法人は有料のファイル転送サービスを使うべき?法人用サービスのメリットや選び方からおすすめのサービスを紹介
近年は、ファイルの共有とファイル管理ができるオンラインストレージが利用されるようになってきましたが、一時的なファイルの受け渡しにファイル転送サービスが使わているケースも見られます。ファイル転送サービスには無料と有料のものがありますが、どちらを選択すべきか迷っている担当者も多いのではないでしょうか。本コラムでは、法人が有料のファイル転送サービスを使うべき理由から、そのメリットやサービスの選び方、おすすめのサービスまでを紹介します。
企業が法人向けファイル転送サービスを使うべき理由
近年、ファイル転送サービスには無料のものも多く提供されています。
画像や動画など、比較的サイズの大きなデータのやり取りには、チャットやメールではなく転送サービスを使ったほうが便利です。そこで無料のファイル転送サービスを利用している人も少なくありません。個人で利用する場合、無料のファイル転送サービスは手軽でコストもかからないからです。
しかし、法人でビジネス用途として無料転送サービスを使うことは避けたほうがよいでしょう。その大きな理由は「セキュリティに対する懸念」が拭いきれないからです。もし、企業としてファイル転送サービスを利用するならば、有料のファイル転送サービスを検討すべきだといえます。なぜなら、有料のファイル転送サービスは、ビジネス用途を前提に設計・運用されているため、セキュリティや利便性においても安心して利用できるからです。
ただし、頻繁にやり取りするデータファイルについては、ファイル転送サービスよりもオンラインストレージの方が効率的です。更新頻度の多い、あるいはやり取りの回数が多い(一時的なやり取りではないファイル)については、オンラインストレージの利用をおすすめします。
個人向けファイル転送サービスとの違い
それでは、個人向けと法人向けのファイル転送サービスにどのような違いがあるのかをみていきましょう。基本的に、個人向けのファイル転送サービスには以下のような特徴や懸念点があります。
- 無料で使えるため手軽に導入できる
- ログインなどの面倒な手続きが必要ないサービスも多い
- セキュリティ面での懸念は拭いきれない
- ファイルがどのように扱われたのかといったログが確認できない
このように並べるとわかりやすいでしょう。利点は「無料」や「アカウント登録無し」という部分が挙げられますが、セキュリティ面などには大きな懸念があります。
一方、法人向けファイル転送サービスでは以下のようになります。
- ビジネス用途に必要なセキュリティへの配慮がある
- ファイルの操作ログが保管されるサービスも多い
- 権限設定などの細かいセキュリティをユーザーが設定できる
- サービス利用は有料である
提供されるサービスは業務利用を想定しているので、セキュリティ面は特に慎重に設計されているサービスが多いのです。また、有料であることは、一見コストへの懸念を連想させますが、裏を返せば有料サービスであるがゆえの責任をサービス側が承知しているということです。
個人向けファイル転送サービスについては「データ転送サービスとは?選定のポイントとおすすめサービス5選を紹介」で詳しく解説しています。また、その他ファイル共有の方法については「ファイル共有にはどんな方法がある?ビジネスで利用できるおすすめの方法をシーン別に紹介」のコラムで詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。
法人向けファイル転送サービスのメリット
それでは、あらためて法人向けファイル転送サービスのメリットをみていきましょう。ここでは主に、セキュリティに関する項目を確認します。
通信やデータの暗号化
ビジネス用途を前提としたサービスのため、通信やデータに暗号化技術が用いられているものが多いのもメリットの一つです。通信の暗号化と、転送されるファイルの暗号化により、たとえ第三者が通信やデータを傍受しても内容の解読を困難にします。
権限設定の柔軟性
権限設定ができることで、転送するファイルを扱えるユーザーを限定してやり取りが行えます。ユーザー自らが権限を設定できるセキュリティの柔軟性は、安心と信頼につながりますので、法人としても利用しやすいサービスだといえます。
多要素認証
ID/パスワードだけではなく、二要素認証を含めた多要素認証が利用できるサービスもあります。多要素認証が利用できれば、万が一ID/パスワードが漏えいした場合でも、アカウントの乗っ取りや不正ログインを防げるため、業務でも利用しやすいというメリットがあります。
ログの保存
ファイル操作に対するログが保存されていれば、特定のファイルが誰に、どのように扱われたのかを把握できます。万が一のトラブルがあってもログを追跡すれば原因を素早く分析でき、迅速な対処が可能になるため、セキュリティ対策の一環として有用です。
これら、法人向けファイル転送サービスのメリットは、ビジネス向けのオンラインストレージサービスでもカバーしています。上述したとおり、頻繁に更新して相手とやり取りをしなければならないデータファイルについては、オンラインストレージを利用して効率化することが大切です。
