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法人税とは?種類や法人税率、節税・納付方法を解説!

2022.3.22

法人税とは?種類や法人税率、節税・納付方法を解説!

法人税は、法人の所得に対してかかる税金のことを指します。直接税での支払いとなっていて、課税所得と法人税率をもとに、法人税を算出します。

法人税にはさまざまな種類があり、法人税の仕組みを理解することが節税や事業の健全化につながります。今回の記事では、法人税の種類や特徴、法人税の計算方法や節税対策について説明します。効率的な事業運営へ活かしてください。

1.法人税とは

法人税とは

法人税とは、法人の利益に課される税金のことを指します。法人が支払う税金には、後述する法人税の他に、固定資産税や印紙税、消費税などがあります。また、法人税と類似する税金として、所得税がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。

  1. 法人税の特徴
  2. 所得税との違い

これから詳しく説明します。

法人税の特徴

法人税は、黒字の所得に対する税金であること、支払い方法が直接税であることが特徴として挙げられます。黒字の所得に対してかかる税金には、法人税の他に事業税と住民税があります。また、税金を納める人と負担する人が同じ場合を直接税と言います。税金の支払い方法には、直接税と間接税の2種類があり、事業税や固定資産税、所得税なども直接税に当てはまります。

一方、間接税は、税金を納める人と負担する人が異なる支払い方法を指します。消費税や印紙税、たばこ税などが間接税に当てはまります。店やネットショッピングで支払った税金は、支払い金額と一緒に受け取った店舗が、国や地方自治体へ代わりに納めてくれます。

所得税との違い

法人税と所得税の違いは、課税方法と誰の所得にかかる税金なのかという点です。法人の所得には法人税が、個人の所得には所得税がかかり、法人税の税率は法人の規模と種類によって異なります。法人税は、最大で23.20%の税率となるため、言い換えればどれだけ黒字となってもそれ以上の税率はかからないことになります。

一方、所得税は累進課税での税率方式をとっています。所得に税率がかかるため、利益が増えると税率も上がるシステムとなります。所得税の税率は計算が単純ですが、法人税の税率は事業税や住民税に対しても課税対象となるため、計算が複雑となります。

そのため、今後の会社運営において、デジタルツールの活用など、ICTをうまく導入できるかが成功の鍵となります。以下では、開業を考えている方におすすめのマニュアルがダウンロードできます。ぜひ参考にしてみてください。

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2.法人税の種類

法人税の種類

法人税には、3つの種類があります。

  1. 各事業年度の所得に対する法人税
  2. 各連結事業年度の所得に対する法人税
  3. 退職年金等積立金に対する法人税

それぞれについて一つひとつ詳しく説明します。

各事業年度の所得に対する法人税

各事業年度の所得に対する法人税は、事業年度ごとで法人の所得にかかる税金を指します。一般的に周知されている法人税は、この事業年度ごとの法人税が当てはまります。事業年度は会社法で1年以内と定められていますが、例外として1年半以内までは延長が可能となっています。そのため、それぞれの法人ごとで事業年度は異なります。

各連結事業年度の所得に対する法人税

連結事業であるグループ全体として支払う法人税を指します。親会社と子会社それぞれで法人税を支払うのではなく、グループ全体での所得合計に対して税率を算出します。また、連結事業年度ごとで法人税を支払う場合、前項の各事業年度での法人税の算出は不要となります。親会社が申告と納税を行い、子会社は税務署へ連結所得関連の書類を提出します。

退職年金等積立金に対する法人税

退職年金に関する業務を営む保険会社や信託会社などに対し適用される法人税です。保険会社や信託会社では、従業員の退職年金は払い込みを行った年度に計上します。一方、法人税の課税のタイミングは、従業員が退職後、退職年金を受け取った時期となります。

つまり、タイミングによっては会社側が計上した時期と課税時期が年度をまたぐ場合があります。別名特別法人税とも呼ばれ、退職年金として払い込みされる時期と課税される時期のずれに対して法人税がかかることとなります。

