スタートアップとは?特徴やベンチャー企業との違い、メリット・デメリットを紹介
2022.3.22
スタートアップは、革新的なビジネスモデルに基づき、短期間で急成長が期待できる企業です。破壊的なイノベーションを展開し、新しい価値観をもとに、広範囲の顧客に有意義となるサービスを生み出します。
また、スタートアップは裁量が大きくスピード感があるため、主体性を持って新しいことに取り組みたいと考えている人にはおすすめの環境です。今回の記事では、スタートアップの特徴やスタートアップに向いている人について説明します。
1.スタートアップとベンチャー企業の違い
スタートアップと聞くと、起業したばかりの会社というイメージを持つ方が多いかもしれません。また、ベンチャー企業とは何が違うのか、明確には分からないという方も多いでしょう。
- スタートアップとは?
- ベンチャー企業とは?
ここでは、それぞれの特徴や定義について、一つひとつ詳しく説明します。
スタートアップとは?
スタートアップとは、短期間での急成長が期待できる企業のことを指します。言い換えれば、オリジナリティがあり、革新的な価値を創造できる企業と言えます。有名なスタートアップ企業はGoogle社やMeta社(旧Facebook社)などが挙げられます。起業したばかりの会社というイメージを持つ方がいるかもしれませんが、厳密には起業期間は特徴に含まないため、誤った解釈となります。
スタートアップの最大の特徴は急成長する期間が短期間であることです。革新的なビジネスモデルに基づき成長するため、スモールビジネスと比較すると一気に成長するという特徴があります。
ベンチャー企業とは?
ベンチャー企業とは、新規事業立ち上げ後、成長段階にいる企業のことを指します。スタートアップとの違いは、既存のビジネスを元に展開したり、課題解決へ中期的に取り組んだりする点です。あくまでもスモールビジネスの一環として、新規事業を展開していきます。
これからスタートアップの設立を考えているという方におすすめなのが、デジタルツールの活用です。ICTを効率的に活用することは、立ち上げ時期における成功のための基盤となります。ここでは、スタートアップに向けたおすすめのマニュアルがダウンロードできます。気になる方は参考にしてみてください。
ニューノーマルな開業に向けたお役立ち資料へのダウンロードはこちら
2.スタートアップの特徴
スタートアップを目指す場合、スタートアップの特徴を理解することが重要です。スタートアップの特徴5つについて以下にまとめました。
- イノベーション
- 拡張性
- 課題解決
- 短期間での急成長
- 出口戦略(M&A・IPO)
これから、一つひとつ詳しく説明します。
イノベーション
イノベーションとは、新たな技術や考えを創造し、価値を生み出していくことを指します。別名、技術革新とも言います。過去に例のない、またこれまでの常識を覆し、新しい価値を生み出すことで、新規ビジネスを作り出していきます。スタートアップが作るイノベーションは、新規ビジネスということから、目新しさが生まれるだけでなく、社会に対して新しい価値を提供できます。そのため、破壊型イノベーションとも呼ばれています。
拡張性
拡張性とは、ビジネスの拡大や顧客の変化に順応に適応する能力を指します。システム自体を新しく変えるのではなく、既存のシステムに追加していくことで、規模を拡大していきます。その結果、プロダクトが幅広い用途で適応でき、また活用できるようになれば、企業の大きな成長へとつながります。
課題解決
課題解決とは、顧客にとってプロダクトがある特定の課題や目標を達成するためにつながっていくことを指します。ここでポイントとなるのは、顧客が少人数ではなくあくまでも大多数であるということです。広範囲の顧客に対して課題解決へつながるということは、そのプロダクトが社会へ広く浸透していくことを意味します。そのため、広範囲の顧客への課題解決を見出すプロダクトとなることが、スタートアップの要となります。
短期間での急成長
株式での資金調達を行い、短期間での急成長を目指すスタートアップでは、Jカーブを描いた事業計画となります。Jカーブとは、事業開始直後から数年は赤字となりますが、その後短期間で黒字転換となり、赤字損失分を回収するという曲線を意味しています。
事業開始直後に赤字となるのは、新たなプロダクトの開発や課題解決に対する仮説検証に費用がかかるためです。そのため、赤字期間中に資金が底をついてしまうと、革新的な事業を行ったとしても、継続して事業を進められなくなります。資金が底をつく前に新たに資金調達を行う、もしくは広範囲での顧客獲得に努め、売り上げを確実に得る必要があります。
出口戦略(M&A・IPO)
出口戦略(M&A・IPO)とは、ビジネスをM&AもしくはIPOの方法で、他人へ渡すことを指します。スタートアップへの出資者は、他人へ売却することで出資金を回収でき、一般的なスタートアップの出口戦略では、M&Aによる株式売却もしくは、IPO(上場)での出口戦略を志向しています。
ベンチャー企業と比較すると、スタートアップの場合は短期間での利益の回収を目指す点に違いがあります。そのため、スタートアップが軌道に乗ったらすぐに売却し、利益を得るという手法を繰り返す起業家も存在します。
3.スタートアップのメリット
スタートアップには、イノベーションや拡張性などさまざまな特徴があります。一方で、スタートアップの特徴から見た際の、スタートアップで働くメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
- 裁量が大きい
- スピード感がある
- 年齢・経歴に関係なく評価される
これから一つひとつ詳しく説明します。
裁量が大きい