法人向けファイル転送サービスの選び方
それでは、法人向けのファイル転送サービスを選択する際の選び方とそのポイントをみていきましょう。
セキュリティ対策
やはり、法人が利用するファイル転送サービスの選定ポイントとして優先すべきはセキュリティ対策です。セキュリティに関しては、前述した「メリット」を念頭に、暗号化や二要素認証、ログの扱いなどをポイントに選定するとよいでしょう
データのバックアップ体制
データのバックアップ体制が整っていれば、データの消失を防げます。ですので、サーバーの多重化はもちろん、遠隔地にも分散して安全にデータがバックアップされる仕組みを持つサービスを選定するとよいでしょう。
わかりやすい操作
サービスの選定時には、操作がわかりやすいことも重要なポイントです。管理画面を含めたサービスの画面がわかりにくいと、サービス利用の定着化が難しくなります。
ヒューマンエラーをなくすといった目的においても、できるだけ普段利用するパソコンの操作性に近いものを選択したほうがよいでしょう。
一般的なファイル転送サービスはWebブラウザ上で操作するものがほとんどです。もし、パソコンのフォルダー操作に近いものを利用したい場合は、デスクトップUIが使えるオンラインストレージの選択も視野に入れましょう。
要件に見合った転送容量
ファイル転送サービスが必要な理由を明確化(どのようなファイルを転送したいのか)して、普段転送するファイル容量を把握しましょう。例えば、画像・映像データを頻繁に転送するならば、それに見合ったサイズを転送できるプランを選択しなければなりません。
料金
サービスを利用する際の最後のチェックポイントは料金です。各サービスには、月額・年額などの支払い方法が用意されています。それぞれの料金を参考にどのくらいのランニングコストがかかるのか、初期コストも含めて算出しておきましょう。
頻繁にファイルをやり取りする場合には、オンラインストレージの利用料金も比較対象にして、同じくらいのランニングコストであれば使い勝手の良いオンラインストレージを選択し、ファイル共有を効率化しましょう。
法人におすすめのファイル転送サービス
それでは最後に、法人利用におすすめのファイル転送サービスを紹介します。
クリプト便
クリプト便は、高セキュリティな法人向けファイル転送サービスです。機密情報などの取り扱いも想定されたセキュリティが施されており、リスクマネジメントなどのコンサルティングサービスも提供されています。
提供事業者 | NRIセキュアテクノロジーズ株式会社 |
---|---|
主な特徴 |
|
料金 |
※初月のみ初期費用が発生します。 |
最新の料金プランについては公式サイトをご確認ください。
EASY FILE EXPRESS
EASY FILE EXPRESSは、大容量転送とセキュリティ体制に優れたファイル転送サービスです。数百MBを一度に転送でき、SSL/TLSプロトコルで通信経路を暗号化、送信キャンセル機能なども備えています。
提供事業者 | トーテックアメニティ株式会社 |
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主な特徴 |
|
料金 |
|
料金についての詳細は公式サイトをご確認ください。
Bizストレージファイルシェア
Bizストレージファイルシェアは、法人向けのファイル転送サービスです。セキュリティや安定性が高く評価されています。また、共有フォルダー機能も備えているため、オンラインストレージサービスとしても利用できます。
提供事業者 | エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 |
---|---|
主な特徴 |
|
料金 |
※料金は、月額基本料金(税込)です。 |
最新の料金については公式サイトをご確認ください。
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まとめ
ファイル転送サービスには無料のサービスと有料のサービスがあります。コストをかけずにサービスを手軽に利用できる無料のサービスは魅力的ですが、法人としてはセキュリティ面などを考慮してファイルを扱うことが重要です。ですので、法人向けファイル転送サービスのメリットや選び方を意識して、安心して利用できるファイル転送サービスを検討しましょう。
また、ファイルのやり取りについてはファイル転送サービスだけではなく、クラウドストレージの利用も視野に入れておくとよいでしょう。クラウドストレージは一時的なファイルのやり取りだけではなく、大容量のデータをクラウド上に保存してファイル共有ができる他、アクセス権限の設定や共同編集を手間なく実現できます。クラウドストレージについては「クラウドストレージとは?企業でクラウドストレージを利用するメリットや選定ポイントを解説」で詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。
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