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  • 2024.3.13 (水)
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雷のエネルギーはどれくらい?活用する技術についても紹介!

近年では、電気代高騰やエネルギー不足が問題視されているなか、日常生活の中で膨大なエネルギーを持つものがあります。
それは「雷」で、大きな被害が発生することからも、凄まじい威力とエネルギーがあることが分かります。
では、この雷のエネルギーはどれくらいなのでしょうか。
そこで今回は、雷のエネルギーについて解説します。雷を活用する技術についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。


<目次>
1:雷のエネルギーはどれくらい?
2:雷が発生する仕組み
3:雷のエネルギーは活用できる?
4:まとめ

1:雷のエネルギーはどれくらい?

雷に含まれるエネルギー量は1回の落雷で15億J(ジュール)と推定されています。
また、電気であるためW(ワット)数に直すと、約400kWhになるので家庭用電力量の2ヶ月分ほどとなります。
電流の大きさは平均は30kA、電圧は1億Vという凄まじく大きなエネルギーを持っています。
もちろん雷の種類や規模によっても変わりますが、いずれにしても大きなエネルギーを持っていることが分かるでしょう。
家庭用の電力に応用できれば、6回の雷で1年間の電力を賄えます。
2022年に最も落雷が発生したのは新潟県で128日、次いで沖縄県が120日、北海道が119日となっています。
つまり、年間の1/3、3日に1回は落雷が発生している計算であり、1日に雷が複数回落ちることを考えると、非常に多いことが分かるでしょう。


熱エネルギーも大きい
雷自体が持つエネルギー量は膨大ですが、落雷する際にそのエネルギーの一部が熱エネルギーに変換されます。
これは、雷が空気中を伝って地面に落ちるまでに、触れた空気が雷が持つ熱によって熱くなるためです。
この雷が空気を通るときに、周囲の空気を一瞬で約30,000℃まで上昇させるといわれています。
しかし、雷は一瞬で地面にまで到達し、空気中に留まるわけではないため、温度上昇は瞬間的なものであり、ある程度離れていれば熱による影響は受けにくいといえるでしょう。

2:雷が発生する仕組み

ここまでのように雷は非常に大きなエネルギーですが、その正体は非常にシンプルで身近に発生する静電気と同じです。
つまり、雷は摩擦によって生じる静電気の集合体なのです。
ただし、発生する場所が上空の雲の内部であり、身近なところで発生する静電気と比較すると規模は段違いです。
そのため、雲の内部で発生した大量の静電気により、保有するエネルギー量も膨大になるのです。
ここからは、雷が発生する仕組みを紹介します。


湿った空気が上空に行き雲ができる
雷は雲の中で発生するものです。
まず、太陽が海や地面の水を温めると、水が蒸発して水蒸気になります。
その水蒸気は空気中のちりと混ざり、上昇気流により上空にのぼっていきます。
この上昇気流とは、地上にある空気が何らかの原因によって上昇することを指します。
上空は地表付近よりも温度が低いため、ちりに水蒸気がつき、水や氷の粒ができます。
この小さな水や氷の粒がたくさん集まり、雲が発生するのです。
つまり、普段から見ている空に浮かぶ雲は、水や氷の塊なのです。


雲の中で氷の粒が多く発生する
雲がさらに上昇すると温度がどんどん低くなり、周囲の温度が氷点下に達することもあります。
そのため、雲の中の氷の粒もどんどん大きくなっていきます。
氷の粒がある程度大きくなると、上昇気流よりも重力のはたらきを強く受けるようになります。
つまり、大きくなった氷の粒は、自身の重さのために浮いていることができなくなって下降するのです。
このようにして雲から離れると雨や雪となるのです。


氷の粒がぶつかり合い電気が発生する
雲が大きくその内部で下降する氷の粒同士がこすれ合うことで、静電気が発生します。
このとき小さな粒は正の電荷(+)、大きな粒は負の電荷(-)を帯びます。
そして大きな粒の方は重たいため、雲の下の方へ移動し、小さな粒は上昇気流によって上へ移動していきます。
そうすると、雲の下の方では負の電荷(-)が、雲の上の方では正の電荷(+)がたまっていきます。
これは文房具の下敷きを擦り合わせて発生する静電気と同じ仕組みです。
これを雲の成長と一緒に繰り返すことにより、発生する静電気の量が非常に大きくなります。
また、雲の底に集まった負の電荷(-)によって、地面は正の電荷(+)を帯びるようになります。