3.法人税の課税対象となる法人

法人税の課税対象となる法人

人税は、全ての法人が支払う税金というわけではありません。行った事業に対し、黒字の利益が出た法人が対象となります。そのため、公共・公益法人は非課税となります。課税対象となる法人は、普通法人と協同組合等に分かれます。それぞれに区分けされる法人について以下に表でまとめました。

普通法人

協同組合等

株式会社

生活協同組合

合資会社

農業協同組合

有限会社

労働者協同組合

相互会社

信用金庫

医療法人

漁業協同組合

労働組合

 

合名会社

 

日本銀行

 

管理組合

 

協同組合

 

普通法人は、全ての所得に対して課税対象となりますが、期末の資本金が1億円以下の場合、軽減税率が適用となります。一方で協同組合等は普通法人と比較すると、軽減税率が適用となり、税負担が軽減されます。

課税対象とならない法人

課税対象とならない法人は、大きく分けて3つ、公益法人等と公共法人、人格のない社団があります。それぞれに区分けされる法人について以下の表でまとめました。

公益法人等

公共法人

人格のない社団

財団法人

国立大学法人

同窓会

宗教法人

住宅整備公団

実行委員会

社団法人

日本放送協会

PTA

学校法人

地方公共団体

研究会

社会福祉法人

国民金融金庫

 

 

日本道路公団

 

公益法人等や公共法人、人格のない社団は、社会のために公益な事業を行っているとみなされ、基本的には非課税扱いとなります。しかし例外として、公共法人以外の法人に関しては、不動産や物品の販売などで収益が出た際は、法人税の課税対象となることが定められています。

4.法人税の計算方法

法人税の計算方法

法人税は、所得に応じて算出します。計算式を以下に示しました。

法人税=課税所得×法人税率-控除額

課税所得=益金-損金

法人税は、課税所得に対し法人税率を掛けて算出します。課税所得は益金から損金を引いた額となりますが、益金や損金という用語をあまり聞き慣れないという方がいるかもしれません。益金と損金は税法用語で、会計でいうところの収益と費用を意味します。必ずしも益金=収益、損金=費用ではありませんが、意味合いとしては同じです。

法人税率

法人税率は、国税庁により、法人の種類や所得金額で分けられています。区分ごとの法人税率について以下に表でまとめました。

区分

法人税率

普通法人

資本金1億円以下の法人など

年間800万円以下の部分

15%

年間800万円超えの部分

23.20%

上記以外

 

23.20%

公益法人等

公益法人等とみなされているもの

年間800万円以下の部分

15%

年間800万円超えの部分

23.20%

協同組合等

年間800万円以下の部分

15%

年間800万円超えの部分

19%

人格のない社団等

年間800万円以下の部分

15%

年間800万円超えの部分

23.20%

法人税率は、別名実効税率とも呼ばれ、法人税以外に事業税と住民税の所得に対する税率を合算しています。資本金1億円以下の法人の場合、法人税率が軽減される部分があったりと、法人の種類や所得金額によって節税につながる場合があります。

5.法人税の節税

法人税の節税

法人税は、所得税の累進課税とは異なり、一定の所得を超えると法人税率が上がります。この仕組みを理解した上で、いくつかのポイントをおさえた節税方法について説明します。

  1. 損金を増やす
  2. 益金を減らす
  3. 特別控除を活用する

それぞれについて詳しく説明します。

損金を増やす

所得を減らすために、損金を増やすことが節税につながります。損金として生命保険料を計上する、在庫を廃棄することで、赤字を繰り越すことができます。在庫を廃棄する際は、廃棄証明書が必要なため注意が必要です。また赤字の繰り越しには期限に制限があり、青色申告を行う必要もあります。節税を行うためには必要書類の準備に時間がかかるため、事前に準備をしておくことが大切です。

