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事業計画書の作り方!記載項目や損益計算書の書き方など詳しく解説

2022.3.22

事業計画書の作り方!記載項目や損益計算書の書き方など詳しく解説

会社規模を大きくするためには多くの事業を立ち上げる必要があります。事業を軌道に乗せて拡大させる際に事業計画書の作成及びその実行が欠かせません。物事を円滑に進めるには、事前に計画を作りその通りに進めることが重要であることは、多くの方が納得するでしょう。また、事業を進めるのは自分一人だけではないので、多くの関係者の意思統一のためにも計画書作成は重要です。

しかし、いきなり事業計画書を作ることになり、何の戸惑いもなく作成できる方はそこまで多くないでしょう。どのように作れば良いか分からなかったり、計画書の書き方も分からないという方がほとんどでしょう。

今回の記事では、事業計画書の基本的な知識や考え方を中心に、作成する目的やメリット、注意点を分かりやすく解説します。

1.事業計画書とは?

事業計画書とは?

事業計画書とは、「今後の事業戦略や事業内容、見込収益額等を記載した書類」のことです。主に新規事業立ち上げ時やそれに伴う資金調達相談時に使用されます。事業計画書の内容を元に、「この事業は投資するだけの価値があるものなのか」という判断をされますので、非常に重要な書類です。

1つも指摘のない事業計画書はほぼありませんが、計画書を作成する段階で押さえておかなければならない部分が抜けていたり、精緻に作成されていなかったりすると、この事業は投資するべきではないと判断されてしまいます。熱意も重要ですが、あくまで計画書の内容を見て投資判断は行われるので、事業計画書は細部に渡って精緻に作成しましょう。

また、最近ではICTを活用した効率的な経営が重要になっており、ICTツールを活用できるかどうかが事業成功の鍵となっています。NTT東日本では、これから開業する方に向けてお役立ち資料を配布しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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2.事業計画書を作る目的とメリット

事業計画書を作る目的とメリット

事業計画書を作成する目的は「この事業を行うことでどのくらいの収益を生み出せるのか、そのためにはどのくらいの資金が必要なのか」を示すことです。

可視化・実現性の確認

事業を数字で示すことによる可視化や数字の実現性を考えることで、自身の頭の中を整理することが可能です。

「この事業を行えば必ず儲かるはず」と思った際に、具体的な数字に落とし込んで考えることでより具体的なイメージを持つことができます。「数字に落とし込んでみると思ったほど儲からない」という発見もあるかもしれません。そこで諦めずに修正を加えることも、別の事業を考えることも自由です。数字に落とし込んで可視化することで見えてくることは非常に多いでしょう。

また、落とし込んだ数字は実現可能なのかも検証しましょう。計画作成時には数字を大きく置いて魅力的な事業のように見せてしまいます。しかし、実現可能な数字で検証しなければ正確な判断ができません。実現可能な数字で示しつつ、拡張性のある事業であることを訴求することが計画書作成においては重要です。

資金調達がしやすくなる

事業計画書を作成することで、どのくらいの資金が必要なのかも見えてきます。あなたがお金を貸す側の立場になって考えてみてください。事業計画を具体的に示してもらわないと検討することができないでしょう。

事業計画書を使用して対外的及び対内的に資金の必要性を説明することで説得力が増します。時には計画書に対して批判的なコメントが来るかもしれません。しかし、そのコメントは「指摘部分を克服できれば資金提供ができる」と解釈することもできます。計画書を元に多くのディスカッションを行うことで資金調達の可能性が広がります。

銀行や投資家に資金調達の検討依頼をする際に、事業計画書の内容はとても重要です。彼らは、事業に対する熱意も評価してくれますが、それよりも計画書を見て、投資判断を行います。

本当に要求された資金が必要なのか、問題なく返済は行われるのか、万が一うまくいかなくなった際の対策はされているのか等、細かい部分まで目を通します。

3.事業計画書を作る際の注意点

事業計画書を作る際の注意点

説得力のある事業計画書を作成するためにはいくつか注意点があります。事業計画書作成のポイントはこの事業を行うことのメリットを他人に理解してもらうことです。そのために必要な注意点を説明していきます。