雷が落ちる
雲にたくさんの電気がたまっていき、最終的に、雲は溜められなくなった電気を地面に向けて逃がそうとします。
このとき、雲の下部の負電荷(-)が地面の正電荷(+)に放電を行います。
この現象こそが「落雷」です。
一方で、地面ではなく雲の上部の正電荷(+)に向けて電気を放つことを「雲放電」といいます。
1回の雷が持つ電気のエネルギーは莫大で、電圧にすると約1億ボルトといわれています。
私たちが家庭で使う電気の電圧は約100ボルトですので、この100万倍に相当します。
落雷によって大きな被害が発生するのもうなずけるほどの膨大なエネルギーといえるでしょう。

3:雷のエネルギーは活用できる?

先程の通り、日本は比較的落雷が発生しやすい地域であるため、その膨大なエネルギーを有効活用することにより、国内のエネルギー問題を解決する糸口になるでしょう。
しかし、結論から言えば、「雷エネルギーの有効活用は可能だが、現実的ではない」というのが現時点での答えです。
まず、雷は膨大なエネルギーと熱を持っているため、そのエネルギーを受け止める設備を構築するのは大変でしょう。
実際に、そのような施設を作る費用も膨大になります。
さらに、雷はどこに落ちるかを予測できません。
つまり、雷を受け止める設備を作ったとしても、落雷位置を正確に把握し、その位置に施設を持っていかなければなりません。
膨大なエネルギーを受け止められるほどの大規模な施設を移動させるのは困難でしょう。
また、雷が発生しやすい広い範囲に設備を作ろうとしても、土地と費用がかかります。


雷と農業の関係
実は雷はエネルギーを多く保有しているだけでなく、土壌に窒素をもたらす存在として古来から重宝されていた存在でもあります。
空気中にある窒素はそのままでは土壌に還元されて活用することはできません。
窒素を土壌に固定できる植物がいますが、それ以外にも落雷により土壌へ窒素が多く供給されることが分かっています。
植物に必要な肥料をNPKといい、それぞれ窒素・リン・カリウムです。
その中で窒素は、植物が生成するアミノ酸のもとであり、成長に伴うさまざまな反応で使う酵素たんぱく質を作るために使われます。
つまり、窒素が豊富な土壌であれば、植物が成長しやすくなるのです。
このことから、雷が発生した地域の米の収量が多かったことから、「稲」に豊作をもたらす伴侶のような存在として「稲妻」と呼ばれるようになったといわれています。


将来的に活用したいエネルギー源である
現在、NTTが主導の研究の中に、「雷をコントロールしてエネルギーを蓄える技術」があります。
先程の通り、雷の有効活用は難しい問題ですが、将来性は高く期待されているエネルギー源でもあります。
現在研究が進んでいる誘雷・雷充電技術は、耐雷撃性能を具備したドローン等のUAV(Unmanned Aerial Vehicle : 無人飛行機)を高高度で雷雲の近くに飛行させ、雷撃を受けることで、落雷による設備や人への被害を防ぐ技術です。
さらに、電流を導線経由で地上に送り、そのエネルギーを圧縮空気や他の充電方式により抽出・保存します。
この研究の末に、世界中で絶えず発生している雷撃による被害を無くし、最終的には雷雲エネルギーを吸収し、対地雷自体をなくすことをめざしていきます。
2023年は世界各地で山火事の被害が非常に大きくなりました。
原因は空気の乾燥ですが、火元の一つに雷が挙げられています。
雷が木に落ちる際、膨大な熱エネルギーが木に伝わるため発火し、空気が乾燥していることで抵抗がなくなるため燃え広がってしまうのです。
このように山火事と雷が発生しやすいエリアに、このドローンを活用できれば山火事も防ぎやすくなるでしょう。

4:まとめ

この記事では、雷のエネルギーについて解説しました。雷は非常に大きなエネルギーを保有しているため、有効活用できればさまざまな問題を解決できるでしょう。
しかし、その膨大なエネルギーがある故に活用が難しいです。
しかし、現在では活用する技術の開発が進んでいるため、近い将来実用化されるかもしれません。
まずは、雷がどのような存在なのかを押さえると良いでしょう。

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