益金を減らす

益金を減らすことで、課税所得が少なくなり、結果として節税につながります。代表的な益金は売上です。売上そのものを減らすことを考えるのではなく、売上を計上する時期をずらすことで節税へとつなげます。具体的には、売上計上の基準を、商品を検収した時点で売上とする検収基準へ切り替えます。

検収基準にすることで、出荷や納品の時点で売上とする場合と比べ、売上計上の時期を後ろ倒しにできます。法人税の算出は事業年度ごとに行われます。そのため、翌年に売上計上の時期をずらせば、当年分の課税所得を減らすことができます。

特別控除を活用する

特別控除を活用することで、税金そのものを減額することができます。特別控除には、雇用促進税制と中小企業投資促進税制の2つがあります。以下に表でまとめました。

特別控除

適用内容

雇用促進税制

最大90万円/1人

中小企業投資促進税制

取得金額の30%を償却か7%の税額控除

地方創生の一環でもある雇用促進税制は、本社の機能拡充や移転を行う事業主が対象です。認定されると1人あたり最大で90万円の控除が受けられます。また、中小企業投資促進税制は、機械などの設備や投資にかかった費用を計上したり、税額控除を一定額受けたりできる制度です。個人事業主か、資本金3千万円以下の法人が対象となります。

6.法人税を納付する方法

法人税を納付する方法

法人税算出後は、決められた期間のうちに申告と納付を行う必要があります。一般的にイメージしやすい納付方法として現金がありますが、そのほかにもいくつかの納付方法があります。

  1. 現金で納付
  2. 電子納税
  3. クレジットカードで納付

これから一つひとつ詳しく説明します。

現金で納付

申告した内容に不備がなければ、管轄の税務署から納付書が送られてきます。現金納付の場合、最寄りのコンビニか金融機関、管轄の税務署での納付が可能です。コンビニでの支払いは、受付時間に制限がないことがメリットですが、一方で、30万円以下の納付に限られるため注意が必要です。

電子納税

電子納税は、オンラインを利用した納税方法になります。e-taxと呼ばれる、国税庁が運営するサイトを利用することで、オンライン上での手続きが可能となります。電子納税は、納税場所まで行く必要がなく、自宅や職場で気軽に納税できるというメリットがあります。しかし一方で、24時間いつでも納税ができるわけではなく受付時間が決まっています。納付時期や時間をしっかりと確認した上で利用するようにしましょう。

クレジットカードで納付

国税庁が指定する国税クレジットお支払いサイトを利用することで、クレジットカード決済での納付ができます。納付額に制限がなく、24時間いつでも納付できる点がメリットですが、手数料の追加支払いがあること、また領収書発行ができないというデメリットがあります。領収書が必要な場合は、金融機関などに足を運ぶ必要があるため注意が必要です。

7.ICTの活用で効率的な事業運営を

ICTの活用で効率的な事業運営を

法人税の特徴を理解し、適切なお金の使い方や効率的な経費削減を行うことが、節税だけでなく事業の健全化につながります。特に、テレワークや営業、集客活動においてデジタルツールを活用することが、事業成功の鍵への近道となるでしょう。ここでは、ICTを上手く活用したい方におすすめのマニュアルがダウンロードできるので、参考にしてみてください。

ニューノーマルな時代に合わせたICT整備に関してもっと詳しく知りたい方はこちら

8.まとめ

まとめ

法人税は、法人の所得にかかる税金を意味します。法人税とセットで所得税をイメージする方は多いでしょう。所得に対してかかる税金という意味では同じですが、所得税は法人ではなく個人事業主の所得に限定される税金となります。

また、所得税は累進課税による税率方式ですが、法人税は課税所得と法人税率を利用した計算式をもとに算出します。一定の所得を超えると法人税率も上がる仕組みとなっているため、法人税の特徴を理解した上で、効率的な節税対策を行うことが事業の効率化につながります。

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