緻密に組み立てる・根拠のある数字を出す

事業計画書の数字を緻密に組み立てる理由は「一つひとつの数字に根拠を持たせ、論理的に説明する」ためです。

ただ数字を出すだけでは実現可能性がわからないため、説得力がありません。なぜその数字が大事なのかを判断できる根拠を示すことで、数字に根拠を持たせることができます。

例えば、売上を設定する際に、適当な数字を置くのではなく、市場規模や自社の立ち位置、価格設定や販売数の妥当性、値崩れや販売数減少等のリスクを考慮しているかなど、売上だけでも考えるべき項目は多数あります。

これらを地道に検証することで、緻密な事業計画を立てることができます。

競合を考慮する

事業を行う際は、市場における競合を必ず調査しましょう。どのような新規事業であっても競合が全くいないということはほとんどあり得ないと考えた方が良いでしょう。

また、市場調査を行う際には、競合の業績や市場シェア率、強みや弱みなどを調査しましょう。競合を詳しく知ることは、事業成功のポイントになりますし、事業計画書の評価においても好材料となります。

4.事業計画書の作り方

事業計画書の作り方

ここからは、事業計画書の具体的な作成ポイントについて触れていきます。あくまで一般的な内容として記載していますので、会社ごとに注目すべきポイントが変わる可能性があることは十分に考えられます。ここでは以下の6点について解説します。

  1. 創業者・メンバーの経歴、プロフィール
  2. 事業内容
  3. 自社の強み
  4. 市場分析・競合環境
  5. 損益計算書(売上計画・利益計画・資金調達計画)

創業者・メンバーの経歴、プロフィール

事業計画書作成に関わったメンバーの紹介をしましょう。メンバープロフィールを見て、事業に関する知見を持っているかどうかを判断することができます。

メンバー内に事業に関する知見を有する方が多ければ、それだけ事業成功に近づきます。また、まったく関係ない事業に携わった方がいると、違う角度から事業を見ることができ、既成概念に捉われない柔軟なアイデアが生まれるでしょう。

また、創業時は創業者のプロフィールも記載しましょう。事業に関するノウハウやスキル、経験があるのか、代表者としてこの事業にどれだけ思いがあるのかを記載すると良いです。

事業内容

事業内容の詳細を記載します。「誰に・何を・どのように提供するか」を中心に考えてみてください。これは、事業におけるターゲット層の選定とその層に向けたアプローチ方法を考える上で重要です。

ターゲット層の選定とアプローチ方法が間違っていると、そもそも事業として成り立ちません。特に、ターゲット層の選定はこの事業の市場規模を把握する上で非常に重要です。市場規模が小さいと事業拡大も限定的になってしまいます。

次に、なぜこの事業をやる必要があるのか、何を達成したいのかを明確に記載しましょう。その際に自社のミッションや強みなどを含めると説得力が増します。また、事業を行う上で、迷いが生じた際に立ち戻ることもできます。

自社の強み

SWOT分析(Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威))を実施した際に判明した自社の強みを記載します。自社のことを客観的に把握し、どのような点で優位性があるのかをしっかり説明しましょう。SWOT分析を精緻に行うことで事業の成功率は上がります。

また、強みだけではなく弱みも説明しましょう。どんな会社でも弱みはあります。弱みを記載する際は、改善策を含めて記載すると良いでしょう。弱みを克服し強みに変えることができれば、大きなアドバンテージとなります。弱みから目を背けず、解決手段を検討し、実行しましょう。

市場分析・競合環境

市場分析では、今回の事業における市場規模や競合の市場シェア率を記載します。市場規模によって取り組むべき事業かを考えることができます。規模が100億円と1,000億円では事業展開も変わりますし、取り組み方も変わります。さらに、今後も市場規模が拡大することを示すことができれば、取り組む意義も高まるでしょう。

競合の市場シェア率も把握しましょう。ある1社が独占しているのか、それとも複数社がシェアを奪い合っているのかで戦略が変わります。競合が手を出せていない部分に特化して市場開拓をしていくのか、競合より安価な価格設定にしてシェアを奪うのかなど、競合状況によって変化します。

競合は3〜5社程度分析し、それぞれの強みや弱みを記載しましょう。特定の項目に関する各社の対応を横並びにして比較することで、自社の戦略をどうすべきか議論がしやすくなるでしょう。

マーケティング戦略・販売戦略

自社製品やサービスをどのように展開するかを検討します。まずは競合他社の「商品・価格設定・流通・ブランド・PR戦略」を中心に調査し、成功部分と失敗部分を洗い出しましょう。成功部分は自社でも活用できるのか、活用できない場合の修正部分はどこかを考えることで他社との差別化につながります。

