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一般社団法人とは?設立の流れやメリット・デメリット、一般企業との違い

2022.3.22

一般社団法人とは?設立の流れやメリット・デメリット、一般企業との違い

近年、グローバル化の加速に伴い、労働基準法や特定商取引法といった法人の運営や、事業に関する法律が改正されました。加えて、時代に即した法整備が重要視されており、業務の電子化やテレワークに関する改正が、都度行われています。

私達の身の回りには、株式会社や合同会社、NPO法人など、数多くの法人が存在しており、日常生活に影響を与えています。法人は法律で定義が厳密に定められており、運営形態や業種で区別されています。また、各法人によって、適用される法律や優遇措置が異なります。

今回の記事では、法人の中でも「一般社団法人」と呼ばれる非営利法人について、他の法人との差異やメリット・デメリット、設立手順などを解説します。

1.一般社団法人とは?

一般社団法人とは?

法人には種類があり、資金形態や法人の目的(事業)、責任の範囲によって大きく7つに分けられます。

  1. 株式会社
  2. 合同会社
  3. 合資会社
  4. 合名会社
  5. 一般社団法人
  6. 社会福祉法人
  7. NPO法人(特定非営利活動法人)

一般社団法人は、「平成18年法律第48号法律」を基に設立する社団法人です。一般社団法人は、設立に2名以上の社員が必要であり、「非営利法人」に属しています。

日本では、原則「準則主義」が適用されます。準則主義とは、「法律で定められた要件を備えた社団・財団が設立された際、許可や認可を待たずに法人格が認められる」というもので、一般社団法人ほか、多くの法人設立時に適応されるものです。よって「一般社団法人」は、登記(公証役場への必要書類の提出)を行えば、比較的簡単に設立できる法人となっています。

参考・出典:法務省

一般社団法人と公益財団法人との違い

公益財団法人とは、「公益事業」を主な目的(事業)としている一般社団法人です。公益事業は、認定法に定められた「23種類の指定公益事業」を指します。

一般社団法人が公益財団法人に認定されるには、行政庁の認定が必要です。法人税の優遇措置や寄付金優遇税制といったメリットがある一方、設立には時間や制約、認定が厳しいといったデメリットが存在します。

参考・出典:内閣府

一般社団法人と一般企業との違い

法人は、「営利法人」と「非営利法人」に分類できます。一般社団法人が属している「非営利法人」は、名前の通り「非営利性」を確保した業務を行う法人です。非営利性とは、「利益を出さない」あるいは「ボランティアである」といったイメージが先行しがちですが、正確には「余剰利益の分配をしない」ということです。

一般社団法人と一般企業(株式会社等の営利法人)では、一般企業の給与が高い傾向にありますが、事業規模や勤続年数による影響が大きいと推測されます。

一般社団法人の設立にあたって、事業の成功のカギとなるのは、「ICT(情報通信技術)の利用」です。現在、政府によって、官民一体のIoTやAIといった情報通信技術の普及が推し進められており、中でも「法人に対するDX化」が重要視されています。業務環境の構築に資金を割く余裕がない場合、業務のデジタル化やクラウドサービスの利用による「オフィスレス」が適切です。加えて、ICTは地理的制約が少なく、コロナ禍の影響を受けにくいという利点があります。

参考・出典:総務省

事業規模や業種によって、適切なICTサービスは異なります。法人の設立を考えており、ICTの導入を検討している方は、こちらの資料をサービス選定に役立てていただけると幸いです。

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2.一般社団法人を設立するメリット

一般社団法人を設立するメリット

一般社団法人の設立には、メリットが3つあります。

  1. 設立に複雑な手順を要さない、設立要件が少ない
  2. 事業展開に制約がない
  3. 国による優遇措置を受けられる

メリットには、申請費用の一部免除等の法人設立時に受けられる恩恵と、減税措置等の設立後の法人運営時に受けられる恩恵があります。設立後の追加申請などで、法人の種別が変更される場合、適用される優遇措置が変わります。

注意点としては、上記の内容で触れた様に、取り扱う事業に制限が掛かる「公益財団法人」や、設立に時間が掛かる「NPO法人」といった例外が存在することです。一般社団法人の中でも、自身の設立する法人がどういった分類に属するか、充分に注意する必要があります。

登記が簡単

法人の登記とは、「法人の名称や所在地、役員の氏名などを公示する」制度です。具体的な手続きは、登記申請書を、営業所の所在地を管轄する管轄登記所へ提出します。一般社団法人の場合、登記申請時に審査が無いほか、資本金制度ではなく「基金」制度が整備されているため、設立のハードルが低いという特徴があります。

一般社団法人の機関設計には、2名以上の社員によって構成される「社員総会」と業務執行を司る「理事」の構成が必須です。また、事業規模が大きい「大規模一般社団法人」の場合は、「会計監査人」の設置が義務付けられています。

参考・出典:法務省

事業内容に制約がない

前述の通り、NPO法人の事業は23種類の特定の公益事業に制限されていますが、一般社団法人には、事業に制限が無く、行政への報告義務がありません。

税制が優遇される

一般社団法人の税制は、「非営利」であるか否かの2種類に分けられます。「非営利」と認定される代表的な要件は以下の通りです。

  1. 余剰金の分配を行わない
  2. 収益事業を主に行っていない
  3. 解散時、残余財産を国や地方公共団体などに贈与する
  4. 理事の公平性が保たれている(親族が理事を勤めていないなど)

普通法人の場合、全事業が課税対象となりますが、非営利である場合、収益事業以外で生まれた利益は課税対象になりません。加えて、公益法人の場合は、公益事業は非課税となっています。福祉や教育、環境保全や芸術といった業種であれば、法人税の優遇措置が設けられていますので、法人設立前の事業計画の吟味が大切です。

