Let‛s study! 電話の仕組みを学ぼう♪

学び2

世界をつなぐ
通信網・海底ケーブル

海外旅行や語学留学、企業の海外進出など、昨今は海外とのやり取りが頻繁に行われるようになりました。
国内電話と同じ感覚で利用できる国際電話は、今や必要不可欠なインフラといえます。
ところで、この国際電話はどのようにして実現されているのでしょうか?今回は、日本と世界をつなぐ通信網についてご紹介します。

国際電話の「糸」はどこにある?

子供の頃、誰もが一度は糸電話で遊んだ記憶があると思います。紙コップと糸というシンプルな道具だけで、遠く離れた場所にいる人と通話できるのは、わくわくするような体験だったのではないでしょうか?
普段利用している一般加入電話サービスも、電話機という「紙コップ」で話した内容を、電話線という「糸」が伝えているという点においては、根本的な仕組みは糸電話と大差ありません。
一般加入電話サービスの電話線は、電話機から部屋にあるモジュラージャックを通って、家の外にある電信柱、そして地中ケーブルを経由して、電話局までつながっています。この電話局内にある電話交換機と相手の電話局内の電話交換機がやり取りすることで、相手の電話機まで「糸」がつながって、通話できるようになります。

イメージ:固定電話サービスと糸電話の仕組みは似ている!

さて、この仕組みを国際電話に当てはめて考えると、疑問が浮かびませんか?そうです。いたるところで電信柱を見かける国内と違って、日本を取り囲んでいる海に電信柱が立っているところを見たことがありませんね。日本からアメリカ、日本から中国、日本からオーストラリアなど、世界中の国々と国際電話ができることを考えると、海上にはたくさんの電信柱があってもおかしくありません。たまたま、電信柱が立っている海上を飛行機が飛んでいないだけでしょうか?船は電信柱を横切らないように航路を設定しているのでしょうか?一体、国際電話の「糸」はどこにあるのでしょうか?

海底ケーブルが支える国際電話

国際電話の「糸」は、海底にあります。「海底ケーブル」として敷設されているのです。そのため、飛行機からは見えませんし、船の航行にも影響を与えないのです。

さて、次なる疑問が浮かんできませんか?深い海の中へ、世界中をつなぐ海底ケーブルをどのように敷設するのでしょうか? 海底ケーブルは、「海底ケーブル敷設船」という専用船を利用して敷設されています。陸から伸びているケーブルを沖合でつないだあと、ケーブルを少しずつ海底にたらしていきます。

イメージ:海底ケーブル敷設方法

過酷な環境にある海底ケーブルには、メンテナンスが欠かせません。最深で約1万メートルある日本海溝でも、ケーブル自身の重さで切れてしまわないよう、海底にピッタリ沿うように敷設するので、最深部では1トン近い水圧がケーブルにかかっています。一方、浅いところでは船のいかりや網に引っかかったり、サメにかみつかれたり、海底ケーブルを取り巻く環境は非常に厳しいのです。

江戸時代に敷設された世界最初の海底ケーブル

最新の技術によって敷設されている印象の海底ケーブルですが、実は、世界で最初の海底ケーブルが敷設されたのは、なんと1851年のことです。グラハム・ベルが電話の特許を取得したのが1876年なので、この海底ケーブルは、電話用ではなく、モールス信号などの電信用でした。ただし、敷設そのものは成功したものの、1日で切れてしまうなど、苦労が絶えなかったようです。
ちなみに、1851年といえば、日本はまだ江戸時代で、ペリーの黒船来航がこの2年後の1853年ですから、当時の日本人には海底ケーブルなど理解しがたいことだったでしょう。
日本に最初の海底ケーブルが敷設されたのは、意外に早く、1871年で、デンマークによって長崎~上海間と上海~ウラジオストック間に敷設されました。

もう1つの「糸」、通信衛星

ここまで、国際電話をつなぐ「糸」として、海底ケーブルを紹介してきましたが、実は、「糸」はもう1つあります。海底とは反対の宇宙にあります。宇宙にある「通信衛星」がその「糸」です。通信衛星は、通信を目的に打ち上げられた人工衛星で、無線を利用して通信を行うため、「糸」は目に見えません。海底ケーブルと通信衛星はそれぞれに特長が異なるため、補完的に利用されています。
現在は、海底ケーブルも通信衛星も国際電話以外の幅広い用途で利用されるようになっています。インターネットをはじめとするデータ通信がその1つです。詳しくは第4回で紹介します。

今回のキーワード

海底ケーブル敷設船
「海底ケーブル」を接続して海底に敷設したり、修理したりするための船。
NTTグループでも海底ケーブル敷設船「すばる」を保有しており、日本と世界をつなぐ通信のために活躍している。

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