スタートアップでは、従業員と上司や経営者との距離が近く、裁量が大きいというメリットがあります。そのため、従業員は経営者の指示に従うだけでなく、自身の考えを積極的に意見することができ、やりがいを持った仕事を行えます。また社員数が少ないため、一つの業務だけでなく、多方面の業務に携わることができ、将来のキャリア形成にも大きくつながります。
スピード感がある
スタートアップは、プロダクト開発を行う場合のメンバーの意思確認にかかる時間を短縮できます。これは、社員数が少ないことが関係しています。中小企業の場合、従業員数は20人以下と定められていますが、スタートアップは従業員数に決まりはありません。そのため、少人数でのスタートアップの場合、意思確認に時間を要する必要がないため、スピード感のあるプロダクト開発が行えます。
年齢・経歴に関係なく評価される
スタートアップでは、年齢・経歴に関係なく評価されるため、やりがいを持って仕事に取り組めます。自身の行った結果がそのまま業績や評価として直結するため、実力を試したいと考えている方にはおすすめと言えるでしょう。
4.スタートアップのデメリット
やりがいがあり、上司や経営者とのコミュニケーションも取りやすいスタートアップですが、一方でデメリットもいくつかあります。メリットだけでなく、デメリットに関しても理解することで、自身がスタートアップに向いているのか判断できます。
- ハードワークになりがち
- 教育体制が不十分
- 福利厚生が整っていない
ここでは、それぞれのデメリットについて詳しく説明していきます。
ハードワークになりがち
スタートアップのデメリットは、ハードワークになりがちな点です。これは、一般企業と比較すると従業員数が少ないためです。人数が少ないために、任される仕事が多くなり、残業時間が増えてしまうなどオーバーワークとなってしまうことがあります。
先ほどのメリットの項目であげた、裁量が大きいことに対するデメリットと言えます。従業員の発言や権限が大きい分、その責任も伴うわけです。また、任される仕事内容も責任感がある内容が多いため、上手くいかないと周囲に迷惑をかけてしまうだけでなく、失敗したらどうしようとプレッシャーを感じやすくなります。教育体制が不十分
スタートアップは少人数で、かつ短期間での急成長を行う企業のため、ビジネスの戦略や方向性が変わりやすいという特徴があります。短期間で経営方針が何度も変更となるため、これまでやってきた仕事内容や環境が大幅に変わってしまうこともあります。そのため、環境の変化についていけない方や、臨機応変に立ち回ることに苦手意識が強い方にはデメリットとなります。
福利厚生が整っていない
Jカーブからも分かる通り、スタートアップでは、ビジネスを始めてすぐに利益が出るわけではありません。軌道に乗るまでは、固定費などに資金が必要となるため、福利厚生や給料が不十分な場合があります。そのため、起業後すぐに利益が出るわけではないということを理解しておくことが大切です。
5.スタートアップに向いている人
スタートアップに向いている人の特徴に関して以下にまとめました。
- 主体性があり、裁量を持って仕事をしたい人
- 変化を楽しめる人
- 新しいことに取り組みたい・起業を考えている人
これから一つひとつ詳しく説明します。
主体性があり、裁量を持って仕事をしたい人
スタートアップは少人数の従業員で仕事を行うため、主体性がある方にとってはやりやすい職場となります。また、裁量が大きく、責任のある仕事を若手のうちから任される場面が多いため、上司の指示を待ってから行動するのではなく、自身で考えて率先して動きたいタイプにはぴったりの環境と言えます。
一方で、少人数のため、教育制度やマニュアルが整っていないことが多く、自身で分からない点は勉強したり、上司に積極的に質問したりするなど主体性を持って動く必要があります。
変化を楽しめる人
スタートアップは、学ぶことへの好奇心・探究心があり、変化を楽しめる人に向いています。スタートアップは、既存のプロダクトをベースに事業を展開するのではありません。広範囲の顧客に満足してもらえるよう、誰も考えたことがないような、新しいプロダクトや未開拓の分野で事業展開していくことが主となります。
そのため、未知の分野に関する勉強をすることになったり、情報を集めたりする必要があります。そのような場面でも、臨機応変に変化を楽しめる人がスタートアップに向いていると言えるでしょう。
新しいことに取り組みたい・起業を考えている人
新しいことに取り組むことが好きな人や自身での起業の立ち上げを考えている人には、スタートアップの環境が向いています。短期間でビジネスモデルが展開されるため、さまざまなプロダクト開発に携われます。また、少人数の環境なため、経営者から直接指示を受けることがあります。経営者の経営に対する視点や考えについて実践的に学ぶことができるため、将来独立を考えている方には役立つ環境と言えるでしょう。
6.スタートアップに必要な環境整備
事業を効率良く行うためには、テレワークや営業、集客活動におけるデジタルツールの活用が成功への鍵となります。デジタルツールを活用することで、広範囲での顧客集客を短時間で効率的に行うことができます。
NTT東日本では、スタートアップの事業成長に役立つICTに関するお役立ち資料を配布しています。ぜひ参考にしてみてください。
ニューノーマルな時代に合わせたICT整備に関してもっと詳しく知りたい方はこちら
7.まとめ
スタートアップとは、短期間での急成長が期待できる企業のことを指し、革新的なビジネスモデルに基づき成長していきます。そのため、スモールビジネスであるベンチャー企業と比較すると、一気に成長するという特徴があります。
また、短期間で急成長を目指すスタートアップには、事業開始後から数年は赤字というJカーブを描く事業計画が特徴としてあります。そのため、効率的な資金調達と広範囲に渡る顧客の獲得が必要です。特に、集客活動や営業などでデジタルツールを活用すると、より効率化した資金調達や集客につながり、事業を継続して進められるようになるでしょう。