変更される場合があります。最新情報は、各サービス事業者のホームページをご確認ください。

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