参考・出典:国税庁

3.一般社団法人を設立するデメリット

一般社団法人を設立するデメリット

一般社団法人を設立する際、注意点が3つあります。

  1. 社員総会の開催義務
  2. 複雑な会計処理
  3. 保険加入義務
一般社団法人は、設立が容易であったり、減税措置があるなどのメリットが存在する反面、厳格な法人運営が求められます。加えて、株式会社と比べると社会的な信用度が低く、BtoC領域ではデメリットがあります。

社員総会を開催しないといけない

一般社団法人の機関設計上、社員総会の定期開催が義務付けられています。社員総会には、事業年度終了後に開催される「定時社員総会」と必要に応じて開催される「臨時社員総会」があります。社員総会では、一般社団法人に関するあらゆる事項(運営、管理など)を決議します。加えて、議事録作成や計算書類(バランスシート、P/Lなど)の公告、役員の再任を行います。

会計処理が面倒

一般社団法人は、事業内容によって「会計基準」が異なります。税制の優遇措置を受けるために、事業に掛かった費用が営利事業であるのか、非営利事業であるか、類別しなければいけません。また、複数種類の税制適用があるため、普通法人に比べて、会計処理が複雑になります。

社会保険への加入が必要

営利・非営利に関わらず、法人には、社会保険(厚生年金、健康保険)加入の義務があります。

  1. 法人代表者・役員
  2. 正社員
  3. 一部のアルバイト

上記の3つに当てはまる方であれば、必ず加入しなければならず、法人の負担で保険料を払う必要があります。もし、法人側が加入手続きを怠り、従業員が被害を被った場合、最大2年間遡って労災保険料や追徴金が徴収されます。

4.一般社団法人の設立方法

一般社団法人の設立方法

法人の設立手順は、主に「機関設計」と、定款と呼ばれる「会社における法律の制定」に分かれています。具体的な設立順序は以下の通りです。

  1. 定款を作成する
  2. 公証による認証を受ける
  3. 理事を選任する
  4. 設立手続きの調査をする
  5. 登記申請を行う

公的機関へ提出する「定款」に記載しなければならない内容は以下の通りです。

  1. 目的(事業)
  2. 名称(一般社団法人という文言が必要)
  3. 所在地
  4. 設立時の社員氏名
  5. 社員資格に関する取決め
  6. 公告方法
  7. 事業年度

上記は「絶対的記載事項」と呼ばれるものです。加えて、記載することで効力を生む「相対的記載事項」や自由に記載できる「任意的記載事項」があります。基本的には、雛形が用意されているほか、専門家が代理で定款を作成するサービス等が提供されています。必要に応じて利用する事をおすすめします。

定款を作成した後、公証役場にて公証人の認証が必要です。審査には約5万円の手数料が発生します。また、法人印(実印)が必要となりますので、事前に作成する必要があります。従業員を雇用する際は、年金事務所での手続きが必要であったりと、細かな申請・手続きが数多く存在します。

法人設立から実務を開始するまでに、数多くのステップが存在します。行政書士や司法書士といった専門家による代行サービスや、一般社団法人の公式ポータルサイトなどを利用する事が、不備なく法人設立するために大切です。

これから開業するならIT環境の整備が大切

また、一般社団法人などの設立・開業をした後は、オフィス環境の整備について考える必要があります。また、これから実際に開業するのであれば、ニューノーマル時代の開業には、IT環境の整備が重要です。以下では、開業後のオフィスの環境整備で揃えたいものを紹介します。

■インターネット回線

多くの仕事においてインターネット利用環境が必須です。光回線なら、複数人と通信帯域を共有することができるのでおすすめです。利用環境に応じて必要な回線数を用意しましょう。

■ひかりクラウドPBX

「ひかりクラウドPBX」は、テレワーク用のビジネスフォンを導入する際に便利です。「ひかりクラウドPBX」は社内外での通話機能を、クラウド上のサーバーから提供できます。また、専用のアプリケーションを使うことで、スマートフォンの内線化や、外出先からオフィスの電話番号での発着信が可能です。
※外線通話を利用される場合には、ひかり電話オフィスA(エース)またはひかり電話オフィスタイプの契約が必要です。

「ひかりクラウドPBX」の詳細はこちら

■コワークストレージ

インターネット上で、社内でデータやファイルを共有する際にはクラウドストレージが便利です。NTT東日本の「コワークストレージ」は、デスクトップ・ブラウザ・モバイルなど、使い慣れた端末から自然に操作ができます。また、データやファイルは強固な情報セキュリティ対策のもと、国内で保管されているので安心して使えます。

「コワークストレージ」の詳細はこちら

■ギガらくVPN

「ギガらくVPN」を導入することで、ネットワークの管理や設定をサポートしてくれます。サポートセンターが遠隔地からルーターの設定を行うので、ネットワークの管理や構築が簡単にできます。また、トラブルが起こったとしても、サポートが付いているため安心です。

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5.まとめ

まとめ

今回の記事では、一般社団法人と他の法人について、特徴や比較を交えて紹介しました。「非営利性」の有無によって、大きく法人の性格が変わることや設立難易度や取り扱う事業の幅についてご理解いただけたと思います。

加えて、一般社団法人設立のメリット・デメリットについてまとめました。社員総会の開催や複雑な会計処理といったデメリットの本質は「正常な法人運営の実現」から生まれるものです。税制の優遇措置や自由な事業展開などのメリットと切り離せるものではありません。

また、一般社団法人の具体的な設立手順も解説しました。大切なことは、煩雑な手順一つひとつに意味があり、小さな不備が重大な過失を招くということです。適宜、専門家のサポートを受けることが重要です。

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