また、失敗部分についてもなぜ失敗しているのか仮説を立てて検証します。検証結果を踏まえ、自社で導入することで成功に導けるのかを考えることで、他社が取り組んでいない新たな戦略が生まれることがあります。

競合と同じ戦略を取っていては市場シェアを奪うことは難しいでしょう。競合の成功部分を参考にしつつ、競合とは違った戦略を立案できるかが事業戦略を考える上で重要です。

損益計算書(PL)

立派な事業計画書を作成できたとしても、業績が伴わなければ会社として事業を続けることはできません。売上と利益、必要資金の3つに分けて検討していきましょう。

損益計算書とは「その事業の利益がどのくらいなのかを示す書類」です。会社にとっては売上高を伸ばすこと以上に利益をどれだけ出せるかが重要となります。売上1億円で利益10万円の事業Aと売上1,000万円で利益100万円の事業Bでは、事業Bの方が上手くいっている事業と言えます。

時には、投資家や会社から売上を求められることがあるかもしれません。しかし、まずはどれだけ利益を生み出せるのかを念頭に損益計算書を作成しましょう。

■売上計画

商品やサービス単位まで細分化して売上計画を立てましょう。競合他社の状況やテストマーケティング等の結果を元に、販売個数の想定をします。ポイントは「決して過大評価した数字を採用しないこと」です。過大評価した数字は、事業失敗につながります。

また、過小評価した数字を採用することもあまり推奨しません。過小評価した数字でも事業として成り立つことを証明するのは重要ですが、根拠のある数字で語ることが事業成長へと導きます。

なお、売上計画を考えるにあたって、損益分岐点売上高を達成できる可能性を示すことも重要です。損益分岐点売上高とは黒字となる最低ラインのことです。損益分岐点売上高を達成することができれば、赤字になることはありません。

■利益計画

先ほど説明した通り、利益を出すことはとても重要な要素です。まずは「営業利益がどのくらい出せるのか」を検討してみましょう。営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益のことを指し、『売上高-売上原価-販管費』で計算できます。この計算式を見れば分かるように、営業利益を増やすには売上高を伸ばすか売上原価や販管費を減らすことがポイントです。

利益計画を過大評価することは絶対にやってはいけません。当初の計画では黒字推移する見込みだったものの、実際は赤字推移である場合、事業撤退になりやすいです。

そのため、根拠のある数字で説明するのと同時に、通常より売上原価や販管費を多く見積もっても利益を出せることが示せれば、それだけで信頼できる事業と言えるでしょう。

なお、これだけ利益が出せるなら問題ないという水準は一概にはありません。一つの基準として会社の営業利益率を上回ることができるかで判断してみると良いでしょう。

■資金調達計画

資金調達計画も非常に重要視されるポイントです。いくら利益が出ていても、資金が無くなった時点で事業は成り立たなくなります。利益が出ることと資金があることは同義ではありません。売上計画と利益計画を参考にして、預金の入出金状況と預金増減を把握しましょう。銀行などから資金調達をする際は、資金調達計画は欠かせません。

5.事業計画の達成にはオフィス環境の整備が鍵

事業計画の達成にはオフィス環境の整備が鍵

これまで解説してきたことを一つひとつ地道に対応するとなると、いくら時間があっても足りません。ICTを活用した効率的で生産的な事業運営が成長の鍵となります。

デジタルツールを活用することで、テレワークや営業、集客活動といった事業拡大に重要な業務を効率化することができます。興味のある方は、ニューノーマルな時代に合わせたICT整備の資料を参考にしてみてください。

ニューノーマルな時代に合わせたICT整備に関してもっと詳しく知りたい方はこちら

6.まとめ

まとめ

今回は事業計画書に関する基本知識を中心に、計画書の記載方法や注意すべき項目について解説しました。事業計画書通りに事業が成長することはほとんどありません。途中で軌道修正や大幅な方針転換などが発生することはよくあります。しかし、だからといって事業計画書を作成しなくても良いということではありません。

事業計画書通りに進めるためにはどうすれば良いのか、事業計画書から乖離している理由は何かを考えることで事業の成功率は高まります。

また、事業は組織で進めるものなので、計画書を作成することで方向性を示すことが可能です。組織内の意思統一を図るためにも、事業計画書は非常に有効です。今回の記事を参考にして、事業計画書作成にチャレンジしてみてください。
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